野口悠紀雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生成AIを活用してご自身が執筆活動を続けているという本を先日読みました、私が社会人になりたての頃からお世話になっているので、かなりのご高齢だと思いますが、精力的に仕事を続けておられます。それに引き換え、昨年定年退職を迎えた私は、両親の介護のこともあり雇用延長での勤務はしないで、細々と個人事業をしています。
年金は将来的には受給額も減り、開始年齢を下げなければ維持できないことや、老人が働く気を削ぐような制度があることも指摘されています。筆者の野口氏のアドバイスは「自分に投資をしろ、生成AIなどの最新の技術を味方につけろ」と受け取りました。多くの本を読んで、生成AIが仕事を奪うよりも、生成AIを使いこなす人が使いこなせない人の仕事を奪う世の中になることも理解できてきました。
誕生してまだ2年程度(2023.6月頃)しか経過していない技術ですが、私にとってはインターネットに初めて触れた1994年に感じた衝撃に似ています。終末に向けて幸せに過ごすことができるよう、この本に書かれていることを理解して自分なりに実行していきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・トルストイの有名な言葉にある(幸せな家庭は同じように幸せだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸だ)ように、終末についても同じことが言える「幸せな終末は同じように幸せだが、不幸な終末は、それぞれに不幸だ」幸福な週末とは、1)終末に至るまで健康である、2)経済的に困窮していない、3)家族の仲がいい(p24)
・厚生年金の支給開始年齢の引き上げは、2024年の財政検証でも全く議論されていない、しかし2040年代を考えると、あり得ないことではないというより、大いにあり得る。その理由は、実質賃金についてあまりに甘い見通しの上に構築されているから(p35)
・二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯(2人以上世帯の42%)について、2022年では貯蓄額の平均は2414万円、違和感を感じるのは金融資産の分布は「パレート分布」(正規分布でない)だからである。中央値は1677万円で、これが多くのひとが持っている感覚だろう(p48)
・ファイナンス理論の本を何冊も書いてきたが、そこで強調した最も重要なメッセージは「確実に儲かる有利な投資など存在しない」である、機体収益率が高い資産は、必ずリスクも高い(p71)新NISAなどで一番得をしているのは、手数料を稼ぐ金融機関である、人々がある方向に一斉に走り出した時、ほとんどは犠牲者になる、その人たちをうまく利用した人が、つまりゴールドラッシュで「採掘者を掘った人=ズボンを作ったリーバイス、駅馬車を運行したウェルズ・ファーゴ)が成功者になる(p73)
・最も確実で収益が高い投資とは「自分自身に投資すること」時間や努力を投資先を探すのではなく、自分自身の価値を高めるために使うべき(p77)
・団塊ジュニア世代とは、2024年において「50−53歳」であり、就職氷河期とは、1993年から2004年(または2005年)頃である(p90)
・1971年に制定された「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」は、その後に幾つかの改正を経て、2012年改正(13年施行)で、65歳までの雇用を義務付けた、3つの選択肢の中で最も多いのは、65歳までの継続雇用制度の導入(他には、定年引き上げ、定年制廃止)である(p96)改正高年齢者雇用安定ほうが2020年に成立(21年4月施行)により、70歳までの就業機会の確保が努力義務となった(p98)
・基礎年金と報酬比例年金の年金額を毎年少しずつ減らす仕組み(マクロ経済スライド)は2004年の公的年金制度改革で導入され、2023年に完了する予定であったが、これまでに5回しか発動なかったので、将来も続けないと年金財政が均衡しないことになった(p117)本来なら2004-2020までで14.4%削減の予定が、2.7%しか削減されていない(p154)
・国民年金保険料の納付期間を延長する案については、検証結果が改善されたこと、24年秋の総選挙後の政治情勢の変化もあり、25年の国会で関連法の改正案を提出する予定であったが、作業は遅れている(p125)
・在職老齢年金は明らかに不合理な制度である、長く働く高齢者に対するペナルティとなっている。対象とするのは給与所得者のみで、資産取得は対象外である。日本にのみあるのは、元々は在職中には年金を支給しない原則であった、これを1965年に65歳以上にも支給される特別な年金として導入された、つまり、この制度は「本来は受給できないはずの人に、特例として支給する制度」と考えられている(p142)
