野口悠紀雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『「超」勉強法』(講談社文庫)で説明された「教科書丸暗記法」に加えて、現代社会において求められている英語力とは何かを明らかにし、それに適した英語の勉強法について語られている本です。
著者は日本人の「ペラペラ幻想」を批判し、「話すより聞くのが重要」だと主張しています。その理由として、通常の会話のなかでは相手に助けられて話すことができるからだと述べています。また、メールなどで英語を扱う場面が増えることから、英語の文章力が求められるという主張も、まったく実情にそぐわないと著者は主張します。「これからは書くことよりも話すことが重要」という認識は30年くらい遅れていると述べています。
いずれももっともな主張というほかなく、正しい目標に向けて勉強の舵を切るきっかけを与えてもらったように思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ印刷技術の発明以前、知識や情報を得るためには、大変なコストが必要であった。すなわち、知識や情報は、一部の権力者や専門家にしか得られないものであり、またそのような人々は知識を独占することで自らの権益を守っていたのである。しかし、活版印刷という知識を生み出す技術が発明され、一般市民にまで様々な情報が伝わると、隠蔽されていた事実が暴露されたり、実用的な知識を得たいと思う人々が増えたりして、民集の意識が高まってきたことで、欧米での各種革命が起こるに至ったのである。
20世紀の後半になると、インターネットという新しい通信手段が登場し、知識や情報の拡散に関する条件は大きく変わった。また、近年急速に進化している人工知能を軸とする新しい情報技術は、多くの問題をもたらす危険性があることは事実である。例えば、レコメンデーションによって積極的に情報を得ようとする主体性が失われたり、それに依存することで、人間の行動が知らず知らずのうちに人工知能にコントロールされたりすることである。その他にも、人工知能の担い手が一部の大企業に限定される危険や人工知能自体が暴走する危険性などがあるが、これらの問題に固執して、現在の傾向に反抗することは産業革命期に起こったラッダイト運動と同じことである。
さらに、人工知能の進歩により、これまで人間が行ってきた知的作業の多くを代替することも見込まれるが、あくまで知識は持つことそれ自体に意味がある。なぜなら、新しいアイディアを発想するためには、知識が不可欠であり、また質問する能力を知識が高めるからである。したがって、知識や情報を容易に入手できるようになった現在、知識をえることは何かのために手段(資本財)ではなく、それ自体を目的(消費財)として捉えることが重要であり、そのような資本財としての知識の価値は、人工知能がいかに発達したところで少しも減るわけではないのである。
本書は、第1章と第2章で、知識が独占されていた時代から公開される時代になるまでの変遷が明快に記されており、世界史の勉強にもなって読みやすい。第3章以降は各論的な話であり、専門的な用語(カタカナ語が多い)が登場してやや難しく、また少々脱線が多い気もする(なぜなら本書の中心はあくまで「知」であるはずだから)。
著者の知識に対する考え方には共感でき、特に知識を得ること自体が自己目的的行為であると主張している点は、日頃から思っている信条に合致するところであった。理由として挙げられている質問する能力を知識が高めるという点を発展させれば、疑問点が浮かびやすかったり、吸収率があがったりすることを理由とする、授業に予習して臨むことの必要性や、行事に綿密に準備をして臨むことの必要性も導くことが出来そうである。 -
Posted by ブクログ
最近(2017.11)野口悠紀雄氏の本を読むことがあり、その本の中で紹介されていて気になっていた本です。私が特に興味を持っている、ローマ帝国・大航海時代について、ビジネスモデルという切り口から、歴史を解説しています。
また、当時と現代のビジネスモデルとの共通点・相違点を随所で取り上げられています。歴史の専門家ではない人が語る「歴史」は、違った読み方ができて、自分の生活やビジネスにも応用できるなと思いました。
塩野女史のローマ人の物語を以前に読んだことがありましたが、野口氏による解説も、切り口が違っていて、更には最近の研究成果で分かったことも踏まえて書かれています。ローマ帝国がなぜ長期間にわたり栄えることができたのか、また衰退の原因はどこにあったのか、日本との共通点はどこにあるのか等々、楽しい読書でした。
以下は気になったポイントです。
・本書で取り上げる3つの物語、1)古代ローマ帝国の建設と衰退、2)海洋国家の勃興、3)現代における情報革命(p3)
・成功するための法則を見出すことは難しい、見出せても応用は難しい、過去に成功したビジネスモデルをそのままの形で真似ても、成功するとは限らない。それに対して、失敗を避ける方法は、比較的容易に見出せるし、その知識は広い応用可能性を持つ(p18)
