京極夏彦のレビュー一覧

  • 続巷説百物語

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    一つ一つ短編として楽しめるが、読んでいると気づく、話のつながり。小右衛門の落とし前である老人火で、百介と小右衛門が初めて相対。否、初めて相対したのは死神或いは七人みさきであるか。ここで、又市たちと百介との生き方が別れてしまった様な…。まだ続編があったと思うので、購入して読みたい。

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    2021年05月09日
  • 巷説百物語

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    ハードカバーからの再読。以前ハードカバーで読んだときは初の京極夏彦で、旧字体や京極夏彦独特の文体に、読むのに時間を要したが、再読までの間の時間に、いくつか京極さんの本を読んだおかげか、比較的すらすら読むことができた。妖怪話をもとに、人間の住まう『現実』を明らかにする、御行又市とその仲間たちご一行の活躍には目を見張るものがある。そしてこの作品を読んで一言。「やはり一番怖ろしいものは人間である」。

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    2021年05月08日
  • 豆腐小僧その他

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    豆腐小僧双六道中とはまた違い、現代にわいた豆富小僧といくらか現代風になった他の妖怪たちとのやり取りが面白い。ラストは相変わらず邪魅に飲まれずにいた豆富小僧が事態をおさめるという、豆腐小僧と同じだったが、また雰囲気が違って良い。白蔵主が豆腐小僧では年寄り狐だったが、こちらではかなり若狐になっていて喋り方も現代風になっていたのが印象的。また狂言、落語が収録されていたが凄く面白かったから、実際に見てみたいと思った。

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    2021年05月08日
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし

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    文庫版が出たのと映画化したのに向けて、再読。これで読んだのは二度目になり、結末も分かっているのだがやはり面白かった。語り口調と、妖怪化け物についての蘊蓄のような説明が丁寧なのが良かった。豆腐小僧と達磨先生の禅問答のような掛け合いは面白くて好き。物も二つとして覚えられない豆腐小僧が、最後に頭を働かせて最後の混乱をおさめたのは感動した。相変わらず京極ワールドは素晴らしい。

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    2021年05月08日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    ネタバレ

     京極堂シリーズ、中禅寺敦子と呉美由紀の冒険、第2段です。なんと今回は多々良先生も加わります。お久しぶりで相変わらずの人の話を聞かない感じ、好きですね。
     今回のシリーズは3大妖怪とよばれる鬼、河童、天狗が題材なので、妖怪のうんちくが面白いです。わからないことも多いですが、面白いです笑
     この厚さのページ数では河童の一部しか書かれていないのだと思いますが、多々良先生のおかげで京極さんがいるような蘊蓄が聞けて面白かったです。ただし、京極さんの語りより読みにくいのですが、多々良先生の語りは・・・

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    2021年04月12日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

     大好きな京極堂シリーズの作品が出ていることを知らず、本屋で偶然見つけた時は嬉しくてニヤニヤが止まりませんでした。
     講談社、角川、新潮、3つの出版社から出す3部作の1作目です。今回は中禅寺敦子とみんなが大好き?呉美由紀ちゃんのが巻き込まれ、解決していく。
     京極堂シリーズの女の人って怖い人が多いですよね。。
     娘が罪を犯してしまい、それを止めるために殺してしまう母親。誰も報われないですね。それ以外にも道はあったのにと思ってしまいますが、自分がその立場だったら、ギリギリまでなんとかなるのじゃないか、ここで犯行をやめさせれ隠せるのではないか、家族だったらそんな他人から見たら愚かだと言われる選択を

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    2021年04月12日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    持つ手が疲れるほどの分厚さに怯んで京極さん未体験の方にも、この程度の厚さならお試しいただけるのではないでしょうか。百鬼夜行シリーズではありますが、1冊も読んだことがなくても大丈夫。

    舞台は昭和29年。日本刀で人をバッサリ斬るという通り魔事件が発生。最初の被害者は怪我で済んだのに、犯人はどんどん腕を磨き、腕をもがれた人の次は皆絶命。

    京極作品の雰囲気を知るにはもってこい。そんな時代のことは知るわけもないのに、なぜか懐かしい気分にさせられます。単行本も文庫本も必ず見開きに文字を収める凝り様も一緒に楽しんでほしい。

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    2021年04月07日
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし

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    豆腐小僧を主人公とする面白おかしい話の中に、妖怪論が現れてくるという不思議な本。話としては割と馬鹿馬鹿しい類なのだが結構笑える。妖怪初心者にもわかりやすく、様々な妖怪について説明してくれる。京極流妖怪理論(?)を理解するには一番適した本かもしれない。ラストにかけての盛り上がりなど、『虚実妖怪百物語』にも近い部分があるとも思った。とても面白く、非常にオススメできる。次巻も読まねば。

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    2021年04月04日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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    京極夏彦史上最長だという大長編。やはりこれは紙で、それも合本版で読まないとダメでしょう。あまり妖怪も知らないし、実名小説なのに知っている名前が少なかったけれど、十分楽しめた。基本的にはお馬鹿な話なのでなかなか笑える。作中の小ネタがわかる人なら余計面白いのかも(これだけ膨大なネタがあればいくつかは引っかかるだろうが)。ラスト付近のまさに妖怪大戦争な部分の盛り上がりは最高。著者インタビューがネット上に2本掲載されているのでこちらも必読。映画の妖怪大戦争の方も観てみたくなった。

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    2021年04月04日
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(3)

