吉村昭のレビュー一覧

  • 海の史劇

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    ネタバレ

    面白かったです。 映画で203高地とか日本海海戦とか観ていますがこの本を読むと又印象が変わりました。 特に変わったところは①乃木大将の駄目さ。 自分や部下の士官を可愛がる?のか臆病なのか前線に出ていないから現状認識が出来ない結果有効な手を打てず兵力を無駄に消耗させてしまった。(戦死した兵隊さんは犬死と言わざるを得ない。)児玉源太郎が戦地に来てその光景を目の当たりにしたら激怒するのも無理はない。②ロシア海軍の航海能力の凄さ。日本海海戦であっけなく負けたように思ったいたが、遥々ロシアからアフリカ大陸を回って日本海まで航海したのは素晴らしい。今の時代では原子力を使えば燃料に不安はないがあの時代は食料

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    2022年12月26日
  • ポーツマスの旗

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    米村万里さんの書評がきっかけで読んでみた一冊。

    恥ずかしながら、小村寿太郎という名前もポーツマス条約という名詞も「教科書に載ってたなぁ」くらいの記憶しかなかったけれど、こんなにも熾烈な駆け引きがあったとことが授業で教えられていたら興味の持ち方が違ったと思いました。

    当時の外交、戦争、政治がどのようなものだったのか、垣間見ることができる良作。
    果たして現代日本の政治家に、これほどの熱量があるのだろうかと改めて疑問を抱いてみたりもしました。

    ポーツマス条約における小村氏の功績だけでなく、家庭人としてのダメっぷりも記されているのが本作の面白さ。
    決して教科書っぽくならず、小説として楽しめる理由

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    2022年09月04日
  • ふぉん・しいほるとの娘(上)

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    江戸末期に長崎の出島にやってきたドイツ人医師シーボルト。当時の鎖国政策を掻い潜るため、オランダ人と偽って入国活動する。医師として、日本の医術の発展に貢献する一方で、オランダからの指示で日本の国情、地理、経済などを報告するいわば産業スパイのような一面もあった。これが元で日本を追放になる。出島に出入りさせていた遊女を妊娠させ、女児をもうけるわけだが、本書は妻となった女性と、その娘の物語。当時、外国人の子を産んだ女性やハーフの女子がどんな目で見られていたかを想像するととても切ない。男尊女卑の時勢であったとはいえ、この二人の女性のたどった運命を読み進めると、男の身勝手な行動に憤りを感じる。いつの世も、

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    2022年08月30日
  • 大本営が震えた日

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    「吉村昭」が太平洋戦争開戦前夜を描いたドキュメント作品『大本営が震えた日』を読みました。

    『戦史の証言者たち』に続き「吉村昭」作品です。

    -----story-------------
    開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。
    太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容――。

    昭和16年12月1日午後5時すぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。
    機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着遭難した可能性が強い。
    もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大

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    2022年08月24日
  • 大本営が震えた日

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    ネタバレ

    昭和十六年十二月一日皇居内東一の間で開かれた御前会議において、十二月八日対英米蘭開戦の断を天皇が下してから戦端を開くに至るまでの一週間、陸海空軍第一線部隊の極秘行動のすべてを、事実に基づいて再現してみせた作品。

    8月は意識して先の大戦に関する書籍を手にしてきましたが、そんな私の開戦のイメージは真珠湾への奇襲攻撃。

    それはあくまでも日本が戦争を始めた瞬間であって、奇襲攻撃を仕掛けるにあたり作戦や準備も含め入念に計画され、準備を行なってきたという事実を改めて痛感させられました。

    ハルノートによって開戦一択となったようなイメージをぼんやりと持っていましたが、それはまさに最後通牒でしか無く、軍部

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    2022年08月20日
  • 遠い日の戦争

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    ネタバレ

    毎年、この時期には先の大戦に関する書籍を意識して手にするようにしていますが、そんな中で終戦記念日に読み終えた一冊です。

    今までは戦争中の悲惨な出来事を描いた作品を手にしてきましたが、本作は戦争終盤から始まり、主に描かれるのは戦後の戦争裁判。

    主人公の琢也はまさに終戦となったその日、B29に搭乗していたアメリカ兵(捕虜)を斬首により処刑した。

    本土決戦が現実味を帯びた戦争末期、本土に降り注ぐ爆弾、焼夷弾により国土は焼かれ、多くの人々が命を落とし、傷を負い、住むところも失った。

    まさに民間人を狙った無差別な空襲。

    実際にそれを行なっていたアメリカ兵に対し、敵討ちともいえる処刑は残念ながら

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    2022年08月15日
  • 関東大震災

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    焼死や溺死が非常に多い。木造密集の家屋が多く、多くの荷物を持った人が多かったのだろう。
    通信の途絶による流言や錯乱が最も恐ろしかった。朝鮮人や社会主義者の虐殺など目を背けたくなる事件の数々が記録されている。

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    2022年07月20日
  • 桜田門外ノ変(上)

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    桜田門外の変の指揮役 関鉄之助を主役にした歴史小説。登場人物が多すぎて混乱するが、井伊直弼暗殺への流れがリアルに描写されていて非常に面白かった。

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    2022年07月13日
  • 新装版 赤い人

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    舞台は明治初頭、ほぼ開拓の進んでいない北海道に送り込まれた囚人らが、あまりに過酷な環境で土地を開拓していく様子が、ひたすらリアルに残酷に記された一冊。
    当初は「赤い人」というタイトルから共産党員系の話かと思ったら、そんなことはなかった。

