今野敏のレビュー一覧
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11年ぶりの再読。
初読の時の感想は、イマイチだったように思う。
しかし今回は直前に、班員のそれぞれの活躍を描いた『神南署安積班』を読んでいたので、各メンバーの性格・特徴が、より分かり、興味深く読むことができた。
二つの殺人事件の隠された謎を巡り、捜査方針を異にする本庁の捜査員を安積たち。本庁と所轄の対立、所轄同士の縄張り争い等々、警察の現状をリアルに描いている。
しかしながら、このシリーズの眼目は、安積警部補と彼を取り巻く班員たちとの人間関係だろう。
解説では、”人間讃歌の物語”と、称している。
安積の離婚した妻や娘との関係も、この先どうなるのか。
このシリーズ、続けて読んでみたくなる。 -
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教師だって人間だ。作中のセリフだが、その通りだと常々思う。教師が聖人君子である必要などどこにもないし、そもそもそんな人間などいないのだから。時として大人としての威厳も必要だろう。だけど子供からの信頼を失った今、弱さも含め等身大の姿を子供に見せることの方が大切ではないだろうか。本書はとても面白い。「任侠書房」を思い出すような可笑しさがあった。もし道に迷っているのなら本書をとるのもいい。重荷が少し軽くなるかもしれない。
あらすじ(背表紙より)
中学生の慎治は、いじめっ子に万引きを強要されて実行してしまう。一方、偶然その現場に出くわした担任の古池は、事情を聞いた後、居場所のない慎治を自室に招き、とあ -
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SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。 -
Posted by ブクログ
短編集。
従来の今野さんとはまったく違う物語になっている。
まるでアイドルを主役にしたライトノベルのような設定と構成、展開で、意外を通り越して驚いた。
こんな物語も書くんだ、と。
実はアイドルが好きだという今野さん。
それもファンのためのバスツアーにまで参加してしまうほどの熱意があるらしい。
大好きなアイドルを主人公にした物語を書いてみました…といったところだろうか。
もちろん面白くないわけではない。
普通に読めば楽しめるし、展開に矛盾があって白けるわけでもない。
ただ、今野さんのファンにとっては読まなくても別にいいかな、と思う物語だった。 -
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これまで今野さんのシリーズに登場した人物がこの物語には集められている。
それぞれのシリーズでの個性はそのままに、自分たちの手法で事件解決に向かうのだが…。
陰陽師を核とするもの、武道を核とするもの。
アプローチの仕方は違っても、やがてはひとつの結論へと向かっていく。
「STシリーズ」の「黒のモスクワ」で黒崎が所属していた美作竹上流が登場するのも面白い。
この物語はこの1冊を読んでも面白いけれど、それぞれのシリーズを読んだ後であればさらに面白く感じるだろう。
祓いを生業とする黒と白の二人組。
現役引退後も暴走族に多大な影響力を持つ二人組。
そして役小角の転生者である高校生。
彼らを協力者としてい -
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舞台は異国の地モスクワ。
百合根と赤城は科学捜査についての情報交換のための研修でモスクワに。
黒崎は美作竹上流のモスクワ支部発会式を兼ねたセミナー開催の講師としてモスクワに。
山吹はモスクワ在住の日本人に依頼されて、宗派の集まりで経をあげるためにモスクワに。
はからずもSTのメンバー4人が同時期にモスクワ入りしたのだ。
到着早々に百合根たちはラスプーチンゆかりのロシア正教会で起きた変死事件を捜査することになる。
ロシア捜査当局のアレクと共に事件現場に向かう二人。
一方黒崎や山吹と同じ飛行機に乗り合わせたフリーの記者は、警視庁関係者だと知り黒崎たちに張り付こうとする。
正教会での変死事件を知って -
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福岡県玄界灘に浮かぶ沖ノ島には、宗像大社の神社のひとつである沖津宮がある。
天照大神の娘・田心姫を祀っている沖津宮には、古来より定められた掟があった。
・神官以外は基本的に上陸禁止。
・女人禁制。
・島で見聞きしたことは決して外で語ってはならない。
・島から何ひとつ持ち帰ってはならない。
土地の因習に縛られ捜査は難航する。
赤城が水死体を解剖したことにより他殺が判明。
事故ではなく正式に事件となり、ようやく捜査本部も設置されることになる。
しかし、警察OBも絡み思うように関係者から話を聞くこともできない。
STのメンバーたちは証言者たちの生理的な兆候と、心理学的な観察で事件の真相に迫っていく -
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被害者となった小西律子は相手によってあからさまに態度を変える人間だった。
権力を持っているものには愛想よく媚び、スタッフなどには見下した態度を隠そうともしなかった。
何がそれほどまでに彼女を強気にさせていたのか。
単に性格の問題なのか、それとも人気に後押しされて天狗になってしまっていたのか。
STの面々が現地に捜査に向かう展開は目新しかった。
小型飛行機に乗らなくてはならなくなった翠の動揺など、ちょっとした息抜き場面もあり面白かった。
でも、捜査そのものはすでに事故死と判断がされていたからなのか。
後追いで確認作業に追われるばかりの展開で、STでなければ!!という場面がない。
STシリーズの楽