京極夏彦のレビュー一覧

  • 書楼弔堂 霜夜

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    終わっちゃうかぁ。そうよね。
    でも、もうすこし、この世界に浸っていたかったな。

    モノクロの画像や史上に残されたエピソードくらいでしか知らなかった明治期の名士たちに、色が声が魂が吹き込まれ、いま、まさに隣で喋っているような、そんな世界が味わえるのが、この作品の良き点の一つ。

    毎巻変わる主人公たちが、変動最中の日本で、静かに右往左往しながら腹を決めていく様を見届けていけるのも良き点。

    そしてやはり、本好きなら一度は辿り着きたい、あの簾をめくって薄暗がりに入って息を呑んで見上げてみたい、叶うことなら自分の一冊は何なのか試しに聴いてみたい。

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    2025年09月30日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿 複製

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    終わっちゃうかぁ。そうよね。
    でも、もうすこし、この世界に浸っていたかったな。

    モノクロの画像や史上に残されたエピソードくらいでしか知らなかった明治期の名士たちに、色が声が魂が吹き込まれ、いま、まさに隣で喋っているような、そんな世界が味わえるのが、この作品の良き点の一つ。

    毎巻変わる主人公たちが、変動最中の日本で、静かに右往左往しながら腹を決めていく様を見届けていけるのも良き点。

    そしてやはり、本好きなら一度は辿り着きたい、あの簾をめくって薄暗がりに入って息を呑んで見上げてみたい、叶うことなら自分の一冊は何なのか試しに聴いてみたい。

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    2025年09月30日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    何度「河童」という単語を目にしたことか。
    人生で二度とこれだけ短期間に河童という単語を目にすることはきっと無いだろう。
    覗きの話に始まり、最後はちょっと切なくなる、そんな著者に私はいつも感服させられます。

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    2025年09月28日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    鉄鼠まで読んだからこちらのシリーズにも手を出してみた。早速絡新婦の登場人物の子が出てきたけど、本編のネタバレはなかったので一安心。本編とは違い、犯人を当てることも出来たけど、刀にまつわるストーリーはなかなか面白かった。

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    2025年09月15日
  • 数えずの井戸

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    一ま〜い…ニま〜い…三ま〜い……
    はい!お菊さんです!

    三部作なのかな?
    何という設定でしょ
    京極さんらしい設定です。
    でも長い…
    登場人物のあれこれ…
    ちょっと中だるみしてしまった(꒪⌓︎꒪)

    ラスト近くに目が覚めて読み切りました笑

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    2025年09月02日
  • 病葉草紙

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    長屋を差配しながら暮らしている、
    薬種問屋の隠居の子、藤介。
    長屋で起こる問題を店子の久瀬棠庵に持ちかけると、久瀬棠庵は「虫のせいですね」と、
    全て虫のせいにして、いつの間にか全てを
    解決していく。
    落語のようにテンポよく話がすすんで面白い。

    京極さんの話にしては、明るい話で読みやすく、
    この話はシリーズ化するのだろうか。

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    2025年08月17日
  • 死ねばいいのに

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    ネタバレ

    タイトルからしてインパクト抜群。
    関係者がアサミについて話すことが、理屈と言い訳じみていて、最初怒りが沸いてきた。それぞれの抱える事情、言い分がどこかしら自分にもあてはまるような気もして、渡来の存在がだんだん怖くなってくる。
    死ねばいいのに、なんて言葉を聞いたらぎょっとするけど、渡来健也というキャラがこのノリで言う言葉だからこそ、すっと胸に入りこんでしまってそこから重みのある毒としてじわじわと刺さってしまうんだろうなと思った。
    結局一番自分に正直な人は殺されたアサミなんだろうなと思う。
    いくら境遇が不幸に見えても幸せだったのかもしれないし、幸せだったと言っても、本当のところは本人にしかわからない。
    最後の最後までどういう動機なのか全く読めないミステリーだった。

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    2025年08月12日
  • 文庫版 鵼の碑

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    やっとここまで来れたこのシリーズ。今回は登場人物が多すぎるように感じた。事件らしい事件は起きず、陰謀を暴く印象が強い。蘊蓄などで混乱して来たら木場や榎木津が整理してくれるというか、そういう型はいつも通りで良かったのだが。

