吉村昭のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
▼久しぶりに吉村昭さんを読みました。相変わらず、地味で硬派でコリコリしていて、エンタメにイキきらない独特の語り口が一種オモシロイ。森鴎外を読んでいる気分にちょっとなります。
▼確か、江戸時代の(明治大正もあった)、「かたきうち」の実話を歴史小説として描いていらっしゃる。そこではエンタメ性やヒロイズムは徹底的に排除されています。実にハードボイルド。ひとをころす、というしんどい肉体作業。長年かけて敵討ちをする精神的疲弊感。などなどがビシビシと容赦なく描かれて。それでいて、ちゃんと小説になっている。面白く読ませる。独特の背筋の伸びる持ち味、悪くないです。 -
Posted by ブクログ
映画に、忘れられない台詞がたくさんあったので原作を読みたくなった。
驚いたのは、脚本によって、かなり色彩が異なった作品になっていたのだと感じられたこと。
どちらが良い、ということではなく、映画の力、その原点になった笠原良策という人の辛抱強さ、そして吉村昭さんが詳細に調べて小説にしなければ、ほとんどの人が知らずに終わっていたかもしれない、ということに驚いた。
福井出身の津村節子さんの夫であるからか、福井藩を責めるような記述がほとんどないが、福井出身者としては「嫉妬」という言葉で全てを表しているように感じられた。
天然痘が撲滅されてから久しく、福井医大(福井大医学部)の同窓会名に名前を遺していても -
購入済み
間違いなく読んでる
ゴールデンカムイ、巻末にはアイヌ関連の文献しか載せていないが、この本は間違いなく読んでる。
北海道の住民は読むべきでしょうね。
お好みで。 -
Posted by ブクログ
太平洋戦争開戦直後に、帝国海軍はインド洋にて様々な軍事作戦行動を敢行したようです(コロンボ空襲、マダガスカル島攻撃、インド洋での通商破壊作戦等)。その中の一隻(潜水艦)が、インド洋から喜望峰を廻り(悪魔の南緯40度を超え)、大西洋に出てドイツ軍の軍港を目指し、無事に到達をしたという。帰りも英軍等の追跡を躱して大西洋を南下、喜望峰を廻り(再び悪魔の南緯40度を超え)、無事にマレーシアのペナンに戻っている(その後、事情を知らない大本営命令によりシンガポールに回航され、機雷に触れ沈没)。戦争中に五隻の潜水艦が日本(呉)から欧州を目指し、3隻が無事に欧州に到達、そして呉に無事に戻った潜水艦は1隻あると
-
Posted by ブクログ
思ったより面白かった。
前半は心理描写もそこそこにさくさく話が進んでいくので、薄っぺらくない??と思っていたが、具体的に自身の犯行を振り返るシーンが出てきてからは深みが出てきて面白かった。
やはり、自分の犯した罪を心から悔いて反省するというのは、人間にとって難しいことなのだと思う。
なのに主人公は抑制的で振る舞いも模範的だから、周りは(判決も!)「こいつはちゃんと反省している」と思いこんでいるのが興味深い。
そしてそのすれ違いが悲劇を招くというのは、「罪を償う」ことをめぐる本質をついているような気がする。
人を殺したときが逆上ではなく、逆に「感情というものがすべて欠落していた」「得体の知れぬ