今野敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
皆さんの「任侠シネマ」のレビューを読んで、シリーズ最初の巻から読んでみようと思った次第。
地域とともに生きる昔気質の真っ当なヤクザ・阿岐本組。その組長の気紛れに右往左往させられる代貸・日村と組の若い衆。
闇金の取り立てに頭をひねる一方、組長が手を出した出版社の仕事では、癖のある編集者たちとの絡み合いに、地元の組との切羽詰まったやり取り、周りでうろつくマル暴の刑事たちの挑発と、色んなトラブルがテンポよく重ねられて行く。
まあまあ面白くは読めたが、型通りと言えば型通り。
仕事柄『反社会的勢力との関係を遮断し…』とか唱えているので、物語の中のちゃんとした組員たちには申し訳ないが、なんとなくこの主 -
Posted by ブクログ
強盗事件を解決し、その夜勤明けに殺人事件が発生。
捜査会議そのものに独特な倦怠感を感じ、疲労感をもたらすとの、安積の思いが綴られる。
それでもなお、安積班の面々はプロ意識を持って、捜査に邁進する。
最近、某プロダクションの前社長を巡っての不祥事が報道されているが、本書でも芸能界の実力者を中心にそのしがらみを描き出している。
被害者はグラビアアイドルで、その面に詳しい須田の直感が、事件解決の一助となる。
部下を信頼し、責任は自分が取るという安積を通して、中間管理職の理想像を、著者は描いているのだろう。
『捜査組曲』の「厳冬」編で、ちょっと男気を見せたが、異常なくらいに対抗心を安積に燃やす相楽が、