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    おどろおどろしているものの、事件はサクッと解決するのでスッキリ(^^)そして神隠しではあっちゃんと千鶴子さんも登場!(゜▽゜*)次回予告で榎さんのお兄様も登場するらしい♪

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    2021年04月03日
  • 数えずの井戸

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    番町皿屋敷とも呼ばれる、青山家の家宝を巡る愛憎劇。
    皿の表と裏、底知れぬ昏き井戸、満たされずに欠けている人々。
    真相は井戸の底。

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    2021年03月16日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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    内輪ネタ、大いに結構!
    大好きな平山夢明先生と京極先生の掛け合いが、まさか京極先生本人の作品で読めるとは……w
    全体的なノリが最高に軽妙。

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    2021年03月13日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    ネタバレ

    歴史上の人物が、本当にこんな人間だったのではないか、と思ってしまうくらいのキャラクターへの丁寧な肉付け。
    読後に歴史を洗っていると、私が作中で出会った人間たちが歴史の中にいて、今の日本を作ってきたのだと、不思議な感覚に陥る。
    登場人物への理解と人間描写の巧さ、圧倒的知識をもつ京極夏彦の素晴らしさ。

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    2021年02月25日
  • 巷説百物語

    購入済み

    巷説百物語

    懐かしいなーと思って読み直したくなりました😀
    又市の名言がかっこよすぎる👍🏻

    軽快に読めるのに内容は深い、心理描写が秀逸です!

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    2021年02月25日
  • 続巷説百物語

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    ネタバレ

    再読。6~7年ぶり?

    忘れてしまっていた部分も多々あれども、しっかり覚えていてちゃんと「再感動」させられた部分も多数♪

    シリーズは全5作中4冊までは既読。
    再読の2作目。

    本編(?)はここで完結し・・この後「前巷説…」(前日譚)「後巷説…」(後日譚)と続いたはず。

    ※「西巷説…」は、別主人公のサイドストーリーという位置付けだったかと思っていたのだけど、

    今回の再読をしてみたら、

    百介が又市に束の間の再開をするまでの6年間の空白が気になった。

    江戸城に巣食う大ネズミ退治・・
    事触れの治平が命を落としたという東西の抗争・・

    もしかして、これらのエピソードが「西巷説…」で語られてるの

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    2021年02月22日
  • 文庫版 オジいサン

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    一人暮らしのちょっぴり偏屈なオジいサンの日常をここまでおもしろく描けるのはすごいと思った。

    緩やかな日常生活が細やかに描かれていく中で、オジいサン自身の感情、亡くなった人、生きている人への感情の表現が細やかで、読み飽きないどころか最後はほんのり温かい気持ちになる。

    ウインナーと格闘するくだりも大好き。

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    2021年02月07日
  • 前巷説百物語

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    ネタバレ

    目次
    ・寝肥(ねぶとり)
    ・周防大蟆(すおうのおおがま)
    ・二口女(ふたくちおんな)
    ・かみなり
    ・山地乳(やまちち)
    ・旧鼠(きゅうそ)

    又市がまだ願人坊主になる前の、双六売りだったころの若い頃の事件いろいろ。
    飄々とした又市ではなく、青臭くて理想の前で右往左往したあげく、自分の至らなさに打ちのめされる又市。
    ああ、だけど。
    青臭い又市、嫌いじゃない。

    妖怪の仕業としか思えない怪事件を、人の所業と断じるのが京極堂なら、人と人とのやり取りなら収拾がつかなくなるところを、妖怪の仕業にして丸く収めるのが又市なのである。
    神も仏も信じやしない又市が、何故妖怪を引っ張り出すのかというと、とにかく人

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    2020年12月04日
  • 姑獲鳥の夏(1)

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    ネタバレ

    京極夏彦の京極堂シリーズコミカライズでは、これを一番何回も読み返している。姑獲鳥の夏。小説が素晴らしいけれど、それに負けない漫画に仕上げているのが本当にすごい。こんなに描けたら楽しいだろうな、いいな、うらやましいな。

    原作もだけど、関口くんの病み具合が他より「あれ」でやばい。心配になるよ。榎木津が尋常じゃなくかっこいいのですが、特に姑獲鳥の夏は、破廉恥野郎に怒るシーンがあって、そこが好き。

    最後のネタ晴らしは小説も鳥肌やばやばだったけれど、漫画もやばかった。「だから」「だから石でうち殺すのですよ」の、久遠寺の母の描写が本当に怖い。

    何回読んでも「因習を断ち切れなかった母親」にモヤモヤする

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    2020年11月22日
  • 魍魎の匣 1巻

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    こんなに完ぺきに、美しく、上手に、あんなに長い小説をコミカライズできるものなのかね。本当にすごい。全部好き。もう、小説が、絵になって、本当にすごい。鳥肌実イメージの久保とか「そうです、こいつです」って感じです。

    好きな場面
    京極堂のマジカルステップと、箱館で呪うとこ
    恋する箱男
    口外法度を速攻で口外する榎木津
    単身突撃する青木君あたりの猟奇的な表現

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    2020年11月22日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    ネタバレ

    クイズ正解者の名前が作中で使われているなんて面白い企画。冒頭から女子高生が河童と尻の話をしているのはちょっとウケる。第五福竜丸、原子力の平和利用の話などがあり、ある程度現実世界と地続きなのだと実感した。磯部が指鉄砲で撃つ真似をして増田がそれを受けて打たれたふりをし、それを敦子が冷めた目で見ている場面はくすっときた。

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    2020年11月03日