今野敏のレビュー一覧
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新しく読み始めた今野シリーズ。なんとなく潜入捜査の真田と似た雰囲気の主人公ですね。CIAに追われる女性をボディーガードする依頼を受け、ひたすら逃げまくる。
追うものの目線・思考と追われるものの目線・思考の両面を描いているので、「あっ、その手はマズイよ!」とか、読み手にとっても予想される結末が見えながらも、工藤があの手この手でその結末を裏切る活躍をみせてくれるのが本作の一つのみどころでしょうか。
最後は万事休すと思わながらも実は相手を術中にはめていたという展開でしたが、ちょっと駆け足感が出てしまっており、大どんでん返しの割には拍子抜けするくらいあっけない幕切れで、もう少し丁寧に描いてもよかったかなと思います。 -
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ネタバレ今野敏作品を読み続けるなかで、だんだん古いものに遡っていっている状況。で、本作は特殊防諜班や潜入捜査シリーズなどと同じ系譜。古くからある拳法を一子相伝で受け継ぐ家系の子孫3人が、アメリカから送り込まれた敵と戦う構図が似ています。
ということで、本作も特殊~や潜入~と同じく期待できると思いつつ読み進めていきました。結論としては、3人が出会うまでのプロセス~なかなか出会うのは難しそう、という展開が一転、一気に集結する流れまではよかったのですが、若干時間をかけ過ぎたこと、またそれに比べその後で敵を倒す部分が少々短かったこと、このストーリー長のバランスが少々悪いように感じました。
なんだか「さあ、これから!」となった途端あっさりと物語が終わってしまったような印象でして、物足りなさが残ってしまいました。読み進めるうち、ストーリーの展開と残りページ(の厚みの手触り感)から次作に続く”大作”かしらとちょっぴり期待してしまったこともそういった読後感に拍車をかけてしまったかもしれません。
秋山の覚醒とその後の戦いや3人の人間関係がどうなるのか、また熱田澪の存在などなど、気になる・もっと読みたいが溢れており、そういった意味では次作へ急げ! -
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ネタバレいやはや、なんでもありになってきましたね。新人類委員会はついに戦闘機まで持ち出す始末。肉弾戦ではことごとく失敗しているから、兵器の力でねじ伏せようということでしょうか。
しかもハリアーというホバリングできる戦闘機。そんなものがあるんですね、知らなかったです。Googleで検索してみるとちょっと小さめ、ミニチュア感のある戦闘機。
とはいえ小さかろうがなんだろうが戦闘機は戦闘機、もはや飛び道具を飛び越して反則技ともいえますが、そこは真田持ち前の自衛隊を自らの指揮下におく権限発動で対処。戦闘機同士のバトルは無事撃墜することで決着もパイロットは間一髪のところで脱出しており、なにやら次巻に再登場しそうな予感…。
二代目夢明斎との一騎打ちも繰り広げられるものの、今回も決着はつかず、最終巻に持ち越し。相当な強敵であり、どのような形で雌雄を決するのか、気になります。
シリーズもラスト2作、戦闘機という新アイテムの登場で最終決戦に向けての雰囲気がいやがおうにも盛り上がってきました。このシリーズはエンタメだったのだな、とはじめて実感しました。 -
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ネタバレシリーズ5作目。雷光教団が再び登場。冒頭で夢妙斎が登場、どっかで聞いたことのある名前だなと思いましたが1作目で新人類委員会に誘拐され命を落としてしまった教団宗祖で、その二代目なんですね。
真田が教団を訪ねると、どうやら教団は分裂していて、羅門率いる元祖系と二代目率いる新興系が並立しているという状態。このタイミングで登場する新興系は物語のうえでどのような役回りなのか、当然新人類委員会となんらかつながりがあるんだろうな~、と思いながら読み進めてゆくと、案の定モサドの調査でその事実が判明。
