同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)
感情タグBEST3
面白いとは知っていたけど、手を出さなかった今野敏氏。疲れてしまって、本が読みたくなったので、つい一冊買ったら面白い、止まらない!
竜崎さんがとても魅力的で、シリーズ一気読みです。
Posted by ブクログ 2024年02月26日
2013年(発出2010年) 352ページ
警視庁刑事部長・伊丹俊太郎を主人公としたスピンオフ短編集・・・なのですが、影の主役は竜崎伸也という感じで、竜崎ファンには満足の一冊だと思います! そして、伊丹俊太郎がなんとなくかわいいキャラに思えてきます。
時系列順に、『指揮』『初陣』『休暇』『懲戒』『...続きを読む病欠』『冤罪』『試練』『静観』と、全部で8編の短編からなっています。全部飽きさせることのない構成で、一気読みできます。今野敏さんは短編も名手! こんなにスピーディーに小説を読むことができるのは爽快な気分でした。会社の休憩中に、2、3編くらい読めてしまいますし、短編でも続きがすごく気になりました。面白かったです。
ちょっと息抜き、そして次の長編へレッツゴーです。
Posted by ブクログ 2023年03月27日
伊丹さんが主役のスピンオフ。
だいぶ無理をしているようでw
本編を読んでいるので、そんな裏話があったのね。と楽しめる短編集です。
竜崎さんとはいいコンビだと思います。
Posted by ブクログ 2022年10月08日
隠蔽捜査シリーズ2冊目。
前作は竜崎が主人公だったが、これは伊丹が主人公の短編。
何か困ったことが起こると、竜崎に電話してヒントをもらう。
まるで恋人同士のようだった。というか、伊丹が一方的に思いを寄せて頼っているが、本人は全くそう思っていない。
二人の電話での会話がとても面白かった。
Posted by ブクログ 2021年11月30日
伊丹目線で描かれた短編集です。長編作品も面白いですが、この短編集によりそれぞれのキャラクターが際立って、より愛着が湧きます。
あっという間に読めちゃう。オススメです!
Posted by ブクログ 2024年04月11日
スピンオフの9つの短編集。
親友と言っている伊丹部長側からの内容が多い。
気が小さいながら、外部に対しては格好良く振る舞う伊丹部長。警視庁の刑事部長に異動するが、その前後で困難な状況に陥る。困った時の竜崎頼み。アドバイスを受けるだけで解決に導いてくれる。魔法のような言葉に何度も助けられる伊丹部長。
...続きを読む逆に、3件の不祥事が続いて助けようとした伊丹部長だが、竜崎署長は泰然として受け止める。二人の対比が面白い。
Posted by ブクログ 2024年01月19日
感想
伊丹を主人公とした話。竜崎よりも人間味があって面白い。普通の人は保身を気にするよね。
あらすじ
福島県警の刑事部長だった伊丹が、警視庁の刑事部長に異動するところから話が始まる。私大卒で出世が遅れる中、世間にイメージが良い部長として、常に現場に出て、周囲に気を遣いながら実務をこなす。短編集。
Posted by ブクログ 2023年10月20日
隠蔽捜査シリーズ3.5
隠蔽捜査シリーズの主人公である竜崎伸也の幼なじみで同期の伊丹俊太郎の視点で描かれたスピン・オフ短編集。
テレビのヒーローのような正義の味方が好きで、ものわかりのいい上司、部下やマスコミに好感を持たれることを目指す伊丹は、自分のポリシーを貫き通し、まわりの目など一切気にし...続きを読むない竜崎とは正反対だ。
福島県警本部から警視庁の刑事部長に異動となり、様々な困難にぶち当たる。
そして、その度に竜崎に助けを求めるのだ。
竜崎は無愛想ながらも的確なヒントを与え、伊丹は何度も窮地を脱する。
少しは自分で考えろよ、と突っ込みたくなるのだが、逆に竜崎が伊丹を頼るシーンもあり、二人の良いバランス関係が見えてくる。
隠蔽捜査シリーズ第3作、疑心の裏話もあり、なかなかに楽しめた作品だった。
Posted by ブクログ 2023年09月26日
伊丹のスピンオフ短編。
どんだけ竜崎好きやねん!の一冊笑
竜崎は忙しいんだから!
