吉村昭のレビュー一覧

  • 光る壁画

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    ネタバレ

    戦後の日本で初めて胃カメラを発明した人達の話。

    胃カメラが日本で発明されたということは知りませんでした。
    技術開発者たちのロマンと情熱の長編でした。

    何かを発明する,やり遂げるということは,こういう事か!と思わされました。

    この本を読んで,私が思うに,まず柔軟な思考を持つこと。胃カメラを開発するに当たって,車のランプとか,自転車のチューブとか,コンドームなんかが出てきます。色んなものを先入観にとらわれず試してみること。大切です。
    そして素朴な疑問や思いつきを大切にすること。どんなに素朴で,人が聞いたら笑うかもしれない,と思うようなことでも,そこに問題解決の糸口が隠されているかもしれない。

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    2011年11月23日
  • 脱出

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    ネタバレ

    終戦という転換期を様々な場所で,かたちで,生きた人々の短編集。

    全体として,たとえば燃え尽きた都会で玉音放送を聞いて・・・という感じではなく,どちらかというとあまり戦争らしい戦争を経験しないで終戦を迎えて,時代の急激な移り変わりを虚ろな目で見つめる,と言った感じ。
    終戦と一言に言っても,色々な終戦があったのだなと思わされました。

    「脱出」「焔髪」「鯛の島」「他人の城」「珊瑚礁」の五編が収録されているのですが,私の印象に残ったのは「他人の城」と「珊瑚礁」。もちろん他の作品もとてもよかったですが。

    「他人の城」は,沖縄からの学童疎開船「対馬丸」に乗船していた中学生の話。
    学童疎開船である対馬

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    2011年11月23日
  • 漂流記の魅力

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    「漂流」や「大黒屋光太夫」など漂流をテーマにした小説で知られる著者が幕末の漂流の中でも比較的知られていない1793年の若宮丸乗組員の漂流から日本への帰還までをとりあげる。
    天候不良による遭難とロシア領内への漂着、ペテルブルグを経て南米大陸南端をまわって長崎までの帰還という日本人初の「世界一周の旅」は興味深い。小説作中では事実描写に徹し滅多に持論を語ることのなかった著者が「(江戸期の漂流記録は)日本独自の海洋文学である」と熱く語るのも強い印象を残す。

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    2011年10月31日
  • 天に遊ぶ

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    吉村昭の短編小説。
    短編も短編、原稿用紙10枚分ぐらいの短編。

    でも、そのたった10枚の中に人間の姿、心の動きが描かれていて、不思議な気分。
    日常の一部分を切り取って貼ったような。注意して見ていなければ、あっという間に見過ごされてしまうような感じ。
    読んでいた間は、楽しかったはずなのに、あまりに高速に過ぎてしまったから、あとからどれが面白かったかな・・・と思い返すと、ページをもう一度開かなければ解らない感じです。

    強いて、印象に残ったものを挙げるならば、吉村氏が始めて挑戦したという激短編である、「観覧車」、また、なんとなく薄気味悪くて、想像できてしまう「同居」。

    観覧車は、男のしょうもな

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    2011年10月23日
  • 海の史劇

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    ・坂の上の雲の日本海海戦よりも本作の方が描写としてわかりやすい。
    ・バルチック艦隊の航海は大事業であることを認識させられた。
    ・ロ提督が「坂の上・・・」よりもしっかりした人物として描かれれている。
    ・実際の戦闘は悲惨なものだが、この時代は、まだ武士道・騎士道が生きていた。

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    2011年10月21日
  • 天狗争乱

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    相変わらず小説としては「なってない」 (同じテーマなら山風の「魔群の通過」のほうが面白い) 。でも「こんな凄まじいことが現実としてあったのか」という事件としての衝撃性は相当なものだ。

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    2011年10月03日
  • アメリカ彦蔵

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    よくこういう人物を見つけ出したものだ。主人公周辺の膨大な漂流民のサイドストーリーがすごい。よく調べたものだな。

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    2011年09月20日
  • ニコライ遭難

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    山風の「ラスプーチンが来た」しか知らないので、大津事件の実相、興味深かった。児島惟謙だけが偉いのではなく、裁判団や新聞がこぞって死刑に反対していたという話は興味深かった。

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    2011年09月20日
  • 吉村昭の平家物語

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    来年の大河ドラマに向けての予習に、最適の一冊!読みくだし文や現代語訳にしてあるというのではなく、吉村昭調に読みやすくなってます。栄枯盛衰・ものの哀れを味わってください。

