【感想・ネタバレ】変わった世界 変わらない日本のレビュー

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Posted by ブクログ 2017年02月06日

ちょっと古い本ですが、ようやく読みました。
日本の経済について、これだけ具体的に先を見て書けている本はなかなかないなあと思いました。ちょっと古い本ということで、この本の中に書かれている少し未来は、今から読むと少し過去なわけです。現実に起こっていることとすり合わせしていくと、野口さんの論考はかなり精度...続きを読むが高いと感じます。おそらくアベノミクスは失敗であるということも、証明されるでしょう。
最後の最後にインフレについての論考がありましたが、これはまだ起こっていません。これに対して、どうやって生き残るか、考えておかなければとかんじています。

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Posted by ブクログ 2014年08月30日

日本の問題点と改善策を考える上で参考になる本
ふむふむ箇所は以下(本書270ページ)
・国内の人口構造の変化によって生じる新しい需要に対応することが重要。若年層人口が減少したため住宅や自動車の従来型の需要が減少したが、高齢者の人口は絶対値で見ても増加しているので、医療は介護では供給が需要に追い付いて...続きを読むいない。医療や介護は基本的に公的保険のなかで対応しようとしているためだ。
高齢者は賃金所得などのフローの所得を持たない場合が多い。他方で資産は保有している。ところが資産が不動産の形態をとっている場合、これを流動化して消費することが難しい。そのため本来は増加すべき高齢者の消費が顕在化しない。
そのためには、資産を担保として消費資金を融資する仕組みを作ればいい。現在でもリバースモーゲージという形で仕組みはあるが広範囲な利用はされていない。
これを利用しやすい形にする金融イノベーションが進めば高齢者の消費需要が顕在化するだろう。
 なるほどと思ったが、こんなビジネスチャンスがあるのになぜ広がらないのだろうか、この本に書かれていない問題点があるのではないだろうかと考えてしまった。

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Posted by ブクログ 2014年06月02日

近代世界経済の歴史はこの本で網羅できてしまうバリューな一冊です

『何があって』『どこ(国・地域)が』『どうなって』『現在こうなった』が簡潔にまとめられているのでわかりやすい

変わった世界について

各章・各項で細かく解説されていてすべてが深く確信をついた考察ですべての章で数冊分の良書を読みきった...続きを読む充実度があります

変わらない日本について

なぜ米国が発端となったリーマンショックで最大の下落率だったのが日本となったのか
その構造的な問題と先送りしたまま変われない日本について言及されています

知識として世界の経済がどのような情勢であるのかはニュースや経済番組でも伝えられているがそこに至っている経緯はあまり知ることがありません

(例)
なぜ貧しかったアイルランドは金融のハブセンターとして大復活できたのか

中国の躍進や日本の衰退など未来への予測が必ずしも起こるのかどうかはわかりませんが現在の世界経済について深く知りたいのならば読んで損のない内容です

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Posted by ブクログ 2018年10月07日

一言で言うと『産業構造が変わったのに、未だに日本は「物作り・輸出」を方針にしている。これを推し進めるアベノミクスでは日本の成長はあり得ない。』という本

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Posted by ブクログ 2017年03月16日

 金融改革と高齢者対応策で、今後の日本をとらえよう、という本か。戦後~現代までの日本の状況を金融、経済視点で説明してもらった。知識不足で、理解のおぼつかない点も多々あるが、他文献等ですぐフォローできるので問題ではない(フォローしないと理解できないので必ずやります)。ではどうするか?の観点での記述が、...続きを読む後半にわずかに記されているのみだったので、別書で補いたい。

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Posted by ブクログ 2018年10月31日

IT革命や中国の工業化が進んだ1990年代以降の世界経済の変化を解説し、日本が取り残された原因とその改善策について提唱している。

1970〜80年代は、日本やドイツの工業生産が進んだため、アメリカやイギリスの経済は停滞した。サッチャーは民営化と規制改革を進め、レーガンも税制改革を行って経済が復活し...続きを読むた。IT革命によってコストが劇的に低下し、海外アウトソーシングや水平分業への移行が進んだ。イギリスではビッグバンと呼ばれる金融の規制緩和を実施したことで、シティに外資系金融機関が進出し、金融機関のディーリングルームがロンドンに統合されるようになった。

