野口悠紀雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本はAIの専門書ではなく、AIに関心はあるが、直接関わっていない人を読者として想定して書かれた入門書です。
人間の仕事がAIに奪われる、とよく耳にしますが、本書は、「AIを敵だとして拒否するのではなく、味方であると考えてどう利用すべきかを考えるべきだ」というコンセプトから始まって、AIが具体的にどのように応用されているのか、AIの機能を実現するための様々な機械学習の手法、機械学習において重要な役割を果たすデータ(ビッグデータ)の問題、過学習(与えられたデータに対してはせいかいできるが、新しいデータに対しては間違えてしまう)の問題、AIについて世界の最先端をいく中国の現状、そして最後に、AIがいかなる社会を作るか、について、分かりやすく解説しています。
「人工知能の可能性・限界・脅威を知る」と副題が添えられていますが、これが今から8年前の2018年に書かれた本であることから、著者である野口悠紀雄氏の先見性に驚かされます。
印象に残ったのは、「人間は知性的な存在だが、AIはそうではないということだ」という同氏の見解です。もちろん、将来知的なAIが誕生するとを否定しているわけではありませんが、最初に述べた、「AIを敵だとして拒否するのではなく、味方であると考えてどう利用すべきかを考えるべきだ」ということの参考になるような気がします。
それにしても、世界最先端のAI技術を有する中国の現状について書かれている部分は、怖かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ野口悠紀雄先生の「戦後日本経済史」を読みました。1970年代に先進国の仲間入りをして、一時は世界の頂点を伺おうとしていた日本は1995年をピークに凋落の一途を辿り、先進国という枠組みから脱落しようとしている。一番の理由はIT革命に乗り遅れたこと。そして、中国の工業化を見誤ったこと。日本はその強みである製造業に依存し過ぎて、世の中の変化を完全に見誤ったということですね。製造業は水平分業が進み、モジュール化が進んだ。少なくとも日本の強みである垂直統合による擦り合わせはエレクトロニクスの分野では無くなった。そこに中国の工業化があって、日本は完全の世界の潮流に乗り遅れた。政策も特にアベノミクスの時代に円安誘導を進めて、輸出企業に安易に利益をもたらす仕組みを作って、競争力を失わせた。小学校の頃から学んだ常識、原材料を輸入して、日本で加工し、輸出して儲ける、いわゆる加工貿易で日本が強くなったというよりも、旺盛な内需に誘われて日本が成長したんだというのは、目から鱗でした。水平分業化された製造業に日本の強みは無かった。そこに固執した政策がさらに日本の転換を遅らせ、競争力を失わせた。処方箋は人材、特に高度な専門人材とリスキリング。あとは国際性の欠如に如何に対応するかでしょうか。自分にできることは、今からでもリスキリングのような気がした。
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Posted by ブクログ
昨年の誕生日で定年退職しましたが、平成元年に社会人になった時からお世話になっていた野口氏の最近発行された新書で、これで25冊目となります。私よりも20歳以上も先輩なのに、最新機器を使いこなすだけでなく、生成AIに関する本も出されていて、大いに参考にさせていただきました。
その中で取り上げられていた、ChatGPT と音声入力は、今年後半に私が利用し始めたもので、私の生活を変えるほどの威力を持っています。そんな野口氏が書かれた本のタイトルを見て惹きつけられてしまいました、この本を読むことで「第二期トランプ政権下でアメリカが変わろうとしている」ことが理解できました。
様々な著者が「アメリカの覇権は終わる可能性がある」と指摘している中で、個人的には「そんなことはないだろう」とずっと思ってきましたが、この本を読むことで、もしかしたらあり得るのではないかと、最近上昇し続けているゴールド価格を見ながら思いました。
以下は気になったポイントです。
