今野敏のレビュー一覧

  • SF JACK

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     SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
     冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
     個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。

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    2017年05月14日
  • ペトロ 警視庁捜査一課・碓氷弘一5

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    殺人事件の現場にペトログリフという古代文字が残されていた。というわけで捜査に古代文字の学者が絡んでくるという、日本版ラングドン教授のようなお話。
    面白いけれど、古代文字やキリスト教の逸話を犯人探しに活用するのは、ちょっと現実味がないような、こじつけなような気も。

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    2017年05月07日
  • ST 化合 エピソード0 警視庁科学特捜班

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    若い頃の菊川さんが新鮮。STの序章という感じはあまりしなかったけど(ラストの三枝さんのセリフがとって付けた感じがした)、若い菊川さんと滝下さんのお話は楽しかった。

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    2017年05月03日
  • 廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕

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    今野敏の刑事物は面白いと改めて思った。家族、同僚、上司、部下、被害者、犯人・・・それぞれの思いや気持ちの交錯の表現に納得。主人公の樋口ちゃんのように真摯に真面目に控え目に生きていきたいものだ。

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    2017年05月02日
  • 武打星

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    1980年代に香港でアクションスターを目指す日本人青年の物語。ブルースリー、ジャッキー、ユンピョウにサモハンと我々世代にはクリティカルな逸話てんこ盛り。落ちもコミカルで、色々ご都合主義も満載だけどそこも含めてJCの映画を思い出しながら楽しく読めました。

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    2017年04月26日
  • ヘッドライン(スクープシリーズ)

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    捜査一課の黒田と報道局記者の布施が過去の猟奇殺人の解決に乗り出す。独特の嗅覚を持った布施に、黒田が自身の仕事のスタンスを変えながらも真実に近づいて行く様子は実にスリリング。それぞれの流儀が最後に結実。現実にはなかなかいないタイプなんでしょうが、大好きなシリーズです。

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    2017年04月20日
  • 朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕―

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    ネタバレ

    シリーズ2作目、相方も変わらず
    今回は脇かと思われた事件が、つながっていきます
    結果的に主人公たちが単独で解決することになります

    1作目よりも展開はあっさり
    ほかに怪しい人物が現れず、犯人は早い時点で予想がつきますが、やはり心理描写を読ませる作品です

    そう言われると、私も「朱夏」を生きる世代なのかな

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    2017年04月01日
  • 廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕

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    このシリーズ、解説によると前作との間14年が経ったとのこと。どうりで懐かしいはずです。主人公の謙虚さが清々しく、事件そのものや主人公をめぐる人物たちが、スッキリしすぎている感がありましたが、久々に再会できたので続編に期待します。これを機にまた前作を読み直してみようかとも...

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    2017年03月31日
  • スクープ(スクープシリーズ)

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    シリーズ後半との布施のキャラクターの違いは気になったが逆から読んだので仕方ないか。短編なので物足りなさはあるが、手軽に楽しめた。

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    2017年03月30日
  • デビュー

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    短編集。
    従来の今野さんとはまったく違う物語になっている。
    まるでアイドルを主役にしたライトノベルのような設定と構成、展開で、意外を通り越して驚いた。
    こんな物語も書くんだ、と。
    実はアイドルが好きだという今野さん。
    それもファンのためのバスツアーにまで参加してしまうほどの熱意があるらしい。
    大好きなアイドルを主人公にした物語を書いてみました…といったところだろうか。
    もちろん面白くないわけではない。
    普通に読めば楽しめるし、展開に矛盾があって白けるわけでもない。
    ただ、今野さんのファンにとっては読まなくても別にいいかな、と思う物語だった。

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    2017年03月25日
  • パラレル 警視庁捜査一課・碓氷弘一2