・本書は、歴史的事例そのものを紹介するのではなく、それらを題材として人間がいかなるビジネスモデルを考えてきたかを見ようとする、歴史「に」学ぶ、根底に流れる一般法則を見出そうとする(p22)
・必要条件として、多様性の確保と、フロンティアの拡大がある。これができたらと言って必ず成功するとは限らないが、それを否定した国や企業は失敗する例が極めて多い、失敗しない場合は徐々に衰退する(p23)
・ルビコン川は北イタリアにある小さな川であるが、これを渡ることに重大な意味があったのは、ここがガリア・キサルピナ属州とイタリアとの国境線であったから、ローマの国法では、軍団をここで解散しなければならない(p45)
・軍事的拡大のモデルにはいつか限界がくるが、通商の拡大というモデルには限界がない、空間的拡大が終わったとしても、通商の内容を充実させられるから(p78)
・ビジネスモデルという観点にたつと、何が無かったか?は大変重要な問いである、現代国家にあってローマ帝国になかったものは、現代の国家にも不必要かもしれない(p88)
・アメリカの政治献金は、2010年までは個人だけであったが、政治行動委員会を組織すれば、労働組合・企業からも合法的に献金を受けることができるようになった(p92)
・表向きは、キリスト教世界を広げることが大航海の目的とされたが、実際の理由は、胡椒輸送ルートの開発という経済的なもの(p98)
・ローマがハリウッド映画で使われる理由として、1)誰でも知っている内容である、2)現代世界ではありえないシーン、物語を映画化できる、古代ローマはキリスト教的倫理観が支配する以前の世界であるから(p102)
・当時の若者が厳しい兵役生活に移ったとしても、農場に留まった場合に経験する生活よりも、よりよく、希望のある条件で働けた(p112)
・39年から45年の間にソ連全土で召集された赤軍兵士は3000万人超、そのうち800万人の兵士が死亡、民間人も含めると2000万人、英米の死亡兵士数はそれぞれ25万人(p115)
・ローマ時代の奴隷の値段は、家族4人の年間生活費(1000セステルティウス)であり、かなり高い買い物(p118)
・ローマでは、教育、医療などの知的職業は、奴隷がやるもの、専門地棋士を持っていたギリシア人奴隷はかなり恵まれた生活をしていた(p119)
・ローマ特有の制度として、解放奴隷は市民権は与えられたが、生まれながらのローマ市民とは区別されたが、解放奴隷の子は生まれながらにして、ローマ市民で法的に同等に扱われた(p121)
・人間が自ら進んで働くには、1)未来への希望、2)勤勉に働いたことが正しく評価される仕組み、が必要である。ローマにはこれが2つともあり、ソ連にはなかった(p125)
・属州化された後も、指導者や法を元のままに保てた、1)どの都市もローマとは取引できるが、他の都市とは取引できない、2)ローマ軍に兵士を提供する(p127)
・インドネシアでは日本人が好意的に迎えられたが、日本軍はその期待に応えられず、田中角栄が訪問したときは大規模な反日デモが起きた、寛容政策で統治した地域は、台湾のみ(p132)
・異質性が必要である理由、1)同じ人ばかりだと内輪の論理、なあなあ主義が蔓延する、2)既得権益保護が最優先事項となる、3)外的条件が大きく変化したとき異質性が生き延びるための保険となる(p142)
・日本の財政問題は、税負担が高いことではなく、税負担を上げられずに支出のみが膨張して支出に見合う税負担をしていないこと、ある時国債が貨幣に変わることでインフレが生じて、それにより財政赤字の実質値が解消されるという危険が最も高い(p152)
・企業がビジネスモデルを簡単に転換できないのは、過去において成功した部門の人々が、客観的状況が変わっても、社内で強い力を持ち続け、その部門の存続を要求するから、ビジネスモデルを変えるとは、仕事のやり方・技術を使いつつ、新しい対象に適用すること(p156、170)
・ローマ帝国が衰退したのは、1)ハドリアヌス帝による帝国拡大路線放棄、2)二人のセウェルス帝による銀貨改悪、3)ディオクレティアヌス帝による価格統制、市場経済の機能不全、である。この過程は現代の日本に似ている(p183)
・コンスタンティヌスは単独皇帝となり先制君主制を強化した、またミラノ勅令によりキリスト教を公認した、これでローマ市民は司教になる新しい出世コースができた。330年にはビザンチウムに遷都した、囲碁1000年にわたり世界最大の商業都市として繁栄した(p210)
・293年にディオクレティアヌスが東西に分けて以来、395年正式に東西に分割された(p211)
・誰でもローマ市民になれる、ローマ帝国はどこまでも広がる世界である、という最盛期の寛大な思想は消え失せた、この不寛容の強まりこそが、ローマ帝国崩壊の最大の原因であろう(p215)
・市場経済は人々の創意を刺激して交易を促進して経済を活性化させる、統制された経済では、人々は抑圧され取引は闇市場にもぐって活力を失う、これはローマ帝国の時代に実証された、スターリンがソ連に秩序をもたらした方法と一緒(p221、223)