・ 金融市場では将来起こることを予想して現在の取引が行われ、 その結果 将来の事態が現在の価格に織り込まれる。トランプ 政権による高率 関税の賦課は世界経済に深刻な打撃を与え、 GDP を縮小させマネーに対する取引需要を減少させると予想された。このため マネーストックが一定であるとすれば、 マネーの 資産保有需要が増加し その結果 マネーの価格が上昇する 、つまり 利子率は低下する。 これは通常「 危険 資産から安全資産への逃避」 と 呼ばれる現象である、 安全資産への逃避 によって 株価が下落し、 金利が低下した(p27)
・ トランプ氏は日本の消費税・ EU の付加価値税を非関税障壁 とみなす と主張していた、 それを 関税率に換算して アメリカが関税を課すというものである(p29)
・ 相互関税率の計算の仕方: 当該国からのアメリカの財輸入額を「T」当該国に対するアメリカの財貿易赤字額を「D」とする時、「相互関税率=(D/T)➗2 」と計算していると、ニューヨークタイムズは指摘した(p30)
・ 貿易赤字は必ずしも経済的弱さを意味しない、 アメリカは 恒常的な貿易赤字を続けてきた、 これによってアメリカは グローバル金融システムの中心に位置し、 資本流入によって国内投資や技術革新を促進してきた。この構造を意図的に破壊しようとする 関税政策は、アメリカの国際的 プレゼンスと イノベーション指導型経済 を基本から 損なう。 特に問題なのは、 製造業の国内回帰(リショアリング)を推進すれば 、Apple や エヌヴィアなど ファブレス 製造業の国際的 サプライチェーンが破壊されかねない。 こうした企業は 製造課程を海外に委託し、 設計・開発・ブランド戦略に集中することによって高い競争力を築いてきた、 これを無理に 国内回帰させれば、 生産コストは急騰し イノベーションは停滞する。 その結果 アメリカは世界経済における技術的優位を手放すことになるだろう(p39)
・ 日本政府は 相互 関税 という考え方 そのものに対して正面から批判しその撤回を要求する必要があった、 相互関税は、第二次世界大戦後の世界経済の拡大を支えた 自由貿易に対する重大な挑戦であること、 関税が課される国の経済活動に深刻な影響を与えるだけでなく、 関税をアメリカの消費者が負担することになるため アメリカにおいても、 物価上昇 など深刻な 負の影響が生じること、その反面で生産活動のアメリカへの復帰は期待できないことを指摘する必要があった(p47)
・自動車メーカーの 円表示での輸出 単価が下落しているのは 為替レートの影響もある、 しかしそれだけでなく 日本の自動車メーカーが輸出価格を引き下げたことによる面が大きいと考えられる。アメリカでの販売台数が減らないことを目的としこのために アメリカ国内での販売価格を、 ドルベースで追加 関税 賦課前とほぼ同水準に保とうとして、エンベースの輸出価格を25%下げた、 しかし 為替レートが円高に動いた結果 ドルベースの価格は18.9%の低下にとどまった、アメリカでの市場価格は 6.1%上昇したので 、販売台数が3.9%減った(p85)
・ アメリカは 経常収支の赤字が継続している、 なぜ 継続できるかといえば 、アメリカに対する投資が継続しているから である。 アメリカのドルが基軸通貨であるため と説明されることがあるが、なぜドルが国際的な基軸通貨として認められているかを考える必要がある。 その理由は、 アメリカに対する信頼があるからである。 それは、1)1人の独裁者に権力が集中してしまうことがないように 三権分立が機能している、2)中央銀行の独立性が保障されている、3) 以上2つの制度的な仕組みによってバランスのある安定した政策が実行 される、4)自由な研究活動が認められるので 能力のある人が世界中から集まってくる、 それに加えて、5) 軍事的・地政学的な優位性を保持している。このため ドル資産を保有してもデフォルトの危険は少なく将来 十分なリターン を伴って 回収できると確信できる。 このような要因が重なり ドルは基軸通貨としての地位を維持している、この地位 こそがアメリカが 経常収支の赤字を継続できる根本的な理由である、 つまり 基本にあるのはアメリカ経済が決して破綻せず 将来にわたって 成長を続けるという 信頼である(p97)