    しばらく間をおいて姑獲鳥から読み直そうかな。そうしたらまた感想も変わるだろう。

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    2025年08月01日
  • 冥談

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     京極作品、読みづらいのかなぁと思っていましたが面白いなんの。しっかり裏のあるミステリなのかと思っていたら、怪談話の様なストーリーの数々。個人的には「風の橋」という作品が面白かったなぁと。
     どこか遠く、果てもない先に死者と一度だけ会う事の出来る橋が存在すれば、自分なら行ってしまうのか。その橋を渡る際に、何人の声に反応してはいけない。反応すれば…。
     現代版の、江戸川乱歩の様な作品かなぁと個人的に思いました。これを機に京極作品を読んでみたいと思います。

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    2025年06月22日
  • 虚実妖怪百物語 序

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    3部作の第1部

    現実に存在する方々や企業名を実名で書いています
    主に雑誌「怪」の関係者を中心とした
    作家や編集者のオンパレード
    これはみなさん性格や喋り方もこんな感じなのでしょうか!?
    平山夢明先生、まさにダイナー書いてただけあって
    キャラ濃すぎて大笑いしました

    現実世界にじわじわと妖怪達が侵食してくるのですが、
    まだ始まったばかりという感じ

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    2025年06月18日
  • 文庫版 鵼の碑

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    ネタバレ

    いつもの通り見事な構成。
    中禅寺が気心知れた(?)相手にはしない丁寧な対応をしているのを見るのが好きなのだけど今回は築山さんや仁礼さん相手にそれがたくさん見られて楽しかった。あとめちゃシゴデキで何か嬉しい。
    多分色んなテーマが今作には盛り込まれていると思うけどコロナ禍以降特に顕著になったように思う陰謀論について、なるほど鵼のようなものなのかもなと感じたりもした。
    ただ読み進める熱量をそれほど得られず読み切るのに時間が掛かった。
    ひい。ひょう。と、寂しい鵼の声がよく似合う締め方で、それでも読後感は悪くない。

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    2025年06月15日
  • 文庫版 鵼の碑

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    ネタバレ

    なるほど、鵺の各パーツに各々が背負う物語を嵌め込んで収斂させていく構造になっているのか…と感心しつつ読んでいったわけだが、巻末の解説で小川哲氏がそのあたりを至極的確に詳述されており、私などの出る幕はないのでそれはひとまず置いといて。

    前作の時にも感じたが、今作においても、令和の現代になってようやく声高に議論されるようになってきた種々のトピックスがふんだんに盛り込まれている。
    例えばジェンダー平等であったり、ハラスメントであったり、陰謀論やフェイクニュースであったり、無戸籍国民の問題であったり。
    中でも原子力を巡る諸々については作品全体の中核を成す柱の一つといって過言ではない要素になっているし、はたまた今の日本政府や自公政権を揶揄しているとも取れる描写もある。
    著者が現代社会における”分断”を強く憂いていることは共感を以て良く理解でき、その帰結としてインクルーシヴを説いているのだろうと思う。
    ただ、昭和20年代後半と思しき当時に木場が「女医」という単語に引っ掛かって気にする…というくだりは明らかにやり過ぎだろう(笑)。
    論点はずれるが、かつて無毒とされていたヤマカガシが毒蛇であると公式に認められたのは1970年代のはず、それなのに門外漢の京極堂が”ヤマカガシには毒があるらしい(しかも2種類の毒!)”という主旨の発言をするのも、あまりに後出しじゃんけん感が強く、違和感が残る。

    京極堂といえば、例に漏れず今作でも長広舌を打つシーンが何度もあり、言葉を選ばず評すれば、屁理屈めいた衒学が冗長過ぎて肝心のプロットがぼやけてくることも…というのももはや近作ではお馴染み? であるが、日本人の宗教観について語られている内容には首肯した。