・支給開始年齢の70歳への引き上げが、厚生年金・報酬比例分の開始が65引き上げが完了した2025年から行われるとする(仮定)と、2年で1年ずつ引き上げ10年かけて行うとする。1960年生まれの人は、2025年に65歳となり年金を受けられるので、1960年以前に生まれた人は影響を受けない。2035年で70歳となる人は、1965年に生まれた人、70歳支給開始になるのが2035年であるならが、1965年に生まれた人は、70歳にならないと年金が受給できない。このように70歳支給開始の影響をフルに受けるのは、1965年以降に生まれた人である(p173)
・2022年9月で、65歳以上の高齢者人口は「3627万人」要介護・要支援の認定者数は、697万人(p191)介護施設などの定員の合計は217万人なので、これらの差である480万人は、自宅に住み続けて介護保険サービスを受けている(p182)
・誰でも比較優位を持っている(例:A氏は有能な弁護士であり、かつタイプも速く打てる。この場合、タイプを打つのが自分よりも遅くてもタイピストを雇うべきである、それによりできた時間で弁護士の仕事をした方が有利になる、この弁護士はタイプ打ちでは、絶対優位性を持っているが、比較優位をもっていない)すべての人が自分の比較優位に特化(=他の人よりも効率的にできることに特化する)し、分業を進めることが望ましい(p259)
2025年6月21日読破
2025年6月21日作成 -
Posted by ブクログ
多くの感想にも記載があるが80歳越えの著者が新しい技術革新を吸収して評価していることが、まず凄い。
内容として、chat-GPTの特徴の基礎を知れる。ハルシネーションに気をつける事、英語等の言語に対して強みがある事、数学的な処理は苦手な事などは知らなかった。最終的にこの技術が教育の場での革新となり、大学や教員の役割が変わるとの記載もあった。
常に新しい技術を吸収していくことの重要性を感じた。また大学の役割は、自分を知り深め、社会に出た時に表現することを学ぶことであるとあり、その手段としてchat-GPTは役に立つ。私自身、社会に出て必要な事だと実感しているので、今からでも役立てていきたい。 -
Posted by ブクログ
「超」整理法を著し、そのユニークな発想法と手法の納得感で記憶に刻まれた著者。低迷する日本と成長し続けるアメリカを取り上げ、その差異はどこから生まれてくるのか、データを駆使して分析している。日本の弱みにメスを入れ、処方箋を提示している。著者の父はアメリカ軍との戦争で命を落としたが、その怒りの矛先は、何の防御手段も持たない国民を爆撃機の攻撃にさらし、火災はバケツリレーで消し止めよと命じていた無責任、かつドイツ降伏後も何の展望もない中、惰性的に戦争を継続させた無能な指導者たちに向けられている。当時の日本に蔓延していた不条理さは払拭できたのだろうか、本書で指摘される日米の格差拡大の真因は、意外とそんなところにあるのかもしれない、と考えさせられた。
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Posted by ブクログ
ソフトウェアエンジニア報酬 中央値
東京 6.9万ドル サンフランシスコ 23.4万ドル (2022年末)
大学院卒年収 日本400万円 11.5万ドル≒1670万円
コロナから回復期 大幅な人手不足 →賃金上昇
アメリカの主要産業=テック産業、医薬品産業、金融業
アメリカの人口 世界の4.3% GDP 25% 日本 人口1.6% GDP 6%
時価総額上位100社中 アメリカ61、日本1(トヨタ)
大学での高度の専門的教育
大学ランキングトップ100 アメリカ36校 トップ10のうち7校
人口1億人当たりのトップ100大学 アメリカ36 ドイツ8 中国7 韓国3 日本2
日本政府 営利事業への国の補助は巨額 基礎研究や人材育成は削減
半導体の成長はAIのロジック半導体 日本は自動車用やメモリーやイメージセンサ
必要なのは補助金ではなく 技術・投資・人材
円安で輸出産業の利益上昇、株価上昇 安い賃金 技術開発が不足
購買力平価は 1ドル=90円
日本の99.7%が中小企業、労働者の7割 組合員は17%
金融正常化
低金利で効率の悪い投資 円安による利益で技術開発が遅れ
アメリカの強さ=異質の容認 最強国の条件=寛容
移民14% フォーチューン500企業のうち101企業が移民が創立
IT革命はインド人と中国人が実現 NVIDIA Google Zoom Yahoo
オープン ファブレス 場所貸し(ウィンブルドン現象) -
Posted by ブクログ
アメリカ、イギリスの90年代の繁栄、またなぜ日本は置いてきぼりになったのかを明らかにする本 。
