東京湾臨海署シリーズの第2弾。
東京湾臨海署安積班との副題の通り、安積警部補ばかりでなく、時には須田や村雨などの班員の視点で話が進行し、彼らの人柄を知るには格好の短編8話。
ちょっとしたときにふと洩らす安積のモノローグに、彼の人間味が見られる。
安積警部補の本領が発揮されるのが、表題作の『陽炎』。
主役の一人、少女が言う。
「このオジサン見てると、死ぬ気なくなっちゃてさ」
その後に綴られる「たしかに、この刑事には妙な説得力があった。その声や語り口のせいだろうか。高ぶった気持ちを静めてくれるような気がする」
安積の特質を表している。