・巨大化しつつあるEU,ECBは旧ソ連を彷彿させる、ソ連崩壊の原因は、共産党による一党独裁と中央政府の官僚主義の下で生産手段の国有化、計画経済が進められたから(p232)
・戦前期日本経済の分権的・市場経済的性格を大きく変えたのが、戦時体制である、国有化・間接金融、1942年の食糧管理法により小作人の地位が高まった、物納から小作料が金納、インフレにより実質価値が低下(p240)
・企業に帰属しえない若者たちは、日本国に依存が強まる。それは外国人に対する強い嫌悪感と結びついている(p243)
・ローマが属州を強権的に支配するというのは映画によるイメージ、実際には異質なものを認める分権的な平和主義がローマの強靭さを支えた(p244)
・国の活性化とは、人口を増やすことではない、達成すべき何等かの目標を持つこと(p256)
・ポルトガルは、ギニア・セイロン・ゴア・マカオ・ティモールなど、点の領土を獲得したのに対して、スペインは広大な「面=中南米」を得た。ポルトガルは植民事業から締め出された。ポルトガルは、コロンブスの要請、マゼランの要請を断り、スペイン王室に援助を求めた(p259)
・マゼラン艦隊は胡椒を持ち帰っただけだったが、ドレイクは海賊行為(主にスペイン戦から略奪)によって60万ポンド(当時の王室年収は20万ポンド)の財宝を持ち帰った、出資者は4700%の収益、女王は30万ポンドを得た、4.2万ポンドを使って「トルコ会社=後の東インド会社」が設立された(p271)
・スペイン艦隊はカレー沖において錨を下して停泊、イングランド軍は可燃物を満載して火を放った船を送り込んだ、スペイン艦隊は大混乱に陥り、1か月かけてサンタンデールに辿り着いた。130隻だった艦船は63隻、3万人いた軍隊は1万人(p279)
・比較生産費という概念、リンゴ1個の生産を減らせば、ミカンの生産が何個増えるかを示すもの(p285、286)
・イングランドのビジネスモデルは当初は海賊による略奪、奴隷貿易であったが、海洋国家がその後も繁栄をつづけられたのは、自由貿易のため、リカードが比較生産費の理論を考え出して、反穀物法運動を理論的にバックアップした、仕事の分担を考えるとき、絶対生産費は見るが、比較生産費を見ないため間違った行動をしている(p287、288)
・日本は人工が多いので、経済成長のために輸出に頼る必要はなかった、輸出が必要と考えられるようになったのは、最近で、これは人口高齢化の影響で、国内需要が飽和したから(p303)
・2005年1月、グーグルがIPOした半年後に、世界最大のATTは160億ドルで、以前ATTから分割してできた地域電話会社に買収された。新会社名は同じ名前が使われた(p327)
・仮にIBMがOSとCPUを自社開発していたなら、システム360がメインフレームを支配したように、PCの時代においても、IBM PCが支配していただろう。それを外注したのは、開発を急いだからと言われる、PCの重要性を見抜けなかったのがIBMの失敗、かつてウエスタンユニオンが電話の将来性を見抜けず、ベルからの電話特許権譲渡を断ったのと同じ(p335)
・日立、IBMはビジネスモデルの転換で黒字化した、IBMはサービスに転換、日立は重電路線に転換した、利益幅はIBMが4.7倍となった(p342)
・マイクロソフトにOSの開発経験はなかったので、独自開発をしていた、シアトル・コンピュータ・プロダクツのQDOSを買い取り、IBM PC用に改良してPC-DOS、さらにこれを、MS-DOSという名称で他のPCメーカに供給した、買い取り価格は5.6万ドル、後に訴訟をおこされて100万ドルを支払った(p344)
・MS-DOSを安く提供したが、出荷台数に対して使用料を受け取るライセンス契約にした、また他メーカへの供給も自由とした(p345)
・OSの技術情報を公開したアプリケーションが豊富なMD-DOSのPCが選ばれた、MS-DOSが世界標準になったのはこのため、ソニーのベータ方式がVHS方式に敗れたのは、ビクターがVHS方式を公開したのに対して、ソニーが公開しなかった(p346)
・2000年のソニーはアップルとは比較にならない程の大企業であったが、2017年にはアップルの6%程度、その原因としてアップルは革新的な製品を次々と作り出した。人々のライフスタイルを変えただけでなく、ものの考え方も変えた。人々の期待感も変えた(p350)
・アップルへの供給メーカの構成は、固定的ではなく他メーカへの切り替えもなされる。自動車産業のような固定的な下請け関係でない、市場を通じて部品調達するという水平分業方式(p351)
・低付加価値の生産・組立工程はアウトソース、アップル自らは開発・販売という高付加価値業務に特化する、工場無きファブレス企業である、製造業とサービス産業の中間のような形(p351)
・アップル、ビジオ、Goproも、最初にあるのは多数の従業員ではなく、実現したい製品である。そしていかに少数の従業員で実現できるかを模索する。この差が利益の明確な差となって表れている(p365)
