吉村昭のレビュー一覧
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30年以上前に買ったのだが、当時は買った本はほとんど1年以内には読んでいたが、表題作は途中で「若者が無為に自殺する」筋立てに読むのを止めたらしい。結末の衝撃的シーンの記憶がない。
文芸として成立するということは、集団自殺とか少年の自殺が当時は珍しかったのだろう。自殺は若年の死因の第一位だが自殺でなくても若者の自殺的無謀行為は止められない。それを大目的たとえば国家のためと言ってしまうと白けるが、やはりナショナリズム以外の何か生きる意義を思春期のうちに見つけてほしい。自殺の場所として選んだ辺鄙な漁村の人々に「自殺することを考えたことはないのだろうかと思った」浪人学生は贅沢だと思う、漁業事故は多 -
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前半はあたかもプロジェクトXのように、世界最大級の戦艦建造プロセスが描かれる。突然の工期短縮や機密保持のための無理難題、図面紛失等様々な事件事故を踏み越えて、無事進水に至るとき、リーダー達の頬に熱いものが流れる〜という一連の流れは、まさにプロジェクトX的で、昔から日本の企業人には好まれるタイプの物語だろう。
そこから一転し、後ろ三分の一は実戦に配備された以降の武蔵の物語である。吉村の筆は前半と変わらず、数字や人事、無惨な兵士の死に様を克明に記すことで、即物的なリアリティの壁を構築していく。吉田満が『戦艦大和ノ最期』で文語調の短文により臨場感を惹起した手法と対照的に、当事者ではない吉村は確固とし -
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ネタバレ長崎の通詞から幕末には外国奉行支配調役まで取り立てられた森山栄之助だが、彼は外国公使からこそ注目を受けていた、英国公使オールコックは「官職名よりもはるかに重要な人物」と評されて、外国へ赴いての交渉団に推薦されるほどアノ時の日本に欠かせられない人物、国内事情でオランダ語しか知り得ていないので英語の通訳が未熟だと思い知らされた森山、当時密入国で日本に囚われていたラナルド・マクドナルドの牢に押しかけて学ばなければどうなっただろうか?
作品中にあった中川五郎治の種痘の話、見た事あるなだとおもっていたら北海道神宮の開拓神社の祭神のひとりだった