京極夏彦のレビュー一覧
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背伸びして岩波文庫の原書から読まなくて良かった。これが率直な感想です。
今月末に遠野に旅行しようと思いたち、実は通読したことがなかった遠野物語に手を伸ばしました。
昔話といえば、遠野。そのくらい有名と思っていましたが、あまり読んだことがある人は多くないようです。
実際読んでみると、あれ?聞いたことがあるなと言う話がいくつも登場します。座敷童子の話、死んだ妻があの世で別の旦那さんを見つけている話。
人の皮をかぶった山姥の話なんかは、私が好きなマンガ、「うしおととら」そのままです。
明治時代に書かれながらも、こうした異郷の物語、異形の話の根底になっているのですね。アメリカではクトゥルフ神話という -
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おもろいです。雨月とかの元ネタを知らないで読んだけど、大丈夫でした。怖いです。寝る前に読むとドキドキします。
最初(鬼交)がかなり抽象的でやべーこれが京極夏彦か、、、!無理かもてなったけど他のはストーリーがはっきりしてて読みやすい。
怖いけど全く理解ができない、のではなくちゃんと読み手に推測させる、そしてその手助けがある話ばかりで読んでて、わかる、かも、、、という実感を得られたので楽しかった。
初めて京極夏彦さんの読んだけどかなり好きだと感じたので他のも読もうかな。
鬼景が一番怖くて好き。鬼気がマジ無理リアルさが混じってて単にホラーというか嫌味な感じ。この話はもう読めない。
鬼はすぐそこに -
Posted by ブクログ
ネタバレ東海道四谷怪談を京極夏彦が京極夏彦の文体で語ってくれる本だと思っていたら、設定を一部借りただけで全然違う話だった。
人間を書ける京極夏彦らしい、人間模様が交錯して成立するストーリーが、あくまでもシリアスに展開する。
ほんとに些細な登場人物まで、悉く人間がよく書けてる。
簡潔かつ的確で品位ある美しい文体も、時代物にぴったり。
んで、すごく読みやすくてスルスル読むうちに話はいつの間にか過去の回想シーンになってたりまた戻ってきたりで(京極夏彦のいつものやり口)、私はいつも時系列が混乱していまう。
ややこしくないことをややこしく見せられてる感はしなくもない。
他人のことを思いやることで余計にすれ違 -
Posted by ブクログ
・京極夏彦「今昔百鬼拾遺 月」(講 談社文庫)を 読んだ。これは分冊で 出てゐた鬼、河童、天狗を一冊にまとめたものである。その時点で「今昔百鬼拾遺」とついてゐたのだから、最初からまとめるつもりであつたのであらう。 私は河童を読んでゐなかつた。そこでまとめて読み返さうと思つて読んだ。三編読んで感じたのは敦子と美由紀の〈役割分担〉であつた。 初めは新鮮でも、 最後になるとさすがに鼻についてきたのであつた。
・鬼は辻斬り事件とその刀にまつはる物語である。敦子はその謎を解き明かすために様々な方面にいろいろと尋ねまはつてゐる。警察にも 行くのだが、その 刑事は謎を解かない。いや、正確には謎を解けないと言