京極夏彦のレビュー一覧

  • 前巷説百物語

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    やることなすこと青臭く、仕掛けも稚い若き日の又市が、いかに御行になりにしか。悩み多き又市を中心に、様々な人々が巻き込まれ、妖怪たちが事件に意味を与える。

    我々の世代では江戸社会の構造を「士農工商」と習い、今の子供たちは「武士-百姓/町人」の二層構造で習っているそうだが、この本はその構造の外側の人びと、更には「外側の人びと」という枠にも入れない人びとにスポットを当てた物語。調べれば調べるほど、江戸東京の文化・芸能において被差別民が担った役割は大きい。

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    2020年01月28日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    再読。私が百鬼夜行シリーズの中でも一番に好きな作品がこの「魍魎の匣」である。上・中・下と分冊されている本作だが上・下では複数の事件が絡みに絡みどう収拾するのかと最初に読んだ時は思っていたわけだがそれは下で見事に納まり全ての事件に幕が下ろされる、各々に傷を残しながら。その幕の下ろし方が私はとても好きでたまらない。この事件で最終的に幸せを掴んだ者は雨宮ただ一人だったのだろうが、彼のいった彼岸が私はとても気になって仕方がないがそれも魍魎のせいなのだろうか。

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    2020年01月18日
  • 嗤う伊右衛門

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    伊右衛門とお岩の悲恋を中心に、様々な登場人物の心情や秘密が交錯する。
    ホラーというにはあまりに論理的だが、ミステリーというにはあまりに幻想的。
    江戸下町文化の奥深さにも気付かせてくれたし、実りのある読書だった。

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    2019年12月29日
  • ヒトごろし

    ネタバレ 購入済み

    格好良いぞ土方歳三

    格好良い土方歳三が読みたくないかい?
    それがまさに本書!個人的に大好きな京極夏彦と個人的に大好きな新選組。
    作品が発表されてから絶対読もうと思ってた作品でしたが、京極夏彦作品特有のハードカバーの分厚さに文庫化まで待とうと決めていたものの、なかなか発売されずにそれならば電子書籍で読もうと思い切って購入しました。
    姉と共に見た、女が侍に斬り殺された光景を鮮明に記憶した幼い頃の歳三がヒトごろしとして生き抜いた物語が本書です。
    人を殺しても罰せられない身分を得る為に新選組を組織し、殺したいと思った人物を必ず殺す歳三はヒトごろしという人外の存在なのに格好良い。
    そして同じ人外なのに、こんなに気

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    2019年11月06日
  • 百鬼解読

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    妖怪とは何か? いかにその名と姿を与えられ、今に伝えられてきたのか? 姑獲鳥(うぶめ)、魍魎(もうりょう)、火車(かしゃ)、絡新婦(じょうろうぐも)、ひょうすべ……京極夏彦の「妖怪シリーズ」に登場する妖しきものどもを網羅、解読し、学問的に位置づけた驚異のガイドブック。

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    2019年09月01日
  • 鉄鼠の檻(2)【電子百鬼夜行】

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    禅における悟り=自我の確立?

    自在な精神のためにまずは全てを否定する。
    禅の観点に立つと、芸術は作者の絶対的主観の表出に過ぎない。

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    2019年07月19日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    ネタバレ

     3ヵ月連続刊行の『今昔百鬼拾遺』シリーズの第2弾。前作の「鬼」に続いて、今回は「河童」だという。「鬼」と同様に、「河童」も日本人には馴染みがあり、ステレオタイプのイメージが出来上がっているが…。

     序盤から、呉美由紀と級友たちの河童談義が延々と続くが、どうやら覗き魔が出没しているらしい。男が男の尻を覗くのだという。その理由は読み進めばわかるが、本題に入るまでが長いなおい。一応、河童談義にも意味はあったわけだが。

     一方、中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田から相談を受けるのだが、益田の話がとにかく要領を得ない。キーワードは、「宝石泥棒」と「尻」?ん?「尻」でさっきの話と繋がったのか?千葉県

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    2023年09月27日
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    加菜子と頼子のやつ、初読が中学生くらいだったのでほえ~ってなってたけど今読むと痛々しくて……自分の状況を忌んで現実の世界が価値のないものに思えるのは思春期あるあるだが、より切実に夢を見て、訳がわからなくなって……
    冒頭の頼子視点はそういう思春期の傷つきやすさ、身勝手さ、切実さ、痛々しさを書いてるにも関わらず醜悪でなく、夜の散歩なんかは幻想的だとさえ感じさせるの、文章の力と私の思い入れ。

    超能力者、霊能者、占い師、宗教者の下り、毎回読んで成る程と思うけどすぐに忘れる。
    ラジオの喩えがかわいい。

    自分の作品を排泄物だと卑下する無責任さに気付き狼狽し謝罪するまでをひとりでやるのとか、自分でもわか

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    2019年06月17日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    今回も面白かったです。
    とにかくとっちらかった情報?を少しずつまとめていく、
    その道筋が面白かった。

    テーブルの上に物が散乱している感じで始まるので、最初は何がなんだか分からないのですが、徐々に形が見えてくるともうのめり込みます。
    多々良先生とても面白い人でした。
    次は天狗ですね。来月が楽しみです。

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    2021年11月04日
  • 前巷説百物語

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     巻頭から「あれ、読む順番まちがえたかな?」と泡を食ったけど、執筆順とシリーズ作品内の時間軸が異なっているのはサマーの常套手段だったっけ( ´ ▽ ` )ノ

