野口悠紀雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
数年後の世界は予測がつくが、2040年という、ほぼ20年後の日本はどうなっているか、それを野口悠紀雄氏が語る、そこに興味をもって読み始めた。
これまでは停滞した30年と言われるが、まさに、それをデータで裏付けていく。Japan as No.1と言われていた時代もあったが、バブルではじけた日本。その後の無策というか場当たり的な政策が浮き彫りにされるような内容だった。直近の勢力にしか関心のない政治の劣化やポピュリズム傾向、官僚の近視眼的な見方が、日本を足踏みさせている。解決策は何か?
結局は民度に帰着するのだろうが、長いものにはまかれろ、の風土がいま問われていることを感じた。 -
Posted by ブクログ
今日から新年度で学校や会社始まりだ。
ちょうどいい区切りなので何か新しいことや以前行っていたことを再開するには、チャンスだ。
「超」勉強法の著者で、経済学者の著者が新たに勉強のやり方に関する本を出した。
「超」勉強法の3原則として次の点を上げている。
1.問題の解き方を覚えて、それを当てはめる。
2.平板に勉強するのではなく、重要なところに努力を集中する。
3.全体を理解して、部分を理解する。英語は文章を暗記する。
「勉強によって、生まれたときの運命を克服できる」と述べている。
教育を受ければ可能性が広がっていくからなあ。
「自分の頭で考えよ」とよく言うが、ゼロから何かを生み出すのは至難の業だ。
著者も述べているが、今まであるものに自分なりのスパイスを加えて味付けしたほうが新しいものが生まれる。
いきなりアドリブで何を言ったり、文章を書いたりできるか。それぞれの分野に必要な「型」を身に着けてから出来ることだ。
勉強の仕方も時代に合わせて変えていかないとなあ。Windowsだってアップデートしているのだから、サボっていると、「ボーッと生きてんじゃねーよ」とあの子に怒られる。 -
Posted by ブクログ
未来への的確な見通しが重要と考える著者が、9章からなる基本的なシナリオを示した。
日本の将来が、必ずしも明るいものでないと思えてくる。
財政収支試算では、2%を超える成長率を想定しているが、少子化のもとで1%成長できるかと疑問を投げかけ、政府の見通しの甘さを指摘する。
未来の世界の中で日本の位置を考えたとき、新興国との差も縮まるし、GDPが日本の10倍となる中国とどのように向き合うべきかと。防衛費を1%から2%への引き上げ論議が喧しいが、日本のGDP1%は、2060年においては、中国のGDPの0.1%にすぎず、どの程度の効果があるのかと、疑問を呈する。
日本は「大きさ」に代わる何かを見出さない限り、世界経済の中で生き延びられないとする。
今後ますます進む高齢化社会では、社会保障の問題とともに、要介護人口が増加し、人材が確保できるかどうかが大問題だと。だが、医療技術の進歩とともに、介護技術も進歩し、介護ロボットなどのめざましいだろうとの見方も。
後半は、メタバースやブロックチェーンや、「スマートコントラクト」、あるいはDOA(分散型自律組織)や「フードテック」やら、馴染みのない単語が続出し、理解能わずの頁も。
何にしても、未来に向けては人材開発が急務で、それには大学改革が不可欠と。
現状、日本のデジタル競争力は、スイスの国際経営開発研究所でのランキングでは、63カ国中29位だとかで、デジタル人材育成の遅れが基本原因と指摘する。
未来の世代に対する責任を果たしているか、現代の我々が未来の問題を自分自身のこととして意識する必要に迫られている。
今ならまだ、修復可能な段階にあると、著者は述べる。 -
Posted by ブクログ
納得する部分は多々あったが、もっと早く警鐘を鳴らす必要があったのでは…。遅くとも「失われた20年」と言われた時期に。
韓国にまで抜かれ、安倍が抹殺されてからアベノミクスを批判するのでは遅すぎる。(著者がもっと前から批判していたのかは知らないが)日本の若者の留学が減ったり論文の引用数が低下したりしているのは、私でも数年前から聞いている。