    そのプロットについて言えば、さすがに微に入り細を穿ち、水も漏らさぬ完成度に仕上げられている。
    これだけ複層的で枝葉が四方八方に伸びた巨大な楼閣を破綻なく組み上げる手腕には、心の底から恐れ入る。
    そしてこれも解説で小川氏が触れられているが、「巷説百物語」シリーズとの繋がりが明白に示されたという点において、古くからの読者にとっては嬉しいばかり。
    私も読んでいる最中、なんとなく引っ掛かりというか、記憶の引き出しの奥をつんつんとつつかれているような感覚を随所で得ていたように思うが、最後の最後で笹村市雄が姿をくらます際の所作を見るにつけ、はっきりと自覚された次第。
    なるほど、市の字か…。

    「信仰は人が生きるための、生き易くするための方便です。(後略)」
    「(前略)でも宗派も何もなくたって、信仰心と云うのはあるのじゃないかな。結局はそれが常に下地としてあると云うか――」

    「畏れ、崇め、敬うべき対象だよ。この土地では山――なのかもしれない」

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    2025年06月12日
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】

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    こんなに長々と超能力者と占い師と霊能者と宗教者の違いについて語られるなんて。
    加奈子は箱に入ったのかしら?続きを読むどー

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    2025年05月21日
  • 文庫版 オジいサン

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    ネタバレ

    最初はこの益子さんのように、ゆーーーっくりしか読み進めれなかったが、半分くらいから一気読み。

    孤独な独居老人って言いつつ、地味に色んな地域住人に知られててなんだか良かった。
    二代目田中電気との関係も良き。

    隣の田川さんの山形での電車のエピソードが好き!

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    2025年05月18日
  • 病葉草紙

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    これは時間かかったなあ。まずタイトル読めないよね。棠庵の、生真面目だけど、どこか飄々としたキャラはいい感じ。藤介とのバディ感がいい感じ。『前巷説~』とのつながりはよく分からなかった。

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    2025年05月17日
  • 狐花 葉不見冥府路行

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    京極氏の本にしては分かりやすかった。蘊蓄コーナーがないからかな。

    1番面白かったのは巻末の対談だった。

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    2025年05月13日
  • 虚談

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    虚、とあらかじめ言われているのだけれど、どんどん次が読みたくなる不思議。わたしが“現実”と感じているこの世界は果たして?時々頭の中にわく“妄想”は?境目をたゆたう楽しい時間でした。

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    2025年05月11日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    この世界は実は面白い、この世の中は地獄 その地獄を楽しむために、非常にリスキーな大発明、言葉を利用してみましょうというお話らしい

    どんな言葉も受け取る側によっていかようにも変わってしまう、あらゆる争いは言葉の行き違いから起きるとか
    どんな文章もどんな言葉も受け取る側によっていかようにも変わってしまう
    多様な解釈があるということ。

    改めて言われてしまうとそうだなと感じるわ。
    地獄の楽しみ方?この世の中は地獄なんですね?気づいた人から楽しむ方向へシフトしていけたらいいけど
    楽しもうと色々考えてしまって結局楽しめないんですけど。

    「本の中にはもう一つの人生があります。十冊楽しめた人は十、百冊楽しめた人は百、違う人生を歩めるんです、このつらい現実以外に。すてきなことだと僕は思います。」
    うんうん これは納得。

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    2025年05月09日
  • 冥談

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    怖いのだったら読めないかも…と思っていたら、あからさま怖いというよりは、気付いたら「あ、怖い、かも」とフワッと静かにくる感じでした。どこかの郷里を思い出さずにはいられない、ノスタルジックな雰囲気もあり。

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    2025年05月07日
  • 死ねばいいのに

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    若い女性が殺害された事件。
    無関係に思われるバカで無礼な男が関係者に話を聞いてまわっている。
    バカなので言葉巧みなやり取りは何一つないが、
    気づくと相手は隠していた事実を、
    この男に話してしまっている。
    なんともきれいな誘導だなと感動した。

    男は終始変わらぬ態度だが、
    読み手は、冒頭と末では男の印象が変わる。
    こいつは何者なんだと。

    会話を引き出す技術は、仕事で役に立ちそう。

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    2025年04月30日