吉村昭のレビュー一覧

  • 羆嵐

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    ネタバレ

    熊の恐怖感が凄いな~。そして銃を持っている集団でもその恐怖には勝てないんですね。前半は熊にやられっぱなしの村人。被害者の描写が辛い。妊婦さんとか辛い。後半銀四郎の登場から雰囲気が変わって迫力が増した気がする。熊を撃つ場面は良かったな。明治、大正やそれ以前の時代は自然は今より身近で怖い存在だったんだな~。昔みた『リメインズ』って映画はこれがモデルだったのかな。

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    2025年12月06日
  • 羆嵐

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    ゴールデンカムイを観てからだと銀四郎のほうが羆に対しての恐怖やリスペクトをよっぽど持っているなと感じた。そういうものへの無知な村の人への対応は銀四郎にも問題はあるが、分からなくもないとは思った。未開の地を切り開き、肥沃な土地に当たるかどうかも分からない。そんなギャンブルのような生活をしている中で村や部落というものが生まれていくんだなということを感じた。
    羆はいつも人間にとっての脅威であり、そしてカムイなんだと思った。太刀打ちできない圧倒的な存在として荘厳な存在ですらあると感じる。熊が全国各地で出没してアレコレ騒がれているが、難しい問題だと思うと同時に、共生していく在り方をこの本を通して改めて考

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    2025年11月30日
  • 羆嵐

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    今も昔も熊への対処方法は変わらず、恐怖感も変わらないと思った。熊にとって人間はあまりにも非力!熊を可哀想、と言う人もいるけれど、人間はそんな立ち位置にはないと思った。

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    2025年11月30日
  • 死まで 吉村昭初期短篇集

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     副題に初期短篇集とあるが、収録された作品は一九五〇年に書かれた作品もあれば一九八五年に書かれた作品もある。すべての短篇が同時代の家族を題材に書かれていて、そして、それらの家族は次々と崩壊していく。崩壊の誘因は、病と性。なんとも暗く、読んでいて陰鬱になる。特に、発掘短篇だという『日曜日』(pp77-89)の救いの無さはすごい。どんよりした気分になりながらも、とても読みやすい文章なので、するすると読めてしまう。それにしても荒んだ話を連続で読み続けるのはつらいなあ、と思っていたら、最後に収録された『雪』(pp245-267)の老夫婦の寄り添いあう姿にようやくほっとできた。

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    2025年11月30日
  • 魚影の群れ

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     濃淡の差はあれ、いずれも動物との関わりが深い四つの中編を搭載。記録文学的描写の「海の鼠」は、この作家らしい重厚かつ客観的な語り口で読ませるし、「鵜」と「魚影の群れ」は父と嫁ぐ娘との破綻が運命的に描かれている。一方、「蝸牛」はユーモラスだが不気味。

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    2025年11月25日
  • 仮釈放

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    吉村さんの小説では初めてのフィクションだった。タイトル通り仮釈放の男の生きる様を淡々と描いている。
    安価な言葉が一つも見当たらない。
    物語を展開するための安っぽい言葉ではなく、本人が発した言葉によって自然に物語が紡がれていくような。だから、読まされてるんじゃなくて、体験しているような気分になるのだろう。

    次はどの作品を読もうか。期待しかない。オススメがあればぜひ教えて欲しい。

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    2025年11月25日
  • 生麦事件(上)

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    ネタバレ

    生麦事件から長州藩の外国船砲撃、アメリカとフランスによる報復。幕府がガタガタ。島津久光とか薩摩藩とかはどうも好きになれないけど、有能な人だった感じかな。

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    2025年11月24日
  • 生麦事件(下)

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    ネタバレ

    薩英戦争と四国艦隊の砲撃、長州征伐と後半は少し駆け足な感じだったけど、面白い。『生麦事件』にあまり興味が無かったから読まないでいたけど、とても良かった。

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    2025年11月24日
  • 羆嵐

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    ニュースでは「羆に人が殺された」と報道されるが、羆に襲われた人間はどういう姿になってしまうのか、電気もない北海道の寒村時代とはいえ熊の狙撃に慣れていない人間がいかに空疎で無力か、他方、後半で登場した近隣の村でタダ1人の銃撃ちの名人銀四郎のかっこよさ、ところが羆を退治したあとは村人にとって邪魔でしかない、あたかも戦時の英雄は平時の厄介者、映画ランボーを地でいく展開が一筋縄でなくてよかったです。ぜひ邦画をとってほしい、銀四郎は浅野忠信、誠実は区長は小林薫、空っぽの分署長は西村雅彦とかね

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    2025年11月23日
  • プリズンの満月

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    巣鴨プリズンの一刑務官の評伝のように読めましたが、後書きで主人公が架空の人物と知る。
    この小説は、戦争責任の所在を問うものではありません。
    また、戦勝国や敗戦国の善悪を論じるものでもない。
    戦争という途方もないうねりの結果、戦犯という重苦しい処遇を背負った人々に対し、
    ほんの灯火に過ぎずとも、人道的なあたたかさに全力を尽くした人間たちの記録を集め、淡々とつづっている。
    (もちろん、戦中の日本上層部の行動を肯定している…という意味ではないですよ)

    人によっては、地味で退屈する筆致と感じるかもしれません。
    けれど、あの戦争はこうだったと簡単に論じる本より、遥かに誠実です。

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    2025年11月20日
  • 破獄

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    昭和8年に青森県で起こった強盗致死事件の犯人として逮捕され無期刑判決を受けた佐久間清太郎は昭和11年、昭和17年、昭和19年、昭和22年と脱獄を繰り返す。
    4箇所の刑務所を脱獄した佐久間の執念と、戦中戦後の混乱期の世相や治安維持に努めた執行機関の取り組みなどを描く。