また派遣の法律がどんどん適用範囲を拡大させたのも原因の一つでは…。企業からすると都合が悪くなれば調整できる派遣社員の存在は正規社員の給与上昇の牽制にもなっていたと思う。
イイ時を享受した年老いた政治屋が牛耳る日本は茹でガエル状態で、このまま若者世代にツケを先送りするのが怖い。 -
Posted by ブクログ
アメリカの情報産業のエンジニアの給与水準の高さに驚かされる。様々な統計データを駆使した説明はさすがの一言。統計データを諸外国と比較するには前提条件を認識しないとミスリードする。
実感として給与が増えないことが、過去の賃金水準から比較すると下がってることは腹落ちした。またその背景に日本企業の年功序列を前提とした働き方があると理解した。昔ながらの退職金制度を前提とした働き方は無理がある時代にきている。
春闘での賃上げを政策とする時代錯誤も理解できた。高度成長時代は大企業が賃上げをする前提として稼ぐ力があったから、中小への波及も期待できたけど今は全く期待もできないし。そもそも大企業で働いてる人なんて少ないのに、そこの状況だけが趨勢として切り取られることには違和感があったが、やっぱりそうだった。
日本の政策は大企業向けに円安誘導されていたがあくまで企業が見かけ上儲かるだけで逆に個人は搾取されているように思われる。
統計データの一つ一つの分析は専門的で難しさを感じるも総論としてはわかりやすいと思う。 -
Posted by ブクログ
バブル崩壊以降、日本経済は長期的な低迷に陥っている。それは、「失われた30年」と呼ばれたりもしている。その間、国民の所得も伸び悩んでいる、というか、全く伸びていない。むしろ下がっているのだということを示す統計も存在する。それに加えて、2022年になってからは物価が上がっており、可処分所得は更に下がっており、国民の多くが、苦しさを感じている。
これに対して、政府は春闘での賃上げを経済界に提言したり、それを支援するために賃上げ減税等の検討を行ったりしている。
筆者によれば、それは無駄なことだ。賃金を上げるためには、その原資となる企業の付加価値を上げる必要があるのだ。付加価値を上げるためには、技術革新を進める、新しいビジネスモデルを確立する、新しい産業を起こすといったことにより、生産性をあげる必要がある。春闘の対象はほぼ大企業に限られ、春闘で賃上げが行われたとしても、国民全体の賃金が上がるわけではないことは、過去のデータが示している。また、賃上げ減税を導入しても、個々の企業は実力以上の賃上げを行うことが出来ないのだ。
事業活動の付加価値を上げることは、個々の企業の責任である。政府はそれを、賃上げ税制といったような形でバラマキ的に補助するのではなく、「変化を阻害する条件を撤廃する」ことが大事であると筆者は説いている。
筆者は、色々なところで同様な主張を行っている。主張自体に私は賛成だ。 -
Posted by ブクログ
資本装備率が、格差を発生させる要因。大企業が優越的な状態に成るは、必然か。
つまり、今の日本は、70年代末、レーガン政権以前のアメリカ。これを冷戦終結とそれ以降の内部での競争激化により、90年代以降、克服。しかし、現在は内部対立の激化にる分断状態へ移行してしまっている。それでも労働者的には、問題ないか。
メインフレームから、パソコンへ、ぐらいから始めるべきかな。スマホか、これだと・・・。
アベノミクス開始時に短期的な株価回復に捉われず、大企業に対する法人税を反優遇的に上げてしまえばよかったんだな。そうすれば、新しい芽が花開いて希望のある社会、賃金の上昇にもつながった、と。現状からは、そう判断できる。大企業病恐るべし。
今あるのは、利権化と中抜きだけだもんな。お花畑のアベノミクスでしたとさ。
ロシア軍の現状の弱さと、日本の賃金が上がらない理由を同列と判断する話は、とても面白い、悲しいけど。
付加価値って、大自然からは直接には得られないのね。広大な国土や四季折々の観光資源、これでは、ダメなのね。少々の付加価値にはなってるけど。