京極夏彦のレビュー一覧

  • 今昔百鬼拾遺 河童

    Posted by ブクログ

    ★僕は生きてますよ(p.348)
    3つの魅力(1)基本的にはうだうだした会話で構成されているので、例によっておもろいキャラクタたちを楽しめばいいかと。冒頭の女生徒たちの河童談義もなかなかおもしろかったりする。(2)事件と河童の強引な結びつけかたが楽しい。(3)今回は多々良先生も参戦したので特異なそのキャラクタも楽しい。

    ■河童についての簡単なメモ
    【一行目】「何て品のないお話なの――」

    【敦子】中禅寺敦子。京極堂の妹。「稀譚月報」編集者。
    【池田進/いけだ・すすむ】総元駐在所の巡査。
    【夷隅川】千葉にある川。ぐにゃぐにゃと気合いを入れて蛇行している。
    【磯部/いそべ】掲示。
    【市成裕美/い

    0
    2023年10月31日
  • 死ねばいいのに

    Posted by ブクログ

    不審死を遂げたアサミについて、話を聞いてまわる青年ケンヤ。ただアサミのことを聞きたいだけのに、誰もが自分の話しかしない。
    ケンヤと彼らの会話が続くだけなのに、読む手が止まりませんでした。好みは分かれる作品かも(私はOK)。

    0
    2023年10月21日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    前2作はもっと読み応えあった印象だが、こちらは鵼同様あっさり味。
    自分のことを語ろうとしなかった弥蔵がついに過去を語り、そこから生まれた疑問をぶつけたのに、さらりと流して「そんなことじゃなくこっちが本質でしょ」と個人的な問題にすり替えられてしまったのがなんとも残念。

    0
    2023年10月18日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    ★刀が悪いんです(p.245)
    ・「昭和の辻斬り」に殺された片倉ハル子は『絡新婦の理』の呉美由紀の新しい学校での友人だった。
    ・呉美由紀も、話を聞いた中禅寺敦子も、捜査した刑事の賀川太一もどこかに釈然としないものを感じている。
    ・片倉ハル子の家系は女が斬り殺される家系でそれには「鬼」が関わっているらしい。
    ・鬼の刀。鬼は虚無。虚無の刀。
    ・謎を考えるミステリではなく、真相は始まってすぐわかると思いますので、後は京極夏彦さんの語り口を楽しむミステリという感じになるでしょう。

    ================================

    ■関口センセや京極堂や榎木津探偵に関する簡単なリスト

    0
    2023年10月06日
  • 死ねばいいのに

    Posted by ブクログ

    タイトルに釣られて買いました。

    物語の構成がすごく面白いと感じました。読んでいく中で、この本のタイトルの意味が変化していくところが良かったです。この物語はしっかりと伏線が回収されるし、登場人物の内面も明らかに書かれているので、後味はすっきりしていました。よかったです。

    0
    2023年09月27日
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし

    Posted by ブクログ

    なんとも可笑しい本でした。
    講談のような語り口で、もみじ豆腐を乗せたお盆を持つだけの妖怪、豆腐小僧の自分探しの旅をつづる。
    次々と出会う妖怪たちが、妖怪とは何なのかを語るんだけど、これが何とも論理的、かつ現実的w
    妖怪とは見ている側の主観なんだよ!みたいな感じで、ちょっとボケっとしてる豆腐小僧に教授していく。これがおっかしいんだよねーw
    最後はまるで歌舞伎でも観ているかのような大立ち回りありの、まるで見得を切るようなシーンまで。
    新たなる冒険の始まりを感じさせる終わり方で、なんとも面白い、そう、面白い本でした。(図)

    0
    2023年09月17日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【2023年103冊目】
    姑獲鳥の夏から塗仏の宴に出てくるキャラクターたちのサイドストーリー集10編。

    以下は登場キャラのメモ書き(登場順)
    ・杉浦 隆夫
    ・久遠寺 涼子
    ・平野 祐吉
    ・鈴木 敬太郎
    ・棚橋 祐介
    ・山本 純子
    ・岩川 真司
    ・円 覚丹
    ・木下 圀治
    ・関口 巽

    真っ当に全員どこか狂ってて、京極ワールドの中で燦然と輝く猟奇性をたたみかけられる感じの一冊でした。煙の話が一番好きだったかも。大変わかりやすくいかれてて。

    最後の話が我らが関先生を主題にしてるんですけども、結構すぐに「あっ、これ語り手が関先生だな」ってわかるような感じでちょっとニヤリとしてしまいました。しかも姑

    0
    2023年08月17日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シリーズ2冊目と言うことで、今回もその人に必要な一冊を提供する不思議な本屋の話。
    明治時代の文豪、文化人が登場し、ほぼ最後に正体を説明してくれるので誰であったのかワクワクしながら読めたのだが、勉強不足により半分はわからなかった。
    後でネットで検索。知らなかった人を調べるのも楽しい。

    「事件」では田山花袋がメイン。自分は殆ど古典などは読んでないのだけど、「蒲団」は既読であり、田山花袋の顔も知っていたので紹介されているシーンから興味深く読めた。
    「無常」で登場した、乃木希典将軍。
    中将になっても決断を間違え、卑怯者であると自分を卑下する。泣き虫で迷ってばかりの人物像に弱さを感じるが当時五十歳近く

    0
    2023年07月19日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    中々の京極ワールド。

