野口悠紀雄のレビュー一覧
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歴史的な経緯を踏まえながら、今現在の知識・知性にまつわる状況を俯瞰し、整理した新書である。特に紙面を割いているのはインターネット以降のそれだろうか。
内容としては新味に欠けると感じる人もいるだろう。各種SNSについてなどは、現代的には「当然知っているべき、触れているべきツール」ではあるし、当たり前の話が続いている印象を持っても、それは当然のことだろう。
しかしその一方で、改めてそれらのツールを全体的な視点で解釈しなおすことにはある一定の意味が見出せるだろう。また、意外にこうしたツールを大雑把に紹介する記事は多くないこともあるから、疎い人間にとっては読みやすく、その意味で新書的な良さ(ライ -
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☆アベノミクス批判本。
私は経済学を体系だって学んでいないので、アベノミクスが正しのか間違っているのかわからない。賛成派、反対派の意見のどちらも知っておきたい。野口氏は反対派の立場に立つ。
〇円安が国益は幻想
・円安は、輸出企業の利益を増加させて株価を上昇させた。しかし半面では、生産コストを引き上げ、また消費者物価の上昇を通じて家計を圧迫している。他方で、賃金は上昇せず、設備投資は増えない。そして貿易赤字が拡大している。結局のところ、円安は労働者を貧しくすることによて株高をもたらしている。そして所得格差が拡大する。アベノミクスは実体経済を改善する力は持っておらず、日本経済を悪化させている。しか -
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御年75歳というのに、非常に柔軟で最先端の考え方をすることにいつも驚かせる。
いかに新しい技術革新を取り入れていくべきか熱く語ってある。あと何年この方が本を出すことができるだろうか。健康に気をつけてほしい。そして野口氏の理念を理解し実践する政治家が現れてほしい。
1章人口知能とビックデータが広げる可能性
2章新しいITサービスが変える市場経済の姿
3章本格的利用が始まったビットコイン技術
4章成長するアメリカと停滞する日本
5章日本が新技術を取り入れるための条件
6章アベノミクスでは日本は復活しない
7章投機の時代の終了
日本経済は長期的な停滞過程から脱却することはできない。この状態を変え -
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IT革命や中国の工業化が進んだ1990年代以降の世界経済の変化を解説し、日本が取り残された原因とその改善策について提唱している。
1970〜80年代は、日本やドイツの工業生産が進んだため、アメリカやイギリスの経済は停滞した。サッチャーは民営化と規制改革を進め、レーガンも税制改革を行って経済が復活した。IT革命によってコストが劇的に低下し、海外アウトソーシングや水平分業への移行が進んだ。イギリスではビッグバンと呼ばれる金融の規制緩和を実施したことで、シティに外資系金融機関が進出し、金融機関のディーリングルームがロンドンに統合されるようになった。
1990年代に中国が工業化したことによって、世 -
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最近、パソコンが高い。海外生産あるいは海外からのパーツ調達が多いため、円安の影響をもろに受けた結果である。発電用燃料の輸入とエレクトニクス製品の輸入の増加により、物価の円安感応度が近年とみに高まっている。反面、円安で増益になる企業は限定的であり、全体としては今もなお賃金は下降傾向にある。消費者物価は上昇し、ますます労働者の生活は貧しくなっている。財界に賃上げを呼びかけるもさしたる効果もない。賃金は個々の企業が決めるのではなく労働市場が決めるものであれば当然の帰結である。企業の売り上げが伸びなければ労働需要は増えないし賃金も上昇しない。日本の就業構造は大きく変化している。まずはその現実を見つめな