吉村昭のレビュー一覧

  • プリズンの満月

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    吉村昭氏の本にはいつも頭が下がる。
    こういう視点から歴史を垣間見ること、なぜ今までしなかったんだろう。
    うわっつらの歴史からは想像もできない日本史。
    私達は大事なことを知らないままで、すべてを知ったつもりになっているのではないか。
    多くの人に読んで欲しい作品です。

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    2009年10月04日
  • わたしの普段着

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    これまで読んだ作品のエピソードが満載!!興味深かった。つくづく私はこの作家さんが大好きだなぁと思う。日常のなんでもない出来事を素敵なことのように文章に残す。氏のブログのような本です。

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    2009年10月04日
  • 新装版 北天の星(下)

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    心がふるえる、本物の感動!
    逃走を図った男たちは、寒気と空腹と戦いながら祖国へとひたすら進む。

    逃亡の途中、左兵衛は飢えから腐敗した鯨を食べて落命。五郎治は1人残され、幾度も絶望しながらついには帰国する。運命に抗(あらが)い生き抜いた男を史実に基づき圧倒的な筆力で書き上げた歴史ロマン

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    2009年10月07日
  • 新装版 北天の星(上)

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    生きるとは何か。長編歴史小説
    鎖国令下、オロシャへ連れ去られた男の過酷なまでの人生と運命

    鎖国令下、ロシア艦が蝦夷地に来襲。五郎治と左兵衛は、オホーツクへ連れ去られた。極寒の地で待ち受けていたのは、貧困と差別、そして言葉と文化の大きな壁であった。大スケールの傑作歴史長編。〔

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    2009年10月07日
  • 仮釈放

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    浮気をした妻を刺殺し、相手の男を刺傷し、その母親を焼殺して無期刑の判決を受けた男が、16年後に刑法にしたがって仮釈放された。長い歳月の空白をへた元高校教師の目にこの社会はどう映るか?己れの行為を必然のものと確信して悔いることのない男は、与えられた自由を享受することができるか?罪と罰のテーマに挑み、人間の悲劇の原型に迫った書下ろし長編小説。

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    2009年10月07日
  • 海の祭礼

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    開国史にはいつも出てくる「森山栄之助」。
    彼はどこでどのように外国語を学んだのか、
    どんな人だったのか気になっていた。

    ラナルドマクドナルドと彼の交流は
    自分の経験と重なり、とても心に残った。
    ラナルドにとって日本はどんな風に映ったのか、
    その記述があまりなかったのが残念。
    彼の生い立ちから、日本に憧れを抱く経緯、
    漂流者を装って単身日本に上陸するという情熱を持って来日。
    日本人に警戒されながら、日本の暮らしになじもうとする謙虚な姿勢が
    認められ、森山は彼を師と仰ぎ、彼から英語を学んだ。


    森山栄之助は開国を迫られた日本を背負って
    国の運命を握っていた。重大な役目を終え、
    引退すると同時に

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    2009年10月04日
  • 遠い日の戦争

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    戦後の日本の混乱がよくわかる。
    主人公は戦犯の対象になってしまい、
    絞首刑から逃れるために、逃亡生活をする。

    それが長くなるにつれ、精神を消耗していき
    はじめは何の迷いもなく選択したことだったが
    これが本当に正しかったのか、と彼は自分に問い続けていく。

    戦後のあまり語られない日本の様子に
    驚くとともに納得し、これまで知らなかったことが
    恥ずかしくなる。多くの人が読んで考えるべき内容。

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    2009年10月04日
  • 冷い夏、熱い夏

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    肉親を癌で失う家族のつらさ、闘病の苦しさ、身にしみて考えさせられました。
    氏が亡くなったとき、どんな気持ちで延命器具をはずしたのか
    少し気持ちがわかりました。

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    2009年10月04日
  • アメリカ彦蔵

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    「仮釈放」以来吉村昭が好きになりました。

    この時代を力強く生きていた人々がいきいきと描かれています。実話。

    文明の発達で人は感動のない生ぬるい人生を送るようになったのではないかと気付きました。
    主人公はどんな環境におかれても、
    苦悩しながらそれを受け入れて世界を広げていった。

    歴史の表人物ではないけど、
    歴史上の有名人物とも多数接触していて
    近代日本を作る重要な鍵を握っていた人。
    当時の日本やアメリカ、その他の国の事情もわかり、とにかくお勧めの一冊!

