京極夏彦のレビュー一覧

  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし

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    講演集。京極さんの妖怪話は面白いねえ。でもこれは普段小説で書かれていることと同じなんですね。出力法が違うだけ。実にぶれない。
    妖怪とはなにか。日本語の特性は妖怪に通じる。おばけとは幽霊とは怖いとは信仰とは。面白いねえ。

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    2022年12月15日
  • 死ねばいいのに

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    ・読んでくうちに、アサミがどういう人だったのか気になって仕方なくなって、ページを捲る手がとまらなかった。アサミが幸せと言った言葉をケンヤは信じたけど、本当に幸せだったかは分からないし、幸せだと自分で思ってても幸せじゃないこともあるしその逆もあるし、幸せってむずいなと思った。

    ・周囲の状況の描写がなく、(ミステリーってそういうものなのかな、久々に触れたから分かんないけど)淡々と会話が進んでいくから読みやすかった。

    ・決めゼリフがいつ出てくるのかそわそわしながら読んでた。ケンヤ、おれ馬鹿だからっていうくせにめちゃくちゃ論破してて途中から面白かったしカウンセラーになった方がいいよ。魅力的なキャラ

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    2022年11月06日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(6)

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    あ~楽しかった!(*^▽^*)長編をドキドキしながら読むのも良いけれど、いろんな話をちょこちょこ読めるのも良いね~♪榎さんの登場をいつも期待しているけれど、毎回期待以上の働きをしてくれる( *´艸`)

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    2022年10月18日
  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし

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    小説はすべて誤読です。(29ページ)
    ネットの海で唯一神的な解釈の暴力をふりかざす人間に出会ったら、この言葉を思い出そうと思う。
    書楼弔堂でもこの辺りに言及したシーンがあったように思うけれど、京極夏彦にこう端的に言われると安心する。土井善晴の「一汁一菜でよいという提案」に出会ったときと同種の。権威に弱いので。

    死の対義語が誕生ではなく生である文化が多い
    →定規が生、定規の端が死であるとしたら、その先に見えない定規をくっつけてしまっているようだ
    語彙は解像度である

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    2022年09月23日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1)

    購入済み

    京極堂スピンオフ

    正直期待せずに読み始めたらおもしろくて全配信分購入して読んでしまった
    時代背景、おせっかい、謎解き、絶妙なテンポで進んでいくので笑ってドキドキして読めた

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    2022年09月29日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    『世に無駄はない、世を無駄にする者がいるだけだ』

    大切なことを見つけるor見出すのは、本人だけでは難しかったりするもので。
    懐の深い人間になりたいものです。

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    2022年08月21日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の下巻。

    「加奈子殺人未遂事件」、「加奈子失踪事件」、「連続バラバラ事件」―――同時進行で発生する不可解な事件たち。そして防ぐことの出来なかった新たな犠牲。「京極堂」こと中禅寺朗彦は、これ以上の犠牲者を出すことを阻止するため、事件の幕引きをするため、"魍魎"に惑わされた人々の心に憑いたモノをふるい落とすため、その腰を上げる―――。

    ついに明かされるおぞましい事件の全貌。"魍魎"に惑わされた人々の、偶然の繋がりによって引き起こされた一連の事件。それは、「偶偶そう云う状況が訪れて」しまった悲劇―――前作に引

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    2022年08月07日
  • 眩談

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    この怖い表紙の本を電車で読んでたのはテロだったかもしれない。
    でもね。この本、見返しの方が怖いんですよ。夜中にふと開いてギョッとしました。

    「もくちゃん」あたりから、この不条理で、不愉快で、気味が悪いのにどこか懐かしいような世界の虜になってしまった。
    少しの違和感が怪異になり、どんどん増殖していって、最後には酷く粘性のある湯にどっぷり浸かったように、登場人物が異常な世界で身動きが出来なくなっているこの感じ、クセになる。

    それにしても厭な怪のこのディティールの細かさよ。
    中庭の池にたまに湧くぺらっぺらな「半紙を人の型に切り抜いたようなもの」や、誰もいないのに鏡の中に映る「くねくねと蠢」く中年

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    2022年07月15日
  • 旧談

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    耳嚢から取った奇談の現代語訳というかなんというか。
    京極夏彦さんらしく切り取って補完した怪談?集というべきものかな。
    今どきの怪談より、不思議や不条理に原因も何も求めていない。そのあたり、余韻が残って良い。
    歯切れ良く語られるお話の1つ1つが、とても不思議で面白い。原文も掲載されている。
    江戸時代の不思議話、ちょっと怖くて、とても面白い。

    今このときに旧にエアコンが内部清掃なんか始めるから、いつもよりビビった。

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    2022年07月13日
  • 陰摩羅鬼の瑕(3)【電子百鬼夜行】

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    文句なしの満点。
    この作品も再読だったがあまり記憶になく、改めて楽しめた。
    今までは、この百鬼夜行シリーズの中では鉄鼠の檻が一番好きだったが大人になり改めて理解した今、この陰摩羅鬼の瑕がとても心をつかむ作品だということに気付かされる。

