吉村昭のレビュー一覧

  • 海軍乙事件

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    10/02/01 連合艦隊の参謀長という地位には、それなりの責任がと     もなう。
         どの時代、どの組織でも同じこと。

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    2010年02月01日
  • 死顔

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    【目的】読書会に向けて
    【感想】おどろくほどシンプルな文章。平安時代の和歌を詠んだあとに万葉集を詠むよんだとき感じるような、そんなに愚直に表現していいものかと一瞬とまどうった。でも、その感覚は、慣れきった技巧的な文章との違いに違和感を感じただけであって、ただシンプルな文章は、それで良い。シンプルな文章は、比喩などで読み方の筋道が立てていられていない分、読者に感情が委ねられる。「兄弟の死に目を見届けなくては可哀相、死顔に手をふれたい、それが愛情を伝えることになる」という固定観念に一石投じられたように感じた。

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    2009年11月17日
  • 仮釈放

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    【本文より】おれの神経を最も刺激するような余計な物を勝手に持ち込んだから、このようなことになったのだ、おれを憤らせたおまえがいけないのだ。

    この本はこの記述に尽きる。
    世の中には「刺激」に弱い人がいるのだ。

    他人のお節介で、主人公は二度も罪を犯す。
    他人はよかれと思って主人公に働きかけたが、
    最悪の結果を招いた。

    本人が気がついて、なんとかしようと行動するまで放っておく。
    人は人を変えることはできない。
    だから、他人のお節介はほどほどに。

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    2009年10月07日
  • プリズンの満月

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    ・巣鴨プリズンを含めて40年間刑務官を務めた鶴岡って主人公の半生を描く小説。
    ・と、いう体裁を取ってはいるが、実は巣鴨プリズンに関するノンフィクション、と言った方が正しい。鶴岡の回想ですら無い部分も多い。
    ・GHQから日本に管理が移った後の巣鴨プリズンが、どんどんグダグダになっていく様子がとても意外だった。まさか入所者たちが内職をしたり自由に(じゃないけど)故郷に帰ったり外部に就職して酒を飲んで帰ったり、などと言うことが起きていたとは全く知らなかった。
    ・「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」が昭和30年にあって、その翌年に講和条約第11条の手続きをして、そして釈放となったと理解していたんだ

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    2009年10月04日
  • 長英逃亡(上)

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    夫のふるさと岩手県水沢市の誇る文化人。生家を訪れたことがあり、墓も義母の家と同じお寺にあるので何故か親近感が沸く人物。
    興味があってこの本を読み始めたけど、その生きた時代の厳しさと人間くささが印象に残る。長編小説だけど、一気に読める魅力ある一冊です。

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    2009年10月04日
  • 海の祭礼

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    ちょっと早かった、残念なアメリカ青年の話。開国前夜〜初期の奮闘する通詞の姿に働きマンとして感動。タイトルのみ、あまりしっくりこないが。

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    2010年04月13日
  • 冷い夏、熱い夏

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    悲しい物語である。
    悲しくて、こういう状況下でいたときにはとても読めない小説だろう。

    肺ガンの手術後、1年間にわたって死んでいく弟を見つめる兄を主人公とした小説。

    吉村氏の告知、延命に対する考えが述べられている。

    が、それは人それぞれである。

    自分としては、他人に病名を隠されたくないし、自分の意向が無い延命は徹底拒否である。

    「自分の意志」で延命を伝えたい。
    伝えられない状況下に置かれていたとしても、今のうちから、妻に言っておく。

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    2009年10月04日
  • 遠い日の戦争

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    太平洋戦争終了間際に捕虜となったアメリカ兵を処刑した主人公。

    主人公は、空襲や原爆で大勢の日本人を殺されたうらみ、それを晴らす代表者としての気持ちで捕虜を殺害した。

    しかし、待っていたのは戦後の日本人の意識の変換であり、警察からの厳しい逃亡生活だった…。

    こうも意識の変化が行われるものか。

    生きるためとはいえ、処刑を実行した主人公のむなしさが良く伝わる。

    逃亡の事細かな主人公の心の描写が切ない。

    特に逮捕のシーン、東京裁判のシーンが印象的だった。

    東京裁判は、真実を学びなおしたい。

    遠藤周作の「海と毒薬」にも事件的(捕虜処刑)にはつながる作品。

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    2009年10月04日
  • 海軍乙事件

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    吉村昭かなり過去作品新装版。
    乙事件だけじゃナクて甲事件も入ってマス。当時の戦況、価値観。この人の取材力は凄い。目の付け所が鋭い。派手さはナイけど淡々と書かれるリアルなストーリーに惹きつけられマス。
    時代の違い、それでも替わらない人間くささが書かれてマス。