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    2009年10月04日
  • アメリカ彦蔵

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    ジョン万次郎だけではなかった。幕末、開国日本とアメリカの架け橋となった人物。
    波乱の時代に、自分の意思でなくアメリカ人となるということは、こういうことなのか・・・。機会があれば墓参りをしたい。

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    2009年10月04日
  • 冷い夏、熱い夏

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    実弟の末期癌闘病生活を描く。病名を本人に隠し通しながら看病する、心苦しさ、辛さや苦労・・・体験したくないけれど、いつ自分や大切な人の身に降りかかるかわからない「死病」という存在・・・。吉村昭作品は淡々とした文体が特徴的だけれど、実体験記だけあって感情的なところがイイ

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    2009年10月04日
  • 桜田門外ノ変(上)

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    有名な桜田門外の変を、暗殺に加わった関鉄之介を中心に描いている。よく知った内容ではあるが、読んでいて大変スリリングである。

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    2009年10月04日
  • 遠い日の戦争

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    終戦を境に激変してゆく日本の歪みと矛盾。価値観の変わった現在においても日本人の深層には敗戦と、戦争犯罪へのさまざまな苦い思いが横たわるのだろう。大いに考えさせられた。

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    2009年10月04日
  • 秋の街

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    短編集なんですが、心にぐっと来るような話ばかりでとてもよいです。
    自分が年取ったときに読んだら、また違うんだろうなと思います。

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    2009年10月07日
  • 羆嵐

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    苫前の三毛別川沿いの奥地(六線沢)で大正時代に起こった、ヒグマ被害 最大の事件6名死亡(7名と解釈する場合もある)実際にあった話を題材にしたもの。妊婦を食べた熊はもうフツウのヒトは食べられなくなるって話。ウマイかららしいのだけどすご〜く怖い。ぎゃー

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    2025年09月27日
  • 羆嵐

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    ネタバレ

    熊の恐怖感が凄いな~。そして銃を持っている集団でもその恐怖には勝てないんですね。前半は熊にやられっぱなしの村人。被害者の描写が辛い。妊婦さんとか辛い。後半銀四郎の登場から雰囲気が変わって迫力が増した気がする。熊を撃つ場面は良かったな。明治、大正やそれ以前の時代は自然は今より身近で怖い存在だったんだな~。昔みた『リメインズ』って映画はこれがモデルだったのかな。

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    2025年12月06日
  • 羆嵐

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    ゴールデンカムイを観てからだと銀四郎のほうが羆に対しての恐怖やリスペクトをよっぽど持っているなと感じた。そういうものへの無知な村の人への対応は銀四郎にも問題はあるが、分からなくもないとは思った。未開の地を切り開き、肥沃な土地に当たるかどうかも分からない。そんなギャンブルのような生活をしている中で村や部落というものが生まれていくんだなということを感じた。
    羆はいつも人間にとっての脅威であり、そしてカムイなんだと思った。太刀打ちできない圧倒的な存在として荘厳な存在ですらあると感じる。熊が全国各地で出没してアレコレ騒がれているが、難しい問題だと思うと同時に、共生していく在り方をこの本を通して改めて考

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    2025年11月30日
  • 羆嵐

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    今も昔も熊への対処方法は変わらず、恐怖感も変わらないと思った。熊にとって人間はあまりにも非力!熊を可哀想、と言う人もいるけれど、人間はそんな立ち位置にはないと思った。

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    2025年11月30日
  • 魚影の群れ

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     濃淡の差はあれ、いずれも動物との関わりが深い四つの中編を搭載。記録文学的描写の「海の鼠」は、この作家らしい重厚かつ客観的な語り口で読ませるし、「鵜」と「魚影の群れ」は父と嫁ぐ娘との破綻が運命的に描かれている。一方、「蝸牛」はユーモラスだが不気味。

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    2025年11月25日
  • 仮釈放

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    吉村さんの小説では初めてのフィクションだった。タイトル通り仮釈放の男の生きる様を淡々と描いている。
    安価な言葉が一つも見当たらない。
    物語を展開するための安っぽい言葉ではなく、本人が発した言葉によって自然に物語が紡がれていくような。だから、読まされてるんじゃなくて、体験しているような気分になるのだろう。

    次はどの作品を読もうか。期待しかない。オススメがあればぜひ教えて欲しい。

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    2025年11月25日