     おなじみ京極版必殺!( ´ ▽ ` )ノ
     主な舞台が損料屋で妖怪がらみってと「つくも神貸します」(アニメ版の酷さは伝説級)とおなじだけど、雰囲気はまったく違うし、格も面白さもこっちのほうが断然上( ´ ▽ ` )ノ
     一編一編すすむうちに、ラスボスの正体とその目的がだんだん明らかになっていく過程がサスペンスフル( ´ ▽ ` )ノ

     従来タブーとされている穢多非人、さらにその枠にすら入らない野非人をフィーチャーしてるところが非常に

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    2019年05月09日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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     単行本は三分冊だったのが、文庫では合本でも出た。そうこなくっちゃ。
     1960年代の映画『妖怪百物語』とか『妖怪大戦争』へのオマージュかと思われたが、それなら子役時代の神木隆之介くん主演の2005年の映画『妖怪大戦争』で、京極夏彦も企画にかんでいる(妖怪として登場もしている)のでもう済ませてあるはず。それではこれは何か。
     「虚実」とあるように、実在の人物と創作の人物がないまぜに登場する。とはいえ、評者は特に妖怪ファンというわけでもないので、登場する妖怪系や怪談系のライターたちがどこまで実在なのかよくわからない。もちろん水木しげる「大先生」は知っている。舞台の重鎮を締める天皇陛下みたいな役回

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    2019年05月05日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    今昔百鬼拾遺の第1弾。
    初京極夏彦です。
    面白かった~。とても難しい漢字がたくさんありました。
    これはこの小説のためにそうされているのか、他の作品でもそうなのかはわかりませんが。
    最初はいったいどうなっていくのか、どこへ連れていかれるのか、まったくわかりませんでした。
    でもどんどん謎が解けていくのがとても面白かったです。

    来月第2弾の河童が出ます。それももちろん読みます!

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    2021年11月04日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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    厚みが5センチほどもある、文庫とはおもえない重さであった。足の指に落としたら、ぜったいに痛いだろうとおもう。単行本でシリーズ3冊を既読。おお笑いしながら読んだ。それが幸せな体験となってわたしのなかにあったためか、場所を取るんだよなあとおもいつつも欲しくなって購入した。読み終えてみれば水木しげる大先生への愛に満ちた作品で、水木先生の妖怪マインドに少しだけ触れられた気がした。そして京極作品で感じる懐の深さの正体にもちょっと近付けたかもしれない。あるがまま生きるひとへの肯定。だから読む。どんなに長くても(笑)。

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    2019年04月22日
  • 鉄鼠の檻(1)

    購入済み

    読みやすい

    キャラの容貌もわかりやすくて魅力的だし、テンポも悪くない。
    原作ファンにも未読の人にも楽しめる内容だと思う。

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    2019年03月08日
  • 虚実妖怪百物語 急

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    いやー、単純な感想ではあるけれどおもしろかった!!
    京極作品では、あまりない事なんどけど電車の中で不覚にも吹き出してしまうという・・・。
    でも、妖怪に隠された社会人風刺には考えなければいけないことがたくさんあります。

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    2019年01月26日
  • 後巷説百物語

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    あれから◯年後・・・


    時代を感じられるのが面白いです。文明開化の後の、武士の時代から明治へ、妖怪が当たり前にいそうな江戸時代の終焉。

    懐かしい人、懐かしい名前。
    若者たちがわいのわいのと騒ぐのを丸く収めるあの人の懐かしい感じがいい。

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    2019年01月19日
  • 虚実妖怪百物語 序

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    後半になって、物語が一気にに加速する。ちょっとそんな物語の世界に身を置いてみたいと思ってしまう。
    また、実名で出てくる人物像・社名が多いのでとてもリアリティーがあり、ああ、まさに「虚実」と思わされます。

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    2019年01月09日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    これまでの伏線を怒涛のように回収していく最終巻。
    理論武装でグイグイ追い込み突き詰めていく京極堂の「憑き物落し」は圧巻。ダークで妖しげ、奇抜でありながらもスタイリッシュな雰囲気。ぶっ飛んでる個性が際立つ登場人物、長大なのに飽きさせない構成力と力強さ。京極夏彦にしか描けない世界観なのだろう。
    疲れるし難しい、しかしそれ以上に面白い、読む手が止まらない。
    ミステリーとしてはもちろんだがエンタメ小説としても超一級品。

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    2018年12月30日
  • 鉄鼠の檻(4)

    購入済み

    絵が良い

    原作は既読なので結末は知ってます。原作では解りづらい仏教や悟りのお話とかも漫画だと解りやすい。
    志水アキさんの絵は綺麗。京極堂シリーズ全部読んでます。
    未読の方にはもちろんですが、原作好きな方、原作読んで?と思った方、忘れてしまった方も楽しめる漫画だと思います。

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    2018年11月08日
  • 数えずの井戸

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     まさに「耽読」というのが最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ
     強迫神経症とか鬱病とか発達障害とか、心に問題を抱えたキャラクターたちの心理描写がじつにみごと( ´ ▽ ` )ノ
     読んでるうち、自分も彼らと一緒に闇の奥へと飲み込まれていきそうになる( ´ ▽ ` )ノ
     映画版の「シャイニング」みたいだね( ´ ▽ ` )ノ

     このシリーズ、どれもそうだけど、よくもまあ元の怪談をここまで窯変できるもんだと呆然( ´ ▽ ` )ノ
     よくいわれるとおり、サマーこそ現代の戯作者だね( ´ ▽ ` )ノ

     つぎはどんな怪談を語り直すんだろう?( ´ ▽ ` )ノ
     牡丹燈籠? 猫又? 雪女? 玉藻前

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    2018年08月08日