・どこを無料にして利用者を増やし、どこを有料にして収益を得るのか、というビジネスモデルの選択は難しいが、その選択に成功したのがアリババ(p389)
・信濃丸は日本郵船の貨客船であるが、1905年の日本海海戦で仮装巡洋艦として哨戒にあたり、5月27日未明にバルチック艦隊と接触、「敵艦見ゆ」との無線通報を送信した。この無線通報は、海戦の帰趨および日本の歴史に重大な影響を与えた(p398)
・番組の間に宣伝を流し、広告料収入で放送費用を賄う「ビジネスモデル」が、それまでの「直接料金徴収型」から変化した(1922年)、これによりテレビが普及した(p399)
・ネットスケープは有料だったブラウザを無料化して、マイクロソフトのIE(インターネット・エクスプローラー)に対抗しようとしたが、ウィンドウズはすでにPCの標準OSとなっていたので、IEがそれに組み込まれれば、人々は自然にIEを使うようになり、ネットスケープは敗退した(p406)
・フリーミアム、大多数の利用者には無料でサービス提供、一部の利用者だけに有料サービスを提供する方式、PDFがその例(p407)
・グーグルはアドワーズ広告の効率を上げるために、広告が表示された回数(テレビのCPM:cost per Mille」ではなく、実際にクリックされた回数に基づいて決める「CPC=cost per click」に変えた。グーグルは、1)クリック率、2)コンバーション率、3)顧客獲得単価、を提供することで、広告主も広告の効果を正確に評価できる(p417)
・どの位置にどの広告が掲載されるかは、入札金額でなくグーグルが決めるスコアで決定される、これにより「押し付ける広告」から「求められる広告」への誘導が可能となった(p418)
・2003年6月からは、中小零細のウェブサイトもアドセンス広告の対象となり、ホームページ運営者は、広告を集める努力をしなくても、自分が得意とする情報を発信しているだけで、広告収入を得られるようなった。こうして個人のホームページやブログが定期収入を得られるようになった。アドワーズにより自らの検索サービスを収入源へ、アドセンスは零細個人が広告業者になることを可能にした(p421)
・歴史を知り、その教訓に学んでも成功するとは限らない。しかし失敗の確率を減らすことはできるだろう。なぜなら成功と失敗は非対称的だから。失敗するのは簡単だが、成功するのは難しいから(p439)
・歴史を学べば、どの時代にも適用できる歴史的法則を見出すことができるから、それを見出した人はその法則を用いて将来をよく見通すことができる。ある変化が社会を大きく変えるものなのか、それとも一時的なものなのかを把握できる(p445)
2017年11月26日作成 -
Posted by ブクログ
丁度私が結婚した頃(1995)に、本書の著者である野口氏が書かれた「1940年体制」という本が出され、それを読んだ私は衝撃を受けたのを覚えています。
戦争が終わってかなり経過した(当時で50年です)のに、まだ戦時体制において決められたものが多く残っているということです。戦争中に決められたものは、すべてGHQを始めとする占領下において無くなったと思っていた私には衝撃的でした。あれから15年、その本の増補版が発行されていることを最近知って、それを読み始めました。
まだその本は読みかけなのですが、野口氏が最近(2015.6)に、「戦後経済史」というタイトルで、戦後の歴史(戦後から現在まで)を経済の観点からみた本を出していることを知り、それを先に読みました。戦後にとった日本の戦略(一部戦時体制を残す)が、冷戦時代までは最適に合って発展した半面、それ以降の時代の流れに合わせなかった日本が現在に至ることが詳細に解説されています。
成功している時点で、やり方を変えることは難しく、最高の成績を残したときから凋落が始まっているのは、多くの企業が経験してきていますが、果たして日本のその一例なのでしょうか、また日本は甦ることは可能なのでしょうか。
この本には書かれていませんが、個人的には元号の変わる数年後、東京五輪が終わったあたりから日本のシステムが根底から変わっていく予感があります。その時、私は社会人の終盤戦、その時にどのような立場に立たされているのか、自分はどうあるべきかを考えさせられた本でした。
以下は気になったポイントです。
・1942年に食糧管理法を制定し、小作人は地主にでなく、国に米を供出し、地主にはその代金の一部を小作料として払うことになった、これにより物納性であった小作料が金納制に転換した、こうして江戸時代から変わらなった日本の農村が変貌した(p10、11)
・1936年に、日本の自動車生産はビック3に支配されていたが、この状態を変えるために、自動車製造事業法を制定、自動車関税を引き上げて、自動車製造を許可制とした(p12)
・戦後日本の大企業の多くは戦時中に政府の手で作られたり、軍需で急成長した企業、純粋な戦後生まれの企業は、ソニーとホンダのみ(p13)
・1945年8月に日本の政治・経済・社会体制に大きな断絶があったのではなく、本当の断絶は1940年頃にあった(p15)
