今野敏のレビュー一覧

  • 任侠病院

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    任侠病院
    任侠シリーズの最後に読んだ任侠病院、任侠書房、任侠学園、任侠楽団、任侠シネマ、任侠浴場と読む度に次作を期待しながら全て読み終わった。
     阿岐本組組長以下6人の組員はそれぞれキャラがあって面白い。それぞれ個性的、羨ましい能力を持った人物である。地元住民に好かれ、頼られ、堅気の人に迷惑を掛けないように生きるこんなヤクザが居たら応援したくなる。今回は病院の再建のために奔走する。薄汚れた病院の外壁を清掃し、真っ白にすることから始める。そして受付の女子事務員の笑顔を作るためにピンクのバラを3本渡す。これをやる時点で「ああこの病院も再建するなあ」と確信する。いやあ今野敏作品はハマる。次は何のシリーズにしようかな。今のところ52冊位読んだのでまだまだ100冊位残ってる。頑張って読もう。

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    2026年05月21日
  • 任侠学園

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    任侠学園
    今回引き受けて来たのは、潰れかかった私立高校の運営だった。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど荒廃した学園を日村たちは建て直すことが出来るのか。花壇清掃から始めて、割れたガラス窓、落書き消しと身体を張っての挑戦が始まる。こんなことでこの学園の生徒の気持ちを惹きつけることが実際出来るのか。いずれ自分たちの素性もバレ、ヤクザがこの学校の理事長以下を運営していることが生徒の親御さんにもわかってしまう。しかし、不思議なことに色んな問題を抱えても、身体を張った親身な態度が生徒には伝わっていくのだ。徐々に荒れ果てた頃の学校の校舎やグランドが見違えて行くころ、学校を去る日が訪れた。寂しく校門に向かって歩いていると全校生徒が別れの言葉を叫んでいる。屋上からは「さようなら理事長」の垂れ幕が掲げられている。阿岐本のオヤジは「あいつら、ヤクザを泣かせるなんざ、とんでもないやつらだ」日村は思った。卒業式で泣く生徒の気持ちが初めてわかった気がした。タイトルからは想像出来ない作品であった。涙なしには読めない。

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    2026年05月17日
  • 明鏡 東京湾臨海署安積班

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    前に書いたことあるのだが、大事なことなのでまた書く

    今野敏さんの安積班シリーズは短編集こそが醍醐味だと思うのです

    長編も面白い
    もちろん面白い

    だけども長編だと犯人とか気に入らん本庁の刑事とか色々出さないといけないし、それなりに謎解き的な部分も出さないといけないので、安積班のメンバーはほんとちょい役で終わってしまうことも多い
    ある長編では、わいの大好きな村チョウが二言しか喋ってなかったとかあるし

    だけどそれでは安積班のこのお互いに信頼し合うチーム感とかが出ないのよ

    そこで短編集ですよお客さん

    ここで安積班のメンバーを深掘りするわけです
    あるいは臨海署のメンバーをね

    チームとしての一体感みたいなんをここで再確認するわけです
    井原西鶴

    今回もチーム臨海署の絆を再確認
    そしてやっぱり警察官ってたいへんやなも再確認

    えがったえがった

    井原西鶴?(お前が書いたんやろがい)

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    2026年05月10日
  • 審議官―隠蔽捜査9.5―(新潮文庫)

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    過去最高の短編集だった。私が大好きな文庫解説でもベタ褒め、裏表紙には絶品の文字が踊っていたが、そのとおりです。保証します。
    竜崎伸也一家の前向きかつ成長する姿勢には感心する。家庭内の問題もいつもの原理原則に則る姿にもあらためて尊敬の念を抱く。
    さらには仕事においても硬軟併せ持ち対応する姿にもため息が出る。
    そして、俺は人間関係には興味がないんだ、の一言。
    素晴らしい、同感です、しかない。

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    2026年05月07日
  • 任侠書房

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    ネタバレ

    任侠書房
    今回は梅之木書房の立て直しである。組長自ら社長となり代貸の日村も役員として奮闘する。倒産寸前の出版社が本当に甦るのか半信半疑であったが、日村以下組員の斬新なアイデアと思い切った行動で徐々に書房の前途が明るくなる。不思議な現象であるが当初敬遠していた社員も新しい経営陣になびいていくのだ。赤字倒産間近の出版社が黒字経営も見えてくる。そんな中舎弟の真吉が警察に連行され、代貸日村の命を賭けた救出作戦は感動もの。どんでん返しの結末は『あっ』と思わせる。次作が楽しみだ。

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    2026年05月06日
  • 隠蔽捜査(新潮文庫)

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    警察庁のキャリア官僚・竜崎伸也は、組織の都合や空気よりも、法と原則を重んじる人物。警察内部で起きる不祥事と事件を前に、組織防衛に傾きがちな周囲との間で軋轢を生みながらも、自分の信念に従って真相へ向き合っていく。

