野口悠紀雄のレビュー一覧
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ネタバレ為替と世界主要国の経済の関係についてよく学ぶことができた。
日本の衰退の原因が製造業への固執によりIT産業へ移行できなかったことだという話は前から聞いていたが、具体的な企業名やデータが示されることで根本的な理解を得ることができた。
日本の産業はつい最近まで「良いものを高く売る」ことで多額の貿易黒字を出していたというイメージだが、
製品のコモディティ化=“良いもの”を生み出しづらくなっている
グローバル化による新興国の市場成長=所得水準の低い国の市場では、“良いもの”の需要が弱い
この2点が産業衰退の原因だと思った。
自分は高度サービス業務に従事しているが、業務のマニュアルは全て外資の後追いになっていて、日本の後れを強く感じている。
グローバル化で成長国と成熟国の差がすごいスピードで縮まっていく今、ここが正念場だと思う。 -
Posted by ブクログ
日銀が金融緩和をする理由は、円安による大企業への利益誘導、株価対策、金利低下による支払い利息低下で大企業が儲かるメカニズム。。。
2022年は円安と資源高が同時に来たため、株主よりはるかに数の多い消費者の不満が溜まりに溜まっている。。
日銀による低金利誘導は、今すぐやめるべき!
円高でも稼げるような規制改革を、今すぐ始めるべき!
データに基づいてわかりやすく説明できる野口さんのような大物が、政治家のブレーンとして活躍してくれれば、、、
韓国や台湾、イタリアに、一人当たりGDPで抜かれることもなく、、、
日本の置かれた状況は、総供給と総需要曲線で説明可能。アメリカは総需要曲線の上方シフトによるデマンドプルインフレ、日本は総供給曲線の上方シフトによるコストプッシュインフレ。
コストプッシュの要因の半分は円安によるものだから、マイナス金利政策の見直しで円高に戻し、解決可能!金利上昇が総需要曲線の下方シフトを招く!と日銀は懸念しているが、最近の日本では設備投資は内部留保で行われているので、影響は軽微! -
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048
政治は、円安による安易な利益増を求める
054
アベノミクスの本質
賃金を下げて、株価を上げた。
087
賃金が上がらないのは、物価が上がらないから
094
サービス価格は、アメリカでは上昇を続けたが、日本では停滞した
106
新しい資本主義は、資本なき資本主義
GAMMAと情報処理産業
GAMMAの時価総額は
日本の上場企業全体の1.4倍
108
資本なき資本主義は、データ資本主義
124
情報産業が金融に参入する
ファブレス化したアメリカの製造業
ファブレス 工場を持たない製造業
アップルの驚異的な成長の基本的な要因は
ファブレス化
こうした企業は、日本では
キーエンスなど、ごく少数
130
アメリカの生産性が高いのは、ファブレス化したから
166
2003年から本格化した為替介入
169
アベノミクスによる円安が、日本を貧しくした。
227
老後生活資金は、3,000万円必要?
高齢者の9割は賄えない
270
政府の役割は補助金をバラまくことではなく
既得権益と戦うこと
274
劣化した政治を変えなければいけない -
Posted by ブクログ
バブル崩壊後の平成時代の日本経済の低迷の原因は何なのか、というテーマに関しての本を続けて何冊か読んでいる。
本書も、そのようなテーマに関しての本である。世界経済は、1990年頃を境に大きく構造を変えているが、日本はその構造変化に対応することが出来なかった。ばかりではなく、古い産業構造を温存することになる経済政策を続けてしまい、古い、競争力のない産業を保護し存続させてしまっていることを筆者は指摘している。古い産業構造を温存することになる経済政策とは、例えば、金融緩和や円安誘導、さらには例えばエコカー減税のような支援策や、雇用調整助成金のように競争力のなくなった産業での雇用を継続させるような施策を指している。すなわち、目の前の現状(例えば目の前の競争力のない産業の雇用)を守る、要するに現状維持を図るために色々なことをやり、現状維持は図れたが、世界の変化から取り残されてしまった、ということだ。この議論は、非常に説得力のある議論のように感じた。