・商工省は占領下でほとんど無傷で存続できた、名称を通商産業省と改めて、民間企業に対して勢威をふるうことになる(p24)
・占領軍は、日本で使うための軍票を日本本土で使うのをあきらめ、それを積んだ船は沖縄に向かった、1952年に本土占領が終わった後も、法定通貨となったB円は58年にドルに切り替わるまで使われる(p25)
・内務省は、建設省・労働省・地方自治庁・国家公安委員会に分割されたが、警察側の抵抗により、自治体警察を統括する警察庁が中央官庁として残った(p25)
・1946年の「第二次農地改革法」は、農地調整法改正と、自作農創設特別措置法として実行に移された、これにより、不在地主の全ての貸付地および在村地主の貸付地のうち、一定面積を越える農地を政府が強制的に買い上げ、小作人に売り渡す内容であった、これにより大地主たちは土地を失った(p32)
・1937年の臨時資金調整法、40年の銀行等資金運用令、42年の金融統制団体令等により、直接金融から間接金融へと転換した、38年の国家総動員令で、株主配当も制限した、このため株価は低迷して、企業の資金調達は銀行に頼らざるを得なくなった(p33)
・戦前の日本でも労働組合は産業別であったが、戦後生まれのものは、企業別である。38年にできた「産業報国連盟」40年に全国団体として、大日本産業報国会が結成、これは労使の懇談と福利厚生を目的として、事業所別に作られ、労使双方が参加、内務省の指導により急速に普及した。会社と運命共同体で協調して企業を成長させるためのもの(p34、35)
・間接金融中心のシステムと、政府による金融機関融資統制システムを全国に活用することで、戦後になって対象を、軍需産業から基幹産業に変えて利用した(p41、73)
・傾斜生産方式は、インフレを引き起こした、そのため新円に切り替えざるを得なくなった、高率インフレは多額の金融資産・不動産を所有する地主、富裕層に大きな被害を与えた(p43)
・農地改革、借地法・借家法の改正(地主は一方的に賃料改定できない、契約の解約も正当事由が無い限り不可)、インフレ、財産税により、日本の地主階級と富裕層は没落した(p44)
・40年4月の税制改正では、給与所得の源泉徴収制度が導入された、このときに法人税が独立の税となり、所得税・法人税という二つの直接税を中心とした税体系となった、地方は独自に徴税する形から、補助金・交付金により補填する形になった、今も続いている(p50)
・青色申告制度は、零細自営業者について、実態は個人業者であっても法人と同じような税制上の扱いを認めるもの、これは零細事業者の不満を和らげるために導入された(p51)
・道路の整備において一般道である国道と地方税は一般会計が行うが、有料道路は財政投融資でおこなう、こうして財投との絶妙な組み合わせにより、国債発行にたよらない小さな政府ができた(p113)
・各国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が異なれば為替レートが変動するのは当然、ユーロは異なったファンダメンタルズを持った国々の通貨を一つに統合してしまった(p166)
・世界経済が成長して、必要とされる通貨量が増えていったのにもかかわらず通貨価値の指標とされた金はわずかしか流通しない、ドルと金との兌換が停止されて、金本位制が崩壊した真の原因はここにある(p167)
・高度利用を阻んでいる制度(借地法、借家法による借地権や借家権・固定資産税や相続税が低い、土地評価額が時価に比べて低い)が、地価を高騰させている原因(p225)
・総量規制は出されたが、大手銀行の子会社である住専は対象外だったので、地価の上昇は続いた(p235)
・長銀、日債銀の後処理は合計で40兆円の公的資金が投入されたが、一般会計で処理されず、預金保険制度を運用する預金保険機構を用いたので、公的資金投入時には、そのうちどれだけが国民負担になるかわからないので、強烈な拒否反応は生じなかった。5年後の2003年になって、40兆円のうち10兆円が返済不能で国民負担となった、と判明したが、多くの人は忘れていた、それ以外に銀行自ら損失計上した、92‐06年までで97兆円(p251、253)
・日本銀行が購入している国債が値下がりした場合は、損失額は国民負担となるが、そのことは問題として議論されていない(p256)
・中国政府は、1979年に、深圳・珠海・スワトウ・アモイに経済特区、84年に、上海・天津・広州・大連等に経済技術開発区を設置した(p276)
・福島第一原発事故の際、原子炉に注水するために、「大キリン」という巨大クレーンが登場した、中国建機メーカ「三一重工」の製品であった、日本では作れないものが中国で生産されている、これは報道されていない(p279)
・80年代において日本のPC市場は国内メーカの生産で占められていた、これは垂直統合方式であったが、水平分業が広がると対応できず、短期間のうちにシェアを落とした(p282)
・先進国がめざすべき道は、労働コストで決まる製造過程でコスト引き下げ競争を行うことではなく、開発・研究という付加価値が高い分野に特化して中国企業とすみ分けること(p284)
