京極夏彦のレビュー一覧

  • 眩談

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    再読。現代怪談シリーズ短編集。普通の日常とそこにぽっかりと口を開けた非日常が奇妙に混じった話が多い。最初は普通なのに、気付けば異界に足を踏み入れているか浸食されている。その眩暈のような感覚がたまらなく心地良くもあり、心底震えるような恐怖感もある。特に気に入った話は「歪み観音」「けしに坂」かな。

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    2022年04月10日
  • 続巷説百物語

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    知識量に圧倒される
    百介の心の動きにぎゅっとなった
    世の中のどうしようもないことをこういう書き方でおさめようとした発想がすごい
    百介の口調が少しばかり現代チックなところもギャップだと思うけど面白いというか逆にリアルっぽいと思う
    最後切なかったな

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    2022年04月04日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    京極夏彦氏が10代の50名を対象に開催した特別授業?ってか講演内容を収録した一冊。
    色々な言葉について解説した・・という内容と思ってましたが・・
    前半は氏の様々な持論が延々と展開され、後半に少し言葉についての見解がある感じで、ちょっと物足りない読み物でした。
    ただ「京極夏彦史上再薄!」の触れ込みは正しかった(奇跡の141ページ!「魍魎の匣」は文庫で1,000ページ超えてた!(^_^;)

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    2022年04月03日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    2022/4/2
    そういや最近京極堂ご無沙汰やなと思って読んでみた。
    古本屋も探偵も小説家も出てこなかったわ。
    ご無沙汰過ぎて彼らの近況に触れられてもそれがどんな事件だったかもわからない。
    ご無沙汰しすぎやな。
    姑獲鳥からまた読みたくなってくる。
    この本は敦子が活躍するけど敦子はそうでもなく、子供刑事と依頼者の女子高生がいい味。
    女子高生の最後の啖呵は特によかった。
    しかし私は探偵に会いたかったんだよ。
    探偵出てる新刊はどれだろ?

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    2022年04月03日
  • 冥談

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    現代怪談シリーズ第三弾。短編集。このシリーズの他の作品は一度は読んでいたんだけど今作は初読。どの話も不思議で奇妙でちょっと怖かったり厭な気持ちになったりする。でも、その不思議さが愛おしかったり奇妙さが愉快だったり、ちょっとした怖さにドキドキしたり厭な気持ちもユーモラスになったりする。そういったアンバランスさが面白くてまた読みたくなったりするんだろう。

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    2022年03月25日
  • 虚談

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    ・京極夏彦「虚談」(角川文庫)を読んだ。これは、「もしかしたら。(原文改行)今、見聞きしているこの現実らしきものこそーー。(原文改行)嘘なのかもしれないのだし。」 (143頁)といふ「クラス」の最後の文章に集約されるのかもしれない。帯には「この現実はすべて虚構だ」とあり、カバー裏には「この現実と価値観を揺るがす連作選。」とある。表現は悪いが、語られる内容が現実であるのかどうかが分からない物語といふことであらうか。例へば安部公房はとらぬ狸とかデンドロカカリヤ、S・カルマとかを使つて「この現実と価値観を揺るがす」やうな作品を書いた。ところが京極はSF的な要素や幻想文学的な要素は排除する。物語はあく

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    2022年02月19日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    敦子が明治大正期を夜明け前の暗い時間帯みたいって言ってるの分かる

    因縁を因縁たらしめてるのってやっぱり非科学的なものじゃなくて人間の妄執だよな〜

    刑事の息巻く訊問といまいち的を得ない証言する登場人物の掛け合いがまどろっこしいんだけど緩急あって面白い

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    2022年02月06日
  • 虚談

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    すべて三文字のカタカナタイトルが付けられた怪談集。

    「レシピ」が本書の華麗なる嘘の世界を開く。
    スイートポテトにココナッツミルク。
    言葉だけの印象では何も怖くない。
    そして出てくるおばけも怖いわけではない。
    それより怖いのは、どこまで妄想なのか、どこまで真実なのか、そっちの方だ。

    「クラス」も、同じく虚実ない混ぜの物語だ。
    妹を失ったクラスメートの話のはずだったのに、そもそもの前提を全てひっくり返される。

    「キイロ」も子供の遊びから始まる怪しげな物の存在。
    子供の頃はなんとなく見よう見まねで拝んでみたり、あるいは恐れてみたりする。
    大人になるに従ってそれが信仰に変わり…ということを考える

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    2022年01月30日
  • 虚談

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    題名から「虚」と書かれているので、嘘なんでしょうけど、1話目の最終行に「嘘」と書かれていてあっけにとられました。まんまと物語に嵌っていますが、その不安感を楽しめなかったです。

    嘘を主軸にした作品だと分かっていても、整合性のない不安定なお話を、楽しむ技量がなかったです。自分では思いつかない視点から繰り出される部分は、面白かったと言えなくもないですが、結局は自分で理解できる範疇のお話が好きなんだなと思いました。ま、そりゃそうか。私には、難しかったってことです。

