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書楼弔堂電子分冊版、第二十二巻。『書楼弔堂 霜夜』収録の「永世」をシングルカット。
古今東西の書物が集う墓場にて。
明治の終わり、消えゆくものたちの声が織りなす不滅の物語。
花も盛りの明治40年――高遠彬の紹介で、ひとりの男が書舗「弔堂」を訪れていた。
甲野昇。この名前に憶えがあるものはあるまい。故郷で居場所をなくし、なくしたまま逃げるように東京に出て、印刷造本改良会という会社で漫然と字を書いている。そんな青年である。
出版をめぐる事情は、この数十年で劇的に変わった。鉄道の発展により車内で読書が可能になり、黙読の習慣が生まれた。黙読の定着は読書の愉悦を深くし、読書人口を増やすことに貢献することとなる。本は商材となり、さらに読みやすくどんな文章にもなれる文字を必要とした。どのようにも活きられる文字――活字の誕生である。
そんな活字の種字を作らんと生きる、取り立てて個性もない名もなき男の物語。
夏目漱石、徳富蘇峰、金田一京助、牧野富太郎、そして過去シリーズの主人公も行きかうファン歓喜の最終巻。
残念ですがご所望のご本をお売りすることはできません――。
※本電子書籍は『書楼弔堂 霜夜』の電子分冊になります。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
至福の読み心地。
過去に京極夏彦作品を読んだときの、とにかく読みづらかったという印象が強くずっと避けていた。
今回「読者による文学賞スピンオフ」の選考委員となり、担当作品を選ぶにあたって自分が普段読まないものを指名させてもらったが、いやはやこれは面白い!!
「書楼弔堂」…しょろうとむらいどう、と読む。
明治の終わり頃、町外れにある書店はその名のとおり一風変わっている。どう変わっているかはこの本の中でじっくりおいおいと。
書楼弔堂シリーズの完結編。だが、この作品だけでも十分に楽しめたし、ここから遡ってシリーズ前作を読んでいくのもありだなと思った。
「読みたい時に読みたいものが読める、それが何より大事」の言葉が心に響く。
本というものが様々な角度から書かれている。
すべての「本好き」にオススメしたい本。
Posted by ブクログ
印刷造本改良會で活字を作ろうとする甲野昇を狂言回しに、書籍に関連したエピソードが語られる。
お馴染みの弔堂と休み処の面々、印刷造本改良會での高遠彰ら、そして夏目漱石、岡倉天心、田中稲城、牧野富太郎、金田一京助らとの会話のうちに話が展開していき、天馬塔子も加わってシリーズ完結編を迎える。
本の中に記されていること、いないこと。
そういえば掲載図版の情報はあるものの、参考文献は掲げられておらず、実在の個人・団体等とは無関係のフィクションだという断りが書かれている。史実を重ねて読みたくなるが、そこも踏まえたエンターテインメントとして楽しむ、いやどんな読み方をするのも自由か。
25-10
Posted by ブクログ
シリーズ第四弾。
古今東西の書物が集う、“書物の墓場”〈書楼弔堂〉を巡る“探書”譚、連作六話が収録されております。
朝(破曉)→昼(炎昼)→夕(待宵)を経て、ついに夜(霜夜)という事で、お気に入りだったこのシリーズも本作で完結との事で寂しい限りですね・・。
本巻は、信州から上京して〈印刷造本改良会〉という会社で活字の創作をしている甲野さんを主役として、彼が各話で〈弔堂〉を訪れるたびに遭遇する、歴史上の人物と〈弔堂〉主人との問答を通して、自身が作る「活字」というものに向き合っていく流れなのですが、とりわけ「出版」に関する談義が多かったこともあって、本好き・・いえ、本が"大好き"な私としては非常に興味深く読ませて頂きました。
本そのものが希少だった時代から、市井に書物が広がりだし、活字・印刷・製本技術や流通の発展によって本が手に取りやすくなり読書人口も増えてきて・・という本を巡るあらゆる繋がりを思うと、今自分が気軽に読書を楽しめている環境に、先人たちの貢献があったのだなぁ・・と感謝が湧いてきますね。
登場したお歴々も、夏目漱石をはじめ、金田一京助、牧野富太郎・・等々豪華でしたし、シリーズ一作目に登場の高遠さんをはじめ、各巻の主役の皆さまも登場するという、まさにフィナーレに相応しい内容でございました。
因みに、キャラということでは、甲野さんの下宿の"元浪花節語り"の親爺さんがいい味出ていて、個人的に好きでしたね。
(京極さんの文体って、歯切れのいい江戸弁と相性バッチリだと思うんです~)
という訳で、本好きなら一度は訪れてみたい〈書楼弔堂〉という、夢の書物蔵(ご主人は"墓場"というておりますが)を舞台とした「深イイ話」を堪能させて頂きました。
またいつか、〈弔堂〉の主・龍典さんや、撓(しほる)くんに再会できたらよいな・・と思いつつ本書を閉じた次第です・・今までありがとうございました。
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