    面白かった。
    読み始めた時は、正直「なんだこの主人公は?」という印象だった。いかにも警察ドラマに出てくるキャリア官僚の嫌な部分を、さらに極端にしたような人物。融通が利かず、空気も読まず、上から目線にも見える。間違っても自分の上司にはしたくないタイプだと思った。

    ところが読み進めるうちに、その違和感が少しずつ変わっていく。竜崎伸也は、途中で急に人間味を見せて好感度を上げるような主人公ではない。実はいい人でした、というありがちな反転でもない。彼は最初から最後まで、徹頭徹尾、竜崎伸也のままだ。そこがいい。

    普通なら「キャリア」は、現場の敵、組織の論理を押しつける存在として描かれがちだ。あるいは後半で、実は現場を理解していた人物として回収されることも多い。しかし竜崎は、そのどちらでもない。現場に寄り添うために自分を変えるのではなく、自分の原則を貫くことで、結果的に事件や組織の本質に切り込んでいく。

    だからこそ、読み手の側の視点が変わる。竜崎自身は変わっていないのに、こちらの評価だけが変わっていく。最初は欠点に見えていた頑固さや融通の利かなさが、やがて「ぶれなさ」や「責任を引き受ける強さ」に見えてくる。この感覚がとても面白かった。

    派手な事件演出や狂気の殺人鬼に頼る作品ではない。むしろ緊張感の中心にあるのは、会話、判断、責任、そして組織の力学だ。間違えられない局面で、誰が何を守ろうとしているのか。保身なのか、正義なのか、組織なのか、個人なのか。その駆け引きが静かに積み重なっていく。

    警察内部の構造も興味深かった。現場とは違う、キャリアの立場だからこそ見える緊張感がある。巨大な組織の中で、上に立つ者が何を判断し、どこまで責任を負うのか。その重さが、竜崎という人物を通して浮かび上がってくる。

    読み終える頃には、最初に抱いた印象とは真逆の評価になっていた。好き嫌いで言えば、決して分かりやすく好かれる主人公ではない。それでも、信念を貫く人間の強さと危うさがあり、気づけば目が離せなくなっていた。竜崎伸也という人物を理解していく過程そのものが、この作品の大きな魅力だった。

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    2026年05月05日
  • 任侠シネマ

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    任侠シネマ
    任侠シリーズの裏社会までも細かく表現する今野敏作品は読み応えがある。下町人情が色濃く残る商店エリアに縄張りを持つ暴力団組事務所。普段組事務所の中を覗くことなど到底出来ないが、裏社会の側からリアルに覗ける面白い作品である。組長自らが大好きな映画を存続させるために奮闘する親分は貫禄十分だし人情も厚い。今回はいつも頼りない北綾瀬署の刑事課刑事甘糟巡査部長の良さが光った。そして日曜洋画劇場の解説者淀川長治の『映画って本当にいいですね』さよなら・さよなら・さよならを思い出した。

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    2026年04月30日
  • 任侠浴場

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    任侠浴場
    最初任侠シリーズは敬遠していたが、作品は5冊ほどあるので試しにこの「任侠浴場」を読んでみた。表紙も見た目からマンガぽくってちょっとと思っていた。それが読み進むうちにハマった。阿岐本組組長の人柄がいい。正に人情味溢れる昔ながらのヤクザだ。その子分たちも躾が行き届いた親分思いの輩である。これはシリーズものとして面白いのではないかと思っている。物語は赤坂の潰れかけた銭湯の立て直しに一役買う話だが、阿岐本組組長の魔法の様な手当てがその債権を救っていく。次作が楽しみになって来た。

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    2026年04月26日
  • 天を測る

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    ネタバレ

    今まで数多くの歴史小説を読んできて、ここまで勝と福沢が少し嫌な奴に見える本は初めて読みましたw
    ただ主役の小野から見ると2人はこんな感じに見えたんだと新鮮な気持ちで読むことができました。
    歴史好きを自称している私もまだまだだなと思いました。
    世の中は足し算で作れるようになりたい!

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    2026年04月18日
  • 変幻

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    変幻
    警察学校同期3人の深い絆がもたらす物語である。3人とも働く部署は異なるが、いずれも優秀な選ばれし若者である。同じ釜の飯を食い、数ヶ月の在校期間を共にしたものだけが感じとれる特殊な感情と能力を共感する、本当に兄弟以上の血を分けた者の絆を感じ取れる。殺人事件解決にも麻取の潜入捜査にも中心となって活躍できる身体体力と頭脳を兼ね備えた同期は羨ましい。面白かった。

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    2026年04月12日
  • 継続捜査ゼミ

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    継続捜査ゼミ
    ゼミとは大学での授業の一環であるが、これが実際の未解決事件捜査の継続捜査になるとは思いもしなかった。女子大ゼミの講師(小早川)が元警察学校の校長で現役時代はバリバリのやり手刑事であった。そして、ゼミ生はこの女子大のそれぞれ魅力的な5人である。最初は女子大内で起きた2件の事件から犯人を割り出していくが、5人の個性と素晴らしい能力で犯人が解明する。それから本格的な継続捜査では、本来の未解決事件へと物語は進むのだが、小早川講師の絶妙な誘導によるヒントがゼミ生の能力を引き出していることに感服する。実際にこの継続捜査ゼミが、事件解決の糸口になるとは恐れ入ったが、今野敏作品の物語としては納得してしまった。恐れ入りました。面白かったです。

