吉村昭のレビュー一覧
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大戦中、杜絶した日独両国を結ぶ連絡路を求めて、連合国の封鎖下にあった大西洋に、数次にわたって潜入した日本潜水艦の決死の苦闘を描いた力作長編!
とのことです(裏表紙より)。
第二次大戦中、潜水艦で日本とドイツを行き来していたなんて知らなかったです・・・。
しかも、そのルートが凄い。日本から直通でどこにも寄港せずにはさすがに行けませんが、寄港できる場所も限られてるんで、数ヶ所寄港するだけでドイツまで行かなきゃいけない。
伊号第八潜水艦に至っては、日本を出発して、シンガポール、ペナンに寄港して、もうそこからノンストップでドイツへ。もちろん喜望峰を迂回。どえらいルートです。
さらに、その航海途中 -
Posted by ブクログ
吉村昭という作家を始めて知った。これだけの作家を今まで知らなかったなんて、恥ずかしい限り。
日露戦争の日本海海戦を描いている。
ロシア側、日本側の両側を丁寧に、史実を確実に積み上げた、読み応えのある、面白い小説だった。
当然、これを読みながら司馬遼太郎の「坂の上の雲」と比べていた。
同じ舞台を描きながら、全く異なるアプローチ、記述。
「坂の上の雲」と「海の史劇」というタイトルだけで、2人の違いが良く分かる。
明治の日本人が坂の上にある何かを求める姿勢とか想いを描いたのが前者なら、後者は淡々とあった歴史を積み重ねている。
小説家によってこんなにも違う作品になる。
もちろんどちらも素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
もっとも読みたかった本
この夏亡くなった作者。最期は妻が看取る前、自身で自身の命を絶ったと報道されれている。
それを聞いて読みたかったのがこの本だ。弟が自覚症状のない末期肺ガンになり、それをひたすら隠し通しながら弟の死を看取る兄の心模様を描く。私小説であり、主人公である兄は自分自身だそうだ。
凄絶という言葉がふさわしい弟の闘病の様子、それを見守る兄弟たちの葛藤、そして隠し通した主人公の心模様が赤裸々に小説として記録されている。
いつ電話が鳴るかわからない状態の中で小説は進行する。主人公が弟の急変を聞きつけて病院に駆け込むが、病室に入らず自身の心の準備をするという下りがある。
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Posted by ブクログ
『再婚』・・タイトルにひかれて読みました。
ある程度年齢のいった人ならば現在配偶者がいる、いないにかかわらず、
1度や2度は頭をよぎったことがあるのではないかと思います。
「老眼鏡」「男の家出」「再婚」「貸金庫」「湖のみえる風景」「青い絵」「月夜の炎」「夜の饗宴」の8編からなる短編集です。
時代背景は今より少し遡りますが
どの話も男の人生の岐路においてありえそうなことを、
全くの男性目線で描いています。気に入ったいくつかを紹介します。
「老眼鏡」
真面目すぎて見合いも断られ、やっと結婚相手がみつかって本当は嬉しいはずの結婚式を目前にして・・
またもや悩みが。
今まで女と寝たことがなく結婚 -
Posted by ブクログ
明治二十九年、昭和八年、そして昭和三十五年のチリ地震津波と三つの津波による三陸海岸の被害を生き残った人々へのインタビューをもとにつづったルポ。
2011年3月の東日本大震災以前にも三陸海岸はたびたび大津波の被害を受けていた。その度に人々は対策を施し、毎回被害は少なくなっていたのだが、今回の甚大な被害から予想を上回る津波だったことがわかる。
津波被害は何十年に一度なので、住民の意識が薄れてしまう。だからといって住民の意識を高め、地震のたびに高台に避難するといったことは社会生活に影響を及ぼす。地震をともなわない大津波もあるのだ。
潮位の監視など、システムを構築することが重要と感じた。
巻末に明治