吉村昭のレビュー一覧
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樺戸集治監の歴史が非常に淡々と語られていく。客観的に淡々と進むのだが、登場人物に妙に熱気がある。このあたりの文章の上手さが吉村さんならではなのだろう。解説を読むまで、囚人がほぼ言葉を発していないことも頭から飛んでいた。
今の刑務所事情を知っていると、ここでおこなわれていることは人権侵害にほかならず、そりゃあ脱獄も反乱もおこるよな、という感じ。
戊辰戦争、日清日露戦争、天皇陛下崩御と恩赦などの外的要因が集治監に影響していく様は時代を感じさせられるとともに、監獄というのはそれ単体で動くものでは無いことを実感する。
北海道がこうして開拓されていったという、歴史の一部を学べた。 -
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ネタバレ黒部渓谷は、人間が挑むのは到底不可能な世界
この渓谷は、人の住みつくことを頑強に拒否している。雪崩を起し崖くずれを発生させて、人の近づくことを許さない
そんな中、あなたはなんで働くのですか?
「国のため、トンネル掘師技術のため、金のため」
それぞれの思いをもってこの黒部第三に挑む
死者300内佐川組233名ノンフィクション
今では考えられない人柱国家公認プロジェクト
トンネル開通するまでは、それぞれが一つの薄い目標に向かっていたが、開通後の老人夫頭に寒気を感じた
■長い年月人夫たちを使ってきた経験、阿曾原谷事故以来はっきりとした形をとってきた人夫たちの異様な空気とダイナマイトの紛失の間に -
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ネタバレR6(2024).4.13~5.4
(きっかけ)
友人からもらった。
(感想)
吉村昭先生の本、2冊目。
1冊目は「桜田門外の変」。
その時(2016年)の感想は、「様々な資料をもとに、関係者がどのように動いたかを淡々と綴っており、教科書みたいで読みにくい!」でしたが、今回は「それがいいね~」でした。8年で私も成長したのでしょうか。
吉村先生の本を読むと、司馬遼太郎先生に叩き込まれた「長州藩すげえ」が、「長州藩、運がよかっただけでちょっとアレですね…」になりますね。勉強になります!
で、「生麦事件」自体はこの上巻の最初に終わってしまって、「え、もう物語終わったんだけど…」となりましたが、