吉村昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「解体新書」を著した前野良沢と杉田玄白に関する歴史小説。
オランダ語を習得する執念とその努力は、語学を学ぶ全ての人にとって、大いに刺激になると思う。
(当時の苦学を知れば、現代人が英語学習で苦労するなんて言ってられないだろう)
同じ吉村昭著の高野長英の歴史小説も思い出した。(これも名著)
蘭学を通じて、西洋近代の知識を吸収し、延いては、それが幕末の政治的な動きにまで繋がってくる。
そう考えると、解体新書を世に出した二人の存在の意義の大きさを、改めて認識させられる。
(当時、鎖国の方針を緩めた徳川吉宗の見識の高さでもある)
この小説の面白いところは、今でも、前野良沢的生き方と杉田玄白的生き方 -
Posted by ブクログ
東海道線の三島~熱海間を結ぶ丹那トンネルは、全長7.8㎞。大正7年に着工され、当初の工期を大幅に超過し16年をかけて67名もの犠牲者を出しながら昭和8年に開通しました。本書は丹那トンネルの掘削工事にまつわる数々の事故や災害の実情を詳細に描いたノンフィクションです。
今では様々な重機と工法の発達で安全かつスピーディーにトンネルは掘削されるようになりましたが、丹那トンネルは着工時は何と工夫による手掘りでした。工期途中からようやく電気による掘削機を使用されましたが、掘削した後の坑道を支える支保工は丸太などが多用され、掘削したズリ(掘り出した土砂)を坑道から搬出するトロッコも、着工当時は馬や牛が曳いて -
Posted by ブクログ
ネタバレ飛行機がまだ登場していない頃、ライト兄弟よりも先に飛行原理を自ら考案したが、資金や軍の協力が得られないために、道半ばで終わってしまった日本人、二宮忠八の話。
彼は、変化に富んだ激動な人生を送っており、非常に興味深い。
しかし、自ら考案した飛行機開発を軍に提案したものの、何度も却下されてしまう。後年に彼の飛行原理の考案は世間から認められるが時すでに遅し。欧州で既に開発され、それが日本に入ってきている状況であった。
解説にもあるとおり、日本人は優秀なのにイノベーションが生まれなかったのは、
貧しかったから
新しい発想を歓迎せず、時には変人として扱うといったような風土があったから
ということがよ