吉村昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
舞台は明治初頭、ほぼ開拓の進んでいない北海道に送り込まれた囚人らが、あまりに過酷な環境で土地を開拓していく様子が、ひたすらリアルに残酷に記された一冊。
当初は「赤い人」というタイトルから共産党員系の話かと思ったら、そんなことはなかった。
とにかくこの本を読むと、西欧列強に追いつこうと奮起していた当時の日本が、いかに基本的人権に対する意識が薄かったかが伺える。
特に鉱山に送られた囚人たちの末路が酷く、文字で目にするだけでも恐ろしい。
明治中期〜後期にかけての大罪人の多くは北海道の監獄に送られているので、「あいつも北海道にいたのか!」という発見も楽しめた。
内容の4割が脱走関連、3割が劣悪すぎ -
Posted by ブクログ
沖縄戦の生々しい戦闘。
生に向かう戦闘なのか、死への序章なのか、向かうべき先を見失う。
吉村昭のノンフィクションはスゴイ。そう思わせてくれる作品ばかりだが、この作品もその一つ。
戦争には、エゴや本能としての生、そして腐乱する死というものがある。
極端過ぎれば例えノンフィクションと言えエグすぎて読めないとなる人もいる。
この作品にも本当にあった火炎放射や戦車で馬乗りされるシーンもあるのだけど、その惨さは読んだ後になってありありとわかる…読んだ後だから読めてしまう、でも書いてあることは本当にスゴイ事実。
沖縄戦がいかに酷かったかはしらない人はいないと思うけれど、少年が急拵えの兵隊にされ移ろい行 -
Posted by ブクログ
初の吉村作品。こう言った記録小説自体を初めて読み、読み進めるのには時間がかかったが、通常の小説と同じく、或いはそれ以上に世界に入り込むことができたのは不思議な感覚だった。
舞台はポーツマス講和会議、日本全権の小村寿太郎。小村は私も多少縁のある宮崎・飫肥出身ということもあり、読前から思い入れがあった。ただ、ポーツマス条約という日露戦争の輝かしい成果の話と思っていたが、実際は当時も今も色々な見方ができる結果だったのだということを知った。
小村はメディアを使った印象操作を行わなかった。積極的に利用していたロシアとは対照的な姿勢に私は非常に小村らしいと誇らしく感じた。昔からメディアの力で世論は動く -
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