今野敏のレビュー一覧
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樋口顕は、一度、YouTubeで見た事があって、内藤さんのイメージが抜けない。
なのに、自分に自信がないって、何となくだけど、違和感。
団塊の世代とその次の世代。
確かに、考え方に差がある気がする。
でも、私も、親が親の責任を放棄した事で、子供達が、心を閉ざしたり、歪んだりしていった事は否めない。 -
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ネタバレ警視庁の刑事・樋口の妻が誘拐された。別件で警備部長を脅迫する手紙が届いたため、樋口はその捜査本部が立ち上げられるまでに何としても誘拐事件を解決しなければならない。普通の感覚ではそんなことそっちのけで警察の力を使って誘拐事件にリソースを注ぐべきだと思うところだが、樋口には刑事故の葛藤があるため、孤独な捜査に臨むことになる。それを助けてくれるのは、以前捜査で協力したことがある生安課の氏家。どこかシニカルなところがあるものの、頼れる相棒となって身内の事件に心を乱される樋口を支える。まるで問答のような二人のやり取りが面白い。ところどころに挟まれる誘拐された妻恵子のパートから、犯人のパーソナリティが明るみになっていき、それが読者にとって樋口たちが追う犯人象のヒントとなっていく。
誘拐されて初めて、自分は妻のことをよく知らなかったのだと気付かされる樋口。公式には動けないからこそ心許ない細い線を辿るような捜査。そこにミステリーの醍醐味が詰まっている。たとえそれぞれに問題を抱えていたとしても、家族はやはり家族で、それも一つの形。
登場人物がしっかりキャラ付けされており、その時代を捉えた視点が強調されているのがこのシリーズの特徴。主人公の樋口も体育会系のいかにもな刑事ではないところも一風変わっている。隠蔽捜査シリーズの竜崎とはまた違った魅力がある。
個人的に前作の『リオ』はあまりハマらなかったが、この作品は面白かった。 -
Posted by ブクログ
この「アンカー」は久しぶりに出た「スクープシリーズ」の第四弾なのだそうだ。知らなかった。 この文庫は2020年2月刊。初出は2016年4月だが、業界の事情は現代でもあまり変化がないようでわかりやすかった
今野さんは、少し前に嵌った「隠蔽捜査」や、ドラマでも好評の「安積署」「リオ」等々、書ききれないほどたくさんシリーズがある。あれこれチラ読みだが随分楽しませてもらっている。
報道番組のアンカーマンから題名をとっているが、キャスターの女性は、今時はアンカーパースンというのだと反論している。報道社会の最先端で活躍するこの美脚で頭の冴えた女性がいるので、むさくるしい話がスマートで新鮮に読める。
報道番組の今後についての悩み、視聴率へのこだわりなど内部の事情も面白い。
一日の最後を務める東京キー局の「ニュースイレブン」のメンバーはそれぞれ報道の将来については姿勢の違いがある。
ネット社会が広がるにつれてテレビ離れも見え始めている中、政治経済の今を見据える報道の将来をどうするのか。
キャスターと報道デスク、その中でも新旧の意見は少し違っていたりする。
そこに局長の一声で関西から来た栃本という肌違いの男が来る。報道番組も「関西ローカルのバラエティー化」を少しは参考にしたらどうかという彼の提案も、新風というよりも異物のようなあつかいで、なかなか受け入れてもらえない。そこなどは関西人としては興味深い。
栃本は地域に拘らないおおらかさで、会議などでは報道の根本姿勢について、視聴率偏重について今必要なことをぽつぽつと発言して、次第にメンバーに受け入れられていくのだが。
一方、「ニュースイレブン」のスタッフで、このシリーズを牽引する遊軍記者でもある布施が、どうもなにかを嗅ぎつけたらしい。彼は拘らない人柄であまり秘密を待たない、そんな性格から人脈が広い。
テレビ局でも、布施の規律破りの勤務態度を好意的に憶測する。彼はスクープを飛ばしてきた敏腕なのだ。また何か大きな事件を持って帰るのではないか。
布施は駅前でビラまきをしている夫婦が気になっている。大学生の一人息子が刺殺され、犯人は上がっていない。夫婦は事件のあった駅の近くに引っ越し家を売り退職金をつぎ込んで10年間一日も休んだことがない。
布施に訊くと、ただビラまきの夫婦が気になって、何かできないかと思った、ただそれがこだわりの源だという。
今では事件当時の捜査本部は解散になり、警視庁特命捜査対策室で二人の刑事(黒田と平田)が引き続き担当している。
記者と警官、職種の違いがあり仕事の規制はあるがどこか気を許し合う、阿吽のつながりがある。
当時同じような事件が起きていても警察の管轄が違えば関連付けが薄くなる、まして事件から十年も経過している。
布施は未解決事件を調べるうち、同じ沿線で半年ごとの事件が線になって繋がってくる。
ビラまきの夫婦の息子はこの連続殺傷事件の被害者なのか。
死亡しなかった被害者から手がかりがつかめ。刑事と記者の畑違いの捜査は光が見えてくる。
ふたたび迷宮に踏み入り、未解決箱に入りそうなところで、やる気も勘も実績もある先輩の黒田と、閑職めいた未解決事件の捜査係になり少しいじけ気味の若い平田のコンビも事件に近づいてくる。
黒田の影響もあって、この新人の相棒が仕事に目覚め、体力勝負に出る。
若い体力を生かして走る。こういうコンビは爽快で話が面白くなる。今野節に泣くところ。
コールドケースの溶け具合がいい。老夫婦の執念にほだされた無欲の布施がいい。
つかず離れずの警官と記者という関係がいい。
犯人は誰でどこにいるのか。
今野さんは期待通り面白かった。
私の推測した犯人は見事に外れた。もし当たっていたら話が悲惨すぎて、へこむところだった。今野さんはこんなイヤミスは書かないでしょう、そこがいい。 -
Posted by ブクログ
推理小説なのか、社会の流行り、世相紹介なのか。後者の比重、ますます重くなる。そこが面白いところでもあるが、肝心な捜査が疎か淡白に。「働き方改革はいったい誰の為。働きたい人、働かなければならない人の労働時間まで制限してしまう。こんなところにも日本経済弱体化の原因が」「外国人排斥の傾向はやっぱりインバウンドの増加に従って強まっているように思う」そんなことないと思うが…。「非正規の若者が増え、一方で深刻な人手不足だといういまの社会はどこかアンバランス」「SNSは厄介。確信犯的に反社会的に投稿。それやめさせる手段がない」SNS活用で世論形成しようという選挙が、また。うーむ。