バブル崩壊後、かつ、リーマンショック前の2004年頃、一時的に為替が円安に振れて輸出企業、特に電機会社の業績が回復したことがある。その際に、電機会社のいくつかは、日本に大型の工場をつくることを選択した。例えば、シャープ亀山工場であり、パナソニック茨木工場である。よく覚えているが、その当時、「亀山ブランド」という言葉があった。シャープの亀山工場は液晶テレビを製造する工場であったが、品質の良さ(すなわち不良率の低さ)を誇っていた。円安はいつまで続くか分からない中での国内工場建設への大型投資を正当化する(為替にかかわらず品質の良さで勝っていける)ためのスローガンであったと思うが、当時、この「亀山ブランド」という言葉に違和感を覚えた(電機産業以外の)サラリーマンは非常に多かったと思う。電機製品はどんな製品であれ、コモディティ化していくはずであり、早晩、日本以外の国も品質面では簡単に追いつくこととなり、更に円高方向に為替が振れた時に、亀山工場は立ちいかなくなるはずであると、割と多くのサラリーマンが感じていたはずである。結果はその懸念の通りとなった。シャープは経営破綻し、台湾の鴻海に買収された。鴻海はフォックスコンの親会社であるが、フォックスコンはアップル製品、iPhoneやiPadの製造を受託する会社である。すなわち、時代はアップルのように自社で製造工場を持たずに開発に特化する会社と、フォックスコンのようにそういった会社の製品を受託生産する会社の水平分業の時代に入ったのであるが、それにシャープやパナソニックは気がついていなかったということだ。整理して言えば、製造業においてすら、もはや製造すること自体は競争力の源泉にならず(フォックスコンのように、それを、これまでとは全く異なるレベル・規模で徹底すれば別だが)、製品企画力・開発力にしか競争の源泉は存在しないにもかかわらず、古いタイプの産業モデル(製造すること自体を競争力として、輸出で稼ぐ)に固執した結果、日本の企業は競争力を失っていった、という議論である。
日本経済の不調は構造的な問題であるというのが筆者の主張であるが、それに対して、筆者は次の3つの課題を解決することが必要であると主張している。
1) 人口の高齢化によってもたらされる問題に対処すること。とりわけ、労働力不足の問題と、将来の社会保障支出の問題に対処すること
2) 変化する世界の条件、とくに中国の急速な成長に対処すること
3) 改革の遅れを取り戻すこと。とりわけ、企業のビジネスモデルを転換させ、生産性の高い新しい産業を作りだすこと
現在の政府・日銀の政策の考え方は、「日本の衰退の原因は物価の下落だから、金融を緩和して物価を引き上げれば解決する」というものであり、それが現在の異次元金融緩和政策のベースとなっている。実はこの政策を取り始めたのは2013年であり、もうすぐ10年になる。この間、日本経済は好転の兆しを見せておらず、そもそも、金融緩和策によって(今年に入ってからを別にすれば)物価は上がらなかった。
私自身は、筆者の主張(日本が構造的に立ち遅れている)の方が合理性があると感じる。
最後に本書は2019年の発行であり、コロナ前の状況をベースに執筆されている。コロナ禍によって、また、ロシアのウクライナ侵攻によって世界の状況は更に変化しているが、その間に日本の産業競争力は世界に追いつこうとしているかと言われれば、全くそんなことはなくて、むしろ差は開きつつあるように思える。
引き続き、バブル崩壊後の平成日本経済の低迷の原因を探った本を読み続けるつもり。 -
Posted by ブクログ
これから社会に出ようとする学生、現役ビジネスマン、リタイアして株式投資で生計を立てている投資家…全ての人、必読の書だと思います。
小難しい事を言う様ですが、私が読後に率直にその様な感想を抱いた理由は、過去数十年からいま現在の、そしてたぶん将来に渡っても決して「景気が良くならない、貧困化する我が国」を取り巻く状況の「理由」を、この書籍がわかりやすい図表をもとにして納得させてくれた、と感じるからです。
もちろん「納得できて良かった」様な過去、未来では決してなく、まだまだ落ち込んでいくであろう最悪の状況、を明白に知らしめ、個々人が出来ることは何か?政治に期待すべきことは何か?を教えてくれた様に思うからです。
人によっては「そんな事わかりきってるよ」と言う意見もあるかもしれません。ただ、日本の景気後退が具体的に何が原因なのか?という事を改めてわかりやすく教えてくれる、良書であると思います。 -
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ネタバレ入門 ビットコインとブロックチェーン (PHPビジネス新書) 新書 – 2017/12/18
AIやブロックチェーンのおかげで人間はより人間らしい仕事に集中できる
2017年12月28日記述
野口悠紀雄氏による著作。
2018年1月8日第1版第1刷発行。
題名通りビットコインとその背景にある
ブロックチェーンについての入門書だ。
Q&A方式で解説されている。