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    これまで今野さんのシリーズに登場した人物がこの物語には集められている。
    それぞれのシリーズでの個性はそのままに、自分たちの手法で事件解決に向かうのだが…。
    陰陽師を核とするもの、武道を核とするもの。
    アプローチの仕方は違っても、やがてはひとつの結論へと向かっていく。
    「STシリーズ」の「黒のモスクワ」で黒崎が所属していた美作竹上流が登場するのも面白い。
    この物語はこの1冊を読んでも面白いけれど、それぞれのシリーズを読んだ後であればさらに面白く感じるだろう。
    祓いを生業とする黒と白の二人組。
    現役引退後も暴走族に多大な影響力を持つ二人組。
    そして役小角の転生者である高校生。
    彼らを協力者としてい

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    2017年03月20日
  • ST 警視庁科学特捜班 黒いモスクワ

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    舞台は異国の地モスクワ。
    百合根と赤城は科学捜査についての情報交換のための研修でモスクワに。
    黒崎は美作竹上流のモスクワ支部発会式を兼ねたセミナー開催の講師としてモスクワに。
    山吹はモスクワ在住の日本人に依頼されて、宗派の集まりで経をあげるためにモスクワに。
    はからずもSTのメンバー4人が同時期にモスクワ入りしたのだ。
    到着早々に百合根たちはラスプーチンゆかりのロシア正教会で起きた変死事件を捜査することになる。
    ロシア捜査当局のアレクと共に事件現場に向かう二人。
    一方黒崎や山吹と同じ飛行機に乗り合わせたフリーの記者は、警視庁関係者だと知り黒崎たちに張り付こうとする。
    正教会での変死事件を知って

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    2017年03月20日
  • ST 警視庁科学特捜班 沖ノ島伝説殺人ファイル

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    福岡県玄界灘に浮かぶ沖ノ島には、宗像大社の神社のひとつである沖津宮がある。
    天照大神の娘・田心姫を祀っている沖津宮には、古来より定められた掟があった。
    ・神官以外は基本的に上陸禁止。
    ・女人禁制。
    ・島で見聞きしたことは決して外で語ってはならない。
    ・島から何ひとつ持ち帰ってはならない。

    土地の因習に縛られ捜査は難航する。
    赤城が水死体を解剖したことにより他殺が判明。
    事故ではなく正式に事件となり、ようやく捜査本部も設置されることになる。
    しかし、警察OBも絡み思うように関係者から話を聞くこともできない。
    STのメンバーたちは証言者たちの生理的な兆候と、心理学的な観察で事件の真相に迫っていく

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    2017年03月20日
  • ST 警視庁科学特捜班 桃太郎伝説殺人ファイル

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    「桃太郎伝説」をめぐる物語の中心に青山がいる。
    いつになく感情的になったり、焦りを見せたりと、人間味あふれる反応が珍しい。
    安定したシリーズだけに安心して読むことができた。
    意外な展開もあって、STファンとしては楽しめた。
    ただ、物語の深みとなると「伝説」シリーズはいまひとつ物足りなさを感じてしまった。
    昔話としての桃太郎は知っている。
    しかし、郷土史と結びつく地域密着の伝承話となってくると一気に見知らぬ世界になってくる。
    その部分はとても面白く読むことができた。

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    2017年03月20日
  • ST 警視庁科学特捜班 為朝伝説殺人ファイル

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    被害者となった小西律子は相手によってあからさまに態度を変える人間だった。
    権力を持っているものには愛想よく媚び、スタッフなどには見下した態度を隠そうともしなかった。
    何がそれほどまでに彼女を強気にさせていたのか。
    単に性格の問題なのか、それとも人気に後押しされて天狗になってしまっていたのか。
    STの面々が現地に捜査に向かう展開は目新しかった。
    小型飛行機に乗らなくてはならなくなった翠の動揺など、ちょっとした息抜き場面もあり面白かった。
    でも、捜査そのものはすでに事故死と判断がされていたからなのか。
    後追いで確認作業に追われるばかりの展開で、STでなければ!!という場面がない。
    STシリーズの楽

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    2017年03月17日
  • ST 警視庁科学特捜班 緑の調査ファイル