    ・感想
    読む前は主人公である佐久間がどうやって刑務所を脱獄したのか、という方法論やその執念がどこから来るのか?などの佐久間の人となりに焦点にあてた作品だと思ってた。
    でも実際は、佐久間という脱獄犯を通して戦中戦後の日本の
    移り変わりを描いた社会派作品だった。
    そうだよね、吉村先生だもんね。

    戦中の刑務所や警察組織が

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    2025年11月14日
  • 羆嵐

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    昨今のクマ被害から興味を惹かれ、読書開始。
    ひたすらヒグマが怖い。
    序盤から中盤は、人間の無力さと野生の破壊力にひれ伏すばかりで、熊の生息地には近づかないでおこうと心に誓った。
    そんな中で現れる“救世主”の見せ場が、本当に痺れる。良い小説だった。

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    2025年10月27日
  • 深海の使者

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    第1次訪独潜水艦として、数々の困難の乗り越え、復路の終盤に自国の勢力圏内に寄港するも、触雷して沈没した伊号第三十潜水艦。無償譲渡されるUボートの引き取り搭乗員を送り、唯一無事帰国した伊8潜。ドイツから譲渡され、帰航路途上で消息不明となった呂号第五百一潜。ペナンに向かう航路で、英潜に撃沈された伊34潜。寄港予定の港が敵国の侵攻で分断され、消息不明となった伊52潜。…狭い艦内で、酸素消費を抑えた窮屈な姿勢で過ごし。何か月も耐えたあげく深海に沈む。浮かばない命。戦争とはそんな犠牲者も出すという現実を突きつける。

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    2025年10月22日
  • 羆嵐

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    ネタバレ

    熊の被害が毎日のようにニュースで流れていますが、過去(大正時代)にこんな凄惨な事件があったことも知らなかったです。だいたい知り合いに、ツキノワグマと羆では大きさがぜんぜん違うというのを教わりました。知らない事ってたくさんあります。
    羆に村の者たち6人も殺され、特に女の人の人肉がうまいと知るや、女の人だけ狙い男は殺されるだけ。村の者たちが集まっても、銃は5丁しかない。羆を見つけても、銃からは弾が出ず不整備が露見。
    もう、逃げるしかなく、警察に依頼さそ、他の村の者たちも羆刈りに参加する。
    しかし、囮の遺体を見て戦意喪失する者も多く、軍隊への救援要請をすることに。
    薪が崩れ落ちただけでも、皆先を競っ

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    2025年10月11日
  • 零式戦闘機

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    日本を代表する歴史小説家による第二次世界大戦のノンフィクション。人物ではなく戦闘機に焦点をあてる。
    三菱重工の技術者の知恵の結晶で1937年から圧倒的な存在感を示した零戦。中国だけではなく、真珠湾攻撃で欧米をも震撼させた戦闘機だが、現状維持が精一杯の日本と産業が進歩する米国では徐々に立場が逆転してくる。決定打は一機のゼロ戦が米国に渡ったことで、機密や弱点が解明され更に上をいく航空機の開発に繋がったこと。
    国力の圧倒的な差の前に、戦争の儚さが浮かび上がる。

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    2025年10月06日
  • 羆嵐

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    羆こわ
    人間 無力
    銃があって人数があっても熊一匹にこんなにもうろたえる
    熊との共生は難しい…お互い今あるテリトリーを守れるようにしなきゃねえ
    銀爺めっちゃかっこいい 最後の狩りのエピソードもめちゃかっこいい

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    2025年10月03日
  • 雪の花

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    まず、天然痘が日本でも既に江戸時代のうちに、種痘によって根絶に向かい始めていたのは知らなかった。
    同じ吉村昭氏の著書『破船』の後半にも天然痘について触れられており、それだけ昔は一般的な病気だったのだろうと想像できた。
    また、主人公となる笠原良策が天然痘に立ち向かうきっかけとなったのは1人の医者との偶然の出会いであり、天然痘に対して強い思いがあったからこそ、このようなわずかなきっかけが大きな転機になるのだと思った。

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    2025年10月03日
  • 冬の鷹

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    人体の部位の絵の脇で、横に這っている得体の知れない文字。限られた情報源から推測し、格闘すること3年半。遂に出版にこぎつける。翻訳を行ったのは主に良沢。しかし、訳業関係者として彼の名は連なっていない。中途半端な出来には満足せず、言語を極めることに没頭する。いつの間にか人を遠ざける。誉れ高き名声と巨万の富を得た玄白とは対照的。寂しく見える晩年も、美学追求の1つの姿。…歴史の授業。江戸時代中期の必須で覚える出来事。「解体新書」。そこにも学ぶべき人生訓があった。各々がならではの道を生きて、今の医学と語学がある。

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    2025年09月26日
  • 羆嵐

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    ネタバレ

    まず、羆の登場が思っている以上に早い。読んで数ページでもう羆が人を襲う。ここで読みたいものが読める!と安心した。

    情緒的でドラマチックな描写が多くなくとても良かった。感傷的なシーンよりも状況説明が簡潔で、情景がわかりやすかった。

    最後の最後に出てくる銀四郎の登場により脳内で作画がいきなりゴールデンカムイになった。

    吉村昭の小説がこんなに出ていることも初めて知った。色々読んでいきたい。

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    2025年09月23日
  • 戦史の証言者たち

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    山本五十六が戦死した時の護衛のパイロットの話が面白い。6機しかいない時点で無理だったんだな…。アメリカにも暗号解読されてたみたいだし。

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    2025年09月20日