吉村昭のレビュー一覧

  • 破船

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    なんかもうずっとつらいのよ。大自然のペースに合わせてしがみつくような生き方とか、村ぐるみで犯罪を隠したりしてるとか。お船様で一時は生き延びられるかもしれないけど、それが永遠ではないってわかってるところとか。
    それでも好きな娘との淡い交流とか、漁の腕前が上がったとか、友人との関係が穏やかなものになっていったりとか、きらめく瞬間がある、あったのにさぁ~~…

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    2024年04月16日
  • 長英逃亡(下)

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    高野長英という名は知っていたが、こんなにも過酷な人生だったなんて知らなかった、吉村昭さんの語る長栄にグイグイ引き込まれて、地図を見ながら自身も逃亡している気分で読み込みました。

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    2024年04月08日
  • 三陸海岸大津波

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    ネタバレ

    昭和45年発刊。明治29年、昭和8年の三陸海岸沖地震、昭和35年のチリ沖地震の大津波について書かれている。大津波の特徴、当時の発生や被害状況、三陸海岸に住む人々の作文などを紹介している。ただ回数を重ねるごとに被害は小さくなっているという記述があるので、大津波に対する恐怖心、警戒心を持たせる説得力を失ってしまうのが惜しい。

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    2024年03月27日
  • 雪の花

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    職場で薦められた本です。
    頁数、文字数は多くないけれど、中身はとても重いものでした。

    ワクチン概念のない時代の人たちに、病気の種を身体に入れることを説くのは大変なことだと思う。
    私利私欲なしに、「人々を天然痘から救いたい」という熱い思いに、感謝したい。

    映画化されるようですが、京都から福井への山越え、豪雪の中での撮影は過酷だな。

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    2024年03月27日
  • 長英逃亡(下)

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    壮絶な終わり方だった。伊達宗城、島津斉彬など幕末の有名人が登場して、時代は一気に動いていく。せっかく開けたと思った長英の運命が、生活費のために落ちていってしまったのが悲哀である。

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    2024年03月24日
  • 熊撃ち

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     本書を手にしたのは、最近読んだ河﨑秋子・熊谷達也両作品の「狩猟者と熊が対峙する物語」関連です。加えて、本書と同一著者作品『羆嵐』の恐怖に慄いた経験が甦り、違いを含めて関心が高まりました。

     本作は、吉村さんが雑誌連載のため1970〜翌年にかけて取材し、猟師たちから聞き取った話をもとにした短編小説集です。全7編のうち富山の1編を除き、6編が北海道が舞台の実話(登場人物も実在)とのこと。1篇ずつ独立し、各話の熊撃ちもそれぞれ個性的です。
     上述の『羆嵐』は本作取材後に着手したようで、留萌の苫前村三毛別で起きた最悪の羆事件(7名死亡、3名重症)に基づいた作品で、本作とスタンスが違いどこまでも恐ろ

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    2024年03月24日
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一

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     『羆嵐』『戦艦武蔵』『関東大震災』『海も暮れきる』と、吉村昭の本は色々と読んできた。壮絶な出来事が静かな筆致で描かれており、手に持つ本がひんやりと空恐ろしく感じる。
     沖縄出張の帰路、那覇空港の書店で沖縄を舞台にした本が陳列されていたので、読みやすそうなこの本をチョイスした。

     沖縄戦について小説を読むのは初めて。戦争の悲惨さ自体は、高校の修学旅行で当時の方々の話を伺ったり各施設を回った際に見聞きしていたが、15歳の軍国少年から見た沖縄戦というのはとても新鮮だった。少年時代の野望と挫折といった普遍的なテーマが沖縄戦という地獄と混ざり合って、悍ましい読み心地を与えてくる。

     主人公の少年は

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    2024年03月23日
  • 雪の花

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    一定年齢以上の人の腕にあるワクチン接種の痕。
    これを始めた方の話。
    せっかくの薬も信じてもらえなければ打てないのか…
    私財を投げ出してまで、周囲に白い目で見られてまで、感染症を無くそうとした医者がいた。今の日本にそんな人いるのか?