・製造業に危機が及んだので、メーカから政府に対してあからさまな補助要請が行われた、エコカー制度・地上波デジタル放送の強制移行、雇用調整助成金の支給額引き上げ(p303)
2017年11月19日作成 -
Posted by ブクログ
30年前の私が大学生であった頃からこの本の著者である野口氏の本は読んできておりますが、77歳を迎えられた今でも最新の情報に精通して、精力的に執筆活動を続けられていますね、頭が下がる思いです。
今年(2017)後半から興味を持ち始めた仮想通貨の魅力について気づかされたのがこの本を読んだ収穫でした。以前は、仮想通貨とは資産運用をする株式投資のようなイメージでいましたが、送金手数料が殆どゼロに近いので少額送金や頻繁な送金をするのにメリットがある、そして手数料ビジネスで利益を確保してきた業界に多大な影響を与えることがあると認識したことです。
また通貨とは本来は受取り手が納得すれば、どんな通貨でもやりとりができる、つまり今話題となっている Bitcoinも相手が受け取りを承諾すれば、現在使っている通貨まで影響を及ぼすことになりかねないと思いました。野口氏が、Bitcoinは使うことに意義がある、というフレーズが印象的でした。仮想通貨は持っていて価値が上がった下がったといって一喜一憂するものではなく、その利便性を理解して使いこなすことがポイントなのだと思えた、私にとっては意識転換をもたらした本でした。
また、これと同じくらい衝撃的であったのが、近い将来に働き方が変わるということです。最初にくるのが全社員の平等化、男女国籍、非正規正規社員の区別がなくなり、一度全員が同格になる時代がくると思われます。その時には従来の会社は解散するかして、この本で指摘されている「フリーランス的」な働き方になるのでしょう。これが、神田昌典氏が2012年に彼の著作の中で予告していた姿だと認識しました。
新元号が制定され、東京五輪が終わった、2020年には大学入試制度も変わり、その卒業生が2024‐2026年頃から社会人になりますが、そのあたりが頃合いかもしれません。その時、私はどうしているのだろう、どうすべきなのかを真剣に考えさせられた本でした。
以下は気になったポイントです。
・政府の成長戦略の中において、2017年3月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられ、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、賃金引上げと労働生産性向上、長時間労働の是正、柔軟な働き方がしやすい環境整備等が目標として掲げられた(p1)
・現在の労働時間の規制は、人々が労働者が工場に集まって働く形態で働いていることを前提としている(p3)
・ハードワークと長時間労働の違いは、成果を求めて自ら働くか、職場の雰囲気や上司の命令や指示によって
嫌々ながら長時間働かされるかの違い(p18)
・テレワーク、フレックスタイムが成功するには、仕事がほぼ独立してできるようなものであることが必要、そのためには成果の評価を客観的に行うシステムも必要(p28)
・60‐65歳未満の場合、基本月額+報酬月額が28万円を超えると、報酬金額が2万円増えるごとに、年金が1万円減額される、現役時に給与が高かった人ほど、退職後は労働を続けるインセンティブを失うことになる(p39、41)
・グローバルなアウトソーシングを行う場合に問題になるのは賃金の現地への送金、東南アジアは銀行システムが発達していないので、日本からの送金は難しいが、ビットコイン等の仮想通貨を用いれば、この問題が解決できる(p55)
・最初のアウトソーシング業務は、コールセンターや単純なデータ処理であったが、その後に会計処理や法律実務等の高度業務も含まれるようになった。アイルランド、インドの経済発達はこれによって実現した(p59)
・仮想通貨を用いれば、個人事業での最大の難所であった送金、課金の問題を解決できる(p62)
・IT活用による働き方改革として、最近登場したものに、1)クラウドソーシング(組織内の仕事の1部をアウトソース)、2)シェリングエコノミー(個人の所有資産等の一部を一時的に使用させる)がある(p63)
・世界賃金の平均化となるために解決されるべき問題点は、1)最低賃金、労働時間規制の適用のしかた、2)社会保険(健康保険、年金)の扱い、3)税法上の扱い(給与所得・営業所得により所得税制の扱いが異なる)(p67)
・Airbnbを通じて、自分の部屋だけでなく、新しい部屋を購入し、それを貸すようになれば、ホテル事業をフリーランサーとして行うことになる。このシェアリングエコノミーが、将来は収入源の一つになる可能性がある(p69)
・シェアリングエコノミーで働くアメリカの労働者について、労働プラットフォーム(Uber,TaskRabbit)と、資本プラットフォーム(eBay,Airbnb)に分けている、2015年9月時点で、3年間で成人の1%が収入(3年前は0.1%)を得ている。労働型は54倍、資本型は6倍、平均で10倍である。労働型月平均収入額は533ドルで収入総額の33%、資本型は314ドルで20%で依然として依存度は低い(p71)