・ トランプ大統領は最も重要な制度的枠組みを根本から揺るがす 政策を打ち出している、1)自由貿易の原則を踏みにじり 貿易相手国に対して 恣意的で高圧的な関税を課すことで国際的な経済秩序を混乱させている、アメリカは信頼できる経済 パートナーという立場を自ら傷つけている、2) 基礎科学や大学の研究資金を削減し、 長期的なイノベーションの土台を崩そうとしている、従って「繁栄の基本 メカニズム」を根底から破壊しつつある(p99)
・中国からアメリカへ輸出する iPhone の価値のうち 中国で生産された 付加価値は全体の4%未満である、 アメリカが付け加えた設計段階の付加価値は、 販売価格の30%以上を占めるが、 これは 貿易黒字だとして計上されていない(p103) 仮に iPhone の最終組み立て工程を中国などからアメリカに移したとしてもそれによってアメリカでの付加価値は 数%分しか増えないことになる、 それに対して iPhone の輸入に効率 関税をかけて 現在の生産プロセスを破壊したとすれば、 iPhone の付加価値を生産する全活動が成立しなくなるかもしれない、 つまり Apple という企業が成り立たなくなるかもしれない。 これはアメリカにとって 極めて大きな損失を与えるだろう。 国際収支統計に現れているのは、中国で生産された iPhone がアメリカに輸入されるという取引である、 これに対して その他の取引はほとんど 国際統計には現れない(p105)
・ アメリカの経済収支赤字の拡大がしばしば 問題視されているが、その大きな要因は ファブレス化の進展にある可能性がある。 もしそうであれば経済収支赤字の拡大はアメリカの経済の劣化によるものではなく、むしろ 高度化の結果であると解釈できる(p107) トランプ氏は関税の一部がアメリカの消費者によって負担されることは理解しているだろうが、ファブレス企業(アップルなど)の場合に、アメリカが課す関税のかなりの部分をアメリカ企業が負うことをどれだけ重要視しているだろうか(p146)
・ 株価下落では怯まなかったトランプ氏が、金利 高騰には即座に反応した。その意味において 金利 高騰は「経済の地雷原」 だと言える、トランプ氏といえどもそこを不満のよう 最大限に警戒せざるを得ない(p123) 国・ 地域別の 関税 上乗せ分は4月9日午前0時1分から発効した、 わずか13時間しか経っていなかったにも関わらず、 地下もそれまでは強気の姿勢を貫いていたにも関わらず トランプ 政権は 突如 詮索を大転換した。 そして アメリカとの交渉を応じる場合には、相互関税の上乗せ分 を90日間延長するとした(p125)
・ 国債といえども 安全にリスクがないわけではない、 途中で換金が必要になった時に市場価格が 額面より低くなっていればその低い格しか得られない、そこで 国際よりもさらにリスクの低い資産であるマネーや 外国資産への避難が起こる、 マネーとは 銀行預金や 現金であるが、金(ゴールド)も 避難先の対象となり価格は史上最高値を記録した(p128)
・現在の米中間の貿易摩擦(対象品:ノートパソコン、スマートフォンなど)は、1980年代の日米貿易摩擦とは大きく 性質が異なる。 80年代の摩擦は自動車など アメリカ国内でも生産可能な製品が中心であったが、 電子部品については アメリカ国内でのサプライチェーン 再構築はほぼ不可能である。従って アメリカ国内で電子部品の生産が拡大し雇用が増加する可能性は極めて低い(p151)
・2025年2月24日 アップルは今後 4年間でアメリカ国内に5000億ドル(約75兆円)の投資をすると発表した。 この理由は 関税を免れるためである、 Apple としては 関税 引き上げを避けたいので「アメリカ国内で投資をする」という 取引条件を示した(p158)
