吉村昭のレビュー一覧

  • 海軍乙事件

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    P265
    太平洋戦争は中頃より、日本の出す暗号文は、アメリカに知られていた。
    情報収集という近代化戦争の始まりだった。

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    2015年08月14日
  • 大本営が震えた日

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    難解。でも読み応えのある一冊。

    70年も前のことだし、戦争なんて勢いで始まって勢いで終わるものだと思っていた。でも違ったようだ。
    衛星中継もインターネットもない時代でも、人と人との化かし合い、情報戦から戦いは始まっている。それがよく分かる。

    ミッドウェーを境に転落を続け、貧すれば鈍するで精神論が先行して破滅の一途を辿ったことは周知のとおりだが、少なくとも開戦に至るまでの過程は多分に運に依拠する部分もあれど緻密に練り上げた一大作戦が実を結んだ戦史上でも空前の出来事だということは伝わった。

    ついでに、解説で引用されていた一文にも妙に納得。
    「日本の一般市民はそれまで戦争を特に悪いことと考えて

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    2015年07月27日
  • 零式戦闘機

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    無茶な要求を乗り越え作成した戦闘機。
    要求をほぼ満足したその機体の性能は世界一。
    なんだけど、人命軽視な姿勢は、恐ろしい。
    裏付け無いまま、、、
    技術者として、無理無茶な要求にも答える姿は学びたい。

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    2015年06月16日
  • 蚤と爆弾

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    第二次世界大戦時、細菌兵器を開発していた関東軍防疫給水部の研究と、その研究者の人間像を描いた歴史記録文学。

     軍医の名前や部隊の名称は変えられているみたいです。しかし書かれている実験や研究活動の様子は以前読んだノンフィクションに勝るとも劣らぬ詳細さ。
    そして、事実だけを冷徹に感情を挟まずに書く文体も吉村さんらしいです。

     そうした感情を挟まない文体だからこそ余計に強く浮かび上がるのは、実験の異常さと残酷さです。

     ペスト菌に汚染された大量の蚤の生産のため、体が干からびるまで吸血されるネズミ、より運動能力の高い蚤だけを選別するための作業、
    そしてその残酷さや異常さは人間にも向かいます。凍傷

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    2015年05月09日
  • 冬の鷹

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    解体新書を訳した前野良沢を中心に、長崎でオランダ語を学ぶ苦労、杉田玄白らとの交流が描かれている。学者肌で誤りが残る翻訳を出版したくない思いや、人との交流を絶ったことで貧しく孤独な暮らしになる。その中でも凛として生きていく姿が目に浮かぶ。人の崇高なる生き様を感じられる本である。

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    2015年01月14日
  • 磔

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    何話か入っていたが、印象に残ったのは「磔」と「コロリ」。吉村昭さんらしい、その場に居合わせたようなリアルな内容でした。
    印象が薄く退屈な話もあったので、吉村作品にしては評価は低め。

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    2014年11月19日
  • 陸奥爆沈

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    「大艦巨砲主義」とは、若き乗組員たちにとって
    両性具有者の完全無欠性をイメージさせる言葉だったと思う
    それは不可能性を実現した姿として
    時に憧れの的であったろう
    しかし、時にそれは空疎な妄想として
    憎しみの対象となったかもしれない
    あの「金閣寺」のようにね
    それこそばかげた妄想だと、笑われるかもしれないが
    そのように考えれば
    火薬庫で火遊びするバカタレどもの心境も
    わかる気がするのだ

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    2014年09月29日
  • 大黒屋光太夫(上)

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    【本の内容】
    <上>
    若き水主・磯吉の人間臭さのにじみ出た生々しい陳述記録をもとに紡ぎだされた、まったく新しい光太夫たちの漂流譚。

    絶望的な状況下にも希望を捨てず、ひたむきに戦いつづけた男の感動の物語。

    <下>
    十年に及ぶ異国での過酷な日々。

    ロシア政府の方針を変更させ、日本への帰国をなし遂げた光太夫の不屈の意志。

    吉村歴史文学、不滅の金字塔。

    著者渾身の漂流記小説の集大成。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険

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    2014年09月21日
  • 暁の旅人

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    幕末の長崎、オランダの医官ポンペから実証的な西洋医学を、日本人として初めて学んだ松本良順。幕府の西洋医学所頭取を務め、新選組に屯所の改築を勧め、会津藩で戦傷者の治療を指南、さらに榎本武揚に蝦夷行きを誘われる。幕末、そして維新の波にもまれながらも、信念を貫いた医家を描く感動の歴史長編。(親本は2005年刊、2008年文庫化)