・Uberドライバーの平均時給は、手数料を抜いて19.4ドルであり、タクシードライバーやお抱え運転手の平均時給を上回っており、タクシー会社を辞めてUberに登録することが増えている(p72)
・レベル4んぼ自動運転が実現した社会では、ストックよりもフローで移動手段を考えるシェアリングがさらに進み、人々は車を所有せずにオンデマンドで車を呼んで移動するようになる(p72)
・日本の場合、道路運送法への合法か否かの判断基準は、有償か無償かである。好意からお礼として報酬を支払う場合や、目的地まで運転するのに必要な経費(ガソリン、道路通行料、駐車代はOK)である、しかし自家用車を貸し出して利用者が運転する場合は、許可が必要(p75)
・民泊新法が2018年1月に施行されると、どこでも営業可能、宿泊日数制限もない、しかし営業日は上限180日、トラブル発生時には運営者に義務付けられる(p76)
・アメリカでは広義のフリーランサーで捉えると、全就業者の3分の1がその分類となる。独立契約者(35%)、分散労働者(28%)、ムーンライター(25%)、フリーランスのビジネスオーナー(7%)、臨時雇用労働者(7%)(p79)
・組織で働くことを前提にする限り、働き方を大きく変えることは難しい。フリーランシングを実現することが究極の働き方改革である(p82)
・2017年4月からは、改正資金決済法が施行され、仮想通貨が正式な決済手段として認められた、これにより値上がり期待で保有するのではなく、決済手段として利用するための法的仕組みが整備された(p91)
・2017年7月に、Segwitという方法を採用(最初と最後のみブロックチェーンに記録して進める、取引終了後に記録)することで、超少額・高頻度取引を行える条件が整った、これにより手数料が極めて低くなる(p96)
・料金をビットコインで受け取り、ウェブでサービスを供給する形にすれば、個別的な情報サービスを有料で提供可能となる、この場合、他の人ができないサービスを提供することが重要となる(p98)
・ブロックチェーンを用いて運営される予測市場(専門的知見の収益化)は閉鎖を強制できない、胴元がいないので透明で公平な予測市場が形成する、すでにAugar、Gnosisが運営されている(p101)
・仮想通貨なら少額支払いができるのは、1)審査不要、2)SSL認証のような認証不要、3)送金コストが非常に低い、これによりフリーランサーの可能性を大きく広げる、資金を受け入れる手段を持たなかった人が、その手段を獲得したこと(p108)
・スマートフォンやデスクトップ用にさまざまな広告ブロックが提供されている、アドブロックス・プラス等(p114)
・ビットコインのシステムが、ブロックチェーンを用いることによって、銀行などの仲介無しに通貨の取引を行っているのと同じようなことになる。これはアダムスミスが考えていた経済システムと同じ(p137、138)
・供給者と需要者がブロックチェーンを介して直接に結びつくことによって、本当のシェアリングが実現する、こうなると、賃貸と所有の区別が曖昧になる。スマートロックの普及によりますます促進される(p138)
・Arcade Cityと呼ばれるプロジェクトは、ブロックチェーンを用いるライドシェアリングを提供しようとしている、16年1月創業で、利用者に乗車の機会を提供、利用者はドライバーの評価や提示額を参考に、自身のニーズにあった車を探す(p139)
・ブロックチェーン技術をベースに置く分散型自律的企業(DAO)は、ICO(仮想通貨を用いてインターネット上で資金調達する)という形での資金調達を行い新しい事業をDAOの形態で進めている(p149)
・世界経済フォーラムは、2016年8月に、世界に大きな影響を及ぼす可能性が高い10大新興技術を発表した、バイオ医療(2:光遺伝学、生体機能チップ)材料(4:次世代電池、二次元材料、プロブスカイト太陽電池、システム代謝工学)情報関連(4)であった(p155)
・クリーブランドは、復活の街といわれ、いまやアメリカでもっとも熱い町になったと、フォーブス紙が評価した(p166)
・ピッツバーグでは、鉄鋼工場の廃墟が医療施設群に取って代わったことから、全米で最も住みやすい都市になった(p167)
・アメリカが移民を制限すれば、シリコンバレーの先端産業には間違いなく不利に働く、インド・中国人はその発展に大きく寄与してきたので(p181)
・パートタイム労働者の比率が高いためにその産業の給与が低くなる、のではなく、産業の生産性が低いためにパートタイムに頼らざるを得ない(p223)
・正規と非正規での格差をなくそうという「同一労働賃金」も「限定正社員」も、全員正社員化ではなく、逆に「全員非正規労働化」を可能にするもの(p232)
・アメリカでホワイトカラー・エグゼンプションが機能しているのは、もともと成果給が普及していて、アウトソーシングや専門職の労働市場により、専門職の仕事の価値がマーケットで価格付けされているのがポイント(p244)