    世界観や文体が好みだから読めるが、ダメな人には全くダメだろうなっと思う。

    読み手を選ぶ作品。

    0
    2023年06月26日
  • 死ねばいいのに

    Posted by ブクログ

    まず、題名が衝撃的でした。
    内容も何だか自分が責められているような感覚に陥る私的にはイイ気分で読めるお話ではないです。
    でも読むのを止められず、結局最後まで読んでしまう中毒性のある本でした!
    結局、話に入り込んでしまう程魅力的だったんだと思います(^_^;)

    0
    2023年06月17日
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    初めての京極作品。
    前半の不穏な雰囲気にいまいち馴染めなくて読み切れるか不安だったけど、後半の関口鳥口京極堂でオカルト云々を議論してるシーンは楽しく読めた。妖怪ファンタジーかと思ったけど、意外とリアリティーな要素もあるらしい。
    続編も読んでみようか迷うところ

    0
    2023年06月03日
  • 幽談

    Posted by ブクログ

    がっつりホラー、というわけではなく、少し不気味な、ちょっとジメッとしたお話をいくつか集めた感じ。


    「逃げよう」「知らないこと」が気味悪すぎたわ。意志疎通出来てる相手の方が怖いね

    0
    2023年05月30日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田寅彦、ラストはまさかの新撰組の…彼らの姿はどの程度実像に近いのだろう。綺堂や夢二はまだ本領発揮前だけど。
    蘇峰は蘆花と仲違いしていたのか。今読むと、どうしてもウクライナ侵攻を連想しちゃうが。
    操觚者、史乗という言葉を初めて知った。綺堂の章に出てくる殺人事件も実在したんだね。ググったら、胸が悪くなる事件だった。

    0
    2023年05月23日
  • 遠巷説百物語

    Posted by ブクログ

    ・京極夏彦「遠巷説百物語」(角川文庫)を読んだ。「巷説百物語」シリーズの文庫本最新刊であるらしい。6冊目である。あちこちで百物語をやつてきたやうだが、これは遠野である。ただし、書名は「遠野」ではなく「遠」一字である。柳田の「遠野物語」とも関係あるらしいが、私は確認して ゐない。京極に「遠野物語」訳があるのだから、それくらゐはおてのものであらう。本書は 「お歯黒べったり」に始まり「出世螺」に終はる全6編である。全体が緩やかにつながつてゐる。個々の物語は独立してゐても、言はば悪役以外の登場人物は共通する。しかも、その構成は「まず冒頭に口承される『譚』ーーいうなれば昔話が据えられ、その元となった巷の

    0
    2023年05月17日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

    Posted by ブクログ

    私の記憶力のなさせいで全編「だれ?」となりました。親切にも解説してくれておるサイトがあったのでそれを見ながら読み進めました。
    妻を大切にできない夫か何人も登場します。自分は妻を家族を大切にできているか、考えてしまいますね。

    0
    2023年05月10日
  • 幽談

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホラー映画のような直球な怖さではなく、ジメッとした気持ち悪さが残る作品。
    各短編の主人公たちは怪異に出くわしても、恐怖に慄くことなく淡々としてるのが印象的だった。
    どの話も基本的に全く解決に至らないまま終了するため、ちょっとモヤっとしたけど、そういう「よくわからないもの」を楽しむ作品なのではないかと思った。
    純文学のような趣がある「手首を拾う」「十万年」
    強烈な気持ち悪さが残る「成人」「逃げよう」
    哲学的な「こわいもの」
    不条理な雰囲気が漂う「ともだち」「知らないこと」
    一番直球なホラーだけど、なんかシュールでちょっと笑ってしまった「下の人」

    0
    2023年04月29日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    SL 2023.4.19-2023.4.24
    シリーズ3作目。
    語り手が作品ごとに替わっていくのだけど、今回の弥蔵がなかなかいい。
    弥蔵の正体が判明するラストと「予兆」が印象深い。
    少しくどい書き振りな気もするけど、弔堂の話す言葉などはとてもきれいで、さすが京極夏彦だと思う。

    0
    2023年04月24日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    弔堂シリーズの第三弾。
    いつも通りの・・・ですかねえ。なんか最近自作品とのコラボっぽいのが多くないですか?京極さん。
    つまらないわけではないですが、、、ネタ切れなのかな?とか邪推。いっそルーガルーシリーズとも時空を超えてセルフコラボをw
    基本的に、実は近代史で名をはせたあの人物が!みたいなノリというかパターンが多いんですが、そのあたりに非常に疎いため反応が悪いわたくし。そこらへんに造詣の深い人であればもっと楽しめたんだろうなあ、とは思います。

    0
    2023年04月20日
  • 書楼弔堂 待宵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今回はなるほど、新撰組界隈がおいでなさいましたか。

    あと竹久夢二さんはですね、昔文学館を拝見した時に『恋多き…というか多すぎだろうよ』と思った記憶がございましてねぇ…出てきた時にはちょっと『おぉ!?』と思ってしまいました笑

    なんでしょうね。以前より読みやすかった気がします。

    そして今回もしほるくんがかわいいです。

    本当に激動の時代だもんな…。皆少なからず戸惑いますよね。文明はすごい勢いで変わる、今までの常識が常識じゃなくなる。

    京極さんの本は、読んでいると温度や香りが伝わってくる気がします。

    久々に濃ゆい時間を過ごさせていただきました。

    0
    2023年04月10日
  • 冥談

    Posted by ブクログ

    「どうだろう。久し振りに来てくれたと云うのにこの有り様でね。屍と二人きりで留守番と云うのは気分の良いものじゃないだろうが、引き受けてくれるだろうか」

    静かに冷や汗をかくような短編集。派手な怖さはないが、不気味なシチュエーションと語り口で凄く不安な感情になる。各章の終わり方のうまさがさすが京極先生の筆致だった。

    0
    2023年03月20日