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    2009年10月07日
  • 事物はじまりの物語

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    江戸から明治、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作り
    だした。歴史小説家が豊富な史料を駆使して書いたパイオニアたちのとって
    おきの物語

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    2009年10月07日
  • ふぉん・しいほるとの娘(下)

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    この一家は絶世つーほど美しいのにもかかわらず男運がなかったですね・・・産科を学んでいた師に無理矢理犯され女児を出産。一度はやる気を失ったものの、再び産科医をめざし、ついに独立。バリバリ働きだした稲。この人の熱心さ、すごい。

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    2009年10月04日
  • ふぉん・しいほるとの娘(上)

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    「間宮林蔵」でも出てきたシーボルトと、遊女其扇の出会いから物語は始まる。やがて二人の間にはハーフの女の子が生まれるが、シーボルトは国外追放を受けることに。彼女はどのように成長するのでしょうか・・・??なんかすごい不安。この時代でハーフ。しかも美女。大丈夫か??どきどき

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    2009年10月04日
  • 空白の戦記

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    タイトルのとおり、正史から抹殺、あるいは無視された人々の物語。
    どうやら著者のノンフィクション系の作品が好きなようだと思うようになった。いくらでも読めるし、読みたい。純文学系の方の作品はちょっと取っ付きにくいが。

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    2009年10月04日
  • プリズンの満月

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    巣鴨プリズンという日本人が日本人の戦犯に刑の執行をする場所があった、そういうことを忘れてはならないと思った。

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    2009年10月04日
  • 海の祭礼

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    今こうして日本という国で暮らしていられるのも、歴史に埋もれたこの本の主人公たちのおかげなのだということは知っておくべきだと思った。森山栄之助の人生を通してみる日本開国史。

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    2009年10月04日
  • 冷い夏、熱い夏

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    相変わらず骨太。壮絶な弟の闘病姿を極めて冷静に描写しながら、兄としての熱い思いにも触れ、静かに胸打たれる。

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    2009年10月07日
  • 人生の観察

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    短文ベスト
     まあ言ひ切り型の文章で、断定するのが小君良い。ノンフィクション小説家としての得難い経験や観察もふんだんに含まれてゐるが、一方で物足りなく感じてしまふのは、実際の小説を読めといふことであらうか。刑務所で話をすると、「救急車」と発言したときに聴衆が下を向くといふのもおもしろかった。

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    2026年09月13日
  • 羆嵐

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    熊の痕跡だけでこれでもかというほどに恐怖心を煽られる文章。
    ただ銀四郎のキャラ付けをあんな風にする必要があったか疑問。あの性格のせいで気持ちのいい終わり方じゃないように感じた。

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    2026年08月26日
  • 羆嵐

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    羆、恐ろしい
    熊による事件の報道が増えているように感じるが、猟友会に対する「クマがかわいそう」という意見もあると聞く
    この本を読むと熊…滅びてしまえと思うが、クマかわいそう派の本もあるのならば読んでみたい
    この前小岩井農場に伺った時に熊はとても賢いが小心者、と説明があった
    あれは羆の説明ではなかったと思うので、羆も小心者なんだろうか…?
    九州には熊がいないと聞く
    安心していいはずなのに、トイレに行くのが怖かった

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    2026年08月23日
  • 三陸海岸大津波

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    淡々と史実を述べている感じ。報告書のよう。
    後書きに「三陸の人は津波に注意しているから今後は大事には至らないだろう」的な現地の言葉が書いてあったが、迷信や過信は人を怠惰にするの言葉通り3.11では甚大な被害が出た。この本に出てきた地名は3.11で壊滅的な被害を受けている。この本が活かされなかったことが悔やまれる。

    死体の多くは、芥や土砂の中に埋れていた。掘り起しても死体の発見されない場合が多い。
    死体からは、脂肪分が滲み出ているので、それに着目した作業員たちは地上に一面に水を流す。そして、ぎらぎらと油の湧く個所があるとその部分を掘り起し、埋没した死体を発見できるようになったのだ。

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    2026年08月14日