今野敏のレビュー一覧
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神奈川県警刑事部長編の2作目。
横須賀ヴェルニー公園で事件が発生し、目撃者の証言から外国人らしき犯人像が浮かび上がるが・・・。
日米地位協定で動くに動けない状況を竜崎は持ち前の合理的思考と行動力で、調整していく。
事件が広範囲に広がればその県警と調整し、事件の核心に至る部分では国会議員とも調整を厭わない。
少しでも考えれば誰にでもわかることを、竜崎はやっているに過ぎない。
しかし、竜崎はその行った結果はすべて自分にあるという、責任の所在を常に明確にしていくところが、
関わる人たちを惹きつけ、信頼感を深めていく。
ビジネスの現場でも、問題が起こってから責任問題が発生するが、竜崎は責任の所在 -
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任侠シリーズ第五弾!
今度は映画館の再建です。
映画館の存続を願う「ファンの会」を変えていくというモノ。
今回は何と言って、テツの発言が光ります。
「本気で楽しむこと」
本気で楽しむこと、最近ないなぁって思います。
また、映画ってここ最近映画館で見ていないです。
コロナの前は月に1本は見に行っていたんですが、コロナになってからは映画館に行っていない。
そもそも、コロナ後になっても、面白そうな映画がない。(なんか、アニメばっかりなんだよな)
Netflixに押されているのかNexflix専用というのも多くなりました。
時代なんでしょうね。
さて、本作では、映画館の存続について、裏で動 -
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シリーズ第三弾。
再建もので、書房、学校に続き本作は病院の再建。
またも組長のもとに再建の話が持ち込まれる。
病床数20の地方病院。
外壁は汚れ、ドアも重厚な手押し、院内照明は暗い蛍光灯。
人の心は、まず入れ物からという組長の信念から外壁の清掃をと。
しかし、病院ではあらゆることが外注業者に委託しており、掃除するにしても特殊性が必要で中々に難儀する。
外注業者の背後には関西の組織が。
そんな再建に悪戦苦闘する最中、組事務所のある地元では暴力団追放運動が勃発。
旧住民は組を必要とするが、新しく住み始めた新住民は毛嫌いする。
本作も心温まる義理と人情でした。 -
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シリーズ第二弾。
前作の書房再建に続き、本作は私立学園の学校法人の再建をすることに。
今日日では珍しい荒れた学校の描写が懐かしい。
落書きだらけの校舎に割れた窓ガラス、荒れ放題のグラウンド。
昭和に見たそれだ。
しかし、在校生はというと、なんとも現代的。
反抗的でもなければ、押しても引いても反応がなく不気味な存在。
本作で絵が描かれる、権利と恥の文化を読むと大いに頷ける。
実に生きづらく悲しい昨今だが、そこで働く教師達の無気力感が何とも痛ましい。
ただ、そこは人情もの。
最後はほろっと胸をすく。
全国のお子さんを抱えるおっちゃん、おばちゃんは本作をどう感じるのだろうか。