1990年代に中国が工業化したことによって、世界的な分業体制は大きく変わった。日本は高度な経済活動に特化することができなかった。日本の経済体制は、大企業が支配的で意思決定は中央集権化しており、分散型の意思決定への転換が受け入れられなかった。テレビ事業が大赤字を出したように、日本型の垂直統合モデルは敗北した。

日本の労働環境は、1990年代後半から製造業の雇用が減少し、医療・福祉などが増加した。賃金は、製造業では1990年代後半以降も上昇しているが、就業者数が増えている医療・福祉で顕著に下落したため、全体の賃金は下落している。

財政赤字を縮小する方法として、税以外にインフレがある。第二次大戦直後の日本では、一般会計総額に対する国債残高の比率はインフレによって20分の1に縮小した。70年代のイギリスとイタリア、97年の韓国やタイ、98年のロシア、2001年のアルゼンチン、2008年のアイスランドなど、国債の返済能力が失われた国では通貨が暴落した。

社会保障給付費のうち、55〜60%は保険料によって賄われるが、20%程度が国費、10%あまりが地方負担。現在のままだと、厚生年金の積立金は2030年ごろに枯渇する。

貿易収支が黒字の場合は、円安による輸出額増大の効果が大きいが、貿易収支が赤字の場合は、円安だと輸入原材料費の増加の方が大きくなって赤字が増大する。石油ショックの際、日本は金融引き締めを行い、円高になったため、石油価格上昇の影響が緩和された。

著者は、新興国が工業化したことを踏まえて先進国の比較優位がどこにあるのかを考えることが必要であり、ものづくりこそ経済活動の基本であるといった考え方にとらわれて輸出立国モデルに固執すると、かえって事態が悪化すると主張する。政府がやるべきことは、業界側の主体的な取り組みを促す環境を整備するくらいがいいのだろうが、政府はこれまでの産業体制を保護しようとする一方で、経営者も政府の戦略を求めているという依存体質は残念だ。多くの先進国では外国人労働者の比率は6〜9%を占めているのに対し、日本は0.3%しかない。教育を変えるには時間がかかるだろうが、海外の人材を活用するのは即効性が期待できる。

製造業は共同作業が得意な日本人の国民性に合っているという見方もあるし、行き過ぎた金融業に走って欲しくもない。しかし、世界の経済状況が刻々と動いている中で古い考え方に固執して守り続ければ、どんどん世界から取り残されていくだろう。日本の経済構造の転換を主張する部分は、共感できる部分が多かった。

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Posted by ブクログ 2014年08月31日

数値など使い説明されていて分かりやすかった。経済本は少し知識があると読みやすいと思うが、この本に関して、特になくてもサクサク読めると思う。

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Posted by ブクログ 2014年06月23日

新書だけあって内容的にはここ数年の(5年くらいの)教授の著書の内容の網羅ダイジェスト版のような感じ。よって、著者の著書を読んでいる方には不要…あるいは頭の整理に。読んでいない方にはこれ一冊で著書の昨今の日本そして世界経済に対する見方と日本への処方箋が理解できるという内容。

東日本大震災後のいっとき...続きを読む「今こそ財政出動を」といった論調が目立った氏だが、あれは緊急避難としての主張だったのか、この本ではその点は全く消え去り、氏のもともとの主張である「産業構造の転換」なしには日本経済の再活性化はなく、アベノミクスはほぼ効果を発揮していないとの指摘に。

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Posted by ブクログ 2018年10月28日

【由来】


【期待したもの】

※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

【要約】
・日本は円安という麻薬を使い続けることによって、経済の流れに逆らい、産業構造を保存したままここまで来てしまった。...続きを読む今後は高度なサービス産業の育成のための教育の高度化(特に金融知識)と人材を外国からどんどん取り入れることが必要だ。金融と言うとイメージが悪いが、リーマン・ショックに代表される金融不安は金融工学が原因なのではなく、金融工学を無視したことが原因。

【ノート】
・第7〜10章はちゃんと読めてない。数字が出てくると途端にスピードが落ちる。これはきちんとフォローしていくのが苦手なのか、経済についてまだ背伸びをした本を読んでいるからなのか。

【目次】

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