【感想・ネタバレ】朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕―のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月24日

今野敏「警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ」第2作目(1998年4月単行本、2007年10月文庫本)。
1作目より断然面白かった。捜査の小気味良い進行とドキドキ感と期待感、夫婦の信頼感、相性のいい捜査の相棒との信頼感、そして最後に権威権力者を出し抜く痛快なオチまで用意されている。このシリーズにもハマるか...続きを読むもしれない。

主人公の警視庁捜査一課強行犯係の樋口顕警部補の妻恵子が失踪した。翻訳の仕事で金曜日の午後、翻訳家の自宅に下訳の原稿を届けた後行方不明になった。誘拐の可能性があるがわからない状況だ。樋口は独自に捜査を始める。月曜日の朝には警備部長脅迫状に関する捜査本部がたつ。それまでに独自に解決すべく荻窪署生活安全課の氏家譲巡査部長に協力を依頼し、前作「リオ」の相棒コンビが事件解決に動く。

2日間のタイムリミットで優秀な刑事が頭を働かせ、足を使い、徐々に誘拐犯の特定に近づいていく。樋口の自宅は多摩プラーザ、翻訳家の自宅は初台で所轄署は代々木署、そして誘拐犯と見越したのはその交番に勤務する若き警察官安達弘だった。
恵子はその警察官のアパートにはいなかった。どこかに監禁されているはずだ。もう命の危険性もある。樋口は代々木署に状況を話して捜査の緊急配備をして貰う。
恵子はゴムマスクを付けた男に高円寺のマンションの一室に手錠を掛けられて監禁されていた。しかし優秀な刑事である夫が必ず救ってくれると信じている。犯人との会話で誘拐の理由を知り得ることになるのだが、恵子が犯人に言い放った言葉が凄い。「あなたは間違いを犯した。私の夫を敵に回してしまった」と。
樋口が身を挺して恵子を守り、氏家と代々木署の捜査員が安達を逮捕した後の恵子の言葉はただ一言「来てくれると思ってました」と。凄い信頼です。感動です。
そして恵子が安達から聞き出した誘拐の目的の中で、警備部長狙撃計画のことを聞き、樋口は2件の事件を同時に解決することになるのである。
安達犯人説に当初懐疑的だった樋口を説得したのが氏家だ。警視庁の刑事と所轄の生活安全課の警察官がこれからも相棒になるのかわからないが、きっといい関係は続いてちょくちょく出て来ればいいなと思う。

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Posted by ブクログ 2021年01月19日

樋口顕シリーズ第二弾。ある日、妻が何者かに拉致されてしまい、樋口は氏家とともに単独で捜査に乗り出すことに。

まったく手がかりのない状態から細い糸を手繰り寄せるように少しづつ事件の真相に、そして妻の居所へと近づいていく過程に思わず引き込まれてしまいました。事件は金曜の夕方に起こり、週明け月曜から別の...続きを読む事件の捜査本部が立ち上がる予定でそれまでに事件を解決しなければ、という”タイムリミット”という制約もあり、読み手も樋口とともに焦燥感を味わいながら読み進めることができます。

前作では被疑者となったリオに惹かれつつ自分をどうにか保とうとする樋口の姿が描かれていましたが、本作でも少ない手がかりと徐々に少なくなってゆく残り時間の中で、囚われてしまった妻を探そうとするあまり、ときに迷い、ときに自らの欲望に従い進もうとする樋口の姿が描かれています。

また、一時的とはいえ妻を失ったことにより家庭での妻とのコミュニケーションについて我が身を振り返る樋口の姿をみて、そういえば自分も、と気づく男性諸氏も多かったのではなかろうか…。妻の話しに生返事、といったことは多くの方に当てはまりそうなシチュエーションですよね。

そんな樋口とは対照的に、妻・恵子は夫が必ず自分を探し出してくれると最後まで信じている。このあたりのお互いに対する想いは真逆なんですが、そうであるからこそ余計に素晴らしい奥様だなと思いましたね。二人の想いからは、なんだかんだで、心の奥底では固い絆が読み取れます。夫婦として最高のかたちではないでしょうか。

このシリーズは安積班やSTシリーズのように多くの仲間とともに事件を解決する、いわゆるチームプレイを描いたものではなく、樋口自身の葛藤が軸なんですかね、まだ2作目なのでなんとも言えませんが、3作目以降も読み進めます。

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Posted by ブクログ 2019年09月28日

樋口顕シリーズ 新潮文庫で出ていた。
奥さんが誘拐されちゃう話です。
落ち着いて自分のおかれている状況を把握して、相手が何を望んでいるのか?って考えられないよ普通!
今回は樋口さんよりも奥さんがカッコ良かったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月08日

評価は5.

