京極夏彦のレビュー一覧
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ネタバレホラーではない。これは「恐怖」「怖い」についての物語。ストーリーは単純。視点人物である女性が、同棲しているパートナーを置いて、最近亡くなった(会ったこともない)曾祖母の住んでいた限界集落(と思しき)岡山の山村へ、相続関係の手続きの一環として赴くというだけ。章立てもなく(時間が飛ぶところはあるが)、視点人物の見聞きした物事、思考、他の登場人物との会話が延々と続き、特別事件や怪異は起こらないまま300頁以上進む。件の集落、別段因習もオカルトめいた秘密といった横溝正史的要素は何もなく、集落へ至る途中の心霊スポットとされる隧道も怪異とは全く関係ない。かといって退屈かというとそういうわけではなく、会話や
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現代怪談シリーズ。
幽霊ってそもそも何?という概念を考えさせられるストーリーばかりだった。
些細な常識が覆されるとゲシュタルト崩壊のようなキリがない恐怖に変換される。
実態を持たない、人の形とは限らない誰かの残留思念というか。でも人の形をしていることもあるし。
"ほん怖"というより"世にも奇妙な物語"のイメージが近い感じだった。『下の人』『知らないこと』が特に軽快に話が進んでいたようて飛び抜けて奇妙。え、そうなる?って。
雰囲気がなんだか読んだことあるような?と思い返したら教義『地獄の楽しみ方』でも言葉の解釈ひとつで見え方が変わるお話があったなあと。 -
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再読「巷説百物語シリーズ」通し読み第四弾。御行の又市が山岡百助と知り合う前の江戸を舞台とした物語集。大坂で下手を打ち林蔵と共に江戸へ流れてきた若き又市は、ゑんま屋から裏の仕事を請け負うようになる。人の命を取ることを極端に嫌う又市が智恵をふりしぼり、元締めの描いた図面をなんとか引き直し落とし所を探す。ここでは又市はまだ若い双六売り。ひとつひとつの仕事に関わりながら、本当にこの図面で良かったのか、もっといい絵図は描けなかったものかと自問自答する青臭さがよい。やがて恐るべき敵と対峙する中で、読者にはすでにお馴染みの面々と出会う。その出会いの描き方がファンにはたまらん。また本作で馴染みになった仲間との
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「このままではあんた、ニッポンはおかしくなりますよ」
実名小説、あまりみないので面白かった。スターシステムなども大好きなのでとても良い。
エンターテイメント小説として、実名がスパイスとなって、リアルとフィクションの狭間が出来上がっているのが良い。内容にもフィットしていて巧妙だと思う。
たまたま印刷博物館のイベントで京極氏の本を持っていくと名刺がもらえるイベントがあり(結局行けなかった)、持ち運びしやすい本を探していた所出会ったシリーズだが、丁度ゲゲゲの映画のブームが起こっていて、タイミングよく出会えた本だった。
水木御大のユニークな雰囲気も大変良かった。エンタメとして。京極堂シリーズのエノ -
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ネタバレ多様な視点多様な語りで闇に巣食う小悪党達の活躍を描いた前作から変わって、今回はずっと山岡百介視点からの語り。中にはこんなことはないやろ? と思えるような設定もあるが、悪の造形の仕方、その解明の仕方、解決の仕方、本当によくぞこんな風に物語を構築するものだと舌を巻く。さらに! 各話物語内容と登場人物の資料を作りながら読んでいると楽しい楽しい、そして良く分かる、京極さんの世界・物語構築力の凄さよ。前作『巷説百物語』の各話との有機的結合がなされているだけではなく、すでに、次次回作『前の巷説百物語』の内容にも筆が及んでいる。ひょっとしてシリーズ七作品全体の構想を立てた上で、一作一作書いている? と思いな
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ネタバレ京極御大のホラー本。
妖怪も事件性もない御大の作品を読んだのは意外と初かも。それなのに漂う不安と恐怖感。じんわりと気味が悪い雰囲気がいい味出してるね。
恐怖を感じるのに理由はいらない。というより、語られる理由はすべて後付けになってしまう……。この意見は正しく慧眼だなぁ。
主人公が感じる違和感も、村民が感じる恐怖感も、すべて理由がない。理由がないからこそ解決できずに恐ろしい(余談だけど、だからこそ人々はそれに名前を付けて妖怪のような形を持たせることで解決していたのだな。憑き物落としの構造だ)。
”猿”という、人に近いのに人の心を持っていない異物。言語化できない気味の悪さが、恐怖心につながり解 -
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あの京極夏彦が、人情噺を書いた!という感想です。
殊に最終話の「頓死肝虫」は、これは絶対人情噺ですよね。
舞台を貧乏長屋にしたのが、まずは秀逸。じっくり住人のことを整理してみたら、この人たち、結構な曲者ですよ。
でも、人物紹介的な扱いで、この一冊ではそれなりにあっさりとした雰囲気で噺は進みました。
なんといっても棠庵さんが強烈なので、他の登場人物、長屋の住人の印象が薄くなる傾向にありますが、棠庵さんをちょっと寄せて読んでみると、長屋の住人は皆、曲者揃いです。
藤介も魅力的なキャラクターですが、それ以上に父藤左衛門の意味ありげな笑顔が、チェシャ猫の顔のように、頭に張り付いて離れません。
こんない -
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ネタバレ目次
・活字(夏目漱石)
・複製(岡倉天心)
・蒐集(田中稲城)
・永世(牧野富太郎)
・黎明(金田一京助)
・誕生(甲野賢三の息子甲野昇)
今回は一冊の本を作るための活字から、商品としての本を販売するための流通にまで話が広がり、そして「本のそむりえ」たる弔堂が店を閉めるまで、の話。
活字ができたことにより、本は一気に大量生産が可能なものになった。
複製と模倣の違いを踏まえたうえで、複製(印刷技術のない頃は筆写)が昔の文献を今に伝えてきたのだった。
そして紙。
手漉きの和紙から大量生産が可能な洋紙への移行。
しかし紙とても永遠に残るものではないので、やはりここでも複写して残しておくことが大 -
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ネタバレ目次
・活字(夏目漱石)
・複製(岡倉天心)
・蒐集(田中稲城)
・永世(牧野富太郎)
・黎明(金田一京助)
・誕生(甲野賢三の息子甲野昇)
今回は一冊の本を作るための活字から、商品としての本を販売するための流通にまで話が広がり、そして「本のそむりえ」たる弔堂が店を閉めるまで、の話。
活字ができたことにより、本は一気に大量生産が可能なものになった。
複製と模倣の違いを踏まえたうえで、複製(印刷技術のない頃は筆写)が昔の文献を今に伝えてきたのだった。
そして紙。
手漉きの和紙から大量生産が可能な洋紙への移行。
しかし紙とても永遠に残るものではないので、やはりここでも複写して残しておくことが大 -
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ネタバレ目次
・活字(夏目漱石)
・複製(岡倉天心)
・蒐集(田中稲城)
・永世(牧野富太郎)
・黎明(金田一京助)
・誕生(甲野賢三の息子甲野昇)
今回は一冊の本を作るための活字から、商品としての本を販売するための流通にまで話が広がり、そして「本のそむりえ」たる弔堂が店を閉めるまで、の話。
活字ができたことにより、本は一気に大量生産が可能なものになった。
複製と模倣の違いを踏まえたうえで、複製(印刷技術のない頃は筆写)が昔の文献を今に伝えてきたのだった。
そして紙。
手漉きの和紙から大量生産が可能な洋紙への移行。
しかし紙とても永遠に残るものではないので、やはりここでも複写して残しておくことが大