【感想・ネタバレ】武士猿(琉球空手シリーズ)のレビュー

あらすじ

明治初期、琉球王朝の末裔として生まれた本部朝基(もとぶちょうき)は、王家に伝わる武術、手(ティー)の実戦修行を繰り返していた。噂を聞きつけた猛者たちの挑戦を受け、鍛錬を積む日々。やがて拠点を内地へ移した朝基は、柔道やボクシングの使い手と他流試合を行うようになる。命のやりとりの中で“真の強さとは何か”を追求した伝説の唐手家が、生涯を掛けた戦いの果てに辿りついた真理とは…。武闘小説の真骨頂。

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"手"(てぃー)の使い手、本部朝基伝。”強さ”を追い、本当の"手の強さ"に出会い、誇りを取り戻すために闘い、それを伝えるために戦う。最後に出会ったのは欲を超えた喜び。
沖縄にはまだまだ知らない伝説の男たちがいるようだ。ありがとう。

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2014年08月05日

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琉球王家の末裔で、唐手(空手)の修行に生涯をかけ、明治から昭和初期にかけて活躍した本部朝基の伝記。

武道全般には1ミリも興味はないのですが、今野センセの空手モノはおもしろい。
今野氏の、並々ならぬ空手および沖縄文化への思い入れが伝わります。

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2012年06月05日

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非常に面白く一気に読み(といっても1週間かかりましたが)ました。
理由1:自分も空手をかじったことから、登場人物が実在とすぐにわかったこと。もっとも現代空手のため(祖は義珍氏となります)本部氏とは別視点ではありましたが。
理由2:文体が容易だった。くどさもなくテンポ感がよかった。その上で詳細な取材と考察をされているのがよくわかる内容。
武道ものの小説は初で、新鮮さもありよかったです。同著者の義珍先生を題材にした小説も是非読もうと思うところです。

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2012年05月24日

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ネタバレ

本部朝基こと武士猿(サールー)は今野敏先生の
沖縄武道シリーズで名前を知っていたが、新垣清
先生の小説で概略は予習していた
先に義珍を読んでいたので同じ時期の沖縄人の悲
哀の中、沖縄武道「手」を大和世(本土)に広め
たいという、同じ思いを持ちながら性格や出会い
の違いから別のアプローチになった両人、本書の
主人公の方が武人として最強を求めラストに僅か
な幸せの余韻の残る表現、作家は偉いものだ

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2024年11月30日

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昔「空手バカ一代」を読んだ時みたいな興奮が蘇った。
独特の沖縄の発音はちょっと読みにくくて取っ付きにくいところがあったが空手の奥の深さを知ることが出来た。
ほんとにこんな達人がいたのか半信半疑な気持ちと、もう一度空手に対して夢が見られそうな妙な興奮が湧いてきた。
また空手を真剣にやってみたいと思った

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2019年09月15日

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手(空手)に真摯にむき合う主人公。人生を突き詰めて行くと家族とも生活できなくなってしまうが、最後に息子に手を教えてくれと言われたのは手の師匠としても親としても最高だろう。

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2017年09月21日

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実在した空手家、「本部朝基」を主人公にした、小説で、ノンフィクションではないが、「本部」が、生きていた当時の資料を、もとにしている。琉球貴族の家庭の、次男である朝基は、長男とは違い、十分な空手の練習を、させてもらえず、身分が邪魔して、試合相手をしてくれる人も、少なかった。そんな青年時代をおくった朝基も、立派な空手家になり、沖縄から、日本本土にでて、空手の指導者にまでなった。そのころ、琉球空手は、形を変えて、本土に普及しつつあった。そんな状況に心悩ませつつ、彼は、「自分は、本来の姿の、空手を伝えていくことに、一生を捧げよう」と誓うのだった。薩摩に占領された琉球で、名ばかりの武士に落とされた人々に、「お前らに、おれたち貧乏人の、何がわかる!」と罵られた朝基。その言葉を、真正面から受け止めるのは、辛いだろう。しかし、「おれたちも、彼らも、同じ人間なのに」と、悲しくなる本部。この作品は、一人の人間の人生を通して、当時の沖縄の、時代背景を描いている。

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2013年11月17日

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空手の話です。今野さん、なんと空手道場もやってるらしい。。

時は廃班置県後の沖縄。まだ武士が、武士の魂を捨てられず、時の流れに流されるまま、どうやって生きていくべきか悩んでいたあの頃。
一人の琉球王朝の末裔、本部朝基、通称サルが主人公。

手(てぃ)と呼ばれる武術にたけ、その技を磨くことだけを志とし、今日もサルは掛け試し(今で言うストリートファイティング?)に出かける。。。


私、全く空手の事は知りません。沖縄が発祥の地だということも知りませんでした。。。中国から伝わって、手→唐手→空手と。。。
朝基の、身のこなし、息遣い、技、どれをとっても読んでるだけで手に取るように分かる。思わず型をポーズしてたり(笑)やらずにはいられないのだ。

空手の極意や、奥深さを、空手道場を主催している著者だからこそ伝えられるのだろう。朝基が求めた、真の強さとはなんだったのか。。

空手伝承の先駆者、実際の人物、本部朝基をモチーフに、今野さんの空手ワールドが楽しめます。空手を知らない私でも面白かった。

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2013年08月08日

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空手の発祥の地、沖縄で掛け出し(いわゆる果し合い)を繰り返し、空手の普及に尽力した元部朝基の人生。

東京で同じく空手の普及のため松濤館を開く船越義珍と出会うなど、空手に対する理論が違う中でも現在極真などフルコンや伝統派のルーツは全て2人の奇才に行き着く。

極真でも移動や型を学ぶのでこれからは型の意味など学びたいと思う。

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2013年03月16日

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何かに真摯に向き合い、しかも継続する人は、たとえ小説の主人公であろうとも尊敬に値する。どうやらこの主人公は実在した人らしい。
本当にあった事かどうかは自分には証明しようがないので棚に上げておき、とにかく「読み物」としては多少地味ではあるモノの大変おもしろいものだった。ワクワク感というのとは違う、なんというか、落ち着いた?ん~、よくわからないが、とにかく浮ついた感じがないのだな。

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2012年05月28日

Posted by ブクログ

久々の武闘小説。
夢枕獏さんのばっかりやったけど(^^;;
(餓狼伝…)
お恥ずかしい話、空手が沖縄発祥って知らんかった…それだけ、普及したとも言えるけど(^_^;)
琉球王朝の末裔として生まれた本部朝基さんの話。
正に、強さだけを追求してきた人なんやな。基本に忠実やけど、他の流派、武術とも闘い工夫し、強くなる。
本土に来て、沖縄武術の強さを広めようと人々に教えていく。
格闘シーンとかもあるけど、どっちかっいうと彼の生き方を描いている感じ。
やっぱり、強い人って、素直で何でも吸収していくんやな。
こういう考え方は別に武術に限らず全ての事に言えること。
考え方に関しては、参考になる。但し、肉体的なもんはムリなんで、脳味噌だけにしときます(⌒-⌒; )

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2022年04月17日

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