今野敏のレビュー一覧
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ネタバレ【321冊目】裏表紙に書いてあるとおり、サイバー犯罪の回で、かつ、竜崎の大森署最後の事件。
とはいっても、サイバー犯罪に関する知識はまったく必要ないくらい事件そのものはあっさり描写されたており、どちらかというとメインは少年がリンチで殺された事件。
まず、警察小説、犯罪小説、ミステリ好きとして言わせてもらうと、話の筋と犯人がちょっとご都合主義に走りすぎではないかと思います。竜崎の推論も「こう考えればしっくりくる」ぐらいのもんで、そういう感想にあっさり説得されちゃう周りもどうなの、と。さすがに戸高ぐらいはもっと疑ってくれよと思いました(笑)
ただ、このシリーズの魅力はそこじゃないのです。はい、このシリーズのファンなのでそれは分かっています!合理主義の竜崎が警察のめんどくさい慣例やしがらみをバサバサ切っていき状況を打破していくところに、我々読者はカタルシスを感じるのです。そして、もう一つの魅力が、鉄面皮の竜崎が署員との交流や事件を通じて柔らかな人間性を得ていく過程。今回も、大森署から離れることに寂しさを覚える竜崎に、我々読者はにやにやしながら、「うんうん、分かってるよ。竜崎は成長したんだよね」とうなずいてしまうのです!その意味で、シリーズの面白さは今回も健在です!
ただ、ハッカーや不良少年の描き方があまりにも典型的にすぎ、また、竜崎の妻も昭和型刑事の妻すぎることが気になり始めました、、、これまで気になることはなかったのですが、シリーズが進むのに合わせて現実の世界はより多様化しています。そのため、物足りなさを感じてしまいました。シリーズ第1作の「隠蔽捜査」は斬新なインパクトを与える作品でしたが、いまや水戸黄門的カタルシスを提供する読み物となってしまいました。その意味で、もはや「おじさん小説」と化しているのかもしれません。
あ、面白いんですけどね! -
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代々木公園、世田谷公園で連続して発見された2つの変死体から検出されたのは共通する毒物で、フグ毒、テトロドトキシンだった。被害者は杉田英吉19歳。フリーのカメラマンの笹本雅彦35歳。
現代犯罪の多様性に対応するために警視庁科学捜査研究所に新設された「ST」(Scientific Taskforce、科学特捜班)の物語。非常に優秀な能力を持っている人間が集められる。特異な性格なるゆえ協調性がないということがコミカルな要素ともなる。この組み合わせが、なんとも言えない。
ST 警視庁科学捜査班を率いるキャリアの百合根友久警部。メンバーからキャップと呼ばれる。
オンナ嫌いというか恐怖症の赤城左門。優秀な法医学医師で天才的頭脳を持ちながら「対人恐怖症」を抱える。しかし、人を惹きつけるという能力は優れている。
美男子のプロファイルの青木翔。専門は筆跡鑑定、ポリグラフ、プロファイリングなど。雑然とした空間を好む秩序恐怖症であり、整頓された場所を嫌う。そのため、自分のデスクは常に驚くほど散らかっている。武道の達人の黒崎勇治。人間ガスクロと呼ばれるほどの優れた嗅覚を持っており、毒物などの臭いをすぐさま嗅ぎ取れる。さらに人間の体臭なども敏感に嗅ぎ取る。
耳がすばらしいミニスカートでおっぱいの大きい結城翠。絶対音感と超人的に発達した聴覚を持っており、部屋の外の会話や普通の人間の可聴領域を超えた音域まで聴き取れる。人間の心音を聴き取る。
黒崎と結城で、人間嘘発見器と言われるほどの精度が高い。
和尚さんの山吹才蔵。僧籍を持った本物の僧侶。この五人が犯人を追いかける。
毒物等の薬物専門家である山吹才蔵が活躍する。山吹才蔵はなぜ、フグ毒?と疑うのだった。そして、全く繋がりがないように見えた。ゾンビ、SMと繋がっていく。薬物に詳しい山吹が突き詰めていく。百合根友久警部は、チームをまとめきれないし、その能力を評価できない状況だった。