内容(BOOKデーターベース)
あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ―。その誠実さで数々の...続きを読む事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。

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Posted by ブクログ 2014年03月20日

樋口の妻・恵子の姿が忽然と消えた。樋口は氏家と組んで捜査を開始する。やがて容疑者の有力情報を掴むが・・・
シリーズ2作目。努力型の樋口顕と天才肌の氏家譲という感じがとても楽しめました。

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Posted by ブクログ 2013年03月31日

☆6つ
今野の小説は、登場人物に語らせる形で、自分の考えを伝えている。今の日本は経済以上に若者を取り巻く生活が壊れているのでは。そしてはそれは大人の責任と感じさせた。
毎回かっこイイセリフが多い。

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Posted by ブクログ 2023年09月30日

警視庁捜査1課強行班係・樋口顕。
仕事もでき、周りからの信頼も厚いにもかかわらず、なぜか自分に自信がない樋口。

樋口の妻・惠子が行方不明に…
樋口は、荻窪署・氏家と必死に恵子を探す…
手がかりが掴めない…
恵子のことを何も知らなかったこと
恵子の話をちゃんと聞いていなかったこと
後悔する樋口…

...続きを読むやがて、誘拐の可能性が高まり、容疑者も…

しっかりものの恵子。
きっと樋口が助けにくると信じている。
『あなたは間違いを犯した。』
『私の夫を敵にまわした。』
樋口に対する信頼を感じる。
恵子だからこそ、照美もしっかりと育ったんだな、と感じる。
今回の事件で、樋口は恵子をより一層大切だと感じたはずだ。

高度経済成長時代のモーレツ社員の父親。
そんな父親を馬鹿にする母親。
それを目の辺りにし、育ってきた容疑者。
完全に大人を舐めきっているような…
少子化、核家族化が生んだ事件なのか…
人間関係が希薄になりすぎているのか…
人との付き合い方がわからないのか…
大人がちゃんと躾をできていないんだろう、自分が生きるのに精一杯で。

ちょっとしたことで、ここまでやるのか。
何か事件の深層に疑問が残る…

何かいろいろ考えさせられる。


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購入済み

朱夏

2023年07月23日

今回は樋口さんの家庭での顔と仕事での顔が同時進行で見れたのが面白かった。相棒に樋口さんとは視点の違う氏家さんがまた絶妙。最後の青春、朱夏、白秋、玄冬は素晴らしい言葉でした。

#ドキドキハラハラ #深い

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Posted by ブクログ 2022年08月09日

警視庁強行犯係樋口警部補シリーズ第二弾。
樋口の奥さんが誘拐される。今回の作品は警察小説の側面と同時に家族の物語でもあり、高度経済成長期の時代に家族サービスを二の次にして身を粉にして働いてきた男とその家族の話でもある。
素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2022年05月02日

樋口シリーズ第二作。
夫婦とは何か。家族とは何か。
よくできた話である。警察官の妻月誘拐されるという設定にまず驚かされる。犯人探し云々よりも人間ドラマとして読むべき作品。
面白かった!

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Posted by ブクログ 2019年12月10日

途中から、最後の落ち(もう一つの脅迫事件の犯人)も見えていたが、サッと軽く読める作品だった。樋口と妻の恵子の信頼関係と言うか距離感が何とも言えずいいなと
思った。

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Posted by ブクログ 2019年11月05日

あらすじ
あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ-。その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてき...続きを読むた妻。二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。

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Posted by ブクログ 2019年01月20日

一作目より樋口が大人感、出てた。

奥さんの誘拐、氏家との単独捜査、すっごい!早く分かってしまう犯人(爆)

今野サンの書く警察の女房は、どれも男気あってサッパリしてて良いよなぁ。

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Posted by ブクログ 2018年12月14日

面白かった!
続きが気になってあっという間に読み終わってしまった。
恵子さんといい冴子さん(隠蔽捜査)といい警察官の妻は強く逞しくカッコイイ。
今回の樋口さんはあまり周りの人の目を気にしてなかったね。笑

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Posted by ブクログ 2018年08月30日

ヤバーい!久しぶりに眠気も忘れて一気読みしてしまった‼️
今野さんの本を物色して自分で店頭買いした本。
隠蔽捜査シリーズが大好きなのだけど、リオを読んでもまあまあかな?くらいだったのが、この朱夏はとても面白かった。
最初から怪しい人物が読み手にはわかってしまっていたのが少し残念な気もしたけど、
奥さ...続きを読むんは強くて素敵だし、樋口は人間味が出てて良かったし、ハラハラドキドキできました。
限りなく5に近いけど、竜崎さんにはなかなか敵わず☆4つかな?

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Posted by ブクログ 2018年06月15日

あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだー。その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。二つ...続きを読むの視点から、真相を浮かび上がらせる。

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Posted by ブクログ 2018年02月17日

私は、樋口さんより氏家さんの方が好きかな。
でも、樋口さんの奥さんはいいですねぇ〜〜奥さんとしても母親としてもサイコーです。

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Posted by ブクログ 2016年06月06日

警視庁強行犯係・樋口シリーズ第二弾。
第一弾と同じくおもしろくて
3日で読み終わった。
冷めてた夫婦の関係も
少し修復?するような結末で
警察官の奥さんって大変だなー、
腹据わってるなーとしみじみ。

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Posted by ブクログ 2015年02月06日

樋口シリーズ2作目。
樋口の妻が誘拐された。樋口と氏家の捜査が面白い。

青春の次に朱夏が来るらしい。
燃えるような夏の時代、そして白秋。やがて玄冬で人生を終える。
最も充実するのは夏の時代。秋には秋の枯れた味わいがある。
青春ばかりがもてはやされるのはおかしい・・・・