・ 強固に見えた「三権分立」の仕組みが 1970年代頃から徐々に変貌してきた、 特に重要な変化は1970年代からの政策の変化である、1974年 通商法、 1988年 包括 通商 競争力法 など の導入によって、 それまでは議会の権限であった 関税率の決定が大統領に委任されるようになった、 これらの措置は1980年代から90年代の日米経済摩擦の中で導入された(p209)
・中国のDeepseekが世界に衝撃を与えたのは、 機械学習のために高性能の半導体を使わずに済んだことである。 バイデン 政権による輸出規制の中で可能な 半導体だけを用いて 高度な AI の開発が可能であることを示した(p251) AI の開発では大量のデータを事前に学習させる必要がある、 これに多大のコストと時間を要するが、Deepseekは この段階で「蒸留」と呼ばれる手法を使った と説明している。「蒸留」は、 別の高性能 AI を 先生役にして、 機械学習を効率化する手法である。 最初からデータを学習しなくても、先生役である AI から 効率的に学ぶことができる、Deepseekは、メタなど複数の AI から学んだと報じられている(p253)
・関税は基本的にモノ(財貨) が国境を越えて移動する際に課せられる、 すなわち 輸出入 される 物品が完全の対処となる。一方 サービス貿易(コンサルティング、ソフトウェア開発、金融サービスなど)には、通常の意味での関税は課せられない、 だから物を輸出する構造から、サービスを輸出する構造への転換をすれば 関税がかかることはない。 今後日本は、サービス貿易に注力すべきである(p291)
2025年12月16日読破
2025年12月17日作成 -
Posted by ブクログ
生成AIが登場したのはまだ2年前(2023.6頃)のようですが、これが私たちに及ぼす影響は大きいようです。思い起こせば、私が初めてインターネットに触れたのが1995年でした、登場してから何年経過しているかは不明ですが、その頃にインターネットを利用してビジネスを起こした人が新しい企業を成長したと思います、今またその時期が来ていると私は感じます。
生成AIは、この本によれば第三次産業革命に当たると指摘されていますが、今までの産業革命と異なり所謂ホワイトカラーに影響を与える初めての産業革命になるとのことです。産業革命が変えていく世界を「生成AI」という視点を通して見守っていきたいと感じました。
以下は気になったポイントです。
・生成AIがもたらす変化は、今までの変化(機械やコンピュータが人間の仕事を代替する)とは異なる。これまでの技術が主としてブルーカラーの仕事を自動化したのとは違い、生成AIの最も大きな影響は、ホワイトカラーの、それも知的に高度な仕事に及ぶ、活版技術やインターネットがもたらしたのと同じような変化がこれから大規模に生じる(p3)さらに社会のあり方が根底から覆されてしまう可能性がある、カスタマーサービス・マーケティング・研究開発・企業の意思決定にまで及び、人々の働き方が大きく変わる(p5)
・外国語の自動翻訳はすでにいくつかアプリがあるが、ChatGPTはそれより使いやすいし、正確である場合が多い。しかも要約はこれまでになかったサービスである(p27)
・筆者(野口氏)のChatGPTの使用方法して、第一に文章の校正(音声入力したテキスト構成と文語・口語変換)第二に、文献や資料の収集、要約、翻訳、この利用により私の仕事の生産性は著しく向上した(p33)ただし、書きたい内容が頭の中にはっきりした形で整理されている必要がある(p34)注意点としては、1)生成AIの出力が間違っている場合(ハルシネーション)、2)新しいアイデアの創出はできない(p38)
・1)ビジネスにおいても教育においても、ChatGPTの利用比率はアメリカの方が日本より進んでいる、2)教育学習における利用はビジネスの利用よりも進んでいる、教育面における利用はすでにかなり進んでいて現実の問題になっている(p54)
・生成AIが価値を提供できる上位の職種は、顧客対応・営業マーケティング・システム開発・研究開発であり、75%以上を占める(p71)
・新型コロナワクチンの主流は「mRNA」タイプであるが、この開発では複雑なタンパク質の構造を解明する必要があり、従来は非常に時間がかかる作業であったが、この過程で生成AIが活用されて、非常に短期間で構造が解明できるようになった(p81)
