京極夏彦のレビュー一覧
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巷説シリーズは前までしか読んだことなくて、了のためにはじめて読んだ。
大好き又市がメインじゃないし、スピンオフ的な感じなんだろなと勝手に思い込んでてなんとなーく読まずに過ごしてきたが…
なんでいままで読まなかった、私?!
もっと早く読みなさいよ!
と、セルフツッコミ入れたくなる面白さ…
やっぱり流石だよ京極先生……
まず、一番目の『桂男』で林蔵に堕ちた。
月夜に相手と対峙してるシーン好きすぎた。
台詞とか、畳み掛け方がツボ過ぎる。
切れ長吊目さんが三白眼になるのも自分の癖に刺さり過ぎ………
話としては『豆狸』が好き。
哀しいけど、でも最後のあの希望の光が見える終わり方、好きだあ。たまには -
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明治十年。文明開花の音がするも時代は変われど人は変われず。
北林藩の元藩士で貿易会社に勤める与次郎は、腐れ縁の仲間たちと一白翁と名乗る老人のもとを訪れるが。
明治と江戸、二つの時代をまたぐ事件の結末とは……。シリーズ3作目、第130回直木賞受賞作→
連作短編集。全二作と緩やかに繋がり、そして一つの時代が終わる。
もうね、なんも言えん。読み終わって一週間経つけど、いまだに最後のページを開くとなんも言えなくなる。
ただ、良かったなぁ、と。おそらくこれは、終わりの物語。一白翁の、そして「小豆洗い」から読んできた私たちの。→
前作「続巷説百物語」のラストがあまりに突然だったから。
又市や百介と一 -
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奇談怪談を集める山岡百介は旅の途中で知り合った小悪党、御行の又市たちの過去に触れていくが。シリーズ二作目
前作と時間軸が交差するお話が六篇。それぞれの人生が垣間見える。それぞれのお話はゆるくつながり最終話で……うわぁぁぁん。・゚(´□`)゚・。→
いやもう、読んで?前作「巷説百物語」が面白かった全ての人に読んでほしい。最高。私この終わり方大好きすぎる。
前半は治平とおぎんの過去に関するお話、半ばからは「北林藩」に関するお話。キャラクターがたくさん出てくるからメモしながら読んだけど(京極作品あるある)繋がるんだよ、全部。→
京極夏彦氏の脳内どーなってんの?(褒めてる)マジでヤバい(褒めまくっ -
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奇談怪談を蒐集するために諸国を旅する戯作者志望の青年山岡百助は、雨宿りに寄った越後の山奥で不思議な者たちと出会う。
妖怪時代小説連作短編集、七篇収録。
とりあえず「小豆洗い」から読んでくれ。話はそれからだッ!……ってレベルでなんも話せなぬ→
小豆洗い読んで、膝を打ったよね。そういうことかぁ!って(笑)
続く「白蔵主」「舞首」はライトな読み心地で楽しく読んで……「芝右衛門狸」でかなり読み心地が変わり、そこからの「塩の長司」「柳女」「帷子辻」と京極テイストがアップする。いやもう、最高デス。シリーズ一巻だからか→
すごく読みやすい。「姑獲鳥の夏」は長編で読みづらいんだよなぁっていう京極ビギナー -
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「小豆洗い」・「白蔵主」・「舞首」・「芝右衛門狸」・「塩の長司」・「柳女」・「帷子辻」を収録。アニメ版もよかったが、こちらのほうが生きた人間の暗部が表れているように感じた。
晴らすに晴らせぬ恨み、闇に葬られる手前の事件の解決を金で請け負う小股潜りの又市をはじめとした小悪党一味。鮮やかな手練手管を以て逃れ潜む咎人を見出し、捕らえ、罪を暴く彼らの“仕掛け”は毎回見事。「小豆洗い」では偶然の参加者の一人に過ぎなかった山岡百介が、「白蔵主」以降は一味の協力者--彼が関係先に現れ、事情に因む怪異譚を語ることで“仕掛け”に真実味が加わる--として活躍する姿が頼もしい。又市と山猫廻しのおぎん・事触れの治 -
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ネタバレ『死ねばいいのに』
舞台を見に行くため、その前に再読。
この本がミステリだと紹介されるのがずっと不思議なんだけど、この本を「犯人は誰だ?」と考えながら読む人はいないんじゃないかな。
「死んだアサミがどんな人だったのか教えてくれ」と聞くところから始まるのに、いつの間にかアサミではなく聞かれた人物自身の醜い部分が引きずり出されていく。この会話の流れは巧みだなあ。気づいたら誰もアサミの話をしていない。
「醜いのは分かってるけど辛くて苦しくて逃げられなくてどうしようもないんだどうしろっていうんだ」と訴える彼らは、「死ねばいいのに」と言われたところで死にはしない。
しかし誰よりも不幸だったのに「ヘ