今野敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
倉島、兵藤、ヴィクトルの3人の視点で物語が進むこの構成はおもしろいですね。読者はすべての事情を把握している、だけど各登場人物は相手のことを完全にはわかっていない、という情報の非対称性ゆえのおもしろさとでもいえばよいでしょうか。
特にヴィクトルは自身が思っている以上にすでに捜査の手が伸びているわけで、そのことに本人が気付いていないときには「いやいやい、気付かれているよ」と思わずツッコミたくなってしまいます。
ただ、本作では暴力シーンが多く、またとてもリアルな描写で相手を痛めつける内容になっている点は好みがわかれるところでしょう。個人的には痛めつけられる相手の痛みやそのときの心情、絶望感を想像 -
Posted by ブクログ
今野敏の警察小説で、他の作品と異なり本作は明治時代を描いたもの。およそ100年ほど前の東京が舞台ですが、内容を読むと捜査の基本動作・心得は今とさほどかわらないように感じました。
事件の背景は時代を反映した思想的なもの、いやはや、こんなところまでよく調べているな、さすが今野氏といったところでしょうか。
登場人物については現代版今野作品の登場人物と比べてしまいますね。鳥居部長は田畑捜査一課長、葦名は樋口かな、とか、雰囲気やたたずまいが似ていて、著者としては似せて書いたつもりはないのかもしれませんが、読むたびに現代版登場人物をどうしても思い浮かべずにいられませんでした。
とはいえ若干退屈でいつ