・企業にとっての生成AIの用途として、1)単純業務の効率化、2)カスタマーサービスの改善、3)意思決定の支援があるが、日本では1)の内容が多い、3)については日本では、今の所、関心がない企業がほとんど、政府や自治体も同じ(p111)
・データドリブンの組織では、データは組織全体で共有され、透明性が確保される。また伝統的な組織では、失敗は避け得られるものとされることが多い。データドリブンの組織では、データに基づいて失敗の分析が行われ、それから学んで改善をくりかえることが重視される(p124)生成AIを意思決定に活用するには、企業の構造を改革することが必要である、従業員のスキルを高め、組織体制を変革しなければならない(p125)
・生成AIは、データの分析だけでなく、新しい創作物を作成することができる。そのため知的労働に影響を及ぼしている(p143)
・ChatGPTには、適切な質問や指示が必要であり、そのためには「知識」が必要である、自分の思考を表現する能力、さらには他人への適切な伝達力が求められる、これによってこそ、思考を適切に展開できる。実業界の問題を数学的な問題として形式化し、それを解く能力も必要である、歴史・地理・自然界の法則といった基本的な知識の取得が必要で、これらはAI技術がいかに進歩しても必要なことである(p157)
・これまでの自動化技術の展開は、スキルレベルが最も低い労働者に最も大きな影響を与える傾向があると指摘されていた、ところが、生成AIは、これと逆のパターンとなる。修士・博士号の保有者、仕事のうち自動化できる比率は、生成AIがなければ28%にとどまるが、生成AIがあると57%に上昇する。それに対して高卒の場合には、それぞれ51%と64%である、つまり、修士・博士号の保有者は、生成AIによって大きな影響を受ける(p225)高度な知的労働では、失業率が50%になる(p228)
・日本では、57%の業務が自動化可能とされる中で、それを実現するには、業務がすでに標準化されており、デジタル化されていなければならない。ところが日本の営業部門では、いまだに情報が属人的に管理され、またデジタル化が進んでいない、こうした状況では、生成AIを導入できない、このままでは日本は世界の大勢に大きく遅れる危険がある(p226)
・低スキル従業員に不利に働く、つまり、生成AIをうまく使える人々が生産性を上げ、これまでより高い賃金を得られる、そしてうまく使えない人々を駆使して仕事を独占するようになる(p232)
・生成AIがもたらす変化h、第三次産業革命と行ってよい事態である、第一次は18世紀に起こった蒸気機関の登場、第二次は19世紀における電気の利用であった、今起こりつつあることは、まさしく産業革命である(p236)生成AIがもたらす変化は、第一次、第二次とはかなり違う、文章を書く作業を効率化するので、知的労働に影響を与える、単純労働でなく知的労働である点が、これまでとの大きな違いである、肉体労働はあまり影響を受けないだろう(p237)
・生成AIに対する指示の差で結果が変わらない仕事は、生成AIに代替される、そうでない仕事においても、生成AIの使い方で仕事の効率が変わる、生き残るのは、それに成功した人や企業である(p245)
2025年5月25日読破
2025年5月26日作成 -
Posted by ブクログ
未来は経済成長率次第です。
現代は1%の経済成長を前提として、将来の社会保障費などを算出しています。
人口が減っていくのが確実なのに成長できるのか?という疑問が沸くのは本当
のところかと思います。
しかも日本の「国力」が弱まれば、移民も期待できません。ましてや円安によ
って輸入品は他国に買い負けます。
では2040年はどうなるのでしょうか。
日本の基幹産業である自動車は、自動運転やIT技術の発達で恩恵を受ける部分
もあると考えられています。
「先の見えない時代」なんて言って将来を予見するのを放棄してはいけません。
「先が見えた時代」なんて今までも無かったのですから、全日本国民が正面か
ら向き合うべき一冊です。 -