すぐ電話するの我慢しなさい!
会いたいかもしれないけど我慢しなさい!
インフルエンザを撒き散らすな笑
薬飲んで寝てなさい!だんだんこの見栄っ張りの情けなさが可愛く思えてきたε- (´ー`*) フッ
Posted by ブクログ 2022年06月18日
隠蔽捜査シリーズ、スピンオフ短編集。
竜崎の幼なじみである警視庁刑事部長をつとめる伊丹俊太郎を主人公とする短編。
竜崎伸也の変人ぶり、冷静な判断がより明らかになる。
Posted by ブクログ 2022年06月06日
警視庁刑事部長・伊丹俊太郎。
幼なじみで同期の大森警察署長・竜崎伸也は、原理原則を貫く男。
困った時に竜崎に救いの手を求める。
竜崎も淡々と助け船を出す。
『何を悩んでるのか、理解できない』
都内警察署でインフルエンザが蔓延する中、大森署だけでほとんど感染者がでてないことは、さすが竜崎。
唯一の...続きを読む感染者が戸高…
『帰って寝ろ』と、伊丹の代役を引き受ける竜崎。
竜崎と伊丹、なんだかんだといいながら、いい関係である。
Posted by ブクログ 2022年04月14日
隠蔽捜査シリーズのスピンオフ作品。前三作と合わせると評価は五つ星。伊丹が主人公でも、竜崎の活躍がお見事。面白かった。なぜ隠蔽工作3.5なのか?『試練』を読んで納得。
Posted by ブクログ 2022年03月07日
竜崎の同期の伊丹の短編。
伊丹が活躍するのかと思いきや、やっぱり竜崎が助けるというパターン。
マスコミな対して好ましいイメージになるように気を使いつつ頑張る伊丹も、なかなか良いです。
困るとついつい竜崎に助けを求める伊丹と、なんやかんやいいながら、伊丹を助ける竜崎はとても良い関係で、歳をとってからの...続きを読む友情もいいもんだなぁと、思いました。
Posted by ブクログ 2022年02月23日
隠蔽捜査シリーズの竜崎さんの幼馴染、伊丹刑事部長目線の短編集です。
基本、竜崎さんに振り回されていて面白いです。
特に「静観」では2人の温度差に笑ってしまいました。
また、前作の「疑心」の裏側も知ることができて、藤本警備部長が気になる存在になりました。
今後も隠蔽捜査シリーズを読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ 2021年08月31日
1.著者; 今野氏は、大学在学中に「怪物が街にやってくる」で、問題小説新人賞を受賞し、作家デビューしました。隠蔽捜査シリーズで脚光を浴び、第一作「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。第二作「果断 隠蔽捜査2」で、山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞しています。中学生の頃、北杜夫に憧れ、詩を書き始め...続きを読むました。北杜夫独特のユーモア感覚と小説全体に漂う上品さに魅了されたそうです。空手の指導者という武道家でもあり、異色の作家です。
2.本書;警察庁のキャリア官僚の活躍を描いた警察小説シリーズの第3.5弾です。今回は、前3作を補完する8つの短編集です。前作の主人公は竜崎でした。本書の主人公は同期の伊丹です。伊丹が事件の相談で、竜崎に関わっていくというショートストーリー集です。8つの作品は、「指揮」「初陣」「休暇」「懲戒」「病欠」「冤罪」「試練」「静観」です。「初陣」は初仕事のエピソード、「試練」は、「疑心 隠蔽捜査3」の舞台裏を書いています。
3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、私の感想と共に記述);
(1)「指揮」より、「警察官は、容疑者の確保のためにいるんだ。それが優先だろう。その為に、手続きが後回しになるくらい、どうという事はない。・・・合理的な判断を実行するためなら、遠慮なく行使すべきだ。そうじゃないか?(竜崎)」