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    2011年09月13日
  • 海の史劇

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    ネタバレ

    私にとっては非常に長くて、一ヶ月ぐらい読んでましたw

    日露戦争時の、日本海海戦を、どちらかというとロシア側からまとめた史劇。

    最初はロシア人ばかり出てきて、早く日本軍出して欲しいなあとじれったく思って読んでいたのですが・・・

    だんだんとロシア側に感情移入していったのがまさに吉村マジックです。

    しかし、当たり前だけど本当に知らなかったことばかり。
    バルチック艦隊が日本に来るまでもなかなか壮絶で、死者が何名も出ていて、なかなか大変なものだったんですねー。
    メインの海戦そのものは、息を呑むような展開で、ぐいぐい引き込まれました!東郷平八郎の丁字戦法からの、巧みな砲撃戦。あっという間にロシア艦

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    2011年09月04日
  • 脱出

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    少年たちが投げ出された戦場。南樺太の寒村・奈良の東大寺・瀬戸内海の漁村・本土への疎開を目指す対馬丸・サイパンの砂糖黍の町。

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    2011年08月13日
  • 陸奥爆沈

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    ネタバレ

     戦艦陸奥は、何故爆沈してしまったのか。
     上記の切り口で書かれているが、その内容は「人」についてである。過去起こった様々な爆発事故を調査していく中で、其処に関わった人について筆者は言い知れぬ悲哀を覚えている。
     作為的に爆発させられた軍艦たち、それらの事故を究明すべく奔走する人人、艦と共に海中に没した兵士・再び陸上に立つ事の出来た兵士、残されたご遺族。
     それらを丁寧に調べ上げ、この本が出来ているンだなと実感した。

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    2011年08月12日
  • 吉村昭の平家物語

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    少年少女向けの現代語訳として書かれたということで、非常に分かりやすく且つ簡潔。
    以前読んだ吉川英治氏の新平家物語が大河ドラマなら、こちらは2時間ドラマ。
    平家物語の入り口として良書だと思う。

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    2011年08月08日
  • 桜田門外ノ変(下)

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    ネタバレ

     井伊直弼暗殺の瞬間と、襲撃者たちのその後について。
     井伊直弼が暗殺された後、幕府が水戸藩に対して進言した内容が印象的だった。

     一、水戸家は将軍家の分家であり、本家である将軍家を補佐していた井伊大老の死を決して喜んではならないこと

     互いに国を護ろうとしていた者同士の悲しい行く末。
     関が逃げていくその様子は、絶望と哀愁が漂う。
     

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    2011年08月04日
  • 暁の旅人

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    時代小説というか歴史小説です。
    今ドラマでやっている「仁」の時代のあるお医者さんが主人公です。医療の発展にかける情熱は目を見張るものがありました。
    打ち込めるものがあるって素晴らしい。

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    2011年06月22日
  • 桜田門外ノ変(上)

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    幕末の時間の流れを加速させた「桜田門外の変」を実行犯の水戸藩士の目線で描いた記録小説。
    水戸藩の体制の変化から事件前までを饒舌すぎるほど丁寧に記している。
    国を憂うエネルギーに溢れてるが都合の悪いことには一切目を瞑り耳も貸さない。危ない、危ない。
    こういう人達の情熱が時代を動かしたのは確かだが、恐ろしくもあります。
    その後の歴史はこの時点で決まってたんじゃないのかとか思ってしまいます。

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    2011年06月14日
  • 漂流記の魅力

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    [ 内容 ]
    日本には海洋文学が存在しないと言われるが、それは違っている。
    例えば―寛政五(一七九三)年、遭難しロシア領に漂着した若宮丸の場合。
    辛苦の十年の後、津太夫ら四人の水主はロシア船に乗って、日本人初の世界一周の果て故国に帰還。
    その四人から聴取した記録が『環海異聞』である。
    こうした漂流記こそが日本独自の海洋文学であり魅力的なドラマの宝庫なのだ。

    [ 目次 ]
    第1章 海洋文学
    第2章 「若宮丸」の漂流
    第3章 ペテルブルグ
    第4章 世界一周
    第5章 長崎
    第6章 帰郷

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    2011年05月21日
  • 陸奥爆沈

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    昭和18年、戦艦陸奥、爆発事故により沈没。


    精強をもってなるはずの日本海軍において頻発した艦艇の爆沈事故。本書はその原因に迫ったドキュメントです。

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    2011年05月14日
  • 空白の戦記

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    ネタバレ

    人々が、戦争の、時代の影から逃れられずにいる。日の目を見ないままに消えていく。最終話がそれをすべて凝縮していた。

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    2012年01月29日
  • 深海の使者

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    またまた自分の不勉強が発覚。同盟国であるドイツと潜水艦で行き来していたとは・・・!事実を淡々と書いてあるのだが、なぜか引き込まれていく作品です。

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    2011年04月22日