    社会性を身につけることは、社会で生きていれば当たり前で京極堂の言うとおりに意識することなど皆無だが、閉ざされた世界で生きる人にとっては当たり前ではないことに周りも気がつけない。これが今回の最もな悲劇となるわけだが最後の、京極堂の憑き物落としのなかで発せられた「間違っているのではなく、違っているのです」
    この言葉がとても優しく、更に真実を的確に伝える言葉で涙が止

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    2022年06月25日
  • 陰摩羅鬼の瑕(2)【電子百鬼夜行】

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    百鬼夜行シリーズの中でも関口の活躍がかなりフューチャーされているように感じる。きちんと言葉になっている発言も多く会話になっていることになんだかワクワクしてしまいます。こんな風に書くと喋れない人なのと改めて考えてしまうが、彼の場合心の声の方が馴染み深いのかもしれない。
    終盤、ゆっくりと事件が動き出し関口と榎木津の絡みが何だかんだ文句を言いながらも信頼しあっている雰囲気が良い。思わせぶりな中巻の最後に次巻への期待も大きい。

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    2022年06月17日
  • 虚談

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    面白かった。内容は然る事乍ら、語りが面白かった。地の文の語りも、会話文も自然と頭に入ってくる。どことなくワクワク感があると同時に、クスリと笑えるような面白さがあった。話を読み終わる度にタイトルが頭に浮かんできた。嘘と真実との境界が曖昧になり、本当に現実と価値観が揺らいだ。

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    2022年06月06日
  • 西巷説百物語

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    よくぞこんなお話しを思いつき、よくぞこういう構成を仕立て、よくぞこんなふううに語ったものだ。やっぱ京極はすごい。今回も酔わせてもらった。

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    2022年05月20日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(5)

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    御神籤と暗号と13階段、これくらいの恐怖が私にはちょうど良い(^^)秘密の部屋は秘密のままに、心霊探偵の活躍を期待する(ノ゚∀゚)ノ♪

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    2022年05月03日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1)

    購入済み

    推理好きは好きになる

    時代背景が戦後の日本という事以外、起こる現象は今と同じ。だから読んでいて飽きない。謎の多い中禅寺と世話好きの栞奈、2人の空気感も面白くて新鮮。

    #シュール #ほのぼの #ドキドキハラハラ

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    2022年04月16日
  • 虚談

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    「嘘でした」と急に言われても、一体どこから嘘なのか、わからなくなるときがある。この本は、そんな嘘の範囲の曖昧さを巧妙に描いた、短編集である。

    あまりに嘘が多過ぎてしまうと、いったい全体この本の内容は、読む価値があるのかしら、と思ってしまうが、そこで読む手を止めることなく進んでいただきたい。

    嘘である、前提をもとに、ではどこからどこまでは本当の話なのか、と考えながら読むことをお勧めする。

    とはいえ、この作品はフィクションだから、全て嘘といえば嘘なのだが…。

    京極夏彦氏の本を初めて読んだが、なかなかに難しい表現があって面白い。日本語の表現力の可能性を再び、三度感じさせる。

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    2022年04月10日
  • 文庫版 厭な小説

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    厭だ
    から始める厭な短編集。狂っているのは自分なのか世界なのか…。
    どれも厭な気持ちになるけど、特に厭な先祖と厭な彼女が気味悪かった。

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    2022年03月27日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    こうして書いている「言葉」に気を遣い、全ては伝えられないことを認識すること。
    元々が若者向けの講演をまとめた本なので、若い人たちにはオススメしたいし、歳をとった人たちも読んで、「言葉」について考えてみると良いと思った。

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    2022年03月27日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    初めて読んだ京極夏彦先生の作品。
    表紙の「弔堂」はドールハウス⁉︎ 凄い。

    六話収録。

    この物語は’奇’ではあるが’怪’ではない。

    明治二十年代の東京。「燈台みたいな変梃な」(p21)書舗を訪れる種々の客たち。
    この客たちというのが普通の客ではないのだが、その正体は各話とも初めは伏せられており、その正体が明かされるまでのワクワク感が堪らない。
    また、真名が伏せられている間の会話等に所々ヒントとなるような情報が散りばめられており、客が誰かを推理することも決して不可能ではない…というよりも詳しい人ならばすぐにピンと来るのかもしれないが。

    どの話も好きだが、〈探書肆 贖罪〉が特に良い。「鯨を

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    2022年03月21日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    3階みっしり本で埋め尽くされてる空間はさぞかし圧巻だろう。是非とも訪れてみたい、心が踊る

    しかしそこは本という墓を取り扱う墓場という
    その本を必要とする人に売る(逢わせる)を弔うという
    考えたこともなかった
    そこは本の再生とか甦るとかではないのか
    その本が誰かにとって生涯の1冊であっても、人生を変える1冊であっても、生きていく力をくれても、墓は墓のまま、現れるのは過去の、知識の幽霊。
    だから弔いになるのか
    こんな考え方もあるのか

    舞台となった明治は激動の時代だ。文学、宗教、身分、国と身の回りのあらゆることが変化した
    流れをつくる者、流れに乗る者、流れに逆らう者、流される者、たくさんの生き方

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    2022年02月08日