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    2022年01月26日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    前作に引き続き、読書はいいなとしみじみ響くお話。死者は思い出の中、人の内で出会える。本も同様。読む人、思う人の内に現れる世界ってワクワクする。

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    2022年01月23日
  • 豆腐小僧その他

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    『豆腐小僧双六道中ふりだし』で登場した豆腐小僧が、「豆富小僧」として現代に出現した「小説豆富小僧」のほか、狂言や落語の作品が収録されています。

    豆富小僧は、世界の天候をコントロールする技術の開発を進める亜月博士を母にもつ少年・敦史が、神社の廃屋で「豆富小僧」という妖怪を思いえがいたことで、現代に出現します。『豆腐小僧双六道中ふりだし』と同様、達磨や三毛姐さんといった妖怪たちとのコミカルな駆け引きの横で、亜月博士の務める会社を乗っ取ろうとする金の亡者の犬上や、過激な自然保護団体の「フィールド・フォックス」の面々がドタバタ劇をくり広げます。『豆腐小僧双六道中ふりだし』の著者自身による、現代を舞台

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    2022年01月21日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    なかなか小難しい理屈をこねる。
    面白いと思う部分もあるが、私にはよく分からなかった。
    ご主人の話はためになるようでもあるが、果たしてなんのためになるのか。
    そもそもなんのために本を読むのかとも思う。
    よくわからんが、なんとか読み切った。

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    2022年01月21日
  • 巷説百物語

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    京極堂シリーズよりこっち、という声も聞こえる本シリーズ、第一作をやっと読めた。印象は天切り松シリーズ。で、個人的にはそちらに軍配。更には、個人的に京極堂シリーズも大好きって訳じゃないんだけど、筆者の作品の中では、そっちの方がまだ自分には合う感じ。自称・妖怪好きと思っていたのが、本作に入れ込めないとなると、何だか怪しく思えてくるけど、タイトルに妖怪を置くのであれば、もう少し怪異譚寄りの物語が良かった。以降の本シリーズ作品、読まないかもな~。

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    2022年01月12日
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中おやすみ

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    妖怪とはこう言うものなのだと妖怪側からの意見。それとと同時に人間同士の思惑のぶつかり合いの話が進んでいく。妖怪はいる!!ww

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    2021年12月10日
  • 虚談

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    短編の連作、という性質だからかもしれないが、好みの話とそうでない話が混在している印象。怪談として怖い話と怖くない話が混じった百物語を聞いているような感じのまま、読み終えてしまった。
    長編シリーズと違うところは、それぞれに繋がりがないから、もやもややしたままになったのかな。個人的には、長編の方が好きである。

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    2021年11月23日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1)

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    「魍魎の匣」ミュージカルを観た記念に。京極堂が古本屋になる前に高校の国語講師をしていた、という設定を元にしたスピンオフ漫画。コミカルな話が多く安心して読める。榎木津はじめ馴染みの面々の活躍も楽しい。ていうかこれって公認二次創作よねw

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    2021年11月21日
  • 塗仏の宴 宴の始末(3)【電子百鬼夜行】

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    長かった物語もようやく結末を迎えました。
    こんなに榎木津がたのもしく思えたことはなかったかもしれません。
    “下僕”として鳥口、青木、益田を従え、京極堂のために動きます。
    戸人村に隠された真実を求めて、関係者が集結します。

    結末はすっきりとするものではありませんでした。
    寧ろモヤモヤが残りました。
    彼らは、今後また何かの事件を起こしたりしないのでしょうか。

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    2021年10月24日
  • 塗仏の宴 宴の始末(1)【電子百鬼夜行】

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    登場人物が多すぎて覚えきれない(笑)。
    誰がどういう人だったのか、どういう影響があるのか。
    そして話がどう纏まっていくのか想像できません。

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    2021年10月24日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    この時代の女性ゆえの悩みを抱えた塔子の視点がもどかしいような気もしつつ、自分もほとんど何も考えずに諾々と暮らしているのではと思えてきた。
    京極先生が書く國男と言えば…なのに最初は名字に引っ張られて松岡譲かと思っていた。

    歴史の裏側で一冊の本により行く末が変わったのならば、と思えて面白い。
    しかしなかなか読み進まず。

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    2021年10月10日
  • 文庫版 オジいサン

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    『遠野物語remix』以来、2作目に読む京極作品。
    聞くところによると、彼の作品の中では珍しく、かなり温かい雰囲気の作品らしい。

    主人公は、益子徳一という、リタイアした男性。
    公団住宅に一人で暮らしている。

    この人物の、何でもないといえば何でもない日々が、本人のとりとめのない語りで描かれる。

    地デジとやらに変えねばならないとやってくる「田中電気」二代目とのやりとり。
    スーパーでうっかり試食してしまい、欲しくもないウィンナーを買うことに、自分で追い込まれていく過程。

    きっと、自分に余裕があったら、こういう徳一さんにおかしみを感じたりするのだろう。
    が、今は時期がいけなかった。
    忙しくて、

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    2021年10月10日