●感想⇒この考え方に納得です。しかし、組織人は保身を考え、ややもすると、無難かつ安易な行動に走りがちです。私が勤めた企業でも、現場は情を重んずる傾向があり、貸し借りの世界がありました。そうした中で、合理性を貫くには、大変なストレスがあり、忍耐です。
(2)「休暇」より、「組織の効率だけを考えてないけない。組織というのは、歯車やゼンマイの集まりではない。人間が集まって作るものだ。・・・効率は追求しなければならない。ただ、改革にはいろいろな段取りが必要だ。根回しだとか、説得だとか・・・(伊丹)」
●感想⇒合理主義の竜崎に対して、現場主義の伊丹の忠告です。私は、竜崎の合理主義を支持します。しかし、組織は人間集団です。時と場合によって柔軟性も必要でしょう。
(3)「病欠」より、「刑事部長より先に電話を切る所轄の署長は、おそらく竜崎だけだろう。幼馴染という事もあるが、上下関係の気遣いなど無駄なことだと考えているのだろう(伊丹)」
●感想⇒組織は、タテ関係で構成されています。但し、上位の人が偉いという事ではありません。これに関しては、ホンダの本田宗一郎氏(創業者)も長が付くと偉いという事はないと、言っています。人間の偉さは別にしても、組織である以上、上位者への一定の配慮は必要と考えます。
4.まとめ;伊丹と竜崎は同じキャリアでありながら、『現場主義を重視する伊丹』と、『合理主義に徹する竜崎』のキャラクターが対照的であり、興味をそそられます。8短編の流れは、伊丹が事件の相談を竜崎に持ち掛けます。そして、竜崎は自身の哲学である原理原則に基づいて、伊丹にアドバイスし、問題解決される、というストーリーです。私は、「短編なんて」と高を括っていました。しかし、本書は、前編を補完すると同時に、竜崎と伊丹の人間性が顕示され、良い作品に仕上がっています。私はあえて絞れば、「指揮」「休暇」「試練」が良かった。いずれにせよ、竜崎の(従来の慣行や部下の視線等を気にせず、理屈を押し通す姿勢)を支持するファンには共感できる一冊でしょう。( 以 上 )
Posted by ブクログ 2021年06月14日
伊丹目線のスピンオフ短編集
伊丹に降りかかる難問の数々頼りにするのは同期で幼なじみの我らが竜崎だが答えは決まって「何を悩んでいるかわからない」
竜崎の原理原則に従えば魔法のように解決してしまうので爽快感がある。自分も少しでも竜崎のように生きてみたいと思う
そしてやはり伊丹は竜崎が好きなんだな〜という...続きを読むのがわかる短編集でした
Posted by ブクログ 2021年03月14日
「原理原則」を突き通す、型破りな警察官僚・竜崎が活躍するシリーズ物の番外編。
警視庁刑事部長への異動が決まった伊丹俊太郎。
彼は警察キャリアであるものの、私大卒であるが故に
自分の警察官僚としての立ち位置や振る舞いを常に考えながら行動する。
その甲斐あって、彼は順調に出世を重ねていた。
一方、その...続きを読む伊丹と全く正反対の性格を持ち、小学校時代の幼馴染である竜崎伸也。
彼は「原理原則を突き通す」事のみに邁進し、周囲から変わり者と見られようがなんだろうが
お構いなく自分を貫く。
そんな竜崎に対し、どこか羨望の眼差しを向ける伊丹。
しかし竜崎は伊丹の考えなど一向に気にする様子もなく、普段通りに職務をこなすのであった。。。
このシリーズを知っていれば大いに楽しめるし、
知らなくてもシリーズを読みたくなるような内容である。
今までは竜崎が主人公であった為、どうしても融通の利かなさというか、
気の利かなさが気になっていたのだが
いざ伊丹視点で竜崎という人物を眺めてみると、非常にありがたい存在だったりする。
伊丹は周囲に対して恐ろしく気を遣っている為、その評価は非常に高い。
が、内面では竜崎のような生き方に憧れていて、何かに付けて竜崎を気にするのである。
