今野敏のレビュー一覧
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SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。 -
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短編集。
従来の今野さんとはまったく違う物語になっている。
まるでアイドルを主役にしたライトノベルのような設定と構成、展開で、意外を通り越して驚いた。
こんな物語も書くんだ、と。
実はアイドルが好きだという今野さん。
それもファンのためのバスツアーにまで参加してしまうほどの熱意があるらしい。
大好きなアイドルを主人公にした物語を書いてみました…といったところだろうか。
もちろん面白くないわけではない。
普通に読めば楽しめるし、展開に矛盾があって白けるわけでもない。
ただ、今野さんのファンにとっては読まなくても別にいいかな、と思う物語だった。 -
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これまで今野さんのシリーズに登場した人物がこの物語には集められている。
それぞれのシリーズでの個性はそのままに、自分たちの手法で事件解決に向かうのだが…。
陰陽師を核とするもの、武道を核とするもの。
アプローチの仕方は違っても、やがてはひとつの結論へと向かっていく。
「STシリーズ」の「黒のモスクワ」で黒崎が所属していた美作竹上流が登場するのも面白い。
この物語はこの1冊を読んでも面白いけれど、それぞれのシリーズを読んだ後であればさらに面白く感じるだろう。
祓いを生業とする黒と白の二人組。
現役引退後も暴走族に多大な影響力を持つ二人組。
そして役小角の転生者である高校生。
彼らを協力者としてい -
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舞台は異国の地モスクワ。
百合根と赤城は科学捜査についての情報交換のための研修でモスクワに。
黒崎は美作竹上流のモスクワ支部発会式を兼ねたセミナー開催の講師としてモスクワに。
山吹はモスクワ在住の日本人に依頼されて、宗派の集まりで経をあげるためにモスクワに。
はからずもSTのメンバー4人が同時期にモスクワ入りしたのだ。
到着早々に百合根たちはラスプーチンゆかりのロシア正教会で起きた変死事件を捜査することになる。
ロシア捜査当局のアレクと共に事件現場に向かう二人。
一方黒崎や山吹と同じ飛行機に乗り合わせたフリーの記者は、警視庁関係者だと知り黒崎たちに張り付こうとする。
正教会での変死事件を知って -
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福岡県玄界灘に浮かぶ沖ノ島には、宗像大社の神社のひとつである沖津宮がある。
天照大神の娘・田心姫を祀っている沖津宮には、古来より定められた掟があった。
・神官以外は基本的に上陸禁止。
・女人禁制。
・島で見聞きしたことは決して外で語ってはならない。
・島から何ひとつ持ち帰ってはならない。
土地の因習に縛られ捜査は難航する。
赤城が水死体を解剖したことにより他殺が判明。
事故ではなく正式に事件となり、ようやく捜査本部も設置されることになる。
しかし、警察OBも絡み思うように関係者から話を聞くこともできない。
STのメンバーたちは証言者たちの生理的な兆候と、心理学的な観察で事件の真相に迫っていく -
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被害者となった小西律子は相手によってあからさまに態度を変える人間だった。
権力を持っているものには愛想よく媚び、スタッフなどには見下した態度を隠そうともしなかった。
何がそれほどまでに彼女を強気にさせていたのか。
単に性格の問題なのか、それとも人気に後押しされて天狗になってしまっていたのか。
STの面々が現地に捜査に向かう展開は目新しかった。
小型飛行機に乗らなくてはならなくなった翠の動揺など、ちょっとした息抜き場面もあり面白かった。
でも、捜査そのものはすでに事故死と判断がされていたからなのか。
後追いで確認作業に追われるばかりの展開で、STでなければ!!という場面がない。
STシリーズの楽 -
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「色」シリーズはST特捜班のそれぞれのメンバーを中心に据えたシリーズである。
青の調査ファイル→青山翔
赤の調査ファイル→赤城左門
黄の調査ファイル→山吹才蔵
緑の調査ファイル→結城翠
黒の調査ファイル→黒崎勇治
「緑のファイル」は絶対音感と超人的な聴覚を持つ結城翠が中心となって展開する物語だ。
個々のヴァイオリンによる音の違い。
弾き手による音の違い。
翠の能力が事件を解く大きな力となっている。
聞こえ過ぎてしまうためにしなければならなかった辛い思い。
初めて出会った同じ能力を持つ人間。
事件の解明だけでなく、音楽にまつわる場面も楽しめた。
このシリーズは事件解明も楽しめるけれど、何よりも -
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元は2002年の作品である。
その頃のインターネット事情と現在では大きく違う。
たぶん、この物語が発表されたときはインターネットの経験者はあまりいなかったのでは?と思う。
逆に今では未経験者を探す方が難しいだろう。
ネット上に突然現れる「殺人ライセンス」というゲーム。
ターゲットを殺害することを想定して進めていくゲームである。
たとえばターゲットに接触するのに「自宅を訪ねる」と「呼び出す」の二択がある。
「自宅を訪ねる」を選ぶと第三者に目撃されたことにより逮捕されました…とメッセージが出てゲームオーバーとなる。
「呼び出す」を選んだ場合は、次に呼び出す方法を選ぶ…という感じだ。
ほとんどの捜査 -
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ニュース番組の遊軍記者である布施は、これまでにも数々のスクープをものにしていた。
自然体にふるまう布施を、いつの間にか取材のターゲットは受け入れてしまうようなのだ。
何も考えずに行動しているように見える布施だったが、実はしっかりと考えたうえで動くべきときに動いている。
だからこそ、何度もスクープを手にすることができたのだ。
管理職である鳩村は、布施の実績を認めながらも何かと口うるさく注意をしてしまう。
キャスターの香山は、お飾りではないキャスターへの道を欲していた。
刑事である黒田は、布施の協力を受けつつ事件解決のために布施を利用することも厭わなかった。
スクープを手にすることが布施の目的では -
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う~ん。悪くはない。
悪くはないけれど、今野さんに対する期待度がいつも高いせいか、ちょっとだけ残念感も。
碓氷にしてもアルトマン教授にしても、個性的ではあるけれどいまひとつパッとしない。
印象が薄いというか、あっさりしすぎていて後々まで印象に残るようなキャラクターではないような気がした。
碓氷のシリーズは「エチュード」しか読んでいない。
警察外部の人間と協力体制のもと捜査をしていくのがシリーズの特徴なのだろうか?
「エチュード」ではプロファイリングの専門家が協力者として捜査に参加していた。
珍しいせっかくの考古学もの。
ペトログリフを題材に選んだのだから、もっとそこを中心に物語が展開してほしか