吉村昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
<上>
若き水主・磯吉の人間臭さのにじみ出た生々しい陳述記録をもとに紡ぎだされた、まったく新しい光太夫たちの漂流譚。
絶望的な状況下にも希望を捨てず、ひたむきに戦いつづけた男の感動の物語。
<下>
十年に及ぶ異国での過酷な日々。
ロシア政府の方針を変更させ、日本への帰国をなし遂げた光太夫の不屈の意志。
吉村歴史文学、不滅の金字塔。
著者渾身の漂流記小説の集大成。
[ 目次 ]
<上>
<下>
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
【本の内容】
読んだ講釈が幕府の逆鱗に触れ、種子島に流された大坂の講釈師瑞龍。
島での余生に絶望した瑞龍は、流人仲間と脱島を決行する。
丸木舟で大海を漂流すること十五日、瑞龍ら四人が流れついた先は何と中国だった。
破船した漂流民と身分を偽り、四人は長崎に送り返される。
苦難の果て、島抜けは見事に成功したかに思えたが…。
表題中篇をはじめ、「欠けた椀」「梅の刺青」の三篇を収録。
[ 目次 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
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Posted by ブクログ
巣鴨プリズンが極東軍事裁判によって、
A級戦犯とされた人々の収容所だったという事実や
池袋のサンシャイン60がその跡地であり、
サンシャイン60に隣接する公園の片隅に
ひっそりとたたずむ「永久平和を願って」の碑の存在を
はたして今、どれだけの人が知っているのでしょうか。
この小説の主人公鶴岡は、
A級戦犯を収容した巣鴨プリズンに勤務する刑務官です。
同じ日本人でありながら、
戦犯の日本人を米兵の命令で看守しなければならない苦悩。
戦争の勝ち負けで大きく変わる戦犯の罪。
人が人を裁くのは、何と罪深いことでしょう。
鶴岡の眼をとおして、
戦後の日本の混乱した時代がリアルに描かれていました。
ほとんどが事実に添ったストーリーですから、
小説というよりも、ノンフィクションのような感じで読めました。
実直に勤務をし続けて定年を迎えた鶴岡ですが、
その胸中には深い傷が残っています。
巣鴨プリズンでの話は遠い遠い昔のこと・・・・
でもしっかりと記憶に刻まれたやるせない思いは
鶴岡ばかりでなく、
一人の読者の私にも感じられるものでした。
来年は戦後70年を迎えるといいます。
戦争は起こっても悲劇だし、終っても悲劇しか残らない!
プリズンの夜空に浮かんだ満月が見ていた事実や
刑にあった人々の慰霊碑が物語る史実を
忘れることのないようにし、
同じ過ちをおこさないようにしなければならないと思いました。 -
Posted by ブクログ
江戸時代、鎖国政策により外洋航海用の船作りを禁止させた日本の商船は、台風等により膨大な漂流民を生み出した。それまでは餓死していた漂流民も幕末頃になると鯨の油を求めて日本近海に来るようになっていた米国捕鯨船に助けられることが増え、そこから日本漂流民と米国人との様々なドラマが生まれたわけだが、このアメリカ彦蔵がそのドラマの最大のもののような気がする。
10代で漂流民として米国に行き、クリスチャンとなり、米国に帰化し、清国に渡り、ついに日本に帰り、日本で初の新聞を創刊しつつも、幕末の動乱の中で長州への砲撃をアメリカ船から見つけ、尊皇攘夷の志士達に命をつけねらわれる日々。。とにかく数奇すぎて、こんな日本人がいたのかーとビックリする。そもそも歴代の大統領と三代にわたりホワイトハウスで会見をしたという日本人は、現代においてもなお彦蔵以外でいるんだろうか?しかもそのうちの一人はリンカーンだし。。
いやあ、たまたま漂流でここまで人生が変ってしまうんだから、本当にすごい。
この作品には彦蔵以外にも多数の日本人漂流民が登場し、あるものは帰国でき、あるものは鎖国政策によって清や米国に永住せざるを得なかった。いずれも故郷忘れがたく望郷の念を抱えたまま人生を過ごしていく切なさを感じる。いまは、24時間あればどこにでもいけてしまう時代だが、気持ちはよくわかり感じ入ってしまう作品でした。