後半二代目教祖と対決へとなだれ込みますが、今回はとどめを刺すことはできず、取り逃がす結果に。シュトルムのときと同じパターンですが、本シリーズがあと何作つづくことを考えると、まぁ今回はやむを得ず、といったところでしょうか。
それにしても真田と会うため教団を訪ねた恵理が出された飲み物に口をつけてしまったのはちょっと軽率ですね、いや、普段の恵理のことを考えると飲み物になんらかの策略が施されていることに気づきそうなものだけどな、と思わずにいられません。
そして二代目夢妙斎も山の民、これは真田となにか浅からぬ縁があるのか、ラスト2作が楽しみになってきました。 -
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ネタバレまたもや取り逃がしたか、と思ったその刹那、グレネードランチャーでようやくシュトルムを仕留めることに成功の本作。相手の罠にはまったとはいえ、恵理に恋心が芽生えてしまうという、恵理ファンがやきもきする展開に。
真田の出生の秘密(かもしれない?)も少しづつ明らかになり、芳賀一族とのつながりがあったかもしれない、という運命的な内容は次作への期待を膨らませてくれます。解説にもあるとおり、次巻ではもっとすごい相手が登場するとあるので、必読ですね。
そして、ラストの恵理の「えーい。隙あり」の真田とのやりとり、いいですね。ニンマリしてしまいます。今野氏の描く女性キャラはこんな感じで非常に魅力的に見えますし、実写版を見たくなります。誰かが演じるのではなく、小説の内容そのものが実写されればいいのに、と毎回思ってしまいます。 -
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シリーズ第二弾。登場人物や十支族の血脈を絶やさんと芳賀一族が狙われる展開は前作から継承。それだけに、だんだん自分のなかで物語として馴染んできた部分があり、前作よりも楽しめました。
とくに自衛隊ヘリの出動要請シーンはデジャブかと思わせる展開でしたが、なんかいいですね。
「緊急措置令を確認しているか」
「指令コードをどうぞ」
「これよりこの機は全面的にそちらの指揮下に入ります」
っていうやりとり、なぜかニヤリとしてしまいます…。
それにしてもシュトルムはなかなかしぶといですね、この戦いまだまだ続きそうです。そして恵理の戦闘能力の高さが前作にもましてクローズアップされていて、普段のおっとりキャラとの対比がいいです。実写版を見たくなります。 -
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今野敏の警察小説のなかでは最弱キャラですかね。しかもマル暴という立場でもあるため、そのギャップが作品の雰囲気づくりに一役買っていると思います。さらに甘糟がなにか依頼するたびにこれ幸いとばかりにたかりたがる刑事も多く、ちょっと気の毒に思えてきます…。
そんな甘糟ですが、前作同様、いつの間にやら捜査の中枢で事件を解決に導くための鍵を握る立ち位置になっており、ここも最弱キャラとのギャップといえるでしょう。頼りなさげに思わせておき、その実、抜け目なさがある。作中で甘糟と対峙するヤクザたちもそのように申しておりましたね。
ただ、他のシリーズに登場するキャラ、すなわち安積や樋口、竜崎といった人物と比べるとちょっと見劣りするかな、というのが正直なところでして、その分、星の数も”並み”相当の3つとしました。 -
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ネタバレ渋谷署強行犯係とタイトルにありますが、どちらかというと整体師・竜門光一の物語ですね。強行犯係の辰巳の影はちょっと控えめな印象です。
武術にも通じている竜門が市中で若者を襲撃しつづける、これまた武道の達人とあいまみえるシーンがクライマックスです。相当手ごわい相手と思いきや、あっさりと片が付いてしまい、ちょっと拍子抜けの感も。
事件のトリックや人間関係は複雑ではなく、書籍としてのボリュームもほどよく、読みやすい一冊だと思います。渋谷署~とタイトルにありますが、いわゆる今野作品の他の警察もののように刑事を主体として描いた作品ではないので、原題の「拳鬼伝」のほうがしっくりきますね。