あらすじ
学生時代より執筆の「学習院文藝」掲載作品を柱とした、最初期の貴重な短篇を収録。全て単行本未収録作品。若き日より、冷徹な視点で人間を見据える高い文学性は瞠目に値する。発掘原稿「日曜日」も収録。
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Posted by ブクログ
・あらすじ
吉村昭初期短編集。
・感想
冒頭の「鋏」と最後の「雪」が特によかったなー。
特に「鋏」はこの作品を読めただけでこの本買ってよかったって思ったレベル。
太宰治の女子独白作品を踏襲したと思われる表彰状には意外性があった。
吉村先生もこういう作品書かれてたんだなー。
でも正直やはりこの分野?では太宰には敵わないな、と思ったり。
あの年頃の女子の過剰で「肥大した自意識と傲慢さ、そして繊細さの描写はやっぱ太宰がずば抜けてるもんね。
勘違いして入水なんてやりきれない最期だ。
雪は、執筆時に20代だったとは思えない作品。
最後が微笑ましくてとてもよかった。
表題作の「死まで」は養母の汚らしい描写が読んでてきつかった。
そりゃ奥さんもあんなのと同じ屋根の下四六時中一緒に暮らしてたら精神病むわ。
不倫してる男たちの話が多いんだけど、年代的にも時代的にも仕方ないよな…と思いながら読むしかないw
Posted by ブクログ
副題に初期短篇集とあるが、収録された作品は一九五〇年に書かれた作品もあれば一九八五年に書かれた作品もある。すべての短篇が同時代の家族を題材に書かれていて、そして、それらの家族は次々と崩壊していく。崩壊の誘因は、病と性。なんとも暗く、読んでいて陰鬱になる。特に、発掘短篇だという「日曜日」(pp77-89)の救いの無さはすごい。どんよりした気分になりながらも、とても読みやすい文章なので、するすると読めてしまう。それにしても荒んだ話を連続で読み続けるのはつらいなあ、と思っていたら、最後に収録された「雪」(pp245-267)の老夫婦の寄り添いあう姿にようやくほっとできた。