Posted by ブクログ
去年アメリカ在住の友人が日本に一時帰国し会って感じたことがありました。とにかく羽ぶりがよく、お金の使い方にためらいがない。
もちろんこの機に日本でしか手に入らないものを買っておこうという気持ちもあったと思うのですが、友人曰く「日本はモノが安い」とのこと。
「どうして住む場所が違うだけで、ここまで豊かさに差がついたのだろう」と疑問に思い本書を手に取りました。
本書では差が出た原因として、アメリカと日本の文化の違い、企業の今までの戦略、政治構造の違いなどを挙げており参考になりました。
著者はあとがきで政府が変わることを望んでいますが、それは難しそうであること、国民の意識を変えることが必要であることをメッセージとして残しています。いろいろ考えてさせられる本でした。
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Posted by ブクログ
(2012/7/10)
神保 哲生, 宮台 真司, 神野 直彦, 高橋 洋一, 野口 悠紀雄, 波頭 亮, 大野 更紗, 武田 徹
「日本の財政再建のためには消費税増税はやむを得ない」という輩が増えている。
お叱りを受けるかもしれないが、私はこれは官報複合体のなせる業だと思っている。
記者クラブメディアはいつの間にか増税やむなしを連発しており、
その記事の、放送時間の量に従って、増税やむなしが増えている。
物わかりがいいというかなんというか。
本当に国を憂いているのか、生活にゆとりがあるのか、増税デメリットがある立場にいるのか、、、
その真意はわからないが、そういう方々にはまずこの本を読んでもらいたい。
私はこの本を読むずっと前、父親の相続で苦労してをして税金のからくりがわかって以来増税反対だが、
その考えをあらためて整理確信できる内容になっている。
目次に沿って自分の考えと合わせてみよう。
プロローグ 「足りないから増税」ではなく、税を通して国のあり方を議論する好機に 神保
「納税」でなく「払税」(古川元久衆院議員) これは初めて知ったがいい概念。
確定申告。そう、これをするかしないかで税に対する意識は変わる。
1 すぐ捻出できる200兆円を隠してまやかしの増税に走る財務省の罪
(元財務官僚・「政策工房」会長・高橋洋一 神保哲生 宮台真司)
高橋さんの本やお話しは何度か読んだり伺う機会があり、少なからず私の財政に対する考え方を構成している。
歳入庁を作ると国税庁がその管轄下になり財務省の権益がなくなるからできない、、。
80万の法人が税は払うが保険料は払っていないというのに。
日銀がお札を刷って国債を買えばいい、という説。金融緩和派。
2 貧しい人がより貧しくなる税制から「分かち合い」の税制へ
(東京大学名誉教授・神野直彦 神保哲生 宮台真司)
公共サービス。
私は大きな政府には反対だが、学校は教育バウチャーにして親の負担をなくし、
しかし私立であれ公立であれ親が学校を選ぶ権利を与えるべきだと思う。
競争のない、あるいは中途半端な公立学校に任せられないというのは持論。
それを強調させるような悲しすぎる事件が大津で起こってしまったが。いじめ-自殺。
教育委員会管轄の中途半端な競争原理のためいじめを隠し被害を大きくしたといってもいいだろう。
3 産業構造が変わらない限り日本経済は再生しない
(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問・野口悠紀雄 神保哲生 宮台真司)
金融緩和ではだめ、と、高橋説を否定。インフレターゲットも否定。官僚批判も否定。
日本は廃墟にならねば立ち直らぬと。産業構造改革。
延命措置で死ぬべき産業を生きながらえさせたために現状があると。
日本の医療と一緒。
体がダメになってなくなるべき人を生かして、医療と年金に膨大な費用をかける。
使命を終えて終焉を遂げるべき企業を、雇用政策とか何とか言って、税金を使って生き延びさせる。
どちらも税金が延命に使われてる。
4 医・食・住に困らない社会を作るための増税/分配論
(経営コンサルタントXEED代表・波頭亮 神保哲生 宮台真司)
大前さんの元弟子の波頭さん!