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    「色」シリーズはST特捜班のそれぞれのメンバーを中心に据えたシリーズである。
    青の調査ファイル→青山翔
    赤の調査ファイル→赤城左門
    黄の調査ファイル→山吹才蔵
    緑の調査ファイル→結城翠
    黒の調査ファイル→黒崎勇治

    「緑のファイル」は絶対音感と超人的な聴覚を持つ結城翠が中心となって展開する物語だ。
    個々のヴァイオリンによる音の違い。
    弾き手による音の違い。
    翠の能力が事件を解く大きな力となっている。
    聞こえ過ぎてしまうためにしなければならなかった辛い思い。
    初めて出会った同じ能力を持つ人間。
    事件の解明だけでなく、音楽にまつわる場面も楽しめた。
    このシリーズは事件解明も楽しめるけれど、何よりも

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    2017年03月13日
  • 殺人ライセンス

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    元は2002年の作品である。
    その頃のインターネット事情と現在では大きく違う。
    たぶん、この物語が発表されたときはインターネットの経験者はあまりいなかったのでは?と思う。
    逆に今では未経験者を探す方が難しいだろう。
    ネット上に突然現れる「殺人ライセンス」というゲーム。
    ターゲットを殺害することを想定して進めていくゲームである。
    たとえばターゲットに接触するのに「自宅を訪ねる」と「呼び出す」の二択がある。
    「自宅を訪ねる」を選ぶと第三者に目撃されたことにより逮捕されました…とメッセージが出てゲームオーバーとなる。
    「呼び出す」を選んだ場合は、次に呼び出す方法を選ぶ…という感じだ。
    ほとんどの捜査

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    2017年03月11日
  • スクープ(スクープシリーズ)

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    ニュース番組の遊軍記者である布施は、これまでにも数々のスクープをものにしていた。
    自然体にふるまう布施を、いつの間にか取材のターゲットは受け入れてしまうようなのだ。
    何も考えずに行動しているように見える布施だったが、実はしっかりと考えたうえで動くべきときに動いている。
    だからこそ、何度もスクープを手にすることができたのだ。
    管理職である鳩村は、布施の実績を認めながらも何かと口うるさく注意をしてしまう。
    キャスターの香山は、お飾りではないキャスターへの道を欲していた。
    刑事である黒田は、布施の協力を受けつつ事件解決のために布施を利用することも厭わなかった。
    スクープを手にすることが布施の目的では

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    2017年03月07日
  • ペトロ 警視庁捜査一課・碓氷弘一5

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    う~ん。悪くはない。
    悪くはないけれど、今野さんに対する期待度がいつも高いせいか、ちょっとだけ残念感も。
    碓氷にしてもアルトマン教授にしても、個性的ではあるけれどいまひとつパッとしない。
    印象が薄いというか、あっさりしすぎていて後々まで印象に残るようなキャラクターではないような気がした。
    碓氷のシリーズは「エチュード」しか読んでいない。
    警察外部の人間と協力体制のもと捜査をしていくのがシリーズの特徴なのだろうか?
    「エチュード」ではプロファイリングの専門家が協力者として捜査に参加していた。
    珍しいせっかくの考古学もの。
    ペトログリフを題材に選んだのだから、もっとそこを中心に物語が展開してほしか

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    2017年03月02日
  • エチュード 警視庁捜査一課・碓氷弘一4

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    ネタバレ

    ・通り魔殺人事件が連続して発生

    ・現場で逮捕された犯人は、全員が犯行を否認

    ・毎回、逮捕に協力した一般市民がいた
     でも、警官は誰もその人を思い出せない

    ・年季の入った刑事と、美人で若い心理調査官

    ・途中までは面白かったけど、心理調査官が活躍すると
     話の流れが見えてしまい、ちょっと後半失速した感がある

    ・美人が主役でなければ、話は面白くならないんだろうなぁって思った

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    2017年02月19日