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    2026年04月11日
  • 分水―隠蔽捜査11―

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    竜崎刑事部長はいつも通り、生真面目で柔軟で仕事ができる。理想の上司であり人だ。
    鎌倉という特殊な環境でも竜崎氏は自分を変えない。
    一方八島刑務部長は人脈作りにスリスリするタイプ。嫌な上司の典型。
    竜崎氏の次の活躍が楽しみ

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    2026年04月10日
  • 明鏡 東京湾臨海署安積班

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    今野敏さんと言えばさまざまなシリーズものを手がけています

    やはり代表作は『隠蔽捜査シリーズ』ではないでしょうか
    ブク友さんの中でも着々と竜崎ファンは増えていますしね


    しかーし、竜崎だけではないです!


    『隠蔽捜査シリーズ』と並ぶ代表作として、人情味溢れる刑事たちが活躍する『安積班シリーズ』も推すべきではないでしょうか

    臨海署のメンバー好きです

    安積係長好き

    村チョウ好き

    須田も黒木も桜井もいい


    だけどやっぱり紅一点!


    水野がだーいすき♡
    (やっぱり美人好きかい!)


    竜崎!竜崎!竜崎!って言ってるそこのあなた!
    まだ『安積班シリーズ』読んでないなら読みなさいよぉ〜!

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    2026年04月06日
  • アンカー(スクープシリーズ)

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    飄々としてて不思議な魅力の魔法使いみたいな布施さんの魅力が絶妙だと思う。鳩村さんには、苛立ちを感じたりしてしまったが結果的にはいい感じに落とし込まれている。テレビ業界はもはや斜陽産業なのだという焦りもあったり、ニュースイレブンのメンバー達のまとまっていく姿も変化していくところも感慨深い。『一流の職人は手を抜かない。一流でない者は慣れに甘える』

    実際、検挙されているのは、犯罪性を疑われる遺体の数の5%に過ぎないっていうのは信じがたく何か隠されている気配を想像してしまう。

    「私たちにはもう、それしかやることがないのです」被害者の両親の言葉が切なく悲しく胸に痛みを感じた。

    犯人の心理については詳しくなかった。

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    2026年04月05日
  • マル暴総監

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    マル暴総監 
    いや〜凄い まさかの逆さまだ。ほんとに。信じられない。これは面白い。今野敏作品はこれだからやめられない。これは是非任侠シリーズも読ませていただきます。今回の事件解決のご褒美はキャバクラとは洒落ています。ご馳走様でした。

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    2026年04月04日
  • 明鏡 東京湾臨海署安積班

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    このシリーズはサクサク一気に読めて面白い。
    今回は犯罪捜査より臨海署内の問題を、安積が庶務係のように対応解決する、ある意味で平和な一冊であった。
    安積班の5人のキャラクターもお馴染みになり、安定した物語の展開を次作にも期待してしまう。
    軽く面白い警察小説と思う。

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    2026年04月04日
  • 探花―隠蔽捜査9―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    竜崎の神奈川県警の刑事部長編の二作目。
    横須賀市で発生した殺人事件。土地柄もあってか在日米軍の海軍犯罪捜査局の特別捜査官も参加しての捜査になることに。
    こういう人物ばっかりだったら、米軍の問題は少なくなるのではないかな、と思わせるような理想的な人だった。

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    2026年03月31日
  • 流行作家は伊達じゃない

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    流行作家は伊達じゃない
    今野敏の生い立ちを書いた作品である。まさに生まれた北海道の宝物が東京に進出して有名作家になるまでのエッセイを描いている。大好きな今野敏が、どのように生まれたのかを共有することが出来てとても幸せ。読んで良かった。作家としての才能は、やはり努力、努力、努力でした。改めてリスペクトし、これからも読み続けたいと思います。

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    2026年03月29日
  • 任侠書房

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    組としては小さくても、親分さんや代貸を尊敬して慕うみんな、お互いの信頼関係に感動!何とかその会社を救おうと本気で取り組む人、その心意気に心で返す書房の幹部!万年筆の話も良かった。やはり今野敏さんの小説は最高だ!

    ヤクザが住みにくいということは、一般の人も住みにくいはずだと、日村は思う。
    つまりおおらかさがなくなっているのだ。他人とちゃんと付き合うことができない。礼儀も知らなければ、気配りもない〜。の一連の文章には納得。

    読んですぐに感想を書くように努力しようと思う!

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    2026年03月27日
  • 隠蔽捜査(新潮文庫)

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    警察組織をあまり知らなくても楽しかった。組織内の政治的なかけひき、縦割りな感じがリアル。竜崎は変人といわれていたけど、まっすぐで有能な感じがすきで気に入りました!シリーズ読もう。

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    2026年03月27日