ベーシックインカム月8万円であとは余計なことはしない!
たしかにすっきりする。
役所、官僚の余計な采配はいらない。
ただね、医療はほっとくと際限ない。まあ8万円だけ配ってあとは払いたければ自分で、とやればいいのか。
ここで波頭さんと宮台さんがミルトン・フリードマンを持ち出す。ネオリベラリズムとして。
私は大学時代からフリードマン派。「選択の自由」は何度も読んだ。今やネオリベラリズムは世間では否定的?な気がするが、
私は今もこれが一番と思っている。
先ほどあげた教育バウチャーも彼の発案。素晴らしいと思う。
宮台さんもフリードマンの考えに近いといっている。だから彼の主張が聞きやすいのかな。
マイナスの所得税、小さな政府。
そう、国は余計なことをしないほうがいいのだ。何が余計か、を決めるのが難しいが、
少なくとも変な外郭団体作って天下りして補助金を操作するのは余計でしょう。
国家権力の名のもとに税金を国民から搾り取って、わけのわからぬ分配、分捕りをする姿をよしとは絶対言えない。
必要悪とも思わない。
5 「困ってるひと」から見た「弱者」と愛と社会保障
(作家・大学院生 大野更紗 武田徹 神保哲生 宮台真司)
そこにこういう人が出てくるからややこしい。
困ってるひと、は私も読んだ。
カンボジア難民を支援する活動をしていた上智大生が難病にかかり、
自ら病気難民になって、闘ったという本。
苦しい闘いをコミカルに表現している本だった。
しかし、彼女の闘病は国の支援なくしてはありえない。
そうでなければ親が破産する。
これに対しどう考えるのか。
めったにない難病だから高額をかけても助けるのか、
こんな本が書ける才能があるから助けるのか、
とにもかくにも助けるのか、
その金は誰が出すのか、
いくらまで出すのか。
海外心臓移植手術のためのかんぱ、
なんてニュースを時々見ることを考えると、
正解はわからない。
感情移入しちゃうからね、本読むと。
でも私は否定的。
助けるのは国ではない、国民の税金なのだ。
6 自己改革できないまま日本がクラッシュする前に
(神保哲生 宮台真司)
二人の意見はここ数年よく聞くので、目新しいことはない。
むしろ状況がシビアになっているのを感じる。
クラッシュしかないのか。野口さんの意見からきているが。
ハイパーインフレになって、結果資産を持っている人から搾取する、、
これが現実的かもしれない。
いつの世もそういう形でリセットしている。
エピローグ 既得権を移動させるために私たち消費者ができること 宮台
自ら考え発信する。
そうありたい。こんなブログ、なんの役に立つのかと思わないでもない。
最低自分の備忘録であればいい、が、
少なくとも泣き寝入りはしたくない。犬の遠吠えであろうとなんだろうと、
自分で考え、発信したい。 -
Posted by ブクログ
「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ
著:野口 悠紀雄
紙版
角川新書 K-215
良書、人生100年時代を生き抜くためには、生涯を通じて学習し、成長しつづけるしかない。
そのための方法は独学であり、それが一番効率的である。これが本書のメッセージです
独学を続けていくには、何を学ぶかを決め、どのようなカリキュラムで学ぶのかも自分で決めなければならない
気になったのは、以下です。
広く浅く、勉強するではなく、知るべきことに焦点を絞って、勉強することが必要になる
独学の大きな長所は、楽しいことだ
独学の欠点は、
①継続できないで途中でやめてしまう危険が大きい
②ある目標を達成するために、何を勉強したらよいのか、どう勉強したらということが明確でない
③独学では、クラスメイトや、勉強仲間を作れない
独学、いますぐ、実行してみよう
独学する習慣を持っている人と持ってない人とでは、時間が経れば大きな差が生じてしまいます