    吉村昭、最晩年の作品。史伝小説のせいか、淡々としている。
    この本の良順にはイマイチ、共感を感じない。読んでいて、つまらないということではないが、水を飲んでいるような感じがして、コクとか旨味とか手応えを感じない。あるいは、良い酒は水に近くなるということなのだろうか。史伝小説

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    2014年09月15日
  • 深海の使者

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    第二次世界大戦下、孤立した日本の同盟国は日独伊三国同盟を結んだ、独伊。

    戦時下においても、日独両国間の連絡は密に行われてはいたが、各々持つ優秀な技術、重要な情報、そして人材を直接受け渡す手段としては、日独両国が保有する潜水艦であった。
    中でも、太平洋を巡行し長大な航続距離を持つ日本の潜水艦が、果たした役割は大きい。
    インド独立に大きな役割を果たしたチャンドラ・ボースは、この潜水艦ルートを使って欧州から日本を経由して、インドに入ることになる。
    昭和20年8月、日本の敗戦によって、潜水艦隊は解体され、失われることとなった。

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    2014年09月05日
  • 背中の勲章

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    戦争中、捕虜になった者の抑留生活を描く。
    戦争といえば良く聞く「特攻」や「生きて虜因の辱しめを受くる勿れ」という言葉。
    その教えが彼らを苦しめ、自決した者も多かったと聞く。
    ただ生き延びた者は、故郷に戻り新たに生活を始めた。
    ただ、戦争に良いも悪いもなく、どうなっても辛い時代だったに違いない。
    二度と繰り返してはいけない。
    日本が敗れ、三千人という捕虜が故郷に還されたのは、奇跡だったに違いない。

    2014.8.11

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    2014年08月11日
  • 陸奥爆沈

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    原因がはっきりされていないのと、他の戦艦の爆沈に多くの記述がさかれており、氏の著作の中では満足度は低かった。

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    2014年05月11日
  • 仮釈放

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    ネタバレ

    もう、バッドエンドの極致。
    ちょっと間違えればどんなふうにでも転がっていくということか。
    暗くて、深い。

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    2015年07月15日
  • ポーツマスの旗

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    〜14.4.4条約を結ぶまでが戦争だよ。坂の上の雲では終われない日露戦争の先を詳しく知れる。国の交渉の行われ方も興味深い。妥協点や譲歩、捉え方を変えるなど微妙なやり取りが面白い。

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    2014年04月05日
  • 冷い夏、熱い夏

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    実体験を元に描かれているので、言葉のひとつひとつに重みと説得力を感じます。
    ただ、筆者の主張がそのまま呑み込めるかというとそうではなく、
    「私なら…」「私だったら」など反駁しながら読み進めていきました。

    癌の進行や闘病の様子はリアルなのに登場する医師や看護師、葬儀社が
    みな信頼のおける「いい人」ばかりなのには違和感を覚えました。

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    2014年01月22日
  • 総員起シ

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    かなり以前に発表された作品であり、関係者が多く存命だったためか、終始とても生々しく描かれている。

    読後、なんともやりきれない感が残る。

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    2014年01月14日
  • 冷い夏、熱い夏

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    弟が癌になり、死まで1年に及ぶ闘病と周囲が献身的に看病する。癌であることをひた隠し、1ヶ月前から葬儀の手配をする自分を冷たい人間だと責めつつ、自身の闘病経験から行動せざるをえない。深い愛情を感じる。14.1.13

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    2014年01月13日
  • 長英逃亡(上)

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    政治犯として無期懲役を食らったところ金を使い脱獄。
    行き先々で迷惑をかけながらも生き抜いていく生命力の強さは
    史実では傲岸不遜な長英先生を表しているといえなくもない。

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    2014年01月02日
  • わたしの普段着

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    吉村昭のエッセイ。他のエッセイ集と比べると、一つ一つがやや長めか。吉村昭の家系について語った「家系というもの」は一読の価値がある。

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    2013年11月04日
  • 七十五度目の長崎行き

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    吉村昭の作品に関連するエッセイ。すでに作品を読んでいたりすると面白く読める。もちろんそうでなくても、楽しく読めると思う。

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    2013年10月27日