吉村昭のレビュー一覧

  • 桜田門外ノ変(上)

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    淡々とした筆致で桜田門外の変が描かれていく。

    主人公は関鉄之介なのだが、どうして主人公なのか。
    あくまでも史実を丹念に紐解いていっているので、
    そこからの膨らみがないような気がする。

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    2010年08月16日
  • 事物はじまりの物語

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    なにかのはじまり、そういうトリヴィア的魅力に加えて、それを吉村昭が書いてくれてるとしたらこれは読むしかないでしょ、っていう。はじまりには二種類あって、外国で生まれたものがどのように日本に入ってきたかと、日本発のものがどのように誕生したか。前者は主に明治維新時の話で、とくにマッチに関してはとても日本人らしいというか。日本で初めてマッチを生産することに成功した清水誠という人が、さらにストックホルムのマッチを発明した会社に技術を盗みにいくのですが、怪しまれぬように工業視察員として関係ない会社もいくつも見学してから行くのです。工場に入ってからも、質問が専門的過ぎてバレそうになるものの、なんとか誤魔化す

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    2011年07月17日
  • 彰義隊

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    皇族でありながら朝敵となった人物がいたことを、この本で初めて知った。列藩同盟の盟主就任を淡々と受け入れる輪王寺宮の姿勢がすがすがしい。

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    2009年12月12日
  • 漂流記の魅力

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    『十五少年漂流記』とかあるし、漂流記かあ、ロマンティックだなあと勝手に思っていた。よく考えればそんなことはないのだ。「漂流記」とは、漂流を経て帰還した者の叙述を当代の学者が記録したもので、著者はこれを日本独自の海洋文学と位置付ける。第1章で、なぜ漂流が頻発したのか、その恐ろしさが解説される。第2章以降は、日本人として初めて世界一周することになった若宮丸の水主の漂流の過程を、大槻玄沢による『環海異聞』などに基づいて追う。新書ですが、吉村さんは小説も大体こんな感じだと思うので、まあ小説でもあるかもしれません。

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    2011年07月17日
  • 陸奥爆沈

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    この著者はいつも登場人物の人間くささを巧く描いていて、グイグイ引き込まれてしまう。今回も大変面白うございました。

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    2009年10月04日
  • 天狗争乱

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    ネタバレ

    桜田門外の変から4年―守旧派に藩政の実権を握られた水戸尊攘派は農民ら千余名を組織し、筑波山に「天狗勢」を挙兵する。しかし幕府軍の追討を受け、行き場を失った彼らは敬慕する徳川慶喜を頼って京都に上ることを決意。攘夷断行を掲げ、信濃、美濃を粛然と進む天狗勢だが、慶喜に見放された彼らは越前に至って非情な最期を迎える。水戸学に発した尊皇攘夷思想の末路を活写した雄編。

     1997年6月29日購入

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    2012年03月21日
  • 桜田門外ノ変(下)

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    ネタバレ

    水戸の下級藩士の家に生まれた関鉄之介は、水戸学の薫陶を受け尊王攘夷思想にめざめた。時あたかも日米通商条約締結等をめぐって幕府に対立する水戸藩と尊王の志士に、幕府は苛烈な処分を加えた。鉄之介ら水戸・薩摩の脱藩士18人はあい謀って、桜田門外に井伊直弼をたおす。が、大老暗殺に呼応して薩摩藩が兵を進め朝廷を守護する計画は頓挫し、鉄之介は潜行逃亡の日々を重ねる…。

     1997年6月29日購入

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    2012年03月21日
  • 桜田門外ノ変(上)

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    ネタバレ

    安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。

     1997年6月29日購入

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    2012年03月21日
  • ニコライ遭難

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    大津事件をめぐるお話。

    大津事件は司法の独立の問題としては知っていたけれど、それ以外の面はほとんど知らなかった。
    犯人の心情やその当時の日本の立場などを知る事ができたのは良かったなぁと。
    でも、裁判の部分はもう少し掘り下げて書いてみてほしかった。

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    2009年10月07日
  • 桜田門外ノ変(上)

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    2009年に映画化の話が持ち上がっているので、読んでみる気になった。2008年のNHK大河ドラマが篤姫という幕末を江戸城大奥で暮らした女性を描いたドラマであったことも関係している。さらには、著者が吉村昭氏であることも。

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    2009年10月04日
  • 海の史劇

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    坂の上の雲はすでに読んでいたので他に日露戦争のこと書いた本ないか親父に聞いたらこの本を薦められた。ていうかなんなんだあの親父の読書量は。圧倒的じゃないか。

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    2009年10月04日
  • アメリカ彦蔵

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    この時代にアメリカ人になる人生を選んだ彦蔵の心境をいつまでも考えてしまう。
    若かったから?
    日本でのしがらみが少なかったから?
    親切なアメリカ人が多かったから?
    …でもそれだけじゃ、選べないんだろうな。
    そうしなかった人と彦蔵の一番の違いは何だろう。

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    2009年10月04日
  • 脱出

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    実際に起こった事件をもとにかかれている小説です。なにがすごいって、吉田先生がこんなとこまで調査しているのがすごい。
    中篇が数本収録されています。

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    2009年10月04日
  • 島抜け

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    島流し、脱島、漂流、と波乱の人生を送った多くの人々がいたという江戸時代ならではの歴史の一部を垣間見た。
    日本における初期解剖の話も興味深い。

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    2009年10月04日
  • ふぉん・しいほるとの娘(上)

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    シーボルト事件から幕末明治までの流れの縮図の中心にあるシーボルトの娘に着眼。この辺りの年譜を頭の中で整理することができる。

    史実に忠実に、できるだけ漏れがないようにと歴史小説として教科書的に書かれているだけに読みにくく、登場人物が多いだけに描き分けるのに苦労したあと見られる。

    それにしても、この(オランダ人を騙った)ドイツの強引おっさん、相当好色だったらしいなぁ。

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    2009年10月04日
  • ふぉん・しいほるとの娘(上)

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    模範的歴史小説。シーボルトが筋金入り諜報員だったらしい上にかなりの好色...か。主人公の娘はあまりに品行方正でやや現実味に欠ける。

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    2009年10月04日