今野敏のレビュー一覧
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機捜235シリーズ第1弾。
若手の配属が多く警視庁捜査一課刑事への登竜門という位置付けのある機動捜査隊に57歳のロートル巡査部長・縞長が配属になる。コールサイン「機捜235」の車両の相棒となった高丸巡査部長目線で描かれる9つの短編。
当初シマさんと組むことに落胆していた高丸が、見当たり捜査のプロであるシマさんと共に仕事を続けて行く過程で、機捜の捜査員としての、そして警察官としての自覚を得て成長していく姿が清々しい。
ダメな刑事だったというシマさんが、背水の陣で臨んだ捜査共助課で、人一倍の苦労をして辿り着いた見当たり捜査のプロという立場。そう、いくつになっても人は成長できるのだ。
短編一つ一つは短めで、事件も呆気なく解決されうまく行き過ぎの感は否めないが、事件ものとしてではなく、バディもの、高丸&シマさんの成長ストーリーとしての面白さがある。
刑事たちには馬鹿にされがちな機捜にも彼等の矜持があって、今野敏の新しい警察シリーズとして楽しみな作品です。 -
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面白かった
「スクープ」シリーズ第三弾
布施のひょうひょうとした行動から、スクープ&事件解決という鉄板のストーリ(笑)
今回は、週刊誌記者が何者かに殺されます。
たまたま近くで飲んでいた不正が事件直後の撮影に成功し、翌日のニュースで映像が流されます。
一方、刑事の黒田は、谷口とともに暴力団の組員が殺害された事件の継続捜査を行っています。
この二つの事件は?
大物政治家のネガティブキャンペーン、地方ヤクザと政治家との絡み
といろいろある中で明らかになる事件の真相
という展開です。
今回も布施は危険な領域まで踏み込んでいますが、それがまたうまく収まっている感じ(笑)
そして、布施のジャーナリズムに対するコメントがまたよい。
「俺たちが、政党や政治について批判するのは傲慢です」
…
「偏った報道によって世の中が特定の方向に傾いていくのが気持ち悪いだけです」
「誰がそれを判断するのです?」と問われて
「俺ですよ」
「そして、あなたです。鳩村デスクも、あそこにいるスタッフも、それぞれに判断するんです」
これまた良かったです。
お勧め -
Posted by ブクログ
ドロドロした鎌倉の話を読んだ後なのでお口直しに爽快な作品を。
安積班シリーズの初期<ベイエリア分署>編第二作、新装版。
第三作と同じく、テレビ業界が舞台。
看板プロデューサーがパーティの最中に、会場であるビルの最上階から転落死する。
相楽との対決再び。
写真解析という、当時は新しい技術で安積に対抗。だが他の点は昭和の捜査という感じで容疑者を強引に引っ張ってとにかく自白させようという不当なやり方を進めている。
一方で安積や須田は容疑者だけでなく逮捕者にまで権利を伝えて心を開かせている。
と、書いてしまうと相楽=悪、安積班=善のようだが、犯罪捜査はそう簡単なものではない。安積も様々な駆け引きをする。
彼の代表的な手法としては、①刑事は相手の質問に答えてはならない ②矢継ぎ早に質問し、余計なことを考える間を与えない などで、心理的に優位に立つことで相手を動揺させ本音を引き出すこともしている。
これはシリーズの後の作品にも度々出てくるので注目。
初出はケイブンシャ文庫で1997年。コンピューターへのデータ入力が始まった頃のようで、オタクな須田刑事は興味津々で早速活用しているが、安積は苦手な様子。
ポケベルを『犬の鎖』と呼び、部下を呼び出すのも渋々やっている。携帯電話が登場したらどうなるのだろう。
一方で娘からのプライベートな電話が署に掛かってきて内容が分かってしまうという恥ずかしさもあって、そこは携帯電話が登場すれば解消するので悪いことばかりではない。
毎度優秀さが鼻に付くと酷い言われ方の村雨だが、捜査本部会議で後輩を庇って安積が見直すシーンが出てくる。他の署とのやり取りや手続きなど、安積班の他のメンバーがやりたがらない仕事を『好きでやっているのではない』と言いつつもきちんとこなす頼れる部下の一人だ。
『新人類』と言われる大橋と桜井もそれぞれ個性を見せる。普段無表情な大橋は容疑者とのカーチェイスでは他の署のパトカーとも連携して上手く包囲している。
桜井は急遽組まされた村雨とも臆せずやっている。
黒木は…相変わらず動きが俊敏で几帳面。
そして交通機動隊の速水は安積班の慰労会にちゃっかり便乗。
事件としての構図は今野さんらしくシンプル。だがその奥にある『虚構の世界』ならではの怖さが描いてあって面白かった。
ちなみに巻末の対談収録は押井守氏。今野さんに一時整体を受けたり空手を教わったりと、意外な交流も分かった。
安積班シリーズベイエリア分署編
★はレビュー投稿あり
①「二重標的」
②「虚構の殺人者」本作 ★
③「硝子の殺人者」★ -
Posted by ブクログ
面白かった
7編からなる短編連作ストーリ。
「ヘッドライン」としてシリーズ化される前の作品。
ここで描かれる主人公布施はすごくて、かなり危険な目にあいます!
ストーリとしては
TBNテレビの報道番組「ニュースイレブン」の遊軍記者の布施と捜査一課の黒田刑事との物語。
■スクープ
芸能人の覚醒剤パーティネタ
現場でヤクザたちに追われるも黒田刑事登場
■傷心HEARTBREAK
女性芸能人が玉突き事故で死亡。事故か殺人か?
ここでも布施は拉致されかけます
■遊軍記者
中国人がらみの抗争
六本木のクラブで働くミンミンとの遊びからのネタ
■住専スキャンダル
大蔵省の官僚、高級デートクラブ、ヤクザと完璧な構成(笑)
■役員狙撃
電気会社の役員狙撃、犯人は?その真相をスクープ
■もてるやつ
ホステス殺しの真犯人のスクープ
ここでも囮のようなことをやらされて犯人逮捕。
■渋谷コネクション
女子高生のドラッグ売買。その真相までたどり着いたところで、女性キャスター含めて拉致されます。さてどうなる...
本作では、布施はかなり危ない目に合っていますが、何とか救われている感じ。そしてそれがスクープにつながるという展開です。
エンターテイメントとして楽しめます。
ドラマになったら見てみたい。 -
Posted by ブクログ
同期シリーズ第2作。
たまたま第1作をPrimeReadingで読み、同期の関係の続きが気になったので読んでみた。
うーん、、、どうなんでしょうね?公安の『オペレーション』と言うのは、こんなものなんですかね?
いまいち、現実味が無いと言うか、、、
潜入捜査をして進めているオペレーションそのもの、と言うよりは、幹部が決めると言う、落としどころが、無理やり過ぎないか?と。これで、連続殺人を扱っている捜査本部や、立て籠り事件に自分の部署の女性刑事を人質として出しているSITが納得するのか?事件を幕引きできるのか?
私自身が、存在やミッションが謎過ぎて、小説や映画で描かかれている、公安と言う存在をフィクションの世界のものと感じがちなのかもしれないが。
ただ、登場人物のキャラクターの描き方は魅力的だな、と思う。同期、と言う存在の、学生時代の友達ともまた少し違う、だけど、社会に出て仕事仲間として出会うには、単に年が近かったり研修を共にしたと言うだけでは築けない、何とも特別な関係性。その2人が、公安と刑事にいる、と言うのが、何とも絶妙、と思える。