あらすじ
「解剖」「スキー」「石鹸」「洋食」「アイスクリーム」「傘」「国旗」「幼稚園」「マッチ」「電話」「蚊帳・蚊取り線香」「胃カメラ」「万年筆」の十三編のはじまりの物語。そのひとつひとつに歴史があり、人の営みがある。江戸から明治にかけて、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。三十年以上歴史小説を書きつづけてきた著者が豊富な史料を駆使して書いた新鮮な驚きが溢れる物語。
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Posted by ブクログ
「解剖」から「万年筆」まで、13の事物について、日本に広まっていった経緯が簡単に解説されています。著者は有名な歴史小説家ですが、自信の想い出が織り交ぜられていて、単なる雑学本ではなく上質なエッセイとして読めます。西洋料理は当初は日本人には不評だったという点と、薩摩藩の西洋式帆船が日本国旗の起源だという俗説を訂正している点が、特に印象に残りました。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
江戸から明治、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。
歴史小説家が豊富な史料を駆使して書いたパイオニアたちのとっておきの物語。
[ 目次 ]
解剖
スキー
石鹸
洋食
アイスクリーム
傘
国旗
幼稚園
マッチ
電話
蚊帳・蚊取り線香
胃カメラ
万年筆
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
江戸から明治、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作り
だした。歴史小説家が豊富な史料を駆使して書いたパイオニアたちのとって
おきの物語
Posted by ブクログ
なにかのはじまり、そういうトリヴィア的魅力に加えて、それを吉村昭が書いてくれてるとしたらこれは読むしかないでしょ、っていう。はじまりには二種類あって、外国で生まれたものがどのように日本に入ってきたかと、日本発のものがどのように誕生したか。前者は主に明治維新時の話で、とくにマッチに関してはとても日本人らしいというか。日本で初めてマッチを生産することに成功した清水誠という人が、さらにストックホルムのマッチを発明した会社に技術を盗みにいくのですが、怪しまれぬように工業視察員として関係ない会社もいくつも見学してから行くのです。工場に入ってからも、質問が専門的過ぎてバレそうになるものの、なんとか誤魔化す(笑) 維新のころの日本人の必死の真似根性を垣間見た気がしました。企業秘密を盗んでいるので、今の常識から言えば決して許されることではないですが、金にものを言わせて外国企業から秘密を引き出そうとする現在の中国政府よりはずっと微笑ましい。面白かったけど、まあ普通かな。