吉村昭のレビュー一覧
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日本海海戦を描いた吉村昭の記録文学の傑作。
日本海海戦と言えば司馬遼太郎の傑作小説「坂の上の雲」のクライマックスシーンとして有名である。
私も手に汗握りながらあのシーンを読んだものである。
それ以来日本海海戦には関心を抱いていたが、他にも同じテーマを扱った作品で良いものがあると聞いて本書にたどり着いた。
非常に緻密な調査の上に成り立っている作品と感じた。
これを読んでしまうと司馬さんの作品は、彼の評価している人物とそうでない人物の書き分けが極端で、小説としては面白くなるのだろうが、現実とは乖離してしまうの
だろうなと思ってしまう。
日本海海戦とは日本史だけではなく世界の海戦史においても -
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間宮林蔵といえば、江戸時代、樺太を調査し、世界で初めて樺太が島であることを発見。その功績で「間宮海峡」という地名を後世に残した。というのが、教科書的説明。本小説でも、林蔵の樺太探検は詳細に描かれ、当時の乏しい装備で死を覚悟して赴く林蔵の覚悟が伝わってくる。
しかし、間宮林蔵がアドベンチャーというのは彼の一面に過ぎない。彼の人生の真骨頂は樺太探検後、豊富な地理の知識と行動力が認められ、スパイや政治アドバイザーとして幕府に貢献したことだ。
何よりも、林蔵は正義を重んじる。若き頃、日本領土にロシア人が侵入したとき、徹底抗戦を主張する。樺太探検のために異国のユーラシア大陸にまで足を踏み入れてしまっ -
ネタバレ 購入済み
開拓地での惨劇
入植間もない集落が、文字通り羆の餌食になった事件を扱っている。
厳しい気候のもと農作物を育て、農閑期には出稼ぎをする。貧しさに耐えながら必死に生きようとする人々。
集落の人達はもちろん、隣接集落の人達も羆のことを詳しく知らない。
これは意外なことだった。
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吉村昭が書いた歴史文学の傑作の一つ。
ゼロ戦(零式戦闘機)の誕生からその最後までを綴ることにより、太平洋戦争を描き出した傑作小説。
恥ずかしい話だが、戦争末期のゼロ戦が無残に米軍の戦闘機や対空砲火に撃ち落とされていくイメージが強く、ゼロ戦もまた世界の水準に到達しえない兵器であり、そんな兵器で戦わされた将兵の悲哀のみ感じていた。
しかし、この本で描かれていたゼロ戦は、私の思っていたものと全く違っていた。
相反する要素を含んだ厳しい戦闘機の仕様に技術者堀越二郎が心血を注いで答えた結果生み出された航空機は、当時類を見ない長大な航続距離と速度そして優れた格闘戦能力を持った世界最強の戦闘機であった。 -
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日露戦争の、その始まりと終わって講和を結び、その後の日本の行く先が見えるようなところまでが描かれていた。
もう途中、ロシア艦隊がつらすぎてつらすぎて、暑さに喘ぐロシアの兵と同じようにして、私も帰りたくなりました。イギリスや日本の外交、怖い。文章が淡白だから、想像が膨らんで余計に寒気がする。
でも一番鳥肌ものだったのは、小村寿太郎の講和を結ぶまでの場面。
この悲壮感。教科書にこの背景くらい書いた方がいいんじゃないのと思う。急に日比谷焼き討ち来るから単純すぎて。書かないのはあれかな、戦争は軍部が仕込んだものだと言いたいからなのかな。
吉村昭は大衆の熱量と戦争のつながりを特に注視しているのだけれ