理由は①製造業のウェイトが低下しなかった
②金融、IT革新に対応できなかった
③資本と人的資源のグローバリゼーションに対応できなかった
70年代
第二次世界大戦後の世界経済の骨組みであった金ドル本位制が崩壊。
アメリカ イギリスの戦勝国の経済的地位が低下、日本 西ドイツの地位が上昇。
80年代
サッチャーと レーガンが世界の人々の考え方を大きく変えた。大きな政府 、福祉国家、ケインズ主義の見直し。
中国は鄧小平の改革開放への大転換。中国の工業化が始まる。
90年代
アメリカ、イギリスは繁栄。
アメリカ、イギリスの脱工業化。製造業のウェイト低下、 サービス( IT、金融)のウェイトが高くなり、生産性の高い高度なサービスが増加。
対して日本、ドイツは凋落。
世界経済の大きな構造変化に対応できなかったことが原因。製造業の比率が低下しなかった。中国の工業化によって中国と同じことをやっている国は没落。中国でできないことをやってる国が成長。低賃金で生産される中国製品にはかなわない。競争すれば 賃金水準が中国並みに下がってしまう。
00年代
日本は中国と競争したため 賃金低下。非正規増加。
アメリカで住宅バブル→バブル崩壊。イギリス、アメリカより製造業立国日本の方が影響が大きかった。
中国 インドなどの新興国が著しい成長。
日本の停滞を打破するためには…
①高い技術力を生かし、国際分業。機械などの資本材、部品などの中間材の輸出に特化
②資本、人的資源のグローバリゼーション
③専門分野での高等教育 社会人の勉強支援(MBA など) -
Posted by ブクログ
やっと読み終わった。
本書に限らず、この人は本気でそう思っているのか、敢えて極論を言っているのかが判然としない。
著者の極端な主張や主観の部分を除くと、客観的なところは結構様々な実際の現状を背景や環境含めてタイムリーに直近のことまで正確に掘り下げているので、そこは事実確認として非常に役立つ。そこまで著者が見越してのことかどうかはわからないが。
(2回目追記)
最初はあまり良く分からないことも多かったが、多少金融に関する知識がついたのか、何が正しい(正しそう)ことか、正しくない(正しくなさそう)ことか少し見当がつくようになった気がする。日銀の問題というより、政府の政策の問題で日本が窮地に立たされているのではという気がしてきた。 -
匿名
ネタバレ 購入済み「超」整理手帳ユーザーです。スマホの普及でさすがにところどころ古くなった記述内容もありますが、あらゆる予定表のマスターとしての位置づけ、リフィルによる新陳代謝、A4資料の打ち出しを挟み込めるなど、各自にとって最も使い勝手の良い手帳に工夫できる可能性は確かにあると思います。あとは野口氏の主張する積極的なタイムマネジメントをできるよう、読み返していくつもりです。
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Posted by ブクログ
効率よく学習するヒントが得られる本。
この本はずっと家に置いてあったので、おそらく20数年前に読んだのだろう。背表紙は見ていたが、内容はすっかり忘れていた。もっとも、その後に『「超」文章法』など、野口氏の他の著作は読んでいたので、「わかりやすく書く技術」など、共通する部分は実践していた。本書の一部は身に付いていたということだ。
勉強法が書かれた本は、たいていあまり面白くない。「努力せよ」、「やる気を出せ」、「ゴールを想像せよ」という精神論に重きを置いたものも少なくない。たしかに、努力は重要だ。そして、努力が必要なことは、たいていの人はすでに知っている。
知りたいのは、どのように努力するかだ。
つまり、勉強のノウハウである。
「勉強」の本は、主に学生向けだと思われるかもしれない。しかし、この本は学生だけでなく、社会人も視野に入れて書かれている。その部分を引用しよう。
この本は、受験や学校の勉強のためのものではない。あらゆる知的活動の基礎となる学習行動一般について、有用なノウハウを含むと考えている。(p19)
学習することは、年齢にかかわらず重要だ。だからといって、やみくもにやっていては、効率が悪い。どうせなら効率よく学習したいと思うのが人情だろう。勉強のノウハウ、効率よく学習するヒントを得たいのなら、本書は一読する価値がある。
野口氏の本は、通り一遍のことを書いていないので、飽きさせない。わかりやすい文章で、読みやすいことも利点だ。
最後に、この本で基本となっている勉強法の三原則を下記に挙げておこう。
【「超」勉強法の基本三原則】
第一原則:面白いことを勉強する
勉強は楽しい/勉強を楽しいものに変えよう/知識があれば興味が深まる
第二原則:全体から理解する
一歩一歩進む必要があるか?/「鳥の目」法/重要な点を把握する
第三原則:八割原則
八割までをやる/基礎を八割理解したら応用に進む