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Posted by ブクログ 2014年11月10日

樋口係長のシリーズ物の一冊。
今回は、登場人物も少なく、ほとんど、樋口係長と家族に焦点があたっている話。
2/3ほどで、犯人はわかるが、どのように解決に持ち込むのか? と期待していたが、結末は今ひとつ。
予想通りと言うほかなく、その点は残念。

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Posted by ブクログ 2024年04月23日

04月-11。3.0点。
強行犯樋口シリーズ。警務部長宛に脅迫状が。捜査本部に入れられるが、妻が失踪し。。。

再読。面白かった。

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Posted by ブクログ 2024年03月27日

今野敏さんのシリーズ作品でも人気のあるキャラ、樋口顕。シリーズ第2弾。本作では樋口の妻が誘拐?されてしまい樋口が右往左往する様が描かれる。事件を公にする前に解決を試みるようにしたい樋口は1作目でバディを組んだ氏家に協力を仰ぎながら立ち向かっていく。このシリーズは樋口の警察官らしからぬ心の機微が読んで...続きを読むいて面白くもあり歯がゆくもある。悩みながら立ち向かっていくので爽快感はないが仕事をする人間からするとその揺らぎが共感を生む。事件の犯人自体はまあすぐ分かるのでミステリ的には面白味は少ないかもだが人情ものとして読むのが良かったりする。

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Posted by ブクログ 2022年02月16日

樋口顕一シリーズの第二弾です。前作で相棒になった氏家と共に主人公である樋口が活躍します。

今作では、樋口の妻が誘拐されます。今回は容疑者が少ないので、序盤で犯人の目星がつきます。したがってミステリーとしての面白さは普通です。

今作の楽しみは誰が犯人か、という点よりも、犯人を追う樋口と氏家のやり取...続きを読むりを通じて、日常と子育てについて考えることになる点が、面白いポイントだと感じました。

表題である朱夏は、青春の次に来る人生のステージを表しています。

誕生から20歳までが玄冬、20歳から40歳までが青春、40歳から60歳までが朱夏、そして60歳を過ぎると白秋に入るそうです。(今作では青春、朱夏、白秋、玄冬の順になっていました)

青春からどう朱夏に移行するか、朱夏をどう楽しむのか、そんなメッセージが込められていた気がします。

サスペンスではなく哲学書的な本だと思って読んだ方が良いのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2022年01月16日

序盤から犯人はわかりやすかったけど、それでも飽きずに最後までドキドキさせてくれるのはさすが。
氏家いい奴やなぁ。

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Posted by ブクログ 2020年06月26日

奥さんが誘拐される、というお話。刑事の妻は色々大変そうです。でも度胸もしっかり据わっていたので安心して読めました。夫婦だからって特別な事はなく、いたって普通。それが分からない育て方はしたくないなぁ。氏家さんが良いパートナーで時々笑ってしまいました。

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Posted by ブクログ 2018年07月13日

妻を誘拐された警察官が、その犯人を追いつめていく警察小説の態を取ってはいるが、作者自身が考える「家族とは」「若者とは」を登場人物の口から語らせたいがための舞台としての警察。「母親が子供の前で、父親を馬鹿にする態度を取るのが一番よくない」そうな。

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Posted by ブクログ 2017年11月24日

バブル崩壊の直後の社会を思い出しました。今とは違って携帯電話もまだ普及していない時代。社会問題も今とは違うが考えさせられる部分も多かった。

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Posted by ブクログ 2017年04月01日

シリーズ2作目、相方も変わらず
今回は脇かと思われた事件が、つながっていきます
結果的に主人公たちが単独で解決することになります

1作目よりも展開はあっさり
ほかに怪しい人物が現れず、犯人は早い時点で予想がつきますが、やはり心理描写を読ませる作品です

そう言われると、私も「朱夏」を生きる世代なの...続きを読むかな

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Posted by ブクログ 2016年06月06日

すらすら読めた なかなか面白かった
鼻につく社会派ぶった文章は耳障りだったが 物書きは多少売れ出すと 己の品格を上げたい願望に囚われるものらしい
今度は言葉ではなく、展開で読者に判らせることも必要では
ないだろうか 「今の若い者は云々」

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Posted by ブクログ 2015年10月15日

2015/10/14
わーこれ竜崎さんやったらどうするやろ?って思っちゃうからこの本は不利。
若干被ってるのよね。
でもちょっと弱いの。
その分氏家が割りといいんだけどあくまで脇役の位置だからこれまた弱いの。

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Posted by ブクログ 2013年05月04日

あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ・・。その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。二...続きを読むつの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。(背表紙より)

シリーズものらしいです。会社の人に借りまして、初めて読んでみましたが、なるほど。なかなかです。シリーズになりそうな雰囲気たっぷり。今回はほぼ、犯人コイツだろーって当たっていましたが、ほかのはどうだろう。いろんな事件が起こりそうです。字が大きくてさくさく読めるのでまた読んでみようかな。

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