京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【2024年181冊目】
赤えいの幻、六部と舞首、生き続ける蛇、山男と移りゆく時代、光る青鷺、終わりの百物語。世に不思議なし、巷説百物語シリーズ第三段。
読むのに随分と時間がかかってしまいました。前作は「もしかしてここで終わるつもりでした?」みたいなお話でしたが、今作はその後の話です。どちらかというと読者側、巻き込まれ側の百介が語り手に変わり、四人の元武士たちが読者側という立ち位置に。
交錯する昔に起きた事件と、現在の事件を繋ぐ一白翁の回顧録というのが正しいかもしれません。ただ、小股潜り一向が好きな私としては伝聞ではなく臨場感あるその場その場の話として読みたい!と思うなどしました、だからな -
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ネタバレ幽談
京極先生のショートミステリーを期待したのですが、いずれの短編も存在の不確かさを主題とした不思議な話集でした。手首を拾う、ともだち、下の人、成人、逃げよう、十万年、知らないこと、こわいものの全8編の短編集です。ベッドの下に”いる”「下の人」や生きた手首を拾う「手首を拾う」など、奇想を元にしたものや、アイデンティティの崩壊の様子を淡々と綴った「知らないこと」や「ともだち」、禅問答を思わせる「こわいもの」などいろいろなアプローチで壊れてしまうことを追求しています。
一風変わった怖い話を味わいたい方にはお勧めしますが、京極堂や又市シリーズのような爽快感はありませんので、ご注意下さい。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
ネタバレ徳一さん(72)の一日密着レポート、みたいな小説。
私が今まで読んでいた老人が主役の小説とは全然違った。
私が今まで読んでた小説は「老人なのにアグレッシブすぎる!」と思うくらい色々展開が変わっていった目まぐるしい小説だったので「これがホントの姿だよなあ」とある意味新鮮だった。
地味に生きてるようで、意外に顔を覚えられてる徳一さん。
あと、レンジが家にないので驚いた。
一体徳一さんいつの生まれなの!?と思って地デジ終了の2011年から逆算してみたところ、戦前の生まれだった。そりゃ色々ついていけないよなあ。
時々ハッとするセリフを言ったりしてた徳一さん。
「鍛えているから衰えません」と豪語している