テレビのアナウンサー八神秋子は、ストーカーに付き纏われていた。
岩谷慎太郎という35歳のレストランチェーンを経営する実業家が、その困っているときに偶然出会い、付き合いを始める。岩谷は、八神の期待に応えるために、一流のホテルやヨットを準備する。八神は、それを普通だと思っていた。この女、ちょっと女王様なのだ。職場でも浮いている。ストレスが高まり、不安定な状況。そこに岩谷から自己啓発セミナーを主宰している白鷺勇一郎を紹介される。白鷺は、八神を大学時代から知っていた。ベンチャーを起こして、パーティの司会に八神に頼もうとしたが相手にされなかった。そして、八神は白鷺のやり方に、信頼を寄せる。ひょっとしたら、岩谷よりいいかもと思う。ところが、ふーむ。岩谷は八神をそんなに好きだったのだね。
白鷺の運営している自己啓発セミナーは、宗教らしき雰囲気であり、病院的でもあり、不思議な経営であるが、そのバックに控えていたのが。なるほど。人の心を操るには、信頼がなければできない。 -
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警視庁第二機動捜査隊に所属する「235」の活躍を描いた9編からなる連作短編集。
この機捜車235に乗って日々任務にあたる高丸という中年警官の視点から全てが描かれている。たまたま職務で負傷した相棒に代わり、新しく相棒になったのは白髪頭の定年間近のロートル。機動力がものを言う機捜では、これでは手柄もあげられないと思いきや、実はこの新相棒は警視庁の見当たり捜査班に所属した経歴の持ち主。
機捜のスピード感に元見当たり班の眼が加わり、思わぬところから犯人を検挙していく。
ただ短編だからか、何となくストーリー展開が読めてしまうこともあり、後半はあまり新鮮味はないかもしれない。 -
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「今野敏」の長篇ミステリ小説『マインド 警視庁捜査一課・碓氷弘一6』を読みました。
ここのところ国内ミステリ作品が続いています。
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殺人、自殺、性犯罪……。
ゴールデンウィーク最後の夜に起こった七件の事件を繋ぐ意外な糸とは?
「藤森紗英」も再登場!
大人気シリーズ第6弾。
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2015年(平成27年)に刊行された警視庁捜査一課「碓氷弘一」シリーズの第6作… 「ユースケ・サンタマリア」主演でテレビドラマ化されているようですね。
ゴールデンウィーク明けのある朝、出勤した警視庁捜査一課「碓氷警部補」の元に都内で起こった2件の自殺と2件の殺人の報が入る… 発生時刻はすべて同じ日の午後11時だった、、、
関連性を疑う第五係は「田端捜査一課長」の特命を受けて捜査を開始する… その後、さらに同日同時刻に都内で盗撮・強姦未遂等あわせて3件の事件が起こっていたことが判明。
第五係と、再度捜査協力に訪れた心理調査官「藤森紗英」は、意外な共通点に気づく… 一見関連性がないように見える7つ事件は、実は意外な共通点で繋がっていた……。
警視庁捜査一課「碓氷弘一」と心理調査官「藤森紗英」が、地道に捜査を進め、お互いの知識や経験・スキルを活かしながら協力して真相を突き止めていく警察小説… 後催眠により潜在意識に閉じ込められた強い願望が解放されたとしても、殺人事件や自殺、強姦未遂、盗撮等までには至らないだろうなー とは思いましたが、捜査の過程や警察官のプライベートな部分も丹念に描いてあり愉しく読めました、、、
400ページ強のボリュームでしたが、とても読みやすい文体だったので、思ったよりも早く読み終えました… 本シリーズ、機会があれば、別の作品も読んでみたいですね。