そんな伊丹の頼りなさげな考えと、竜崎の傍若無人とした立ち振る舞いが両極端で、
その様子がこの短編集をとても楽しいものに仕上げているのだろう。
それにしても、何もかも竜崎の思い通りになり過ぎて何だか悔しい。
こんな風に感じるのは、恐らく自分が伊丹に近い考えだからなのだろう。
Posted by ブクログ 2021年01月13日
今回はスピンオフ短編集。
警視庁刑事部長の伊丹の立場から竜崎を見る。
相変わらずの変人ぶりを発揮していて面白かった。
堅物だが頭は柔らかい。
彼の考え方が分かれば、なんだそんな簡単なことだったのかと思ってしまうのが毎回不思議です。
Posted by ブクログ 2020年12月09日
伊丹の話がメインだと気づいて、読み進めるか迷ったが、、、
結局、竜崎の話だった。
サクサク読めて、全てハッピーエンドだから、スッキリな展開。ほぼ一気読みだった。
Posted by ブクログ 2020年09月17日
隠蔽捜査シリーズのスピンオフ。本作では伊丹を主人公にした構成で、3巻までに書かれなかった事案も含め8編が収められています。
伊丹という人物はこうしてみると、いかなる状況においても原理原則に立ち返り問題を解決する竜崎とは対照的、建前に振り回され悩みを抱えてしまうキャラであることがよくわかります。
...続きを読む個人的には、問題があるたびに伊丹が竜崎に相談をもちかけ、「まるで魔法のよう」に解決してしまうシーンが本作のハイライトかなと感じます。ある種の痛快さというか、スッキリ感を味わうことができます。欲を言えば3巻に登場した畠山をめぐる経緯を事件解決まで描いてほしかったなと思いました。ここでは竜崎が伊丹に相談を持ちかけるという、いつもと逆のパターンであっただけに、伊丹がどのような心境で竜崎を待ち構えていたのか、読んでみたかったです。
Posted by ブクログ 2020年08月11日
竜崎よ、前回は「お恥ずかしい」内容だったから心配したが、今回、その必要はなかったようだな。唐変木で変人でクレバーな竜崎が戻ったじゃないか。前回、恋をしてしまった畠山美奈子は実は罠だったんだってなぁ。まんまと引っかかってしまったが、男ならしょうがない部分もあるな。お互いに忘れようじゃないか。本当は伊丹...続きを読むのことが好きなんだろ?俺は好きだよ。可愛い一面を持っているじゃないか?毎回竜崎に意見を求めるなんて、好かれて信用されている証拠だろ?竜崎、伊丹の奥さんが不憫でならない。奥さん同士で話してもらえないか?
Posted by ブクログ 2020年03月23日
伊丹も弱い人間だったのねと、ちょいと嬉しくなってしまった。
伊丹が主役だが、どうしても竜崎の方に目がいってしまう。
ゆっぱり竜崎かっけーと再認識。
短編でも相変わらずの定番の面白さ。
ハマるの間違いなし。
Posted by ブクログ 2023年03月18日
【隠蔽捜査シリーズ 3.5】
スピンオフ短篇集の主人公は、伊丹俊太郎だ。
福島県警の刑事部長から、警視庁の刑事部長へ栄転するところからスタート。
迷える小心者、人からどう見られているのか常に気になる伊丹は、悩むと竜崎伸也に電話相談するわけ(≧∀≦) シリーズ3の【疑心】で疑問に感じていた答えが...続きを読む書いてあったのは収穫だった。
伊丹のような、コミュニケーション力が高く、摩擦を回避しようとするキャラは、組織の中で重要だろう。竜崎とはよいコンビ
Posted by ブクログ 2021年11月11日
伊丹の隠れ小心者キャラがはんぱない。
でも大概の人はこっちのタイプやと思う。
ハニートラップの件では竜崎も伊丹に相談してたし、結局いい関係やな。
内容が、元に戻った感じで、同じ内容が出てくるのは、おかしい
他も、同じような内容かと、疑問に思う。
本来は、4巻にあった内容が、8巻に又あることは変ではないか疑問に思う
重複に注意と記されていたが、なぜ、このようになったのか回答してほしい。