言語を習得する方法
大声でたくさん音読する
ちょっとした翻訳をうる
毎日一回は授業をうける
興味がある対象について常に作文を書くこと、それを先生の指導で訂正する
前の日に直した文章を暗記して自壊の授業で暗唱すること
アメリカの大学院では、死に物狂いで猛烈な勉強をしている
彼らが行っている勉強は、学歴を得るための勉強ではなく、実力をつけるための勉強だ
学校時代に習ったことは、あっという間に陳腐化する
これまでやっていた仕事が、技術進歩によって消滅してしまうのである
しかし、他方において、適切に対処すれば、現在の情況は大きなチャンスに転換しうる
変化が激しいとは、新しいフロンティアが広がるということだ
そこにはまだ誰も手につけていないので、思うがままの発展をすることができる
英会話学校、資格取得のための学校、通信教育、パソコン教室等々
これらは、授業料を稼ぐために行っている営利事業である
そのため、勉強をしたい人のニーズに本当に応えているかどうか、疑問である
コストを払っても、それ相応のリターンが得られるとは限られない
逆に独学はタダだから、質が悪いとは言えないのだ
同じことは、独学でもできる。自分の必要に合った勉強ができるから、効率的だ。
社会人の勉強では、必要とされる知識が、人によって大きく違う
また、達成したいと思う目的も個人によって違う
一般的な社会人講座で得られるような知識では、仕事には役立たないことも多い
実技は独学には向かない
ギルドによる職業免許との戦い
中世のヨーロッパの徒弟制度も、独学を禁止する制度だった
さまざまな技術は親方から口承で伝えられ、それらが文章化されることはなかった
継続は力なり
ゲーテ 訓練、訓練、訓練、訓練が巨匠を作る 巨匠は天から降ってくるものではない
継続のために必要な4つのこと
①はっきりした目的を持つ
②強いインセンティブを持つ
③勉強の楽しさを活用する
④時間を確保する
自分でカリキュラムを作る
問題は何か、重要なことは何か
集中すべきところは、急所、つぼ、抑えどころ、勘所、コツ、などと呼ばれている
クリティカルなことを、教えてくれるのがよい教師
本に書き込みをしよう
本を読むときに、線を引いたり、書き込みをしたり、本の最初の余白の部分に要約を書いたりしている
後になって読み返す場合に便利だ
本をきれいに読まなければならないというのは、間違いだと思う
外国語を勉強する方法
文章を丸暗記する
単語を孤立して覚えるのではなく、文章として覚える
20回程度聞けば覚えらえるだろう
外国語は、独学でしか習得できないのだ
誤りとは、流暢に話せるようになりたいと考えることだ
実際には、正確に聞けることのほうがはるかに重要である
①話せても、聞いて理解できなければ実用にならない
②正確に聞くことができれば、自動的に話せるようになる
誤りは、外国語を一旦、日本語にして理解しようとすることだ
いちいち、日本語に翻訳していては、日常的なコミュニケーションのスピードについていくとはできない
独学では、カリキュラムの作成が最も難しいとは、体系を作るのは難しいということである
目次
はじめに
第1章 独学の第一歩を踏み出そう
第2章 独学者たちの物語
第3章 私も独学で勉強した
第4章 独学は新しい働き方を可能にする
第5章 なぜ学校でなく独学のほうがよいのか?
第6章 独学を継続させるには
第7章 学ぶべきことをどのように探し出すか?
第8章 英語は独学でしかマスターできない
第9章 検索は独学の重要な道具
第10章 人工知能の時代に独学の必要性は高まる
図表
索引
ISBN:9784040822273
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:240ページ
定価:840円(本体)
発売日:2018年06月10日初版発行