今野敏のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は3.
内容(BOOKデーターベース)
日本でKGBの諜報活動をしていたヴィクトルは、ソ連崩壊後に解雇され、失意のどん底にあった。そこへヤクザ組長を殺す仕事が舞い込んだ。再び日本に潜入した彼を待ち受けていたものは―。警視庁外事課とヤクザを相手にスリリングな戦いを展開するうちに、やがて明らかになる日ソ時代の驚くべき秘密。
若き刑事が前向きに成長する姿を書いた小説は他にもあるが、こちらはかなり早めの時期から成長が見られるので展開が早いという意味で読みやすかったかなぁ。倉島の心の言葉を読んでいると真面目にやれよ!とも思えるほど軽い話か?と思ったが殺しの場面はリアルで残酷で・・・軽く読めば良 -
Posted by ブクログ
この作品、初出時は1997年、そしてバブル崩壊の世相が背景となっている。
今でこそ、警察小説は百家争鳴の様相を呈しているが、その先端となる作品だろう。警察組織自体、あるいは登場する刑事の性格やプライベート面等を、リアルに描き出すという点で。
刑事の犯罪捜査を主眼にし、犯人を追い求める推理小説は、それまでもあったが。
このシリーズは、安積班のメンバーそれぞれの性格人柄によって、それが事件解決をもたらすという点で、より親密感を持って、読み進めることができる。
また、容疑者が自供を始める時は決まった反応があると著述し、それを具体的に綴ってある場面など、作者の想像力だけではない、詳細な取材力を感じる。 -
Posted by ブクログ
11年ぶりの再読。
初読の時の感想は、イマイチだったように思う。
しかし今回は直前に、班員のそれぞれの活躍を描いた『神南署安積班』を読んでいたので、各メンバーの性格・特徴が、より分かり、興味深く読むことができた。
二つの殺人事件の隠された謎を巡り、捜査方針を異にする本庁の捜査員を安積たち。本庁と所轄の対立、所轄同士の縄張り争い等々、警察の現状をリアルに描いている。
しかしながら、このシリーズの眼目は、安積警部補と彼を取り巻く班員たちとの人間関係だろう。
解説では、”人間讃歌の物語”と、称している。
安積の離婚した妻や娘との関係も、この先どうなるのか。
このシリーズ、続けて読んでみたくなる。 -
Posted by ブクログ
教師だって人間だ。作中のセリフだが、その通りだと常々思う。教師が聖人君子である必要などどこにもないし、そもそもそんな人間などいないのだから。時として大人としての威厳も必要だろう。だけど子供からの信頼を失った今、弱さも含め等身大の姿を子供に見せることの方が大切ではないだろうか。本書はとても面白い。「任侠書房」を思い出すような可笑しさがあった。もし道に迷っているのなら本書をとるのもいい。重荷が少し軽くなるかもしれない。
あらすじ(背表紙より)
中学生の慎治は、いじめっ子に万引きを強要されて実行してしまう。一方、偶然その現場に出くわした担任の古池は、事情を聞いた後、居場所のない慎治を自室に招き、とあ