・日本企業のも問題は、多くの仕事を正社員が行っていて、それを外にアウトソースしないことによって発生している(p250)
2017年11月5日作成 -
Posted by ブクログ
ビットコインは送金手段としては優れており、マイクロペイメントや国際送金が容易になって、新しい経済活動を可能にする。
ブロックチェーンには公開鍵ではなく、そのハッシュであるアドレスが表示される。アドレスから公開鍵やその保有者を同定することはできない。公開鍵からはいくつものアドレスを生成できる。ビットコインが匿名性を重視しているのは、ハッカーからの安全性を確保するため。
ブロックは、プルーフ・オブ・ワーク(POW)によって正しいナンスの値を最初に見出したコンピューターがネットワークに送信し、他のコンピューターがそれを正しいと確認すると、直前のブロックの後ろに接続される。2017年までは、正しいナンスの値を最初に見出したコンピューターは、25BTCの報酬を得る。その後、4年ごとに報酬は半減する。
Edyは利用額の4%、Suicaは2〜4%、クレジットカードは2〜5%など、クレジットカードや電子マネーは運営コストが高い。
プロトコルによる取引は、あらかじめ決められたルールに従って自動的に実行できる契約すべてに拡張できる(スマート・コントラクト)。証券会社を経ない株式や債券などの分散市場、商品受け渡しのエスクロー、耐久消費財や不動産などの所有者移転、組織運営を自動化した企業(DAC)、取引上の信頼性確認のためのサイバー空間のアイデンティティ確立などが検討されている。 -
Posted by ブクログ
野口悠紀雄氏による経済学始点からの歴史解説。氏いわく歴史学の専門家でないからこそ、歴史から学び自由に意見をいえるとのこと。ローマ帝国の強みを、軍、許容性、税制にまとめるなど塩野七生氏と近い視点ながらも、よりドライに分析されてわかりやい。「世界史の」とありながら約半分はローマ史だが内容は充実して面白い。時折日本の状況に照らし合わせての解説と提案は、わかりやすい面と強引な面、両方を感じた。日人口オーナスだけが日本の経済停滞の原因ではない、なぜなら人口が伸びいていた90年台から停滞がはじまっているから、という論理は反論のための反論で思える。すでに90年台は減少はしてないが1.2億人での頭打ちが完全に見えた時代である。と細いところで気になるところもあるが、最終的に賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、という結論であり、賛成できる。
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Posted by ブクログ
仮想通貨革命
7/19の一橋フォーラムの予習として。ビットコインとは何かということやビットコインが何をもたらすかということが書いてある。筆者が強調していることは、ビットコインとは送金に強みを持つもので、資金の保存・保有には向かないというものだ。マウントゴックスというビットコインの運営会社が破たんしたことで巨額の損失を被った人がいるが、その人たちは、そもそもビットコインの性質が保存や投機に向かないことを知らなかったゆえの失敗だとしている。マウントゴックス破綻により、ビットコインに関する注目度は下火になっているが、筆者はビットコインの可能性について過小評価されているという。
岩井克人の貨幣論や平川克美の路地裏資本主義でも述べられていたが、貨幣の本質とは「情報」であり「記号」である。物質的なお金というものは仮象に過ぎず、ビットコインはその本質をついている。だからこそ、送金は本来、情報の処理で可能になる。ビットコインを用いることで国際送金の為に今まで用いられた仕組みやコストが削減される。しかし、人間が紙幣や硬貨を使っているのは、情報の処理だけでは信用が仕切れないからであり、そのような情報の処理技術に高度な信頼を担保する技術がブロックチェーンなのである。情報をブロックとして生成し、チェーン状に連ねて遡及的に変更できないような記録を残せば、改竄が出来ず、単なる情報の処理で送金や決済が可能になる。このブロックチェーン技術の応用はビットコインにとどまらず、自動車や賃貸などの所有権の管理にも応用され、煩雑な書類手続きなしで安全に所有権を移すことが出来る。所有権の管理が電子化され、簡易化されれば、担保として今まで扱うことのできなかったものまで担保になり、借り入れが出来る可能性が高くなる。現代の経済の仕組みとして、人々は送金や為替、証券などはそれぞれ既存の会社の信用と集中管理への対価として手数料を払っている。ビットコインやブロックチェーンは、集中管理の壁をやぶり、分散型かつ分権的に取引を中抜きすることで、広範な可能性やビジネスチャンスを生むと共に、既存の企業群に対して大きな打撃を与える。筆者はこの集中的な管理システムは近代の産物であり、それ以前、つまり中世の商人たちは分権的なシステムで運営していたため、現代においてもその実現は可能であると確信している