京極夏彦のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
格好良いぞ土方歳三
格好良い土方歳三が読みたくないかい?
それがまさに本書!個人的に大好きな京極夏彦と個人的に大好きな新選組。
作品が発表されてから絶対読もうと思ってた作品でしたが、京極夏彦作品特有のハードカバーの分厚さに文庫化まで待とうと決めていたものの、なかなか発売されずにそれならば電子書籍で読もうと思い切って購入しました。
姉と共に見た、女が侍に斬り殺された光景を鮮明に記憶した幼い頃の歳三がヒトごろしとして生き抜いた物語が本書です。
人を殺しても罰せられない身分を得る為に新選組を組織し、殺したいと思った人物を必ず殺す歳三はヒトごろしという人外の存在なのに格好良い。
そして同じ人外なのに、こんなに気 -
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ネタバレ3ヵ月連続刊行の『今昔百鬼拾遺』シリーズの第2弾。前作の「鬼」に続いて、今回は「河童」だという。「鬼」と同様に、「河童」も日本人には馴染みがあり、ステレオタイプのイメージが出来上がっているが…。
序盤から、呉美由紀と級友たちの河童談義が延々と続くが、どうやら覗き魔が出没しているらしい。男が男の尻を覗くのだという。その理由は読み進めばわかるが、本題に入るまでが長いなおい。一応、河童談義にも意味はあったわけだが。
一方、中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田から相談を受けるのだが、益田の話がとにかく要領を得ない。キーワードは、「宝石泥棒」と「尻」?ん?「尻」でさっきの話と繋がったのか?千葉県 -
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ネタバレ加菜子と頼子のやつ、初読が中学生くらいだったのでほえ~ってなってたけど今読むと痛々しくて……自分の状況を忌んで現実の世界が価値のないものに思えるのは思春期あるあるだが、より切実に夢を見て、訳がわからなくなって……
冒頭の頼子視点はそういう思春期の傷つきやすさ、身勝手さ、切実さ、痛々しさを書いてるにも関わらず醜悪でなく、夜の散歩なんかは幻想的だとさえ感じさせるの、文章の力と私の思い入れ。
超能力者、霊能者、占い師、宗教者の下り、毎回読んで成る程と思うけどすぐに忘れる。
ラジオの喩えがかわいい。
自分の作品を排泄物だと卑下する無責任さに気付き狼狽し謝罪するまでをひとりでやるのとか、自分でもわか -
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巻頭から「あれ、読む順番まちがえたかな?」と泡を食ったけど、執筆順とシリーズ作品内の時間軸が異なっているのはサマーの常套手段だったっけ( ´ ▽ ` )ノ
おなじみ京極版必殺!( ´ ▽ ` )ノ
主な舞台が損料屋で妖怪がらみってと「つくも神貸します」(アニメ版の酷さは伝説級)とおなじだけど、雰囲気はまったく違うし、格も面白さもこっちのほうが断然上( ´ ▽ ` )ノ
一編一編すすむうちに、ラスボスの正体とその目的がだんだん明らかになっていく過程がサスペンスフル( ´ ▽ ` )ノ
従来タブーとされている穢多非人、さらにその枠にすら入らない野非人をフィーチャーしてるところが非常に -
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単行本は三分冊だったのが、文庫では合本でも出た。そうこなくっちゃ。
1960年代の映画『妖怪百物語』とか『妖怪大戦争』へのオマージュかと思われたが、それなら子役時代の神木隆之介くん主演の2005年の映画『妖怪大戦争』で、京極夏彦も企画にかんでいる(妖怪として登場もしている)のでもう済ませてあるはず。それではこれは何か。
「虚実」とあるように、実在の人物と創作の人物がないまぜに登場する。とはいえ、評者は特に妖怪ファンというわけでもないので、登場する妖怪系や怪談系のライターたちがどこまで実在なのかよくわからない。もちろん水木しげる「大先生」は知っている。舞台の重鎮を締める天皇陛下みたいな役回 -
購入済み
絵が良い
原作は既読なので結末は知ってます。原作では解りづらい仏教や悟りのお話とかも漫画だと解りやすい。
志水アキさんの絵は綺麗。京極堂シリーズ全部読んでます。
未読の方にはもちろんですが、原作好きな方、原作読んで?と思った方、忘れてしまった方も楽しめる漫画だと思います。 -
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まさに「耽読」というのが最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ
強迫神経症とか鬱病とか発達障害とか、心に問題を抱えたキャラクターたちの心理描写がじつにみごと( ´ ▽ ` )ノ
読んでるうち、自分も彼らと一緒に闇の奥へと飲み込まれていきそうになる( ´ ▽ ` )ノ
映画版の「シャイニング」みたいだね( ´ ▽ ` )ノ
このシリーズ、どれもそうだけど、よくもまあ元の怪談をここまで窯変できるもんだと呆然( ´ ▽ ` )ノ
よくいわれるとおり、サマーこそ現代の戯作者だね( ´ ▽ ` )ノ
つぎはどんな怪談を語り直すんだろう?( ´ ▽ ` )ノ
牡丹燈籠? 猫又? 雪女? 玉藻前 -
Posted by ブクログ
有名なお岩さんのお話。
京極さんのアレンジでは、お岩さんも伊右衛門さんも、とても良い人たちでした。
そして、お岩さんも伊右衛門さんも良い人だったからこそ生きにくい人生を送り、周囲は人間の愚かさや汚さをしっかり行動に起こす輩ばかりで、大変だったね…って感じでした。
この2人が、素直に自分の弱さを好きな人には打ち明けられるタイプだったら良かったのにな。
片方だけでも好きな人には素直に甘えられるタイプだったら、こんな悲劇にはならなかっただろうと思いました。
人間って難しいね。
弱い人ほど「弱いんだから仕方ないじゃんっ!」って開き直るしさ。
ぴったりとこの分量で、誰もが知っているこの物語を京極