森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
字面から受ける印象は良くないが、この状態が一番理想だというのは良くわかる(ような気がする)。かつて小学生の頃、クラスの仲間に仲間はずれにされた経験がある。あれはつまりイジメだったんだろうなあと思うけど、かなりな原体験になっていて、あんな寂しさ、恥ずかしさはもう味わいたくないと思うから、むしろ人付き合いは好きじゃない。でも、たまに飲める友達や知り合いが少なくてもいてくれて、カミさんもいるし、好きな野球だってやれるから、仕事場がつまらなくてもこれはこれでいいかなと無理に思おうとしていたら、かなり自然になってきた。もう別に二度と事務所の連中と飲みたいなんて思ってないのに、退職するやつや入社するやつが
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Posted by ブクログ
Xシリーズは、講談社ノベルスで刊行が続いていたときに、途中まで・・たぶん、この『タカイxタカイ』くらいまで追いかけていた。しかし、S&Mから森博嗣に入った読者としては、V ⇒ G と世界が広がるにつれて、個々の作品の凝縮度が下がっているような気がして、もういいかな、と思ってフォローをストップしていた。
今般、未読になっているXをコンプリートしようと思い立ち、順次読んでいる。
本作も、ミステリとしてのロジック空間が構築されているわけではない。連続ドラマのように、小川と真鍋を巡る、ちょっとだけ非日常が降りかかる日々を、写実的な会話と、彼らのふわふわした思考で描くというライトなスタイル。 -
Posted by ブクログ
孤独は悪いことではないという言葉に少し救われた気がした。例えば創作活動や芸術をする上では一人で静かな環境の方が最適である。賑やかな楽しい所からはアイデアは生まれない。アーティストがなぜ孤独を好んでいるのかが分かった気がする。寂しさに耐えられて、孤独を好むことが、芸術家になる必要条件なのかもしれない。
映画「リトル・ミス・サンシャイン」で出てきた「苦しんだ時こそ自分を形成出来る最良の日々。幸せな月日は無駄にすぎて何も学ばない」という言葉を思い出した。賑やか=良いこと。寂しい=悪いことと決めつけて、孤独を避けて生きていくのは危ないなと感じた。
自分はどちらかと言うとある程度の孤独は耐えられるし -
Posted by ブクログ
日常の中から非日常をそっと覗き見るようなほどよい緊張感が続く。犯人を追い詰める刑事の緊張感も犯人の慟哭もここには描かれない。
言うなれば、「他者を見る」とは、そういうものかもしれない。自分と他者が繋がりのあるものという認識はやはり中々つかめない。
蜃気楼のような霞を見ているだけではそれこそ無理で、手を伸ばしてつかもうとしなければ、そこに触れることは難しい。それでいて、その片鱗をつかめる程度が限界だろうか。
手をつかまれて驚いた顔をした犯人…
この動きの中、そこに含まれる要素の中に蜃気楼に触れるための何かがある。覚悟を決めた絶対的な個としての関わりこそが、蜃気楼を具象化させるのかもしれない。