索引や質問項目で気になった点から読めば良い。
新しい分野を学ぶ時、複数の入門書を読む必要があると
立花隆氏は指摘していた。(知のソフトウエア)
近年の仮想通貨、ブロックチェーンについて学ぶ際も
複数の入門書を読むべきであろう。
その中でも本書は必ず読むべき本と言える。
中級書はどんな物を読むべきかまで親切に示してくれている。
現在、ビットコイン等の仮想通貨バブルで浮かれている日本人が多い。
しかし大切な事はブロックチェーンを活用し味方とし
人口減少社会においても利益を上げるビジネスモデルを確立することだ。
中国、アメリカにおいては仮想通貨やブロックチェーンを活用し革新的なプロジェクトをはじめている事例が多く本書に紹介されている。
日本企業がこのような新しい技術を活用する為には自己完結的で閉鎖的な構造をやめる必要がある。
また仮想通貨を胡散臭いものと捉える事をやめること。
マウントゴックス破綻はあくまで取引所が潰れただけでありビットコインそのものが否定された訳では無い。
ビットコインを盗み出した後でもビットコインに価値があると泥棒が確信していたからこそこのような事件が起きたという説明にはなるほどと思う。
価値を認めているから盗んだり、もしくは中国政府が取扱を禁止するのだ。
*ビットコインを禁止した中国ではあるが、ブロックチェーン技術の開発には貪欲というのが興味深い。
本書を一読した感想は仮想通貨、ブロックチェーンは私達の生活を豊かにするに違いないということだ。
特にブロックチェーン技術の発展は人口減少社会に苦しむ私達を大いに助けてくれる。
*つい先日のNHKニュースで2017年に生まれた赤ん坊が94万人1000人と100万人割れした事を報道していた。
対する死亡者数は134万4000人。
実にこの1年で40万人も人口が減ったのだ。
生産年齢人口で考えてみればもっと事態は深刻だ。
だからこのパブリックブロックチェーンを活用するべきだ。
もちろん、現在起きている仮想通貨バブル(働かなくても豊かになれる)は間違いだ。
しかしその背景にあるブロックチェーン技術を否定してはならない。
それを最大限活用していく事が日本の未来を切り開く。 -
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ネタバレ日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか 単行本 – 2012/12/1
中国と同じ分野で競争するのは無意味
2013年5月31日記述
1940年体制、超整理法、超勉強法などの著作を持つ野口悠紀雄氏の本。
本作では著者が従来から説明してきた製造業に固執しシェアを落とす日本についてだ。
本書は大きく分けて3部に分かれている。
その内最も精読しておくべきは1部だろう。
アップルがなぜ高収益企業であるのかの説明と中国でどのように生産体制を敷いているのかを説明している。
工場を持たないファブレス企業とはどんなものか分かるだろう。
(日本ではキーエンスが工場を持たないビジネスモデルを持っている。しかし、国内では少数だ)
水平分業の進む製造業で中国のEMSで製造可能なモノは日本国内で生き残るのは厳しいということ。
本書でも説明されていたことだがEMSは単なる中国の工場ではなく都市レベルの規模であることは注意しなければならない。
(iPod nanoを生産するフォックスコンという工場の労働者は45万人である)
かつての最終組立というレベルではなく中国製造業のレベルは確実に上がっている。
P69の中国貧困絶望工場という書籍からの引用である。
「まだアメリカ国内で労働集約型ビジネスを続けているなら、今すぐに手を引く方が出血多量で死ぬよりましだ」。と
日本の製造業が生き残る上で必要なこととして水平分業体制へ対応できるようになるべし。
中国の質的成長を無視した予測は無意味。
中国企業の実力は上がっている(特に製造業)
日本型雇用と中小企業支配体制では水平分業化の進む海外との競争に勝てない。
解雇規制が強すぎるため労働者の産業間移動が殆どない。
日本の製造業はエコポイント制などの補助策に支えられている。実質的に製造業の農業化が起こっている。
もう一点本書で重要な視点は新興国市場への過大な期待は持つべからずということ。
新興国では激烈な価格競争に巻き込まれ利益が思った程期待出来ない場合が多いのだという。
(楽天も中国でのビジネスからの撤退をしている・・)
新興国の人々の所得は著しく低いのは変わっていない。それを矛盾しないビジネスを展開すべし。
最後に海外人材の活用を訴えている。
はじめにでも述べていたように方向性を誤らないことが特に重要だと思った。
「頑張ろう日本」ではなく「考えよう日本」とは真に至言だ。