    とにかくこの本を読むと、西欧列強に追いつこうと奮起していた当時の日本が、いかに基本的人権に対する意識が薄かったかが伺える。
    特に鉱山に送られた囚人たちの末路が酷く、文字で目にするだけでも恐ろしい。
    明治中期〜後期にかけての大罪人の多くは北海道の監獄に送られているので、「あいつも北海道にいたのか!」という発見も楽しめた。

    内容の4割が脱走関連、3割が劣悪すぎ

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    2022年06月27日
  • 戦艦武蔵

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    白い航跡の吉村さんの著書。軍人の氏名・階級など無意味な記載も多いが、極秘建造された武蔵の難しい状況が上手に描写されている。第3、第4の巨大戦艦も造られ始めていたことを初めて知った。

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    2022年07月02日
  • 新装版 赤い人

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    北海道開拓の背景にこのような囚人の酷使があったことを初めて知った。

    とてつもなく厳しい北海道の環境の中、お互い信頼していない囚人と看守の関係性と監獄の生活が淡々と描かれている。

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    2022年06月25日
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一

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    沖縄戦の生々しい戦闘。
    生に向かう戦闘なのか、死への序章なのか、向かうべき先を見失う。

    吉村昭のノンフィクションはスゴイ。そう思わせてくれる作品ばかりだが、この作品もその一つ。
    戦争には、エゴや本能としての生、そして腐乱する死というものがある。
    極端過ぎれば例えノンフィクションと言えエグすぎて読めないとなる人もいる。
    この作品にも本当にあった火炎放射や戦車で馬乗りされるシーンもあるのだけど、その惨さは読んだ後になってありありとわかる…読んだ後だから読めてしまう、でも書いてあることは本当にスゴイ事実。

    沖縄戦がいかに酷かったかはしらない人はいないと思うけれど、少年が急拵えの兵隊にされ移ろい行

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    2022年06月16日
  • 海の祭礼

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    読みづらいが、読み応えあり。
    感情やセリフが少ない分、妙に心情が響く。
    歴史に埋もれて名も残らない方々にスポットを当て、調べ上げる作業は大変であろう。
    それを一冊の本としてまとめ上げられたからこそ、こうやって知ることができる。大変ありがたいことだ。

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    2022年06月05日
  • 暁の旅人

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    我々日本人が牛乳を飲むようになったのはこの方のお陰!
    「ふぁんしいほるとの娘」を読んだらコレも読んで欲しい。

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    2022年05月21日
  • 戦艦武蔵

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    表題どおり、第二次対戦の時代の戦艦武蔵建造にまつわる話です。
    軍の要求と圧力を受けながら、必死に設計と建造にあたった男たちの奮闘ぶりが淡々と描かれ、ぐいぐいページが進みます。
    なるほど、巨大なものを建造している事実とを隠すのって難しいんだな、と気づかされました。

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    2022年04月17日
  • ポーツマスの旗

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    初の吉村作品。こう言った記録小説自体を初めて読み、読み進めるのには時間がかかったが、通常の小説と同じく、或いはそれ以上に世界に入り込むことができたのは不思議な感覚だった。

    舞台はポーツマス講和会議、日本全権の小村寿太郎。小村は私も多少縁のある宮崎・飫肥出身ということもあり、読前から思い入れがあった。ただ、ポーツマス条約という日露戦争の輝かしい成果の話と思っていたが、実際は当時も今も色々な見方ができる結果だったのだということを知った。

    小村はメディアを使った印象操作を行わなかった。積極的に利用していたロシアとは対照的な姿勢に私は非常に小村らしいと誇らしく感じた。昔からメディアの力で世論は動く

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    2022年04月17日
  • 冬の鷹

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    オランダの医学書を翻訳して解体新書を書いた前野良沢の翻訳人生を描いた作品。
    同じく解体新書を書いた杉田玄白とは、その後の人生、信条、キャラクターなどがまるで対照的で、この二人の対比で話が進んでいく。
    杉田は外交的、前野は内向的。前野は語学の学問を追及、杉田は医学の実利を追及。前野は自分が育ちたい人、杉田は人を育てたい人。
    二人に共通しているのは、好奇心のかたまりであること、あきらめが悪いこと、確固たるポリシーを感じること。
    二人の歩んだ人生はまったく違うが、チャレンジ精神を称えたい一冊。

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    2022年04月11日
  • 幕府軍艦「回天」始末

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    吉村昭らしい細かい資料収集に基づく軍艦回天の最後。土方歳三とかも居るのにその最期にすら触れないとは流石としか言えません。新撰組には期待せず、幕末~明治の海戦や青森・岩手沿岸に興味のある方にオススメです!

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    2022年04月11日
  • 海の史劇

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    日露戦争におけるバルチック艦隊と東郷艦隊の大戦を描く。

    艦隊の大戦のみならず、旅順港攻略、バルチック艦隊が日本に到着するまでの苦難に満ちた道のり、日本勝利後のロシア捕虜の扱い、ロシア将官の祖国帰還まで周辺情報が、綿密な調査に基づき、整理されて記載されているのは、さすが吉村氏である。

    あとがきで書かれているとおり、戦争終結後の日本国民の反応は、戦争と平和に対する意識の未熟さを露呈するものであり、それは、後の戦争への失敗へと繋がっていく。

    読み応えのある一冊だった。

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    2022年04月03日
  • 遠い日の戦争

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    戦犯者琢也の逃亡の様子、琢也の気持ちの変化の描写どれも吉村昭さんの作風にどんどん引き込まれて、一気に読み終わりました。まだまだ知らなかった戦争の事実が様々な小説に沢山あり、これからも少しずつ読んでいきたいです。

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    2022年03月19日