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    2024年03月23日
  • アメリカ彦蔵

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    漂流してアメリカ船に助けてられて、帰化したが
    ふるさとは日本と本人は思っているがその故郷には受け入れてもらえない。日本の為に働くが。
    日本人ともアメリカ人ともつかない気持ちは辛かったと
    思います。遭難してから亡くなるまで遭難したまま一生を終えてしまった。悲しいですね(ToT)

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    2024年03月22日
  • 冷い夏、熱い夏

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    著者の弟が肺癌となり、亡くなるまでの1年間を綴った実体験小説。特徴的なのは、弟に癌であることを隠すこと。1980年頃の話のため、告知しないのが一般的だった時代とはいえ、どうしても不憫さを感じてしまう。
    弱っていく弟さんの様子と日々見舞いに訪れる著者のやりとりが淡々と描かれているのでそれが迫力を増しています。
    身近な人で癌患者が出たら、と考えさせられる本。

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    2024年03月10日
  • 大本営が震えた日

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    ネタバレ

    開戦日に向かって、当時の日本の中枢が、右往左往し不安に駆られながら目的達成のために進めていく様が、なんともすごいリアルな感じで、当時の雰囲気を感じ取れた。
    でも、結果、ものすごい犠牲が出てしまうのだが、、
    その犠牲の上に今の日本があることは、忘れてはいけないと思った。

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    2024年03月03日
  • 戦艦武蔵

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    太平洋戦争直前、米英日の不公平な軍縮条約は国際連盟脱退につながり、日本海軍が大型軍艦造船に舵を切る。第2号艦として長崎で建造される武蔵を、まず造船大国日本の技術力の面から記述。艦建造の各段階における担当者・作業員たちの群像である。しかし、時代は航空兵力が中心になり、戦艦ではなく空母が海洋戦の主力になると山本五十六大将などが予見していたにも関わらず大型戦艦が建造された。戦隊に編入後はさして活躍することなく米航空兵力によって撃沈される、悪手といえる軍の戦略に翻弄されていく戦艦武蔵の最期は読んでいて辛かった。

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    2024年02月27日
  • 漂流

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    しばらく鳥肉が食べられなくなりそうでした…。
    悪夢を見るほど場面を想起させる圧巻の描写力で、読後はどっと疲れました。思い出すと今でも波に揺られている気がします。

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    2024年02月25日
  • 破獄

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    昭和の脱獄王がモデルの小説。『赤い人』に続き本書を読めたことは幸いだ。明治時代の集治監とさほど変わらない構造の刑務所建屋に、青森刑務所を筆頭に脱獄を繰り返した佐久間清太郎(仮名)を収監する刑務所職員・看守との息詰まる攻防。そして、戦前~戦中~戦後の行刑史にも多くの紙幅を割いた構成。佐久間に対する量刑は、現在の刑法と比べ重いような気がする。戦中からの食糧難にあっても、受刑囚には既定量の食事を提供しようとしているのに、刑務所職員は一般国民と同じ配給だけというのは、いかにも融通の利かない国民性だと感じた。

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    2024年02月21日
  • 高熱隧道

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    往時の苦難が偲ばれる内容の本だった。吉村昭さんの本は、正確な調査に基づき記述されているように感じます。

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    2024年02月20日
  • 高熱隧道

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    こんなに昔の本とは驚き。色褪せない。
    序盤から中盤は出来事中心、中盤以降は人間にスポットが当たるので特におもしろかった。
    創作のはずの登場人物たちがすごくリアルだった。

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    2024年02月16日
  • 戦艦武蔵

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    戦争に突き進む心理を描かれたことは、設計構想の話を期待して手に取ったのでだいぶ不意打ちであった。しかし、きちんと練られており面白い

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    2024年02月14日
  • 仮釈放

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    主人公は非常に真面目な人間であり、一途である。それゆえ、模範囚にもなったし、仮釈放後もしっかり働いていた。
    この真面目な主人公がどうなるのか、本の残りのページ数がとても重かった。
    真面目であることはなにも免罪しないし、真面目さの方向が間違っていた故に無期刑になっているわけであるが、それにしてもラストへの流れはキツい。

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    2024年02月05日
  • 冬の鷹

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    ターヘルアナトミアを翻訳し、解体新書を出版した前野良沢の話。良沢と杉田玄白の対比が面白かった。お互い医家ではあるがオランダ語を翻訳することに人生を捧げた良沢とオランダ医術を布教することに専念した玄白。長女、妻、長男を亡くし茫然自失となった良沢、養子玄沢や大槻ら優秀な門徒に囲まれた玄白。最後まで研究者として意固地な良沢のまっすぐさが描かれていた。
    未知の文字を翻訳することの大変さ、それを成し遂げたのに名を売らなかった良沢の生真面目さがわかりやすかった。
    平賀源内の印象がすごい変わった。

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    2024年01月26日
  • 陸奥爆沈

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    昭和18年、岩国市柱島泊地で発生した戦艦「陸奥」の謎の大爆発。記録文学の第一人者が、昭和44年に残存する資料やインタビューを通じて、謎解明に挑む。地道な調査を通して見つけ出した事実とは?意表をつく展開で一気読み。これぞドキュメンタリーという傑作

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    2023年12月31日